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エピソード1

6話 

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翔太は刀を構え、慎重に脚を運んだ、するとどこからなく、不気味な声がする、大量の巻物や本が散開してる机に男はいた
「もはや、興味対象自ら現れるとは、フッフッフ」
「お前が元凶か?(杖を持ってる事は魔術師のようだな)ここで何をしているのだ」
「知的好奇心の探究だよ、フム、いいね、その心に飼ってる、鬼か?悪魔?面白いフフフフ」
「チッ!意味が分からない事を、そういやお前には懸賞金がかかっているらしいな、お前の首を斬って賞金を貰うとするか」
「そうか、なら」
魔術師の指パッチンでエスタン兵、ヴァリスタン兵の兵装した盗賊に囲まれた、翔太は刀を構える、
(コイツら盗賊も魔術師に雇われ兵か、まあいい)
翔太が先に仕掛けた、次々と肉塊となる盗賊、魔術師が嬉しそうな目で翔太の戦闘を観る、その恐ろしい斬撃を目に戦意喪失する盗賊
(ほう、悪鬼の所業、容赦ない斬撃に惚れ惚れするな~)
感心する魔術師、盗賊を一掃して、刀に付いた血を拭き、刀を魔術師に向ける、
「素直に自首すれば命まで取らない」
「素晴らしい!実に素晴らしい!貴公の心に宿る悪鬼の精神、具現化するとどんな姿が現すか、今はその時じゃない」
「何を言ってる」
「貴公が対峙する相手は盗賊だけだと、思うか?」
どこから、うめき声と重たい足音がした、すると、恐ろしい獣が現れた、4本の腕に四足歩行の四肢、腹は肋骨で裂けており、非常に醜悪な獣だった、
「心に悪鬼を宿す貴公に相応しい獣だろ?」
そう言い残し姿を消した
(俺はこの妖刀に精神を蝕われた、一心同体なんだよ)
恐ろしい獣が飛びかかってきた、顔に擦り傷を負う、これ程素早い攻撃に翔太は戸惑った、妖刀が震えてる、今にも恐ろしい獣を醜悪な肉塊にしてやる、そんな悪意と殺意が翔太の精神を蝕む、
「あ~戦士よ、その闇を見せてくれぇ」
 魔術師が微笑む、翔太の剣先が獣の目を抉る、獣の悶絶する悲鳴が洞窟内を轟く、その隙に獣の首を力強く斬る、獣は首から盛大に血飛沫を吹き出し倒れた、翔太は剣先を魔術師を向ける、
「おい!俺と殺り合うか、素直に縄につくか好きな方を選ばせてやる」
 魔術師が微笑む
「フフフ ハハハ 既に私はここにいない、お前が見ている私は幻 幻術だ、機が熟した時、会うのを楽しみにしている」
 魔術師の幻術が消えた、翔太は子供達を解放していると、後ろから人の気配を感じた、翔太は素早く剣を構えた
 そこには、顔見知りの人がいた、
「お前は村上達也か!何故お前がいる!」
翔太は驚きを隠せなかった
「話は後だ、子供達を優先にしろ」
 達也は翔太を手伝い全ての子供達を解放した
「噂になっていたよ、俺と似たような名前が成果あげてるって」
 達也が嬉しそうに言った。
「お前もあの時、あの光によってこの世界に飛ばされたのか」
翔太が嬉しそうに言った
「嬉しそうに言うな、フン 一人ぼっちで寂しかったか?」
達也がそう返す
「あの戦争の時、俺達は変な光に呑み込まれた、たまたまこの世界に飛ばされた、もしかしたら、俺達以外にこの世界に来た日本人がいるのかもしれない」
翔太がそう思う
「達也、俺と来いよ」
翔太が誘う
「悪いな翔太、俺はヴァリスタンの兵士だ、今更抜けること出来ない、王に恩がある」
翔太の顔、唇が歪んだ、少し残念そうだ
「翔太、知ってるだろ、エスタンとヴァリスタンは犬猿の仲だ、俺とお前がこう会話してるだけでスパイだと思われておかしくない」
達也がそういう、翔太は質問を投げかけた
「お前はこの世界をどう思うんだ?」
達也は翔太の唐突の質問に驚いた
「何を言うかと思えば、唐突だな、面白いよ、魔法とか魔術とか聞いたことのない知識、見たことのない生き物、最初は怖くて、言語が解らなくてオドオドしてたけど、生きていくうち面白くなってきたよ、お前もそうだろう?」
達也は同意をもめるように言い返した
「確かにな、だが俺は元の世界に還りたい、日本とアメリカの戦争で日本が勝っているのか負けているのか?父と母をそう思うと居ても立っても居られない」
翔太は憂う思いで言った
「・・・」
達也が黙り込む
「俺に両親はいない・・・」
達也は小さい声で呟いた、翔太はその声を聞く事は出来なかった、どこか悲しげな雰囲気を感じ取った
「そろそろ、俺はヴァリスタンに戻る、この洞窟の悪党を偵察する任務やし、翔太、俺はお前に会えて嬉しい、じゃあな」
「後、一つエスタン兵にここの問題は片付いたと伝えておくよ、お前は子供達とここで待っておけ」
達也はそういうと、去っていった、
「ありがとう、お兄ちゃん!」
翔太は無表情だが、内心満更でもない、
子供達と保護し、明るい会話をしながら待っていると、エスタン兵が来た
子供達はエスタン協会で保護された、翔太はエスタン王に勲章を貰い、親御さんから賞賛感謝され、自分のアパートに帰り、愛刀を研磨した
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