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一章

6話 復活の悪魔

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とあるクエストの任務、上原、田辺、キハラ、リーナと四人組のチームでオーク軍団をの殲滅クエストを受注してい実行していた
「上原の奴!一体!どこに消えやがった!」
「もう!アイツのせいでオークに殺されたら...」
「一生恨む!死んでもな!」
オークの数は百を超える、三人はジリジリと追い詰められる、すると前方から物凄い音がした
「何!?」
「なんなの!?」
「お前ら!こっちにこい!」
「上原!てんめぇ!今までどこにもいやがんだ!」
「話は後だ!この後物凄い濁流が来るぞ!」
「何!?うわぁ!ホンマじゃん!」
オークが一斉にそっちの方に視線が向いた、上原はロープを投げ出し三人を巨大大樹の方に避難させる、多くのオークは濁流に流されて暗い崖の底へ落ちて行った
「うわぁ!凄い光景だな」
「よいしょっと!」
「上原、お前いきなりキャンプから消えたと思ったらこれをするために消えたのか」
「ばぁか!こんな大量のオークをまともに戦えるかって」
「しかし、どうやって濁流があることを知ったんだ?」
「あの岩山の近くに湖があるだろ?ここに流れるようあらかじめそこを掘ったんだよ」
「まあ」
「お前こう言う時に知恵を回るよな」
「正々堂々とあんな数のオークを相手する奴ってバカとキハラだけだっつーの」
「卑怯者のお前にバカ呼ばわりはされたくねーな」

ある三人の冒険者が深い穴を探検していた、上から物凄い音がする
「なんだ!?」
「おい!あれ!」
「なんなんだ!あれは!」
「濁流に大量のオーク!?」
「おい!ここに隠れろ!」
「うわぁぁぁぁ!!!」
「うっひゃぁぁぁ!!!凄い光景」
「しかしなんでこんなにもオークがいるんだ?」
「まあ気にしてもしょうがない、早く宝を見つけていただこう」
「おっけー」
三人組は最奥部に向かうと禍々しく光る宝玉らしきを見つけた、それはさっきの濁流によってヒビが割れていて今でも割れそうだ
「おい!これ!さっきの濁流で宝玉が割れているじゃないか!」
「ふざけんな!」
「誰だよ!濁流流した馬鹿者は!」
「落ち着け!大丈夫だ、修理して疎いコレクターに高く売れば問題ない」
「さっすが兄貴!頭がキレるー」
慎重に光る鉱石を持ち運んでいると、いきなりオークが立ち上がって三人組の前に現れる
「あぁ!?」
驚いて声を上げて光る宝玉が地面に落ちてしまった
「しまった!?」
「おい!何やってるんですか!?」
「しょうがないだろうが!」
オークが槍を持って襲い掛かろうとした瞬間、禍々しいオーラが光る宝玉から解き放たれる
「一体!?なんなんだ!?」
「化け物が現れたぞ!」
「見れば分かる」
「いいから逃げるぞ!俺の直感がそう告げる!」
三人は暗い穴に身を潜めて化け物から逃げる、その化け物はこのここに流れ着いたオーク達を食い散らかす、オークの断末魔が三人の耳に入り、防ぎたくなるような音がする、特にオークの引き裂かれる肉と砕ける骨の音は耐えがたいものだ、化け物は喋り始めた
「一体誰が私を蘇られせた...まあいい何処かの愚か者が蘇られせたんだろ、ふはぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

ギルドにて
「おいーっす!」
「あら!キハラさん、こんにちは」
「こんにちは」
「受付嬢、報酬の受け取りについてだが」
「さっき上原さんが全部持っていきました」
「はぁ?」
「キハラとリーナと田辺は忙しいから来れないってだから俺が報酬を渡して置くよって受け取って何処か行きました」
「あのやろう!今日こそは絶対に許さねぇ!」
「ひっひっひ!!!この報酬は全部のもんだ、そもそも、俺が立てた作戦でオークを全滅に追い込んだんだ、俺が全部貰うのは当然だろ」
「見つけたぞ!クソ上原ぁ!」
「健ちゃん!!!」
「うげっ!アイツら!」
キハラとリートと田辺が鬼の形相で追いかける
「今日と言う今日は許さんぞ!」
キハラのドロップキックが上原の顔面に直撃した、そして上原は大きく吹き飛んで持っていた金を手放しキハラとリーナと田辺に均等に分けられた
「バカか、俺から逃げられると思うなよ」
「ったく健ちゃんたら」
上原は残りの金を持って飲食店に行った
「いってぇな、キハラの奴、容赦なく顔に蹴る事ないだろう」
朝食を食いながらグチグチ言いながら雑誌を読む上原
「ったく!あの数のオーガを倒せるのは俺の作戦があったからだろ、こう言う時の平等性はムカつくね」
そして隣の席である噂話しをしているパーティがいた
「なんかさぁ、洞穴からヤベェ化け物が現れたって話だぜ?」
「なんや、その話、めっちゃ興味ある」
「それはな」

深い洞穴、上原の作戦で大量のオークを濁流で流し込んだ最奥部では、ある魔物を封印していた宝玉があった、解き放たれた魔物は流されたオークを食べて体力を回復して、ゴブリンやスライムといった弱い魔物を洗脳して洞窟から出て行った
「行ったか?」
「なんなんだ?あれは」
「あ!?」
「どうした!?」
「なんか、ある昔話を思い出した」
「なんや!言ってみ」
「あるお伽話で伝説の四人組が死闘の果てにここに封印したという話を幼い頃聞いたんだ」
「それで?」
「まさか?」
「そうだよ、知らずに俺達は魔物を解放してしまったんだ」
「それじゃぁ!」
「物語の内容を思い出すと、各国の政府に認められた伝説の勇者、戦士、賢者、武道家が緊急で集まって」
「だから、どんなことをやらかしたんだよ!」
「物語では多くの国家がこの魔物の一匹のせいで機能が停止するぐらい強かった覚えがある」
「まるで戦った覚えがあるような言いようだな」
「いやぁうろ覚えだけど」
「あのーもし俺達が原因で世界が壊れたら」
「ああそうだよ、だからヤバい、もしかしたら晒し首に遭うか生き地獄の拷問に遭うよ、俺達」
「そんな...」
「そして歴史の名に悪名として載る訳か、お父さんお母さんごめんなさい」
「いや?まてよ?そうだ!濁流だ!」
リーダーがあることを思い出す
「濁流を流した奴があの魔物を封印を解いたんだ、そいつのせいにすれば」
「なるほど、そいつに罪をなすりつければ」
「そうとなれば早速動くぞ」
「確か、物語で登場した魔物の名前は、バーオニクス」

バーオニクスはゴブリンやスライム、そしてサイクロプスといった魔物を洗脳して周辺の集落の村人達を虐殺しまくってる、阿鼻叫喚の中、次々と命を落としてく村人達、国の巡回兵に助けを乞うが一般兵士では太刀打ち出来ず、村人達を見捨てて行くものもいた、禍々しく鋭利な爪で引き裂き、邪悪なブレスで建物を破壊する
「ふっふっふっふ!久しぶりに暴れるの楽しいな!」
暴れて疲れた魔物はゴブリンを掴んで食べた、バーオニクスは魔物を食べる時に骨が砕ける音が最高に好きなんだ、バーオニクスの襲撃でギルドは早急に緊急クエストを貼り、王国からの特別指令が出された、既に襲撃された村には軍隊や冒険者が集っていた、だがそこには名誉欲や出世欲にかられたばかりの人達だった
「久しぶり手柄を上げるチャンスだぁ!」
「誰も手を出すんじゃねぇ!」
「うぉぉぉぉ!!!」
槍使いの戦士が先行して突っ込む、素早い月がバーオニクスに襲い掛かる
「ちっ!なかなか素早いな!こうでなくっちゃな!」
そして魔法使いが背後から火炎弾を撃って射撃援護をする
「焼き尽くしてやるぜ!」
バーオニクスは邪悪な笑みで軽く槍や火炎弾を避ける、そして反撃に指先から禍々しいビームを連射して周囲の兵士や冒険者を圧倒する
「久しぶりにいい魔物が現れたじゃないか!」
「何喜んでるんですか!?死人が出ているんですよ!」
「そこをどけぇ!槍使い!」
巨大な金槌を振り回して叩きつけようと上空から振り下ろす巨漢が繰り出そうとしている、だが奴は左手の片手で軽く受け止める
「何!?」
そのまま投げ飛ばし指先から禍々しいビームを撃つ
「む...無念」
「こいつ...なんて怪力なんだ」
勇者タイプの冒険者が剣と盾を構えた
「貴様...私を封印した戦士に似てるな」
「なんの話だ」
勇者は魔法で剣に炎属性の力を付与した
「これで切り裂く!」
盾を構えづつ前に出る勇者はバーオニクスと凄まじい斬り合いになる
「お前!あの時の俺を封印した奴に似てるな、その太刀筋も、立ち回り方も、あの戦士の子孫か!」
「だから!何の話だ!」
「カイト...頑張れ」
「あれは勇者カイト!?そうか!来てくれたか!」
「勇者カイト?」
「知らないのか?アイランス王国の勇者だよ、正義感が強くて勤勉家で弱者や障害者に優しく人格なお方だよ」
アイランスの兵士たちが彼の姿を見て安堵する
「街を壊し人の命を奪う奴は誰であろうと許さない!」
カイトの大振りがバーオニクスの胸元を切り裂く
「ふう!やるね!これはどうだ?」
反撃にカイトの胸元向かって鋭利な爪が切り裂くが盾で防いでガードした、そのまま剣で突こうと奴の顔に向かって放ち貫こうとしたが皮一枚で避けられた、バーオニクスはカイトの左腕を掴み投げ飛ばす、空中に飛ばされたカイト向かって指先からビームを放つ、そのビームは盾を貫通して空にある雲を切り裂く
「なんと言う威力...」
素早く盾を捨てて、鋭利な爪で切り裂こうとするバーオニクスの切り裂く攻撃を剣で弾き、その隙に素早い斬撃を胸元に入れる
「近接戦は得意ようだな」
「毎日組み手や素振りをやっているんだ、世界を救い、人々を救い導く、それが俺の使命!」
「かぁぁぁぁ!きしょくわりぇぇ台詞、マジで臭い台詞吐く奴は喉仏斬りたくなるねぇ!」
そして勇者カイトとバーオニクスの戦いが続く

キハラとリーナは例の魔物を倒すために救助に向かおうと受付嬢と話していた
「何故?救助出来ない?とてもヤベェ魔物なんだろ?」
「アイランス王国の勇者カイトが緊急で襲撃された村に向かっています、貴方達の手出しは無用だとことだです」
「勇者カイト!?アイツが出るって事はそれほどヤバい強敵なのか」
「はい、報告によりますと、幾つかの集落や国家が滅ぼされたと報告が」
キハラは少し残念がる、強い正義感を持ちながら何もできない事に怒りを覚える事にストレスをためる
「こういう時に何も出来ないが悔しい、一番嫌い感覚だ」
ギルドの内のテーブルでジュースを飲みながらリーナと雑談をしていると三人組の探検家らしき者がギルドにやって来た
「受付嬢さん!俺!あの魔物の封印を解いた黒幕知ってますよ!」
「なんですって!?」
キハラの視線が三人の方に向いた、受付嬢も驚きを隠せなかった
「すいません、その話、応接間で話しませんか?」
「はい」
キハラは凄く気になる、ギルドの関係者以外は立ち入り禁止場所に堂々と入って盗み聞きをする
「俺は見たんだ、物凄い濁流に大量のオークが流されてあの魔物が封印されている場所に落ちたんだと」
キハラはドキッとした、物凄い濁流に大量のオークを暗い穴に流したのは間違いなく上原、そして受注したのは俺...キハラは速やかに動いて上原を探した

その時、上原はギャンブルで遊んでいた
「当たれ!当たれ!当てれぇぇぇぇぇ!!!」
「57番!」
「あぁぁぁぁぁ!!!!!」
「やかましい!!!」
「なんだと!?こっちは生活かかってんだぞ!」
「だったらこんな所くんじゃなねぇ!」
上原は追い出されて出禁になった
「二度と来るかぁ!ばぁか!」
上原がそこにある石ころを蹴飛ばすとキハラの顔に顔に当たった
「お!キハラ!ちょうど良かった、なあなあ、今月のお金貸してくんない?」
「その前に話がある」
「なんだ?そんな真剣な顔して、いつもより気持ちわりーな」
キハラは上原を人のいない場所に連れてって真面目にある事を言った
「お前、例の魔物の噂を知ってるか?」
「ああ、噂程度にな、でなに?俺と一緒に倒そうってか?」
「いや、そうじゃなくて、覚えているか?オークを討伐したクエスト」
「あれか、あれがどうしたんだよ」
「いいか?よく聞け、例の魔物はお前が封印を解いたんだよ」
「ウヒャヒャヒャ!なんだそれは!お前!そんな真剣な顔してそんなギャグを言うのか!」
「笑い話じゃねぇ!」
「はいはい、お前のギャグは充分面白かったからバイバイ!」
「お前が流した濁流が原因で深い穴に封印されていた魔物が復活したという真実でもか?」
「はぁ?何言ってんの?」
「よく聞け、濁流を流した奴が魔物を復活させた張本人だとギルドや国家が総動員して探し出すだろう、捕まえた犯人は世界を壊した極悪人として歴史に名を残す事になる、俺のダチがこんな無様な晒しに遭うのはゴメンだな」
「だいたいさぁ、証拠がないだろ」
「ああ、だが疑いの目は確実にお前に向くだろう」
「オークのクエストを受けた俺、濁流を起こしたお前、最悪の場合、俺たち二人が極悪人の犯罪者になる、俺は絶対にイヤだからな」
「じゃあどうるのさ」
「あの洞窟の行くんだ、そして本当の証拠と真実をな」

村では勇者カイトとバーオニクスの激しい戦闘が繰り出される
「なかなかやるじゃないか、最初のウォーミングアップで本気の姿を披露したくないが、光栄に思うがいい」
バーオニクスは禍々しいオーラを放ちながら全身の筋肉が隆起する
「この姿を披露するのは何百年ぶりかな?」
「関係ない誰であろうが平和を脅かす者は許しはしない」
カイトは手のひらから火炎玉を連続で放つ
「なかなか高い精度のいい火炎弾じゃないか、剣術だけではないようだな」
「動きが速くなったな、だがそれだけだ」
バーオニクスは鋭利な切り裂こう接近するが素早い斬撃で受ける、そこから斬撃の嵐で斬り合う、近づけば微塵切り合いそうだ、周囲の冒険者や兵士はただ見惚れて入りだけだった
「すげぇ!これが勇者カイトの剣術!」
「俺たち凡人では到達できない領域だ」
「あの魔物、過去に幾つの王国を滅ぼした伝説の魔物じゃん!」
「伝説の悪魔...バーオニクス、本当に実在したんだ」
カイトの凄まじい蓮撃が嵐がバーオニクスと斬り合うが鋭利な爪によって防がれてしまう、そして指から禍々しい魔弾を放ちカイトの耳元に擦り傷を負わせる
「もう飽きたな、はぁ!」
カイトは斬撃を繰り出そうとした瞬間、バーオニクスは気合いだけでカイトを吹き飛ばした
「何!?」
「楽しかったよ、忌々しい勇者の血筋の者よ」
カイトの反応出来ない鋭利な爪による斬撃が胸元を切り裂く
「え!?」
そして、バーオニクスは高速の蹴り技でカイトを吹き飛ばし教会の瓦礫の壁に叩きつけた
「ぐは!」
カイトは吐血して剣を突き刺し立ち上がる
「カイト!」
兵士たちが怯えた足をでカイトの前に立ち守ろうとする
「やめろ!命を捨てる気か!?」
「私は一度、あなたに命を救われた、あなたは覚えていないかも知れませんけど、あの時見たあなたの勇姿のは私の脳裏に焼け尽きた、今度は私があなたを守る番です!」
そう言う兵士は剣の構えが隙だらけだった、猛者から見れば初心者なのは明らかだった、そう思うとカイトは言った
「自分の命を捨ててまで俺を助けるんじゃない!やめるんだ!」
カイトは思った、今の実力ではバーオニクスに構わない、ここはまず戦略的撤退をして立て直すしかないと思った、だが、逃げるには誰かを犠牲にするしかない、苦渋の判断が故に新米兵士である彼を犠牲にして逃げる事にした
「つまらんな、そのまま死ね!」
新米兵士はそのまま胴体を切り裂かれて死んだ、その隙に閃光弾を投げて逃げた
「なんだ!?この光!」
その時、カイトは姿を消していた
「恥知らずが!仲間を置いて逃げるのか!」

遠い道中でカイトは血塗れになりながら逃してくれた仲間や犠牲になった者達に感謝した
(すまない...すまないすまないすまない!)
何度も何度も心の中謝罪する、初めてだった、勇者が仲間や同士を犠牲にして自分だけ助かろうとした自分が情けなかった、罪悪感が一杯の中、道中に倒れた
襲撃された集落は誰一人生き残りはいなかった、死体には蠅とか虫が集まり、地面が血の海になっている

上原とキハラは大量のオークが流された大穴に向かう
「よくもまぁこんなに繁殖したもんだ」
「俺が立てた作戦がなければオークvs人類になってたかもしれんな」
「どんな映画だよ」
(映画?この世界に映画かあるのか?やっぱ、キハラって俺と同じでこの世界にやって来た日本人だよな)
「おい、さっきから何ジロジロ見ている」
「お前、ルーズライト・キハラと名乗っているが、俺と同じ、日本から訳あってこの異世界にやって来た日本人だろ」
キハラの胴体が動揺した
「いづれ気づくと思ったよ」
「当たり前だ、このファンタジーの世界に映画などねーから」
「そうだったな」
「キハラ、お前の名前を教えてくれ」
「イヤだ」
「イヤだ?ははぁんさてはドキュンネームだな」
「絶対に教えない、特にお前だけは絶対に教えない、命に変えても教えない」
「かてぇこと言わずに言えって」
「しつこいな、おい」
お互い喋りあっていると最深部まで辿り着いた
「ここで行き止まりか」
「おい、この台座」
「ああ、間違いない、ここの例の魔物が封印されていたんだ」
「おい、あれ!」
「なんだ?」
上原が何かを見つけた
「宝玉?」
「これに魔物が封印されていたのか」
「ん?よく見ろ、なんか指紋らしきものがないか」
「ホンマだ!?そうだ!?触るな上原!」
キハラはマジカルトーカを取り出し魔法で記録した
「なんだよ?そのスマホみたいな奴」
「知らないのか?マジカルトーカと言って俺たちのいた世界ではスマホみたいなもんだ、魔法で遠くにいる人と会話が出来る」
「それはどこで買える?」
「普通に雑貨屋で買えるが高いぞ」
「よし!あの魔物を倒して英雄になってやるか!」
「話は戻すが、個人的の推測ではこの穴にやって来た探検家がやらかしたと思う」
「マジカルトーカ、マジカルトーカ」
「おい!話を聞け!」
「分かってる、ここにやって来たバカどもが、金目当てか世界をめちゃくちゃにしてやろうとここに来て、偶然、俺が流した濁流を利用して俺に罪をなすりつけようとした、そんな所か」
「お前、こう言う時だけは鋭いよな」
「許せんな!俺に罪をなすりつけようだなんて、復活した魔物より、そっちを倒そうか」
「どっちにしても俺達は本当の張本人を見つけ出さないと晒し首に遭う」
「待ってろ、タコども、突き止めてその首を逆に晒してやるかな」
キハラはマジカルトーカで記事を読んでいた
「上原、ある魔物が最後に襲った集落に向かうぞ」
「しゃーねぇ、いないと思うがどんな面か見てやるとするか」
二人は大穴から出てバーオニクスが最後に襲った集落に向かった、道中歩いていると誰かが倒れている人がいた
「上原!」
「こんな所で野宿か?大胆な奴だな」
「そんな訳あるか!どう見ても怪我人だろ!」
二人は直ぐにそばに駆け寄り倒れているマントを羽織ってる人に声をかけた
「大丈夫か?」
「もしもーし?」
キハラは安否を確認するために身体を起こし仰向けにして見ると物凄い出血している、二人は驚いて声を上げた
「こいつ!とんでもない出血量だ!」
「復活した魔物にやられたって事か!?」
「違いない、直ぐにナラリアエリアに行くぞ!」
キハラがおんぶして迫り来る魔物は上原が退けた
(はぇな!キハラの奴、こう言う時に力を発揮するタイプか)
ナラリアの病院に着いた二人は直ぐに緊急治療が行われてカイトの安否を待った、上原がなんかモヤモヤしている
(なんかガラじゃないよな...俺こういうの)
数時間経つと医師が出て来て容体を聞いた所別に問題がないようだ、裂傷が酷いだけで適切な治療をすれば問題ない
「驚いたな...君たちが運んだこの方は、勇者カイト、アイランス王国の勇者だよ」
「こいつか!?あの勇者カイトか!?」
キハラはゾッとした、この勇者をここまで負いやるぐらい復活した魔物は強かったんだと、そして医師は語りだした
「復活した魔物の名前はバーオニクスという」
「バーオニクス、どこか聞いたことがあるような」
「ああ、昔、各国の国を滅ぼした伝説の悪魔だよ、そして伝説の四人がなんとか死闘の故に封印した魔物だ、それは何処か穴深くに封印されたと、絵本で読んだが、どこの穴に封印されたか知らない」
勇者カイトは目を覚まし、ここは何処かを聞いた
「ああ、目が覚めたね?ここは病院だよ、この二人が運んできてくれたんだ」
「そうか、いつか例をさせてくれ」
「おいおいおい!安静にしろよ」
「そうもいかない...こうしてる時もバーオニクスは無実な人々を殺し回ってる、速く仲間を作って...ごふっ!」
カイトは再び立ちあがろうとする、だが医者や周りの人たちに止められた、上原とキハラはもう安心して病室から出ようとすると、受付嬢にあった
「上原さん!キハラさん!」
「おいおい!ここは病院だぞ!静かにしろって」
「ごめんなさい、ちょっとあなた達に重要な知らせがあって来たの」
「ああ」
「察するよ」
「あの魔物を復活させた人物はオークのクエストを受けた四人、つまりあなた二人とリーナさんと田辺さんはもう捕まっています」
「何!?」
「どこだ?」
「二人はアイランス王国に捕まっています」
「分かった、所でこの画像を見てほしい」
「これは?」
「例の魔物が封印した宝玉だ、目を凝らして見てみろ、指紋があるだろ?」
「確かに誰かが触った痕跡がありますね」
「俺はあの三人の探検家が怪しいと思う」
「偶然、俺が流した濁流を理由にして罪をなすりつけようとしたって訳よ、許せねぇよな」
「取り敢えず、あなた達はアイランス王国に向かいなさい」
「イヤだ!」
「何故だ!?上原!田辺も捕まっているんだぞ!」
「キハラ、お前がアイランス王国に行けって、俺は俺に罪をなすりつけようとした怪しい三人組の探検家を探しに行くんで」
「そうか、なら二人は俺に任せてくれ」
「俺は許せねぇんだ、同じ卑怯でも許せない卑怯なんだよね、マジではらわた煮えくりかえるぜ」
上原から伝わる殺気と威圧、それはキハラですらビビる程だった、そして上原は受付嬢からあるものを貰った
「これは!?マジカルトーカー!」
「おいおいおい!マジかよ!?上原の奴ふざけんな」
「いやぁ!善業すればいいことあるってもんだな!キハラ」
上原がキハラの背中をバンバンと叩く
「まあいい、登録すればお互い連絡出来るから、ここを押せば通話できる、試しに連絡してみよう」
上原にとってそれは聞いたこともない独特の着信音だった
「聞こえる?」
「バカ」
「聞こえるみたいだな、取り敢えず、探検家の三人は譲ってやる、捉え次第連絡してくれ」
「オーケー」
そして二人は別れて上原は三人組の探検家探しに、キハラはアイランス王国向かった
「なあ、受付嬢、あの三人の探検家はどんな特徴だ?どんな奴だ?普段は何をしている?」
「もしかしたらもう着替えて姿を消しているかも知れませんよ」
「そうか、なら」
上原が作戦を考えた

とある国家では、バーオニクスの襲撃によって壊滅の危機になっている、次々と兵士たちは惨殺され、多くの民衆も殺された
「勇者カイトですら敵わない敵をどうやって倒せばいいんだよ」
「くう、こんな未来があるなら最初から兵士になるんじゃなかった、ちょっと給料がいいぐらいでこんな事になるとは」
「どうした?地球を蝕む有害性知的生命体、臆して逃げるのか?」
そしてこの国では貴族や王、上級国民と言われる富裕層は既に非難をしていた
「クソガァ!!!富裕層のクズどもが!何が『我々は地位や人種も関係なく家族です、どんな困難も乗り越えましょう!』だよ!」
「古今全て、権力者というのはそう言うもんなんだよ!」
部隊を率いる隊長が撤退命令を出して仲間や部下を非難させようとした
「ここは全て俺が率いる!お前達若い戦士がこんな所で死んでは行けない!」
「そんなこと出来ません!それでは権力者と同じじゃないですか!」
「それは違う!俺たちは勇気ある戦士、金だけ持って逃げる富裕層とは訳が違う」
隊長は漢気を見せてバーオニクスに立ち向かい、部下や仲間を撤退させるために犠牲になるつもりだ、多くの兵士達が涙を流しながら国から出て行った
「隊長...あなたがこのこの国を統治していれば、ぐずん」
隊長は剣で協力な袈裟斬りでバーオニクスに振るうが小指一本で止められてしまう
「なんだと!?」
隊長はそのまま鋭利な爪によって胴体を引き裂かれて死んだ
「これで...幾つか滅ぼしたっけ?まあいい、有害性知的生命体であ人間を滅ぼすのが我が使命」

そしてアイランス王国では既にリーナと田辺が捕まっていた、多くの群衆の中で今にも公開処刑が行われるような感じであった
「リーナ!優佳!」
キハラが大きな声で叫ぶ
「キハラさん!?」
キハラが駆け寄ろうした瞬間、国王を護衛する者達によって防がれた
「君達四人が世界を破滅に追い込んだ極悪人かね」
「違う!」
キハラが言った瞬間
「シラを切るつもりか?ならこれはどうだ?このオーク討伐のクエストを受注し、多くのオークと一緒に濁流で悪魔の大穴に流し込んだ」
「ああそうだ!だがな!オーク討伐クエストを受けたのは俺だが、濁流を流したのは俺じゃない」
「なら、その犯人は何処にいる?まさか仲間を逃すためにノコノコ一人で来た訳じゃあるまいな?」
「ああ、逃した仲間が本当の犯人を捕まえてくれるからな」
「ほう」
すると背後から誰かの足跡がやってくる、そして殺気を感じたキハラは剣を抜き、何者かの斬撃を受け止めた
「お前は!?」
「まさか君が犯人だったとはね」
「勇者カイト!?」
「待てぇ!話を聞け!」
「問答無用!」
カイトとキハラの戦闘が始まった、カイトは純粋な殺意を持って斬りかかるがキハラはそんなつもりはない
「何故!?攻撃をしない?悪党の分際でなんでそんな甘いんだ!」
「落ち着け!俺のダチが真実を知らせてくれる!」
「何を戯言を」
(なんて強さだ!剣で捌くのに精一杯だ)
キハラは距離を取るとカイトは指先からファイルボールの魔法を唱えた、その火球はキハラの耳元を紙一重で通った、避けた先にはもう既にカイトの蹴り技がキハラの腹部に当てっていた、そして吹き飛ばされたキハラはあまりにも強烈な蹴りで嘔吐してしてしまった、一部始終を見ていたリーナが声をあげた
「キハラさん!」
「少し黙ろうか」
「や!やめろ!」
国王を守る護衛がリーナの喉元に切先を向けた、それを見ていたキハラは怒声をあげる、キハラはポケットからマジカルトーカーを落とし、カイトはそれを拾って国王に渡した

アイランス王国を遠い場所から望遠鏡で覗く三人の探検家が見ていた
「兄貴...幾ら俺たちが原因といえ、気が引けるよ」
「しょうがないだろうが!こんな形で歴史に名を残したくない!」
「アイツらは犠牲になったのだ」
「ほう、つまりお前らが犯人という訳か」
三人は同時に身体をビクッとさせた、探検家のリーダー格の肩を叩いたのは上原だった
「よう!本物の犯人」
「お前は!?」
探検家が逃げようとした瞬間、上原は股間を蹴り上げ一瞬にしてリーダー格を潰した、そして残りの二人も足払いで転ばして捕まえた
「さぁて、どう落とし前つけようかな~」
いろいろ考えているうちにマジカルトーカーが鳴った
「君が濁流を流した張本人だね?」
「なんだお前は?挨拶もなしに単刀直入に」
「失礼、私はアイランス王国の国王だ、キハラ、リーナ、田辺の三人は捉えた、どうする?」
「どうせ、俺も捕らえたら処刑になんだろう?いいぜ、面白いものを見せてやる」
「面白いものだと?」
「本物の犯人をな」
「命欲しさに戯言を言うのか」
「まあいい、待っていろ、ちょうどアホ三人捕まえたから今すぐそっちに行くわ、それまで捕らえた三人に何も手を出すんじゃねぇ、分かったか、タコ!」
「タコ!?」
そう言って上原はマジカルトーカーを切った
「よぉし!お前らは国王への献上品だ」
上原は探検家三人を連れて数時間かけてアイランス王国に向かった、謁見の間にいる国王に三人の探検家を差し出しダチ三人を解放するように懇願する、上原が今すぐマジカルトーカーで証拠の画像を見せようとした瞬間、あるマントを羽織った男が立ち塞がる
「なんだテメェは?ぶっ飛ばされたいのか?」
「上原!そいつはこの国の勇者と言われる男だ!めちゃくちゃ強いぞ!」
キハラがそう叫ぶ
「何!?勇者」
「無礼者が容易く王に近づくな」
カイトは上原に対して眼を飛ばす
「お前がキハラをやったのか(ちっ!この勇者、自分が特別な戦士だと思ってるのか?醸し出す雰囲気が気に食わんな)」
「そうだ、まさか君犯人だったとは驚きだよ」
そして探検家三人がカイトに擁護を加える
「そうだ!そいつら四人が犯人だ、コイツらは僕たちを犯人に仕立てあげようとした悪者だ!」
「クソガァ!言いたい放題言いやがって!こっちにはマジカルトーカーで証拠があるんだよ!」
キハラが慟哭の声を上げた
「まあいいや、おい!勇者カイト!こう言う提案はどうだ?俺とお前が勝負して、俺が勝ったら三人の探検家が犯人、お前が勝ったら四人が犯人という事にしてやる、どうだ」
「いいだろう!どっちみちこの三人も怪しいと思っていたんだ」
「あの必死な言い訳と弁明には何か裏があると思っていたんだ」
上原とカイトがゆっくりお互い歩みより殺気で空気が歪む、近づいた瞬間
「ロケットパンチ!」
上原の不意打ちはギリギリの所で避けられた
「ちっ!卑怯と聞いていたが、やはりか」
「卑怯でもあの三人組よりマシさ」
「どういう意味だ?アイツらはお前ら犯人だと言っていたぞ」
「お前を無力化して真実を告白するだけさ」
カイトはその言葉にカチンときた
「舐めるなよ!」
カイトは強烈な頭突きで上原に繰り出す、上原は敢えて額で受け止める、するとカイトは違和感を感じた
「貴様ぁ...額に何かを仕組んでいるな」
「肌色の額当てを見抜く事が出来なかったのか?それでも国を守る勇者ですか?」
「お前...俺を怒らせてそんな楽しいのか...」
「すんごくたのちぃ!こんな感じにホラホラ!見て見て!」
「調子に乗るなよ!三下がぁ!」
「ロケットパーンチ!」
カイトが怒声を言った瞬間、またしても不意打ちが飛んできた
「また外したぁぁぁぁぁ!!!(やべぇ!アームの弾数が無くなっちまった)」
上原も素早く剣を抜きカイトの袈裟斬りを受け止める、そのまま激しい斬り合いに発展した
「上原の奴、あんな剣術いつの間に身につけたんだ」
キハラが関心して戦闘を見ている
「卑怯者の癖にやるじゃん、それが癪に触るね」
「卑怯は俺にとって褒め言葉なんだよ」
そう言うと口から含み針を飛ばした、カイトは剣で素早く弾き
「そんな手口!」
「ばぁか、地面を見てみろ」
「これは!?」
いつかにか足元に炸裂弾が転がっていた、同時に煙幕弾も転がって来た、素早く近づいて蹴り技でカイトが持っている剣を手放しさせた
「貴様ぁ!それでも」
「それでも?なんだよ」
「うぐっ」
上原は人差し指と中指でカイトの鼻を鼻フックして黙らせる
「お前は勝てばそれでいいのか?」
「いいか?俺の好き言葉を教えてやる、勝てば官軍負ければ賊軍って言葉なんだよ!!!」
そのまま鼻フックしたままカイトを持ち上げて地面に叩き潰した
「めっちゃ鼻血と鼻糞がついてる」
上原は指に付いた汚れをカイトが羽織ってるマントで吹いた
「これ...勝って喜んでいい...のか?」
「相変わらずね、健ちゃん」
「上原さん」
三人は少しドン引きしている、カイトの勝利を望んでいた三人の探検家は絶望に顔になった
「おい!国王!喋っていいか?」
上原は鋭い眼圧で国王を睨む
「喋るがよい!」
上原はマジカルトーカーで魔力で作った巨大なホログラムをここにいるみんなに見せる
「この画像にある宝玉を見てくれ、細かく見てみろ、指紋があるだろ?」
「ふむ、確かに誰かが触った跡があるな」
「ふざけるな!お前達が触ったんだろ!」
リーダー格の探検家がヤジを入れる
「なら、このムービーでもどうだ?」
上原はホログラムムービーを流して一部を見せた

「これに魔物が封印されていたのか」
「ん?よく見ろ、なんか指紋らしきものがないか」
「ホンマだ!?そうだ!?触るな上原!」
キハラはマジカルトーカを取り出し魔法で記録した
「なんだよ?そのスマホみたいな奴」

「ま、ここまでだが、ご覧の通り、俺とキハラは落ちていた宝玉に触っていない、つまり、この探検家がうっかり地面に落として封印を解いてしまったんだ!」
「ああああああ!!!」
「そうか、ならこの探検家三人を今すぎ処刑にせよ!」
「待った!」
上原が国王の命令を止める
「なんだ!?」
「といっても濁流を流して割った可能性もあるし、コイツら言い分も分からなくもねぇ」
「どういう意味だ!?」
「おい!アホ三人、お前らも言いたい事があれば言えよ」
「ああ、俺達が最深部に辿り着いた時、既に宝玉にヒビが割れていたんだ、そのヒビから禍々しい光が漏れて発したいたんだよ」
リーダー格は言った、
「しょうがなかったんだ!罪の意識から俺は歩くないと、そう思うしかなかったんだ、罪悪感で胸が苦しかったんだ」
「怖くて怖くて」
そして連れがしゃがみ込んで頭を抱えて言った
「ああ俺も怖かったよ、この戦闘に負ければ俺もダチも死ぬ所だったんだから」
「国王、少し解いてもらえませんか?大丈夫です、逃げも隠れもしません」
キハラの懇願は国王に承諾されて護衛によって解放された、キハラは探検家三人に向かって言った
「確かに自分が犯人だと言えなくもないよな、だが罪を擦りつけようとする事も許せないが、ならこれは俺達が起こした問題だ、共に復活した悪魔を倒そうではないか、なあ!上原ぁ?」
「うっせぇ!カッコつけんなバカやろー!」
探検家三人はキハラの優しさに涙腺から雫が落ちた
「ぐふっ...そう言うこと...なら.俺も協力しない訳にはいかないな」
「勇者カイト!?お前、鼻がすげぇブサイクになっているぞ」
カイトがいつ間にか起きていた、キハラがハンカチを取り出してカイトに渡して鼻血を止めせさせた
「すまない、てっきり君たちが犯人かと」
「いや、こっちこそ、オークの依頼さえ受けなければ」
そして、キハラとカイトは仲直りの握手をした、次に上原が手を伸ばそうと握手を求めた瞬間、カイトは思い切り手を払った
「卑怯な手で俺を倒した者が俺に握手を求めるな」
「おいおいおい、命のやり取りに正々堂々もクソもないだろ」
「そうだとしても、あの戦いは気に食わんな」
そして国王がいきなり会話の中に割り込む
「取り敢えず、貴公全員があの悪魔を復活させたという事でよろしいのか?」
「まあそういう事だ、俺達が責任持って倒してやるよ」
「何!?軽々とカッコつけてんの?」
国王は呆れた顔で上原を見つける、そしてリーナ、田辺は解放してもらった、すると兵士達が必死な表情で国王に伝達しにやってきた
「国王様!ナラリアエリアでバーオニクスが暴れています!」
「なんだと!?」
「何!?」
「なんですって!?」
「なんですの!?」
その報告に凄く驚いたのが上原とキハラ、女二人だった
「ナラリアエリア...この国の近くではないか!」
「国王様!今すぐ避難する準備をよろしいかと」
「いいんじゃない!?卑怯者と俺と同じように逃げたら」
上原は敢えて国王を煽るように
「あーあ!いいよな!偉い人は!」
「おい、上原」
「普段は偉そうに講釈垂れたり税金貪ったり影でコソコソとアコギな事をやってそうな奴が有事な事になったら逃げる、いいな、俺もそんな立場になって見たいぜ!」
「ええい!?この無礼者を即刻捉えて投獄しろ!」
国王は激怒して捉えようと部下や野次馬共に命令を下したが上原は煙幕を何処か去っていってしまった
「あれ?あいつどこに行った?」
「まさか、あいつが一人で...いやそんな事はないか」
そして、キハラとリーナと田辺は急いでナラリアエリアに向かった

そしてナラリアエリアではバーオニクスと戦っているライアンブロッサム、そして事の事態を理解したコーラルドウォリアーズ、ドキドキうっかりチャレンジャー、キングダムガーディアンなど、格ギルドが連合になって戦っていた、三島は負傷した者や民間人を守るため戦っていた
「怯むな!戦え!」
「うおぉぉぉぉぉ!!!」
街は既に火の街になっていた、ゲルニックとギルドリーダー二人が手を組んで奮闘している、二人のギルドリーダーは賢者と忍者だった、ドキドキうっかりチャレンジャーは忍者のギルドリーダーでキングダムガーディアンは賢者が務めているギルドだ、賢者が雷属性の呪文を唱えてバーオニクスの上空に雷を落とす、奴は瞬間移動で避けて惑わす、忍者が素早い動きで撹乱して短刀で斬りかかる
「はい残念でした」
「なに!?」
そのまま反撃に蹴り技をもらうが、得意の体術でなんとか威力を抑える、そして建物の上空からゲルニックが大剣を振り下ろそうと飛びかかる
「俺の街を壊すんじゃねぇ!」
怒声を上げながらゲルニックの渾身の一撃がバーオニクスの頭部にかかる、だが奴は片手で受け止めた
「なんだ?この斬撃は?ふざけてんのか?」
「なんだと!?」
バーオニクスはゲルニックの顔に魔弾を撃ち込むが賢者がスペルガードという魔法で顔を守った、だが奴の放つ魔弾は威力が凄まじくかろうじて致命傷になるレベルで強かった、既に地面に倒れて負傷していたマイヤーは怒りのままに剣を投げ出しバーオニクスの背中に刺さる、マイヤーがニヤッとした瞬間、バーオニクスはマイヤーの方に振り返り、背中に刺さった剣をわざと突き刺し、胸を貫通させて剣を取り出して地面に投げしてた
「あぁ~!驚いちゃった!?」
マイヤーが大きな目を開けて無言で驚いている、そして奴はいきなり魔弾を撃ってマイヤーにトドメを刺そうとした時、三島がマイヤーの腰を持って救い素早く煙幕をばら撒いて去って行った、そして負傷した彼を倒壊した建物の中に隠す
「お前は...アイツの!?何故助けた?」
「命の危険が晒されてる人を見殺しにできないわ」
「そんな安い倫理観で俺を助けたというのか!」
マイヤーは何故か気に食わなかった、上原の身内に助けられる自分が情けないし、そんな理由で助ける三島の事も
「まあいい、俺は言わねーからな」
「いいわよ、私は私のやりたいようにするから」
すると、悪魔の様な者がバーオニクスに近づき躓く
「貴様は誰だ!?」
「私は貴方に憧れた下級魔物です、ウルと呼んでどうか召使でも奴隷でもなんなりと使いください」
「いいだろう!その心意気気に入った!ついて来い!」
そう言うと、バーオニクスは信者でになった魔物を引き連れて何処かに去って行った、数時間すると、キハラがナラリアエリアにやって来た
「こりゃぁすげぇな...」
「酷い...」
リーナが手で口を押さえて悲しむ、キハラが拳を握りしめて血が出るほどであった
「あれはコーラルドウォリアーズのリーダー、ゲルニック・スノーデン、ドキドキうっかりチャレンジャーのリーダー、リンドー・アルマーニ、キングダムガーディアンのリーダーエネル・リバンス」
「アイツらでも退ける事ができなかったというか」
「アンタは?勇者カイト!?」
「ちっ!お前にこんな姿を見られるとはな」
ゲルニックがカイトを睨みつける
「まさか、リンドーもエネルもいながら、他のメンバーどうした?」
「民衆を守る様にメンバーに言ってある」
エネルが言うと
「俺も以下同文だ」
リンドーもエネルも同意見だった
「ゲルニック、君も同じ」
「俺に話しかけんじゃね!」
いきなり怒声を上げた、そう言ってどこかに去ろうとした時
「君もやっぱ認められたくて、あの魔物に立ち向かったんだろ?」
ゲルニックも動きがピタリと止まった
「失礼だと思う、君の過去を詮索させてもらった、君がグレた原因も理解出来る」
「だからなんだ?今、同情した所で俺の荒んだ精神が治ると言いたいのか?」
「別に君のためじゃない、今は伝説の悪魔、バーオニクスの襲来により各国が混乱をしている、もし良ければ僕と一緒にあの悪魔を倒そうではないか」
「まあいいだろう」
ゲルニックは渋々と承諾してカイトの言う事にした、いきなりカイトが持っているとマジカルトーカーがなった、出るとある悲報が届いた
「そうか、わかった」
カイトの声に生気がない返事がした
「おい!どうした?カイト」
キハラが気になった聞いてみた、すると
「俺の仲間だった身内が死んだ...」
カイトの涙腺から小さな雫が落ちた、だが表情なくただ無表情のような、まるで魂が抜けたような顔だった、そしてカイトは後々になって怒りの表情が表れた
「泣いている場合じゃない、泣いている場合じゃないけど...こんなの...あんまりじゃにか」
「苦楽を共にした仲間が死ぬのは、いや、俺如きの慰めは不快だったかな?」
「いや、そんな事はない、気遣いをしてくれてありがとう
キハラ、リンドー、エネル、そして連れの人達はカイトを気遣って一人にさせた

とある廃城、そこは赤黒い暗雲があり、心霊スポットとして有名な場所だった
「ここに私の住処にしようかではないか」
「おぉ!さすが伝説の悪魔!センスも場所も伝説級!」
バーオニクスは崩れた廃城を魔法で立て直し一瞬にして建設した、そして建設祝いに魔物達はバーオニクスの復活祭として祝い始めた、するとある男が乱入してきた
「なんだ?せっかくの祝いを邪魔する、愚か者は?」
「よくも多くの人を傷つけ殺してきたな!この邪悪な悪魔め!」
ムーリクエリアでは地下シェルターがあり、多くの人が非難してきた、正義感が強いローブは独断でバーオニクスに挑むつもりだった
「アイツ!?ローブじゃねぇか!こんな所で何してんだ!?」
ウルが思う、ローブが凄まじい怒りと悲しみに満ちていた
「バーオニクス様、こんな輩は私が相手をしましょう」
「いいだろう、貴様の力も見せてもらおうか」
「邪魔だ!どけぇ!」
ローブは完全にバーオニクスしか興味がなかった、今にも飛び掛かろうとした時、既にウルが立ち塞がる!
「どけってつってんだろうが!」
ウルが思い切りローブの股間を蹴り上げる、そしてローブは一撃で地面に伏せてしまった
「こ...この.攻撃...どこか知っているような」
ローブは気絶した
「バーオニクス様、この人間を少し預かってもよろしいでしょうか?」
「ふん好きにするがいい」
承諾してもらったウルはローブを何処か連れ去った、そこは陰気漂う暗い洞穴だった
「ここには誰も来ない」
「う...」
ローブが目を覚ますと
「よう!ローブ!起きたか?タコ」
「お前は?!」
ローブが息を切らしながら立ち上がる
「てめぇ!なんのうつもりだ!上原みたいな声しやがって!」
「上原みたいな声しやがって」
ウルは頭部にあるマスクを脱ぐと、それは上原健二だった
「ばぁ!」
「はぁ?なんで上原が魔物になってるんだよ」
「これは着ぐるみだ」
ローブは何がなんだがわからない
「上原、お前は寝返ったのか」
「ばぁか、あの魔物に挑んでまともに勝てるわけないだろ」
「だからといってそんな格好して何がしたいんだ?」
「鈍いなローブちゃんは」
「まさか!?」
「そうまさかだ、取り敢えず、お前も魔物の着ぐるみを仲間になるフリをしろ」
「なんで、俺はそんなことしなきゃならんのだ」
ローブが不満そうに言う
「お前如きがバーオニクスに勝てるわけないだろ、いいからのこの着ぐるみに着替えろ!」
「うわぁ!やめろ!バカ!」
「だっはっはっはっは!!!なんだこの弱そうな魔物!物語の冒頭でやられる雑魚キャラみたいだな」
「うるせぇ!だいたいなんでこんなセンスのない着ぐるみなんだよ、お前の着てる方が強そうだし」
「あん?おめぇは俺より弱いからな!だっはっはっは!!!」
「ふざけやがって」
そして
上原は無理矢理ローブをバーオニクスの前に謁見させて紹介をした
「バーオニクス様、さっき捕まえた人間を魔物にする錬金術が成功して完成した化け物です」
(ば!?化け物?)
「ほう面白いやん、どんな芸当が出来るのか?」
バーオニクスが玉座から見下ろしながら問いかける
「はい、コイツはカスと言って、俺の言う事を完全に言う事を聞くモンスターで御座います」
(こ...こいつ)
「はい、お座り」
「...」
ローブは堪えてウルの指示に従った
「そんじゃぁ、ちんちん!」
ローブは思い切りウルの股間を触った
「わぁ!?どこ触ってんだタコ!」
「さっきの仕返しだゴラァ!」
「なかなか完成度が高い錬金術な、そのカスはウルの奴隷として許可しよう」
「ふざけんな!誰がこんなバカの奴隷なんだよ!」
「つべこべ言わずに俺の言う通りに従えタコ!オラオラ!」
ウルはカスを殴ってケツを蹴って言う事を聞かす
(クソがぁ!いつか覚えていろよ)

ナラリアエリア、ただ一人、涼しい風に当たりながら死んだ仲間との思い出に浸るカイト、そしてカイトは決心がついた時、ちょうどキハラ、リンドー、エネル、そしてゲルニックがいた
「決心がついたか?」
「ああ、いつまでも感傷に浸ってはいられない」
「そうか」
「そういえば、上原の奴、見ないな」
「あの卑怯者か?やめろ、俺はアイツが生理的に無理だ」
「酷い嫌いようだな、だがアイツはそこまで悪い奴じゃないぜ」
キハラが上原を庇う、そしてゲルニックも彼を少しだけ擁護する
「以前、アイツと戦ったが卑怯な手は使わなかった」
「ゲルニックまで!?」
「カイト、知らないだろうけど、あいつは卑怯な手を使わなくても十分つよい、ゲルニックと俺が言うんだだからな」
「ふん」
勇者カイトは三人の仲間を引き連れて冒険に出て行く事にした、勇者カイト、戦士キハラ、忍者リンドー、魔法使い兼賢者のエネル、攻撃面に置いてバランスが取れたチームだった、ゲルニックは大剣を背中に背負い何処か去っていった
「俺はメンバーの様子を見に行く、じゃあな」
そう言って、何処か去っていった
「このパーティだと回復面が辛いな、消費アイテムでかばカバーするしかない」
「世界を救うんだ、文句を言うわけにはいかないだろう」
カイトはそういって説得して、バーオニクスがどこに向かったか情報を集めた

魔王城ではバーオニクスの宴が終わろうとしていると時、ウルがある事をいい出した
「バーオニクス様!とある集落に魔力を封じる霊薬があるとの噂が!」
「ほう?」
「もし良ければ、俺とカスと一緒に襲撃させてください」
「へ!?」
「バーオニクス様の出現により、そう言った噂とか都市伝説が広まっています、もしかしたら噂が本当になってバーオニクス様の魔力が封印される可能性があるのかと」
「いいだろう、ウルとカスに、その集落を襲撃する任務を与える、いけぇ!」
「はっ!?よし!行くぞ!カス!」
「誰がカスだぁ!?」
ウルとカスのやり取りを訝しむ魔物がいた
(あの二匹、どうも人間臭いよんな)
そして後を追跡する事にした

二人はある集落に辿り着いた
「おい、ローブ、着ぐるみを脱いでここに置いてけよカス」
「カス言うなバカ!」
二人は魔物の着ぐるみを隠して集落に向かった
「腹減ったわ、なんか飯でも食いてーわ」
「おい、上原、ここに本当に魔力を封じる霊薬があるんか?」
「うん?まあ噂程度ね」
「おい!」
「それより飯だ、飯」
「おや?お客様が来日したようだ」
「ゆっくりしておいき」
老夫婦は上原とローブを暖かく歓迎してくれた、そして懐かしい手料理みたいな食べ物をご馳走してもらった
「いやぁ!うめぇな!」
「上原、少しは遠慮というものを覚えろよな」
「んな事を言われても美味いもんは美味い」
ガツガツくちゃくちゃと音を鳴らして食べ飲みまくる
「所で上原、本当にこの村に魔力を封じる霊薬があるのか?もしあったら何に使うんだよ」
「俺を誰だと思ってる?」
上原の目が鋭くなった
「そうだ、この霊薬をバーオニクスの食べる料理に少しずつ入れるんだよ」
「そう、相変わらず卑怯なだな」
「常識的に考えろ、誰もあの悪魔には敵わない、これ以上、正義感で無駄死にするような奴が増えてはいけない」
「上原...お前、どさくさに紛れて俺の料理食べるな!」
「あ?バレた、いいじゃん、お前」
「それは俺が最後に食べる予定だったんだぞ!」
「硬い事は言わずにくれよ」
「ふざけるな」
そして老夫婦が新たに料理を持ってきた
「賑やかでええのう」
「お二人さんはどんなご用でこの村へ?」
「ん?」
そして上原は答えた
「この村に魔力を封じる霊薬があると聞いてな、モグモグ」
「そうか君たちも手に入れようと」
「コイツ卑怯者だからあの復活した悪魔の力を奪おうとしてんのよ」
「俺は軍師だから、ローブとかキハラとか勇者カイトのように正々堂々戦うような事はしないんよな、なあ!カス!」
「調子のいい事を」
「霊薬で魔力を封じる薬は今はない」
「今は?」
「昔、天才魔術師の暴挙を止める為に錬金術で開発した霊薬なんだか」
「それを危険だと判断した魔術師は魔術界隈に噂を流して、大勢の魔法使いと賢者を引き連れて我々の集落を襲撃したんだ」
「だから、その霊薬はないんじゃ」
「そうか」
「だが、レシピはある」
二人は反応する
「大丈夫じゃ、この集落の近くで取れる素材で作れる」
「南にある、『ウラノティクス洞窟』の最奥部に溜まってる霊水と、東にある『ラルカルの森林』にある青い薬草と『大砂漠』に行って隕石の落ちたクレーター部分の所に星砂がある、その三つ素材を集めて錬金術で作ってあげよう」
「はぁだっるぅ!なあローブ、おめぇが取りに行ってくれよ」
「ふざけんな!お前が取りに行け!おめぇが言い始めた事だろうが!」
「しょうがねぇな!あの悪魔の傲慢な態度には不快極まりないから集めてやるか」
「そうか、どうかあの悪魔を倒せるなら私達、村の皆んなが貴方達をサポートします」
「マジで!?それじゃぁ!資金と食糧を遠慮なく」
「おめぇは遠慮というもの覚えろ!」
「まあ、そんなこった、世界のため平和の為、俺は遠慮なくこの村の世話になるぜ」
「おお!頼もしい」
「乞食野郎が一丁前にカッコつけてら!」
そして二人は部屋を借りて睡眠を取った
(コイツ!イビキがうるせぇ!、二度とパーティ組んで旅なんかしたくない)
太陽の日差しが上原の顔に当たる、それによって起きた、大きなあくびで顎が外れそうだ
「おい!起きろ!」
「なんだよ...うるせぇな」
「何!?」
「うぅ...くっさぁ!!!」
「おはよう、ローブ、よし!素材集めの為に準備するか」
「何すんだ!タコ!」
「おめぇが寝坊助だからだよ」
「お前のイビキがうるさすぎて眠れなかったんだ!」
「文句の多い奴だな」
「お前に言われたかねーな」
「で?最初はどこの素材を取りに行くんだ?」
「暑いの嫌いだから大砂漠の隕石落下地点にある星砂を撮りに行こうぜ」
「環境的にも辛そうだし、最初にそっち行くか」
二人は言い合いしながら大砂漠に行く準備をした

アイランス王国、勇者カイトは忍者リンドー、賢者エネル、そしてキハラの四人組を設定した
「んん!勇者カイトよ、北の砦の防衛拠点がゴブリンの群れに乗っ取られた、そいつらから拠点を取り返してくれ」
「北の拠点、あそこを取られたのはヤバいですね」
「ああそうだ、もしあそこで魔物どもが組織を統率して攻め込んで来たら近辺の集落が被害に遭う」
「そうだな、あそこは多くの商業人とか流通もある、今すぐ行こうか」
「そうしよう」
「勇者カイトよ、既に拠点奪取の為に部隊が中継地点の野営地で待機している、そこへ行くといい」
「分かりました」
そして四人は中継地点の野営地にいるアイランス王国兵の人と合流した
「勇者カイト!よく来てくださった!この方は?」
「頼もしい新たな仲間だよ」
「あのー前に組んでいた仲間は?」
兵士がいきなり聞いて来た
「ああ、あの悪魔によって殺されたよ」
「ごめんなさい、そんな事聞いて」
「いや、気にすんな、アイツの分まで戦わないとね」
そして隊長格の人が現れた
「勇者カイト、久しぶりだな」
「ああ、よろしく頼む」
「自己紹介していってよ」
「うむ、俺はアイランス王国の総隊長、アランだよろしく頼む」
「俺はルーズライト・キハラだよろしく頼む」
そして隊長と四人はキャンプで作戦を立てていると、何か茂みから変な音が聞こえた
「ちょった待った」
キハラは地面に落ちていた石ころ持って茂みに方に投げてみると、何か当たったような感覚した、そして何かの声をがした、するとゴブリンが茂みから現れてきた
「ゴブリン!?」
「こいつ!?白煙を持っているぞ!」
「そうか!?コイツ!最初から真夜中に襲撃をするつもりだったんだ」
「作戦を変えよう、二時間後に防衛拠点に襲撃をかける」
「ああ、休んでいる場合じゃない」
「アラン隊長、ここから防衛拠点の中に入れます」
「四人よ、まずは中から砦門の鍵を外してく、そして我々が一気に片付ける」
「オーケー」
そして勇者カイトは秘密の通路を通って防衛拠点の砦の中に入る、そこにはゴブリン達が武器や道具など調達している部屋に繋がった
「こんな者一体何に使うんだ?」
キハラが疑問に思った時
「危ない!」
エネルが魔弾でキハラを襲いかかるゴブリンの頭部に向けて放った
「助かったぜ」
「では」俺は隠密行動に移る」
リンドーは三人を残して単独行動にでた
「外に出るな!砦内は拘束されたサイクロプス三体、ゴブリンが百は超える」
「マジか!?」
「俺が一匹ずつ隠密で処分しよう」
リンドーは煙幕をばら撒いてゴブリン供から視界奪う
「ナンダナンダ!?」
「テキシュウダ!」
そして煙の中からゴブリン共の断末魔が聞こえる
「キハラ!エネル!今のうちに砦門のレバーを!」
カイトは身を挺して迫り来るゴブリン達から攻撃を退けた、カイトの素晴らしい剣術がゴブリン達を一掃する
「エネル!あれ!?」
「ああ、砦門レバーだ」
キハラはレバーを押して砦門を開けた、そしたらアイランス兵が雄叫びをあげて突然を開始する
「テキノゾウエンダ!」
「ヒルムナ!イケ!」
容赦なくゴブリン達を蹂躙するアイランス兵達
「ひゃっはぁ!」
「しねぇ!パワハラ上司!」
「職場のストレスをゴブリンどもにぶつけてやるぜぇ!」
兵士は普段のストレスをゴブリンどもにぶつけた
「オイ!デカブツヲヨウイシロ!」
「ハヤクシロ!」
ゴブリンはサイクロプスの拘束器具を壊して解放した
「カイト!リンドー!」
「よくやった!キハラ!エネル!」
「ああ、兵士達がゴブリン達を倒しまくってる、このまま行くぞ!」
すると大きな地響きがする
「なんだ!?」
サイクロプスがどこがで拾った混紡を振り回して砦内の壁を壊しまくってる
「ヤッチャエヤッチャエ!」
「イイゾイイゾ」
ゴブリンが騒いでいるとサイクロプスの振り回す棍棒でゴブリンが死んだ、それを陰から見ていたリンドーは思いつく、サイクロプスの身体を素早く駆け上がり、バックパックから変な薬を取り出して奴の頭部にふりかけた、するとサイクロプスはリンドーの思うがままに操られるように棍棒を振り回す、そしてゴブリン達を蹂躙する
「リンドー!どうやってサイクロプスを操ってる!」
「薬だ!」
「薬?!」
「あれを使ったか!」
「あれってなんだ?」
キハラが戦いながら聞いた
「ああ、説明すると、理性と知能を奪う薬だ」
「サイクロプスのような知能の低い種族に対して効果を発揮する!」
「へー上原が聞いたらえげつない事をやりそうだな」
「絶対にあいつに渡すなよ!」
「もう知ってるかもな」
「キハラ!お前はいい奴だから仲間にしたけど、どうしてあんな卑怯者と連む事ができるんだ?」
「確かにアイツは平気でダチを売るわ、金に汚いわ、おまけに喧嘩も俺よりつえぇ!でも臭くねぇんだよ!」
「ふん、それでも俺はアイツが嫌いだね」
「あんな負け方をしたからか?」
「まともな神経したら認めたくないだろ」
「それはそうだな」
言い合いしてるうちにゴブリン達は数を減らしている、残りの二匹のサイクロプスはアイランス兵が数の暴力と連携攻撃でなんとか倒した、そしてリンドーが操っているサイクロプスは力尽きて動けなくなった所、忍者刀で首を切って殺した
「ヤツヲカイホウシロ!」
「ハヤクシロ!」
カイトは剣を収めた瞬間、またもや地響きがした
「またか!」
「今度はなんだ!?」
「あれは!?」
「アークハイドラ!」
「サイクロプスだけじゃなく、こんなもんまで用意してたんか!?」
アークハイドラはゴブリンを食べながら進行する
「この手のタイプは幾ら首斬っても再生するぞ」
「正解、だが弱点が分かりやすぎて察した」
キハラはアークハイドラの無数の頭部を見て、中心に生えている頭部がコアだと察した
「アークハイドラは首が伸縮するから気をつけろ!」
「来るぞ!」
四人は避けた
「アラン隊長!ここは残りのゴブリンの掃除をお願い!」
「ここは俺達四人でアークハイドラを討つ!」
「分かった!総員!ゴブリンの掃除に取り掛れ!」
「は!?」
アークハイドラの無数の頭部が容赦無く迫り来る、リンドーが紙一重で避けて、素早く忍者刀を抜いて、眼球に目を抉る、そしてそのまま、血の線を描いて斬るように動く、キハラは砦内の高低差を上手く生かしてなんとかコアの頭部に近づくか、奴は毒のブレスによって左手に当たって壊死した
「エネル!左手が壊死した!魔術か消耗品で回復出来るか!?」
「問題ない!これを使え!壊死した細胞が元に戻る」
「有能だぁ!(上原と違う正当な賢さだな)」
リンドーは巧みな剣術でアークハイドラの眼球を次々と抉り、エネルは巧みな魔法や消耗品で三人を補助したりして迫り来る頭部を退ける、そしてカイトとキハラは一瞬の隙をついてコアの頭部に向かって同時に牙突で刺して殺した
「ふう、なんとかなったな」
「俺達、結構いいんじゃない?」
「悪くはないな」
そしてアラン隊長が最後のゴブリンを殺すと剣についた血を祓い収めると、荒事は収まったような雰囲気を感じた、様子を見に行くとアークハイドラの亡骸があった
「おお!さすが勇者カイト、見事だ」
「四人で頑張ったんだよ」
そして、アランはここに防衛拠点の砦を奪還した事を宣言した、多くの兵士の歓声が砦内に響き渡る
「今、我々は防衛拠点の奪還に成功した!俺達の勝利だ!」
「うおぉぉぉ!!!」
「やった!」
「カイト、早くバーオニクスを倒す方を優先するべきじゃないのか?」
「キハラ君、人を見捨ててまでも魔王なんか倒しても意味ないよ」
「そうか、すまなかった」
「勇者とか英雄は悪い奴を倒すのが仕事じゃないよ、人の命を守る為に戦うのが本当の戦士なんだ、自分の為に戦う奴はどこか競り負ける」
「上原が嫌がりそうな言葉だな」
「ふん」
そしてカイト御一行とアイランス兵はキャンプで戦の疲れを癒して王国に戻った

上原とローブはクソ暑い大砂漠の中、隕石が落ちたクレーター部分に星砂を取りに来た
「うわぁ...あちぃぃ...」
「おい!上原!おめぇ!飲みすぎんだよ!いい加減にしろ!」
「やべぇ!しょんべんしたくなって来た、飲む?」
「バカかテメェ!こんな時にふざけんな!」
捜索していると、ローブが持っていたマジカルトーカーが鳴った
「何!?勇者カイトが新たな仲間を引き連れて悪魔バーオニクスの討伐に出るって!?」
「何!?あの真面目っ子勇者が?何々?」
上原は記事のホログラムを見て怒った
「キハラの野郎!この時に便乗して売名かよ!許せねぇな」
「何言ってんだテメェ!正義のヒーローがそんな理由で戦う訳ないだろ」
「いいや!キハラだけは絶対に許さない!俺が先にバーオニクスをぶっ殺してやる!」
「あー俺もカイトと一緒に旅したかった、なんでこんな奴と旅なんか」
「世界を救う為だろ?後、俺はあの真面目っ子勇者、えっと?名前なんだっけ?そうだ、カイトの野郎に勝ったぜ」
「知ってる、卑怯の手を使って勝ったんだろ?マジカルトーカーの提示版で愚痴ってた」
「はぁ?」
「ほら、見てみろ」
「あん?『初めて卑怯者ものに負けました、みんなあいつに関わらない方がいい』だって?」
「あははははは!!!上原!お前、あの勇者カイト嫌われるって相当セコイ手を使ったんだな!」
「戦いは勝ちか負けるかだっつーの」
二人はなんやかんや話し合いったり弄りあったりして暑さを忘れていた、飲みながら歩き続けると大きな穴を見つけた
「おい!あの隕石の周りを見てみろ!」
「隕石のエネルギーで周りの砂が変化している、あれが星砂なのか?」
上原は瓶を取り出してクレーターの中に入ろうとすると
「待て!?」
「なんだよ!?」
上原はピタリと止まると、地響きがした
「情報によるとここの大砂漠には巨大ミミズがいるそうだ」
「早く言え!」
「来るぞ!」
地響きともに物凄いデカいミミズが現れた
「案の定、予想通りの姿だな」
「なあ!?ローブ!どうやって倒せばいいと思う?」
「俺に聞くな!いつも通り卑怯な手を使って倒せばいいだろ」
「それじゃぁ!頑張ってぇぇぇぇ!!!」
「上原!てめぇ!逃げんなやぁぁぁぁぁ!!!」
巨大ミミズは絶叫したローブに向かって大きく口を開けて飲み込もうする、ローブは素早く避けるが砂の上では思うがままに動けない、そして飛び上がり巨大ミミズの喉に発勁を喰らわした
「コイツ!?ミミズの癖にニチャニチャ笑ってやがる!こんなクソ暑い所でよぉ!」
ローブは暑さも相まってストレスが溜まってる、巨大ミミズの容赦ない突進が襲いかかる、避けようとするが足場を崩して突進攻撃を受ける
「しまったぁ!?うわぁ!」
見事な突進がローブに当たった、そして食べられそうになると、どこから氷の礫が襲いかかった、巨大ミミズは動きが止まった
「やーい!やーい!クソデカチンカスミミズ!」
巨大ミミズは知能が高く上原の悪意に気がついた、直ぐに上原に向かって捕食しようと大きな口を開けて襲いかかった
「ほらほら!こっちこっち!」
「上原!?(なんだ!?アイツ、急に足が速くなって)」
上原は魔導書を読んで足が速くなる魔法を唱えていた、それにより物凄い速さで走って巨大ミミズを翻弄している、巨大ミミズは地面に潜り、下から飲み込もうした、そして上原は飲み込まれた、それを見たローブは叫ぶ、すると巨大ミミズは大爆発をした
「上原ぁぁぁぁ!!!」
ローブは膝をつく
「そんな...アイツは俺を守る為に...」
拳を握りしめて誓う
「上原、俺はお前の分までやり遂げて見せる!」
「おう!そうかそうか!俺の分まで頑張れ!」
「はぁ?なんでなんで!?」
ローブが驚く
「お前!食べられて死んだんじゃぁ!」
「お前の目は節穴か?俺は生きてんだよ」
ローブは意味が分からなかった
「頭が弱いお前に説明するとな、魔導書を読んで氷の魔法とか足が速くなるとか分身作ったりしてその分身に爆発物持たせて倒したってことかな」
「そうかそうか!心配した俺がバカだった」
「俺を誰だと思ってる?上原健二様だぞ」
「言っとくけど、卑怯者のお前が言っても決まらないぞ」
「あそう」
「それより、星砂を集めるぞ」
「あちぃ!」
思った以上に星砂は熱かった、二人は巨大ミミズを倒し瓶の中に星砂を詰めて集落に帰る、道中で上原はある事に気づく
「そういえばバーオニクスの命令で村を荒らすの忘れてた、どうする?ローブちゃん」
「知るか!お前が言い出したら事だろ」
「なあ?どうやって集落を荒らしたことにする」
「俺は絶対にやらんぞ、恩を仇で返すような事は、お前ならやりそうだけど」
「そこまで腐り切ってねぇな」
二人は村に戻ると街が荒らされてた
「どうなってやがる!?」
「村が...人が」
「う...君達か?早く...逃げなさい」
村人達がそう促す
「どこだ?!錬金術を知る知識人とウルとカス野郎!」
「アイツは!?」
上原がこの村を荒らした元凶の正体に突いて驚く
「おい!ウルとカスバカはどこにいる!?」
「あん?誰がカスだゴラァ!」
ローブがいきなり不意打ちで拳を上げる、元凶は民家に吹き飛んで瓦礫の中に埋もれる、そして瓦礫を吹き飛ばしローブに眼を飛ばす
「あん?誰だぁテメェ!てゆうかなんか知ってるような」
「おい!?バカ!何キレてんだよ!」
上原がローブの行動に注意する
「うるせぇ!テメェのせいだぞ!」
「よぉし!この村に恩があるし、片付けてやるか」
上原は肩を回しながら前に進む
「おい!テメェ!人様の家を何壊してんだこのやろー」
「あん?テメェ、どこかで聞いた事あるような」
「人は有象無象いるんだ、俺と似てる声なんているだろう」
「違うな、まあいい、俺の部下にもお前と似たような声がいるんだ、偶然、この村に襲撃を仕掛けるはずだったんだが、俺が来た時、まだ村が綺麗だったんだ、まさか貴様じゃないだろうな?」
「モンチッチーみたいなアホ面が気にする事じゃないよ」
「何がモンチッチーだぁ?」
モンチッチー何か分からないけどバカにされた事は確かだった、怒った元凶の襲撃者は上原に攻撃を仕掛けるが、上原がロケットパンチで不意打ちを仕掛けて元凶の股間を潰す
「何!ボサっとしてんだ!さっさと村人達を安全の場所に連れて行け!」
「上原?一人で戦うつもりか?」
「うっせぇ!こんな雑魚!俺一人で十分なんだよ!」
「わ、わかった」
ローブは上原の言う通りに村人を安全な場所に避難させた
「邪魔者は消えたな」
「貴様、なかなか卑怯な手を使うな」
「見抜けなかったアホ面のモンチッチーが悪いだろ」
元凶は股間を押さえながら言う
「聞くがモンチッチーとはなんだ?」
「あん?こっちの世界では猿みたいなアホ面の人形の事だよモンチッチー」
「そうか、私は猿なのか、舐められたものだね」
「俺はお前の事をモンチッチーと呼ぶことにする、感謝しろ猿」
「調子に乗るなよ!人間!」
「ロケットパンチ!」
伸縮するマジックハンドにグローブを付けた攻撃は見事に外れる
「そんな攻撃が俺に通じるか!いってぇ!」
モンチッチーは下を向くと撒菱が転がっていた
「そう熱くなるよモンチッチー」
「クソが...魔物より魔物だ」
「なあ?モンチッチー、俺の好きな言葉を教えてやる」
「なんだ」
「勝てば官軍、負ければ賊軍、終わり良ければ全てよしなんだよ!」
モンチッチーは撒菱によって動きが鈍くなっている、それを上原は見逃さない、そして容赦ない暴力と罵倒でモンチッチーをボコボコにする
「どうした!?雑魚、お前如きでは俺には勝てないんだよ!」
「クソが!調子に乗んな!」
モンチッチーは渾身の前蹴りを繰り出すが避けられる
「そんな鈍足な蹴りで俺に当たる訳ないだろ」
上原はナイフでモンチッチーの太腿を指す
「ぐう!貴様」
「これでトドメだ!」
上原は剣を取り出しモンチッチーの胸を突き刺した
「俺の名...は.モンチッチーじゃな.い」
「そういえばコイツの名前を聞くの忘れてた、まあどうでもいいか」
「上原!」
「ようローブ、村人は無事か?」
「ああ、無事だ、よく倒せたな」
「余裕だわ」
「どうせ、手癖の悪さで倒したんだろ」
「おめぇこそ、村人を置いて自分だけ隠れたんだじゃないだろうな」
「おめぇと一緒にするな」
二人は笑い合った
「そういえば、バーオニクスにこの村を襲撃して錬金術を識る者を抹殺する設定だった!?」
上原は数分考えるとある事を思い浮かぶ
「おいローブ!今から着ぐるみを着てこの死体をバーオニクスに知らせるぞ!」
「はぁ?!」
「いいから行くぞ!」
「おい!上原」
二人は着ぐるみに着替えてこの村にある馬を借りて、その馬にモンチッチーの死体を乗せてバーオニクスの元へ向かった
「バーオニクス様!」
「ウルとカスか、どうだ?錬金術を識る者を抹殺出来たか?」
「すいませんその前にこの死体を」
「どうした!?これは!?」
バーオニクスは驚いた
「レイナード!」
(このモンチッチー、レイナードって言うんか)
「貴様!一体何があったのだ」
「レイナード様は俺とカスを置いて勇者カイトとの激闘の末、負けました」
彼の訃報を知ったある魔物がレイナードの死を嘆く
「レイナード!レイナード!嘘だよな!?目を覚ましてくれ!」
この魔物はアーデン、レイナードの相棒のような魔物だ
「勇者カイト目!絶対に許さんぞ!」
「それよりバーオニクス様!例の集落は崩壊して村人達は誰もいません」
「そそ、俺たちがレイナードの分までやりました」
「お!?ちったマシな事を言えるじゃねぇか」
「お前といれば悪い癖がつく」
上原は小さい声で耳打ちした
「レイナード様、あの集落を我が拠点として占拠してもよろしいでしょうか?」
「ウルの奴、あの村が気に入ったようですし、あはは」
「ふん好きにしろ、俺は魔物の軍勢を確認しなければならない」
「ありがとうございます」
そして上原とローブは再び借りた馬であの集落に戻った
「よし、着ぐるみをここに隠せ」
「しかし納得出来ないことがあるな」
「なんだよ」
「お前、勇者カイトに嫌われてるからといって、復讐者を押し付けるんて」
「別に合理的な判断だろ?だっはっはっは」
そして二人は集落に戻り、次の素材を探す為にラルカルの森林にある青い薬草を採取する為に準備した

そしてバーオニクス城でアーデンは一人、勇者カイトに復讐を誓う
「俺の...俺のダチをよくも殺してくれたな」
恐ろしいオーラが当たりの空間を歪ませる

勇者カイト御一行は束の間、アイランス王国で休憩をとって、そしてキハラは久しぶりにリーナとデートを楽しんでいた
「キハラさん、冒険者は大丈夫?」
「ああ、問題ないよ、心配ありがとう」
「ヒューヒュー!あっついね!お二人さん」
「リンドー、エネル」
「彼は?」
「紹介するよ、彼はリンドー、職業は忍者だ、そしてエネル、職業は魔法使いだ、どちらもギルドリーダーを束ねる者だ」
「上原さんはいないんですか?」
「まあ、カイトが嫌ってるからな」
「相変わらずね」
「そうだ、続きの話は飯でも食いながら話そうぜ」
「そうだな」
カイトは昼寝していると
「鼻糞触ったで俺に触るな!」
変な悪夢を見る、目を覚まし息を激しく切らしながら水を飲み、偶然、キハラとリンドーとエネルに出会う
「どうした?!カイト、変な表情して」
「何かあったのか?」
「とりあえず、一緒に飯でも食おうぜ」
「ああそうだな」

アーデンはいきなりアイランス王国に襲撃を仕掛けた、崩れゆく城壁
「何事だ!?」
国王が書斎から飛び出し直ぐに国王の娘の部屋の方に行くと、魔物の姿が娘の胸元を持ち上げていた、そして既に娘は気絶していた
「貴様!?私の娘から離れろ」
アーデンは左手で衝撃波を放ち、国王を吹き飛ばす
「この小娘には興味ない、ただ勇者を誘き寄せる餌になってもらおう」
「何!?」
「王よ、よく聞け!俺が指定した通りにいる、返して欲しければ勇者カイトを連れてこい!南の蒼月塔に俺はいる」
「宴月塔...」
直ぐに異変を駆けつけた兵隊は国王を安全な場所に促す
「私の娘が!?」
「国王!取り敢えず、勇者カイト様に迅速な報告を!」
そして国王は直ぐに四人組を謁見の間に収集させた

喫茶店でリーナと男四人は楽しく会話しながらお菓子を食べている
「あはははは!!!それは災難だったな!」
「面白がるなよ、マジで上原は不快だわ」
「キハラ、上原は卑怯の手を使わなくても強いのか?」
「なんだ?いきなり?まあアイツは隙がないからな」
「正直に言うと腑煮えくり帰ってる」
カイトが上原の愚痴を言いまくる
「勇者であろうと者がこんな愚痴を吐くとは、よっぽど上原って奴は悪い奴なんだな」
突如、喫茶店に兵士がやってきた
「カイト様!至急王の謁見の間に来てください!」
「分かった」
「リーナ、お前は帰れ」
「分かったわ」
キハラがリーナをおいて王の謁見の間に行く
「来たか、勇者カイト」
「どうしましたか?」
「バーオニクスの部下が私の愛しの娘を攫ったのじゃ」
「エレナ王女が!?」
「そうじゃ、奴は蒼月塔に娘を連れ去って、勇者カイトをここに来るように言った」
「物凄い憎悪を秘めた目をしていました」
「憎悪?」
「一体なんか話だ?」
「まあいい、王の身内に手を出す者は誰であろうと許してはいけない」
「さすが勇者様」
四人は直ぐに娘を取り返す為に準備をした、そして馬車を借りて蒼月塔に向かった
「蒼月塔、年に一回、宴をしてアイランス王国が常に平和と安寧で過ごせますように祈る場所、我々の平和を唄う神聖な場所で決戦場にするとはいい度胸だな」
数時間、道中を進むと大きな塔が見えてきた
「あれは塔だな」
「ああ」
その塔は美しく何処か神秘的だった、四人は馬車から降りて塔に登る準備をする、最上階への道中は誰も邪魔されることなく上に行けた
「お前が攫った犯人か?」
「来たか、勇者カイト、貴様が私のダチであるレイナードを殺した!」
「そんな奴知らないな」
「魔物の癖に友情とかあるんだな」
「敵討ちか、魔物の癖に随分と人間臭い事を言うじゃないか」
「情に種族も関係ないだろ、貴様等はここで殺す」
そして戦闘形態になる
「俺の名前はアーデン、貴様を殺す者の名だ」
「来るぞ!」
アーデンは無差別に魔弾を撒き散らす、
「コイツ!?」
「神聖な場で暴れるな!」
カイトは剣を抜いてアーデンに斬りかかるが禍々しい大剣で受け止められてしまう
「お前は集落で俺の友人だった友達を殺したな?」
「集落?友達を殺した?一体なんの話だ」
カイトはアーデンが言っている事に困惑している
「何を言っている!集落に行って魔物なんか倒した記憶はないぞ!」
「俺の部下がそう言ったぞ」
「まあいい、お前を倒してエレナ王女を取り返す、詳しい話は後で聞く」
キハラ、リンドー、エネルが構えようとすると、カイトは止めた
「コイツは俺に復讐心を持っているようだ、二人でケリをつけるのが道理だろ」
「分かった」
「しょいがねぇな」
「勝てよ、お前」
アーデンが振るう大剣は大地を抉る、カイトは避けて左手から魔法の弾を放つ、奴は魔弾を弾き返しカイトはそれを避ける、そこから剣撃による反撃で素早い斬撃の嵐がアーデンを襲う、だが全ての斬撃が大剣に吸い込まれる、アーデンは変な体勢から繰り出される蹴り技がカイトの腹部に当たった
「くぅ!」
カイトは後ろに大きく後退する
「カイト!」
キハラが心配するが、カイトはジェスチャーで手を出すなと、心配するなと合図を送る
「勇者よ、戦って気持ちのいい相手だな、我が友は卑怯な手を使って負けたと聞いたが」
「卑怯な手!?一体なんの話だ?」
「卑怯な手で?まさかあいつじゃないだろうな?」
キハラがある人物を思い浮かぶ

キハラはマジカルトーカを取り出してリーナと連絡をする
「もしもし?どうしたの?」
「リーナ!頼みがある!田島と三島と一緒に上原を探してくれ!」
「どうして?」
「アイツが裏で何をやってるか探るんだよ」
「うん分かったわ」
「リーナちゃん、誰から?」
「キハラさんよ、なんか上原を探して欲しいみたいだわ」
「健ちゃん」
「どうせ碌な事じゃない事は理解出来るわ」
「取り敢えず、キハラさんの言う通り上原さんを探してみましょ」
「分かったわ」
女三人は上原を探す為に準備をした

そしてカイトとアーデンの戦いは終局を進む、カイトのフェイトでアーデンは一瞬で隙を晒し、斬撃が胸元に引き裂く、アーデンは素早く距離を取り、左手で胸を触り手のひらについた血を見つめる
「この斬撃、卑怯者の放つ技じゃない、レイナードは一体誰にやられたんだ」
そしてアーデンは仰向けになって地面に倒れた、カイトはアーデンを倒した
「はぁはぁ、一体、何の恨みだったんだ?」
カイトは剣を納める、そして王女エレナは手錠を外されて解放された
「ありがとう、あなたたちは私達の英雄よ」
王女エレナは最大限の感謝の意を表した、勇者カイトはこの事をマジカルトーカの記事に載せて王女エレナが無事だと言う事を知らせた

ラルカルの森林で青い薬草を探している上原とローブは探索している
「うえぇ気持ち悪ぃ」
上原が変な虫を見て気持ち悪がる
「まるでおねしょしたローブみたいな虫だな」
「意味がわかんねぇ」
ローブマジカルトーカーを見て記事を見ている
「おい、上原、素晴らしい記事が載ってるぞ」
「あん?」
上原は記事を見ると、勇者カイトとキハラ、男二人、そして可愛い女が写っている
「おい!ローブ!この女誰だよ!めっちゃ可愛いじゃん!」
「そいつはアイランス王国の王女様だよ」
「何!?あんな雑魚とキハラが救ったとでも言うのか?」
「そうらしいね、記事によると、ある魔物が討たれた友の為に復讐する為にアイランス王女を攫ってカイトを討つため戦ったらしい」
「それは別にどうでもいい!」
「は?」
「キハラの野郎が大体的に記事に載ってるのがムカつくんだよ」
「そこ?後、モンチッチって奴の復讐心をカイトに向けさせ倒させた事に関しては俺でも引くぞ」
「俺が内部から崩壊させる、うまい具合にカイトの野郎にヘイトが向くように仕掛ける、そして奴が倒す、俺達がバーオニクスの魔力を奪う霊薬を盛る、そして最後に俺が倒す、俺って天才!だっはっはっはっは!!!」
上原とローブが草木を剣で斬りながら進む、すると大きな広場についた
「見ろよ!あれが青い薬草か」
「上原、もう先を急ぐなよ」
「分かってる」
そういうと上原はバックパックから瓶を取り出して放り投げた、すると火が一斉に広がって燃えた
「おい!何すんだ!」
「見ろよ、あれ」
「何?あれは!」
それはカモフラージュによって擬態していた食虫植物だったのだ
「俺を誰だと思ってる?」
「こう言う時にお前は頼れるよな」
食虫植物は何が何でも二人を捕まえようと触手を伸ばして襲いかかる、上原はもう一度火炎瓶を取り出して食虫植物の口の中に放り込んで燃やした、その火は次々と引火して他の植物まで燃え移った
「早く青い薬草を出来るだけ沢山詰めろ!」
「おう!」
二人は青い薬草を無我夢中で毟り取りその場から去った
「もういいだろう、十分とった!」
そして上原は油をばら撒いて更に引火を促す、食虫植物は苦しそうにもがき苦しみ触手が暴れまくる
「おいおいおい!やりすぎだろ!」
「うるせぇ!お前は食べられたいのか?」
そして最後に爆薬物を放り込んで食虫植物にトドメをさす、あたり一体は植物の成分の匂いと焦げ臭い匂いが充満している
「まるで戦争後のようだな...」
「さぁて帰るぞ」
二人はそのまま集落に帰って最後の素材である、ウラノティクス洞窟の最奥部に溜まってる霊水を採取する為にいろいろと準備をする

アイランス王国でリーナ、田辺、三島は上原が何処に向かったのか情報を集めていた
「健ちゃんはこんな時に何をしているのかしら」
「キハラさんが言うには何処かの集落で卑怯な手でバーオニクスの部下を倒したって言うてたわ」
「それ本当?」
「キハラさんの憶測らしいわ」
三人が悩んでいると
「おい?聞いたかバーオニクスの部下がどっかの集落を襲撃したらしいぜ」
「知ってる、なんか勇者が倒したらしいんだ」
田辺はその噂話を聞くと、その人に聞いてみた
「ちょっとアンタ、その話を聞かせてちょうだいよ」
「あん?いいぜ(それより、若干顔いいな)」
「ただし」
「悪いがナンパはお断りよ」
「分かったよ(可愛くねぇな)」
女三人は話の内容がおかしかった、その内容をマジカルトーカーでキハラと連絡するリーナ

「何!?勇者カイトが集落を襲った魔物を倒した事になってるだと!?」
キハラはそれをカイトに伝えた
「何!?どういう事だ」
カイトは訳が分からなかった
「俺が小さな集落を襲った?どこの?」
キハラはリーナにその村を探るように伝えた
「分かったわ」
「アンタ、その襲撃された村の名前を知ってる?」
「えぇと、エーリン村だったような」
それをキハラに伝える、そしてキハラはカイトに伝える
「エーリン村、確か錬金術が有名だった村、バーオニクスを倒す何かを知っているから襲撃されたとか」
カイトは憶測するが答えは出なかった
「取り敢えず、エーリン村に行ってみよう」
「リーナ!やっぱお前ら被害者を優先して保護しろ」
「ええ!?」
女三人はいきなりの話困惑した
「すまんリーナ、切るぞ」
マジカルトーカーによる通話は終わった
「もう!わがままなんだから!」
「まるで上原みたい」
「ほんとね」

リンドーとエネルは大股を広げて座っている、カイトが次に行く先を決めるのを待っていたのだ
「で?行き先は決まったのかい?」
「ああ、エーリン村だ」
「エーリン村!」
「どうした?驚いて」
エネルが驚く
「エーリン村は俺の故郷なんだ、爺ちゃんと婆ちゃんが心配だ!」
エネルが馬を拝借していきなり駆け出す
「エネル!?」
男三人も馬を拝借してエネルを追いかけた

上原とローブが道中、歩いていると上原が見たことあるような人影を見た、察した上原は茂みの中に隠れる
「どうした!?いきなり」
「いいから早く隠れろ!」
上原は無理矢理ローブを連れ去って茂みに隠れさせた
「あれは勇者カイトにキハラ、そしてリンドーじゃないか」
「おい!エネル!待てよ!」
カイトとキハラが大きな声をあげる
「なんか急いでいるような」
「この道筋ってあの村に向かっているのか!」
上原とローブはバレないように茂みの中から追跡した、そしてエネルは馬を降りてエーリン村の様子を見る、民家は壊され戦闘の痕跡があったのだ
「エネル!」
遅れてカイト、キハラ、リンドーがやってきた、そして
「爺ちゃん!お婆ちゃん!どこにいるの?」
エネルが探していると、一軒だけ壊れていない建物から老婦人が現れた
「おや?エネル坊や、こんな所に来て心配でもしてくれたのかい?」
「よかった、本当に良かった」
襲撃され倒壊した民家はともかく多くの人や身内が無事で良かった、カイトとキハラとリンドーはそんなエネルを見て安堵する
「しかしカイト、この村を襲撃した魔物を退けた英雄がカイトって事になってるんだよな」
「俺はこの村に訪れた事も戦った事もないぞ」
そして上原は望遠鏡で何故かこの村に訪れているカイトとキハラを覗いている
「なんでアイツらがここにいんの?まさか俺の嘘がバレたとか?」
「で?どうすんの?収集つかなくなる前にケリつけろ」
「うっせぇな!分かってるお前は隠れていろ、今はアイツらと会うな」
上原はそう言うと隠れ家に隠してある魔物の着ぐるみを来てある物を口にはめる
「こんな事もあろうと自分の声を変化させるアイテム買って置いて良かった」
それをハメて高笑いをする上原
「なになになに!?今の笑い声!?」
カイト御一行は身構える、するとウルと言う名を名乗って上原は四人の前に立ち塞がる
「お前は誰だ!?」
「私はバーオニクス様の右腕、勇者カイト!貴様を殺すように命じられた」
ローブが茂み中から上原ウルを見ていた
「アイツあんなキャラだっけ!?(てゆうかいつの間にボイスチェンジャーを持ってたんだ?)」
上原ウルは霊薬を取り出して飲み干す、すると物凄い闘気を解放した
(しょうがない、今ここで戦わなければバーオニクスに正体がバレるからな)
カイト、キハラ、リンドー、エネルは構える
上原ウルは最初にカイトを標的にして殴りかかる、その拳はカイトの頬に当たった
「この野郎!」
キハラが斬りかかるが上原ウルは変則的な体術で腹部を蹴り上げて反撃する
「コイツ!強いぞ!」
そしてキハラはローブが隠れている茂みの方に隠れる
「う...いてて」
「やぁキハラ」
「おめぇ!ローブ!なんでこんな所に隠れてんだ」
「いやぁ...あの...(そうだ!)あの魔物の動向を探ってたんだ(やべぇ、上原といると嘘が上手くなっちまった)」
「そうか、隠れてないで俺たちと一緒に戦ってくれ、奴は強い!」
「あはは、そうだな(願ってもないチャンスだ、上原の野郎には散々酷い目に遭ってきたんだ、ちょっとくらい殴る権利はあるよね」
ローブは茂みから出て上原ウルを挑発する
「やい!そこの悪魔!お前の!?」
ローブがカッコつけて言う暇もなく
「出てくんじゃねぇ!」
ぶん殴られて茂みに戻される
「あちゃぁやっぱローブはローブだったね」
キハラが呆れて立っていると
「キハラ!?ぼっとするな!」
「えぇ!?うわぁ!?」
上原ウルの回し蹴りがまた腹部に当たる、背後からリンドーが忍び込んで切り裂きこうするが上原ウルが紙一重で避ける、まるで流れ作業のようにリンドーが持ってた忍者刀を奪い取り、それを遠くに投げ捨てる
「そんなバカな!?」
リンドーはそのまま上原ウルに右腕を掴まれてエネルが詠唱する前リンドーをエネルの方に投げ飛ばす、そしてカイトは素早い剣術で斬りかかるが上原ウルによって紙一重で避けられる
「そんなバカな!?この俺が敵わないなんて!嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ!?」
(ふん、そろそろ霊薬の強化も終わるな)
上原ウルは連続普通のパンチでカイトを身体をボロボロにした、上原ウルは無言でその場を去って、再び着ぐるみを隠し、口とからボイスチェンジャーを取り出し、エーリン村に戻る、そして上原はキハラに駆け寄って心配する
「おい!キハラ!」
「上...原?何故、お前が」
「何を言ってるんだ?俺はお前の友人だろ?」
「上原」
「待ってろ!リーナ達に連絡してあるから」
上原がキハラ、リンドー、エネル、の手当てを終えると。カイトがこちらを見ている、上原はゆっくりと歩き近づき仕方なく手を差し伸べようとすると
「俺に触れようとするな!」
「カイト!?」
「おいおいおい!せっかく助けてやろうとしたのに、なんだその態度は?それでも勇者かよ」
「黙れ!勇者だって人間だ!ミスもあれば好き嫌いもあって当然だ!俺は卑怯とお前が死ぬほど嫌いだ!」
「今ここで介錯して、俺が勇者になろっかな」
「お前のような卑怯者に勇者が務まるか!」
「おいおいおい!カイトの奴、あんな感情的に拒絶してやがる」
「初めて見たわ」
リンドーとエネルがそんなカイトを見て驚く、カイトはダメージを負って上手く立ち上がる事は出来ない、上原はそれを見て人差し指で負傷した部位を突く
「ガチでやめろって!穢らわしい!」
「ツンツン!」
「あぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
「おい、やめろって」
ローブが上原の肩を叩く、数分したらリーナ、田辺、三島がやってきた、リーナは直ちにキハラを介護する
「田辺、三島、お前らはコイツらを看病してやんな」
「健ちゃん何処に行くに?」
「うっせぇ!お前には関係ない」
「何よ!行き先ぐらい教えてくれたっていいじゃない!」
田辺が引き下がらない
「帰って寝るんだよ」
そしてカイトは田辺に対して口を開く
「田辺さん、あんな奴、関わるべきじゃないよ」
「健ちゃん、また誤解されてる」
勇者カイト御一行はアイランス王国に戻り療養する事に専念した

上原は最後の素材を取るためにこの村の南にあるウラノティクス洞窟の最奥部に溜まってる霊水を取りに行く
(今のままでは誰もバーオニクスの野郎にが勝てない)
上原だけが現状を分かっていた、ウラノティクス洞窟は入り組んでいて一度入ると迷って餓死すると言われている、そんな事もあろうかと輝く鉱石を雑貨屋で大量に買っておいたのだ、しかも同じ色を何個も買い、三色の赤と黄色と緑の暖色系の色を中心とした、ウラノティクス洞窟は青色と水色の水晶が輝く綺麗な洞窟だ、進む時に分かれ道になると一旦、立ち止まり、行き止まりには赤色の鉱石、同じルートには緑の鉱石、正規ルートには緑色の鉱石を置いた、道中、餓死して白骨化した冒険者や戦士だった者の遺品がある、上原はそれを物色したり拝借したりした
「ちっ!しけてんじゃねぇか、まあ金だけは貰っといてやるよ」
数時間すると最奥部に辿り着いた
「これが霊薬か、綺麗じゃないか、飲めるか?」
上原は霊水を組んで恐る恐る舌を先っちょ触れてみる、すると
「にっが!?」
めちゃくちゃ苦かった、近くに看板があったから読んで見ると
「何々!?心の純度で味が変わるって!?俺に当てつけかよ!」
上原はある事を思いつく
「これキハラが飲んだらどんな味がするんだ?感想が気になるぜ!」
上原が三つの大容量の瓶の中に霊水を汲んだ、少し脚が疲れたので霊水の池を足場にしてくつろぐ、なんか癒されるような、なんか精神的にも浄化される気分だった、数分したら立ち上がり、来た道を戻ろうとした時、何か地響きがなった
「なんだ!?」
遠くから声がする、上原は声がする方向に向かってみると、魔物がいた、だがその魔物は酷く混乱している、何者か追われて怯えている様な感じだった、いきなり地響きがして巨大な魔物が怯えた魔物を食べていた
(なんだ!?あいつ!?こんな魔物!洞窟にいたか?)
上原が情報を誤った事に驚いた、巨大な魔物はぐちゃぐちゃと肉を噛んで、パキポキと骨を噛み砕く、上原は吐きそうになるが我慢する、足音を鳴らずに引き下がろうとすると足元にある小石を蹴飛ばして、巨大な魔物がこちらを振り抜く、上原は直ぐに隠れる、巨大な魔物は音がした方に行かず、上原が置いた緑の鉱石を食べ始めたのだ、流石にそれはまずいと思った上原は腹を括って前に出ることにした
(さて、どうやって倒そうか)
適当に石ころを拾って思い切り投げる、そして振り向いた瞬間、ナイフで巨大な魔物の眼中を抉る、作戦は上手く行ったが巨大な魔物が暴れて首を振り回す、上原はその首で激しく殴打して吹き飛ばされ岩壁に叩きつけられた
「クソが!(なんて威力してやがる...)」
巨大な魔物は予備動作もなく大きく口を開けて上原に向かって突っ込んでくる、反撃に赤色の何かを詰め込んだ瓶を口の中に入れる、割れた瓶の破片は巨大な魔物の口の中で刺さり、その一瞬の隙で回避に成功する、瓶の中には激辛調味料があり、触れると一瞬で舌が火傷するぐらいの効果がある、巨大な魔物は悶絶して苦しむ、追い討ちに紫色の瓶を取り出して火傷した舌に投げ当てる、その紫色の瓶は毒が入っていており、もしものために作って置いたのだ、しかし巨大な魔物は暴れて地面が揺れる、それによってせっかく輝く鉱石を設置して迷わないよう目印をつけたのに、そして地割れによって上原と巨大な魔物は落ちて行った、落ちる時、巨大な湖を確認した、直ぐに魔法のゴーグルを取り出して装着して水中の中でも見えるように備えておく、魔法のゴーグルは水中でも息が出来る装備品だ、効果は二十分程度だ、巨大な魔物はただひたすら岩壁に身体をぶつけながら暴れている、上原はある岩壁に気づく、そこには水が吹き出している、もしあの岩壁を壊せばと上原は思った、ナイフを取り出して暴れる巨大な魔物の頭部にしがみついて刺す、そしてわざと怪しい岩壁にぶつける、その岩壁は崩れて物凄い水流が噴き出したのだ、巨大な魔物と上原は水流に流されるまま、そして身体をぶつけながら痣を作っていく、必死になってもがき泳いでいると光輝く出口が見つかった、だが巨大な魔物は出口で大きく口を開けて上原を待ち構える
(おいおいおい!?マジかよ!)
上原は腹を括った、背中に背負ったロングソードを構えて喉を貫こうと覚悟を決めたのだ、流れる勢いのまま剣を突き刺す体勢に入る
(これでもくらいやがれぇぇぇ!!!)
心の中で思いっきり叫んだ、そして上原は巨大な魔物に飲み込まれた、そして頸の中からロングソードを貫き、そのまま脱出する、巨大な魔物はあまりにも痛さによって悶絶死して流されたいった
(ちっ!後三分程度か)
魔法にゴーグルの効果が切れようとしている、それまでに脱出しないと溺死してしまう、それだけはいやだと必死に泳いで出口に向かう、すると大きな湖にいつの間に辿り着いた、上原は全身痣だらけで満身創痍の身体をなんとかクロールして泳ぎ、よれよれになりながら浜にあがる
「はぁはぁ、つっかれたぁ...」
上原は眠気に耐えられず、大の字になって睡眠を取った

その頃、バーオニクス城で
「バーオニクス様!?バーオニクス様!?」
「なんだ」
「アーデン様が!?アーデン様が!?勇者カイトによって倒されました!」
「まあいい、気にすることでない」
「バーオニクス様?いつになったらアイランス王国を襲撃するんですか?」
ゴブリンが恐る恐る聞いてみた
「安心しろ二ヶ月後には完全に準備する、そしてアイランス王国を侵略してそこを本当の私の城にしよう」
バーオニクスの侵略計画は確実に進んでいる、適当に捕まえた野生の魔物を無理矢理洗脳して配下に置いているのだ

カイト、キハラ、リンドー、エネルはアイランス王国で療養を受けている、そして兵士達が病室のドアを叩き入室する
「大丈夫か?君達」
「ああ、なんとかな」
「えぇと読み上げるぞ『この度は我が愛しの娘、エレナ王女を救ってくれた事に感謝の意を示す』だそうです」
「そうか、伝達ありがとうな」
「所でローブ、おめぇなんであんな茂みに隠れてたんだ?」
「それは、観察してたんだよ、いつかお前達の役に立ちたくてな」
なんか騒がしい足音がしてきた
「ローブさん!?ローブさん!?」
それはキハラにとって懐かしい声がした
「キリト!?何故お前が?」
「探したんですよ?いきなり俺の目の前から消えるんて、俺や師匠や門弟達が心配してたんですから」
「そうか、すまんな」
「なあ?ローブ、上原の奴を見なかったか?」
「さぁ?見た事ない(あぁ、初めて嘘をついたかも、これも全部、上原のせいだ)」
ローブは少し罪悪感を感じた
「あの卑怯者なら生き残るために何処か潜んでいるんだろ」
「アイツは確かに卑怯だけよ、何故か憎めないんだ」
カイトがそう決めつけると、なぜかローブが擁護する、それを聞いたキハラは少し同意した、すると、兵士達が押し寄せきた
「おい、病室に大勢で押し寄せてくんな」
「すいません、でもバーオニクスの事について話さないといけないと思って」
「なんだ?言ってみろ」
「バーオニクスが野生の魔物の捕まえて洗脳してるって情報が入りました」
「なんだと!?」
「で?規模はどのぐらいなんだ?」
「魔物の軍勢はアイランス王国の軍事力を遥かに凌ぐかと」
すると、カイトが立ち上がる
「おい!無茶すんなって」
キハラが止めようと腕を掴む
「俺は勇者だぞ?正義の為に自分の事は考えてられない」
「お前の信念はよーく分かった、だからここは三人で任せてくれ」
「....…分かった、君達に任せよう」
「ありがとう」
兵士達はバーオニクスの魔術を利用して魔物を捕まえて洗脳している施設があるらしい、その施設を破壊し魔物の軍勢の拡大を阻止する事だった、その情報の元にキハラを筆頭にリンドーとエネルを連れていく事になった
「カイトの怪我は結構酷い、だが俺達は軽傷で済んだ、しばらく安静にしている方がいい」
「そうだな、あいつはなんでも自分で背負うタイプに人間だけだ」
「その漢気で多くの人に慕われてる」
「上原を嫌う理由が分かる気がする(それにして上原の奴、どこで何をしてんだよ...)」
そう言ってキハラはマジカルトーカーを取り出し上原に連絡とった

その時、上原はエーリン村の老父婦の家で食事をとっていた
「いやぁ!飯が美味いは!」
食事をしているとマジカルトーカーが鳴った
「なんだ?キハラか、なんだ?」
「やっと繋がった、おめぇ一体どこで何をしてんだ!」
「なんだ?そんなデケェ声で慌てて」
「なんだとはなんだ?心配してたんだだぞ!それより、もしお前が俺たちと戦う気があるなら、マジカルトーカーの印た場所に来い、いいな?」
「なんで?カイトの野郎は俺の事が嫌いなんだろ?」
「訳あって今は離脱してる、バーオニクスの野郎が野生の捕まえて洗脳してる施設あんだよ」
「何?それは面白そうだな」
「遊びじゃねぇんだぞ!まあいい、切るぞ」
キハラはマジカルトーカーを切って洗脳施設を破壊するために下準備した

エーリン村の老父婦の家で食事をすると本題に入った
「なあ爺ちゃん、霊水、青い薬草、星砂を集めたぞ、この素材を使ってどうやって、魔力を奪う霊薬を作るんだ?」
「まあ待て、二時間ぐらいしたら完成するだろ、それまでゆっくりしておくといい」
二時間ぐらいするとおじいちゃんが紫色に輝く瓶を持ってきた
「それが噂の魔力を奪う霊薬か」
「そうじゃ、魔術師が何が何でも消し去りたいと思う禁句の錬金術」
上原が匂いを嗅いで見る、すると鼻がキーンとして顔が歪んだ
「おゔぇ!結構キツイ匂いだな(バーオニクスの食事に仕込ませる事ができるのか?)」
上原は少し考えると
「ちなみにこの霊薬は原液並みに強い、もしバレないように使うなら薄めて使うのがいいじゃろ」
「おう!分かってんじゃん、あの魔物は多くの軍勢を従えてアイランス王国を侵略するつもりだ、だから、この霊薬でバーオニクスや魔物の軍勢の力を削ぎ落としてやる、じゃぁな」
そして上原はエーリン村から去って隠れ家に向かった、キハラがさっき言っていた、バーオニクスが野生の魔物の捕まえて洗脳してる施設があると言っていた、偶然、勇者カイトがいない訳ですし、マジカルトーカーでホログラムマップを見て、魔物洗脳する施設をキハラと一緒に壊そうと思った、まずは休憩を挟んで明日、その場所に行く事にした、ゆっくり睡眠をとった、そして、日差しが顔にささると目を覚まして水を少し飲んでキハラが向かおうとしている魔物洗脳施設を壊し行った、そして馬車を借りて数分、道中を駆ける、すると、三人の人影が見えた、それは見覚えのある姿だった
「よう!嫌われ者!元気にしてたか?」
「よう!勇者の引き立て役」
「誰が引き立て役だ!?」
「あははははは!」
「あははははは!」
二人は軽いジョークと弄りをして意気投合する
「お前もやっぱ正義感があってここに来たんだな」
「ただの暇つぶしだっつーの」
キハラとリンドーは誤魔化せてもエネルだけは違和感を感じていた
(なんか見たことあるような、過去に出会ったような)
上原は三人と合流してバーオニクスの能力を利用して魔物を洗脳している施設を破壊する、数分、馬で駆けると、いかにも廃墟になった建物がある、隠れて様子を見ると、魔物が魔物を檻に閉じ込めて運搬している、エネルは変な虫を取り出し、探索魔法を詠唱した
「この虫はなんだよ」
上原が興味を持った
「これは探索する時に使う魔法虫、自分の目をこの虫を媒体にして探索する魔法さ」
「はぇぇ、俺もその魔法が欲しいわ」
「卑怯者のお前にはピッタリだな」
「バカ真面目のお前には無用だけど」
「ちょっと黙って」
エネルが目を瞑って意識を集中させる
「ふむふむ、なるほど、そうかそうか」
「なんだよ!何が見えるんだ?」
「ほう、これはヤバいな」
「だから何が見えるんだよ!」
上原が大きな声だす
「バカ!隠れる意味がないだろ!」
「ダレダ!?」
「テキシュウダ!?」
「ちっ!バカ上原のせいでバレただろうが!?」
「コイツが自分だけ覗くのが悪いんだろうが!」
「なんだ...コイツ」
リンドーは上原の問題児っぷり呆れてものが言えない、そして襲いかかる魔物達はいつのまにか四人を囲った
「カイトの言うと通りだな」
エネルがため息つきながら戦闘形態になる、サイクロプスが最初に襲いかかった標的は上原だった、だが上原は持ち前の卑怯なやり方でバックパックに仕込んであったロケットパンチでサイクロプスの股間を貫いたのだ、それは巨人を一撃で葬る事が出来たのだ
「うおぉ!いったそ...」
リンドーとエネルが少しだけ敵に同情した、そしてエネルだけが上原を訝しむ、そして人一倍鼻が効く
「妙なんだよな...アイツ、なんか臭うし」
四人は強行突破して施設の破壊をする事にした、内部に入ると幾つもの檻に魔物が捕えられてる、そして中央部には赤黒く輝く光が放ってる、多くの魔物の目が光ってる
「あれはバーオニクスの洗脳能力を具現化した魔法石だな」
エネルは一瞬して看破した、上原がバーオニクスの能力である洗脳の力に興味がある、キハラが壊そうとすると、後ろから重い足音がした
「どうやら、ネズミが数匹現れたようだな」
それは尻尾が生えた人型の魔物が現れた
「お前がこの施設の支配者か」
「先にお前の名前を教えろ」
「いいだろう、貴様が最後に聞く言葉、私の名は...はっ!」
上原は唐突なロケットパンチ、だが尻尾の生えた魔物はギリギリで避けた
「ちっ!避けやがったか」
「貴様!?」
「テメェの名前なんか興味ない、今からお前は名前はゴミカスな」
「貴様...神聖な戦を!」
「うるせぇ!タコ!これでも食っとけ!」
そう言って不味そうな食べ物をゴミカスに食わせてやった
「おゔぇぇ!貴様!一体何を食わせた!」
「どうだ?ゴブリンの尿とうんこを混ぜた上原特製汚物団子の味は?」
それを聞いた三人とゴミカスは気分が悪くった
「上原の野郎、なんちゅうものを食わせてんだよ、おゔぇ!」
リンドーは膝末いて嘔吐する、それだけじゃない、なんとゴミカスはあの団子のせいで能力が低下して思うように力を発揮できない
「力が発揮出来ない、ただの汚物じゃないのか!?」
「オラオラ!死ねボケ!出来損ない!ゴミ!カス!」
「うわぁ...これは流石に魔物に同情するわ...」
キハラが引いている
「う...俺の名...前.は」
「うるせぇ!興味ねぇ!さっさとくたばれ!」
ゴミカスと呼ばれた魔物は名を語る暇もなく死んだ、そしてキハラが剣を取り出して洗脳する魔法石を切り裂き砕く、そして檻に閉じ込められた魔物は解放されて野生に帰って行った、砕けた魔法石のカケラは上原がバックパックに詰めた
「おい!上原、お前それを拾って何をすんだよ」
「最近、錬金術にハマって勉強してんだ」
「うわぁ、卑怯なお前が勉強するとガチで厄介だな」
そして上原は何処か行った
「おい!どこへ行く?」
「このカケラを使って実験」
そう言って上原は去った
「リンドー、上原の奴はお前より忍者してるぞ」
「う...それ言われると流石に傷つく...」
「あ!すまん」
「いや、薄々感じてた、気にしないでくれ」
隠れ家に戻り、魔物の着ぐるみを着てバーオニクスの城に戻った、戻ると、大量の魔物の軍勢が整えられている
「バーオニクス様!」
「なんだ?」
「魔物を洗脳する施設が何者かに破壊されました」
「何、気にする必要はない、我が軍勢は既に整っている」
「左様ですか」
そしてウルと名乗って魔物のフリをして欺く上原は軍勢達の食糧に老父婦が作った魔力や能力を奪う霊薬を薄めて仕込む、この霊薬を摂取した者は魔力や能力を使うまでバレる事はない、ウルは食糧庫の全てに霊薬を使う、そして出ようとした時、警備している魔物に見つかった
「おい!何をしている」
「腹が減ったから盗み食い」
「はぁ?まあいいよ」
「あんがとーそんじゃぁね」
そして上原ウルはバーオニクスに極上の食べ物を献上した
「バーオニクス様!これは極上の食べ物で御座います、景気付けに食事でもいかがですか?」
「いいだろう、下がるがよい」
そしてバーオニクスは極上を食べ物を食した瞬間、上原ウルの心の中は勝利を確信した、そして今は戦う時でない、その場を去ってエーリン村の隠れ家に向かい、着ぐるみを脱ぐと、何者かの不意打ちを受けた
「誰だ!?」
「ウル、いや人間!お前の動きが不自然だったから跡をついてみたら人間だったとはな」
「あん?お前は、マジで誰だ?」
「人間に語る名などない」
「じゃぁお前はウンコ野郎呼ぶは」
「好きにしろ、ここで貴様を倒す」
「倒されるのはお前だウンコ野郎、ここで良い事を教えてやる、アーデンもレイナードも全部、俺が排除してやった!」
最後のセリフの終わりにロケットパンチをするが、軽く避けられた
「お前のやり方は俺には通用しない」
「あっらぁ!避けられちゃった!?」
ウンコ野郎は直ぐに近接戦を仕掛けるが、足の裏に何かがくっついて勢いよく転けた
「だっはっはっはっは!!!だっせぇぇぇ!!!」
ウンコ野郎がめちゃくちゃ怒る、鋭い目つきだ
「そう怒るなよ、うんこちゃん」
(落ち着け!コイツは何しでかすか分からない)
ウンコ野郎が動こうとすると動けなかった、足の裏には粘着性の液体がくっついてその場を動く事が出来ない
「飛んで火に入る夏のウンコ野郎だな、今は夏でないけど」
上原はニヤニヤしながら鉄棒を伸ばしてウンコ野郎のケツを思い切りひっぱ叩いた、絶叫をあげながら苦しむウンコ野郎は涙腺から涙が流れた
「こいつ...魔物以上に魔物だ...」
充分、弱ったら上原はパックパックから謎の液体を取り出す
「これなぁんだ?」
「な..んだ?それは...」
「液体型接着剤」
「なんだと!?」
「さぁて、お前の両手の平にこれを塗って地面にくっつける、そしてここから動けないようにしてやる、殺しはないから」
「くぅ...クズめ」
「おめぇはここで大人しく四つん這いになって大人しくしてな、バイバイ」
上原は馬に跨り道中を駆けた、アイランス王国に戻ると国王になる事を伝えようとした、しかし門兵に止められて入れなかった
「俺はバーオニクスのヤベェ情報を王に知らせたいんだ!」
「何!?」
「...いいだろ、ここを通れ」
そろそろ夕日は沈む、上原は急いで王と会話しようと前に進む
「国王様、上原という者がバーオニクスの事についてお話があるようです」
「そう、ならここに呼べ」
「はっ!」
了承は軽くすんだ、兵士は上原を読んで王と謁見が許された、そして口を開くと
「すまんな国王、礼儀作法とかマナーとか抜きにしてくれ、バーオニクスはもう直ぐこのこの国を侵略しようと軍勢を集めている、そして奴は野生の魔物を捕まえて洗脳して軍隊を整えている」
「それは真か?!」
国王は軽々しく喋る上原にどこぞなく癪に触る
「それは心配ない、魔物を洗脳する施設はキハラ達が壊したから」
「そうか」
「だが、時間の問題だ、早く軍隊を編成した方がいいと思う、それじゃぁ、大事な要件は伝えた」
そう言って上原は雑貨に言って必要な物を買い漁る、そして次の戦いに充分に備えたら適当に宿を借りて過ごす

アイランス王国、病棟の病室、勇者カイトは万全な状態で新たに服装整える、そして兵士達はカイトにこう告げた
「カイト様、緊急で王がお呼びです」
「分かった」
部屋を出た瞬間、キハラ、リンドー、エネルに会った
「よう、カイト、身体の調子はどうだ?」
「快調だよ、今から王に呼ばれたんだ、君達も来てくれ」
カイトと三人は王の前に立つ、王はカイトにある事を頼んだ」
「もう時期、バーオニクスの軍隊が我々の国を襲撃するらしい」
「そうですか、分かりました」
そして、話は終わった
「やっぱ君たちに洗脳施設を任せて良かったよ」
「なんだ?俺達が失敗するとでも思ったのか?」
「俺は心配性なんだ」
「あははは!」
「あははは!」
「まあ、ほぼアイツのおかげだけど」
リンドーが口を滑らした
「アイツ?」
「ああ!正義感が強くてまともで曲がった事が嫌いな奴が助っ人に来てくれたんだ」
「そうか、そんな人もいたもんだな」
キハラが唐突な嘘をつく、それを聞いたリンドーとエネルは引いた、そしてキハラが二人をヘッドロックして耳打ちする
「施設を破壊したのが上原だって事が事実だと、アイツの自尊心が傷つく」
「何故?」
「まあ、なんとなく」
「何話してるんだ?」
「ああ、ちょっとプライベートな理由、すまんな」
「?」
カイトは気にする事はなかった、国王はバーオニクスの侵略に備えるためにありとあらゆる防壁を作った

そして一週間後、野営地で警備をしている兵士が大量の魔物の軍勢を見かけた
「あれは?」
「あれがバーオニクスの魔物の軍勢だよ」
兵士は素早く動いて狼煙を上げた、それを城内の見張り塔で見ていた兵士がギャラルホルンで吹いて戦闘の合図を行う、一斉に兵士達は飛び出て魔物の軍勢に立ち向かった、魔物はゴブリンやオーク、サイクロプス、後方には鎧を纏ったヘビーモスがいる
「ドウシタ!?」
「チカラガデナイ」
「ナニ!?」
「ホントダ!?」
ゴブリンが驚いていると兵士は容赦無く切り裂いてきた、アイランス兵士の雄叫びが戦場に響き渡る、上原が仕込んだ霊薬が効いているようだ、それによって次々と魔物が倒れていく、それを上原は崖上から望遠鏡で覗いていた
「いいぞいいぞ!俺が影で手を加えたんだ、勝って貰わないと困るよ、お前ら」
そして、望遠鏡でキハラやカイトの戦いを見ていた
「バーオニクス様!?魔物の調子がおかしいです」
「なに!?望遠鏡を寄越せ」
バーオニクスは右手で望遠鏡を見ると次々と兵士達に蹂躙されて行く魔物達
「一体、どういう事だ!?」
バーオニクスはいきなり魔弾を放った、だがその威力に違和感を感じた
「どういう事だ!?俺も魔力が少し減っているじゃないか!?クソが!?」
そして大きく玉座を蹴り飛ばして自ら戦場に赴こうとした
(何故だ!?何故、私の魔力が!?能力が低下した)
バーオニクスは思い当たる事を浮かぶ
(まさか!?あの献上した食べ物が原因か?!)
「バーオニクス様!?大変です!?食糧庫の食糧に変な成分が検出されました」
「一体、誰が?」
そして気づく
「ウルの奴かぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
物凄い咆哮が戦場に響き渡る、それは崖上で戦場を眺めている上原にも届いた
「バカが!今頃気づいたのか」
上原がニヤニヤしながら望遠鏡で見ている、その咆哮を聞いてカイト、キハラ、リンドー、エネルは向かう、バーオニクスは戦場を敵味方関係なく無差別に攻撃する、それでも一般兵士では敵わない
「バーオニクスサマ、ウギャァァァァァァ!!!」
突如、上から銀の刃が振り下ろされる、だがそれは当たる事はなかった
「バーオニクス!今度こそ決着をつけてやる」
「貴様如き!俺の敵ではないわ!」
バーオニクスは足に魔力を込めたキックを放つ、カイトはそれを盾で受け止める
(この程度の威力!?イケる!)
そして盾で弾き、バーオニクスはバランスを崩した、カイトは反撃に突き刺し攻撃をする、奴はそれを避けてみせた
「お前達は援護に迎え!俺はコイツと決着をつけたい!」
「分かった」
「勝てよ」
「しょうがねぇな」
三人はアイランス兵士の援護に向かった
「ありがとう、今度こそ勝ってみせる」

上原が飲み物を飲みながら望遠鏡でカイトの戦いを覗いていた
「健ちゃん?」
背後から女の声がした、上原は驚いて飲み物を溢す
「田島!?なんでおめぇがここにいんの?」
「だって、途中から見かけたんだもん」
「あのな...」
「だって声をかけたら「帰れ」って言うでしょ?」
「あったりまえだ」
「ねぇ!教えよ!いったい、どこで何をしてたの?」
「うっせぇ!?」
「なんなんのよ!いつも一人で背負って!」
田辺が引き下がらない
「俺は一人で動く方が得意なんだ、俺の考えについて来られる奴はいないだろ、帰んな」
田辺はそのまま帰っていった、バーオニクスとカイトの戦いはほぼ互角だった
「俺は負けて強くなった、今ここで勝つ!」
「ほざけ!貴様如きちょうどいいハンデだ!」
勝負の天秤はカイトに傾く、劣勢に追い込まれるバーオニクスは仕方なく第二形態に変身した、禍々しいオーラを放ちながら全身の筋肉が隆起する
「調子に乗るなぁ!!!」
「その姿になったか」
カイトが容赦無く攻める、袈裟斬りがバーオニクスのこめかみを斬る、そして追撃に火炎魔法を詠唱して攻撃するが当たらなかった
「すり抜けただと!?」
それは奴が作り出した分身だった、それにより大きく隙を晒し、跳び膝蹴りをもろに受けた、それはカイトの生命に届くほど威力だった、腹部の臓腑はやられて血が逆流して嘔吐した
「まさか...こんな事が...」
「死ねぇ!勇者カイトォォォ!!!」
トドメを刺そうとした瞬間、横から槍が飛んできた
「誰だぁ?!」
「ちっ!避けやがったか」
カイトの前に現れたのは上原だった
「った使えねぇ勇者だな」
「上原!?なんで貴様がここにいるんだ!?」
「なんだ貴様とは?助けられて嬉しくないのか?」
「お前のような卑怯者に助けられる俺の自尊心を考えろ!」
「意味わかんねーな、命は欲しくねーのか?」
「お前に助けられるなら死んだ方がマシ」
「じゃあ死ね」
上原はそう言ってカイトの腹を蹴飛ばして戦闘の邪魔になら所に飛ばした
「貴様!どこかであったような覚えが」
「当たり前だ、ウルと言う名の魔物の正体は俺だからな」
「そうか、あっはっはっはっは!!!俺の力がおかしいと思った原因はお前のせいか!」
バーオニクスはいきなり笑い出す、そして無表情になった瞬間、上原に魔導砲を撃ち込む
「本当にお前、霊薬が効いているのか?」
上原は疑問に思った
「どうだがな」
「拳で決着つけようか」
「いいだろう、下等な人間如き、俺の拳で充分だ!」
次の瞬間、上原のロケットパンチが奴を襲うが冷静に避けられて急接近して殴りかかる、地面に散らばった撒菱を吹き飛ばしながら上原を殴りかかる、そして両腕でガードして後ろに後退する
「結構、良い打撃をするじゃない」
「ほざけ!能力の低下がなければお前の腕は吹き飛んでたんだよ!」
(なんや、やっぱ効いていたんか、効いてこの威力か」
上原はバーオニクスの本当の力に驚いた、そして二人はお互い殴り合う
「どうした!?伝説の悪魔はこの程度かよ!」
カイトは信じたくなかった、あの卑怯者の上原がバーオニクスと互角に戦って推している、上原のアッパーが奴の顎を貫く、段々と上原の攻撃が当たるのようになり、バーオニクスは苦戦を強いられるようになる
(徐々に力が失っていく、早く決着つけないと)
上原は高い洞察力でバーオニクスの能力が徐々に低下している事を見抜く、そしてドドメのストレートパンチがクリティカルヒットして奴は身体を回転させながら大きく吹き飛ぶ、馬乗りになって容赦無く殴り続ける
「人様に迷惑かけてんじゃねぇ!これは襲われた罪なき人の分!そして俺の怒りぃぃぃ!!!」
上原はありとあらゆる思いを拳に宿して殴り続ける
「もうやめろ!」
キハラが止めに入る
「なんだ!?テメェも殴られたいか!」
「よく見ろ!奴はもう死んでいる!」
「はぁはぁ!ぺっ!」
上原は唾を吐いて殴るのやめた
「お前の勝ちだ」
「疲れたから帰る」
そう言って上原は帰って行った、キハラが満身創痍のカイトに肩を貸す
「結局、全て上原に持っていかれたか」
キハラが笑みを浮かべる
「あの魔物軍団、技や魔術が出せなかったんだよね、魔物の身体を調べがら魔力能力が弱くなる成分が検出されたんだ」
「ふん、そんな手で世界が救われたとなるとイヤになるぜ」
「勇者の拘りも困ったもんだな」
そして、どこからなく知ってる声がした
「バーオニクス!俺と勝負しろ!」
「ローブ!キリト!」
「おう!キハラ!加勢に来てやったぞ!」
「いやぁ、もう倒したよ」
「はにゃ?」
「ローブさん、俺ら遅かったみたいだね」
「言うな」
そして、バーオニクスの遺体は火葬され、二度と目覚めないように強力な呪術と魔術と祈祷を持って封印された、奴の怨念がある限り再び肉体を蘇るからだ、上原はナラリアエリアの病棟で療養している
「いてぇ!つれぇ!飯は不味い」
「文句言わないの」
田辺とキハラがお見舞いをしている
「ふん!世界は俺が救った事になっているから、多くの人がこの病院に押し寄せてくると思っていたが、あまり来ないな」
「マジカルトーカーを見てみな」
「あん?」
上原はマジカルトーカーでホログラム記事を読んで時事ニュースを見た
「どう言う事だ!?」
それはアイランス国王による勇者カイトの表彰式であった
「バーオニクスは俺が倒したんだぞ!なんでアイツが倒した事になってるんだよ」
「ん!あの時、お前は帰っただろ、それで国王はカイトが倒したと勘違いしたんだ」
「カイトくんは臓腑が損傷してまともに喋る事が出来ないから、そのまま話が進んでこうなったのよ」
「ふざけるな!」
「ここは病院だよ!大人しくしな!」
上原を看護担当に注意を受ける
「ああ、カイトの奴、なんとも言えない表情で表彰式を受けてたぞ」
「健ちゃん元気そうなによりだわ」
「それじゃ、俺は帰るわ、じゃぁな」
上原は夕飯を食べ終わるとベッドで横になった、するといきなりカイトが現れた
「なんだテメェ?何しに来た?」
上原は身構える。そしてカイトは上から目線で見る
「卑怯者にしては随分、怪我をしてるな」
「あん?バカにしに来たのか?」
「バカにしたいけど、卑怯とはいえお前に一度負けてるからな」
「一度?フッフッフ...アッハッハッ!!!」
「何がおかしい!」
上原が笑い出す
「この際だから良い事を教えてやる」
「あん?」
「おめぇは二度俺に負けてるよ」
「はっ?戦闘で頭打っておかしくなったのか?」
カイトが笑い出す、だが上原はため息吐きながら言う
「おめぇはエーリン村に来た時、四人で一匹の魔物と戦っただろ?」
「そうだ」
「それが俺だ」
「コイツ何言ってんだ」
「しょうがねぇな、ちょっと待ってろ」
そう言って、上原は身体を無理矢理動かして歩く、数時間待つとカイトの前に現れたのはエーリン村で自分達四人を退けた魔物だった
「貴様!?」
「落ち着け!?俺だ!」
「お前が!この魔物の正体だったのか!」
「そうだよ、改めて言おうか、お前は俺一人に負けたんだよ!」
カイトは膝をつく
「まさか、こんな奴に、俺たち四人が負けたのか...」
「バーカ!だっはっはっは!!!どんな気持ち?どんな気持ち?(まあ霊薬を使った事は生涯秘密な)」
上原はバカにしているとカイトはポケットから巻物を上原に投げた
「ほら、本来、この賞状はお前が受け取るべきものだ」
「あん?」
「正直、この賞状に価値はない、取り敢えずお前が強いってだけは分かった、だが認めたくない、じゃぁな」
そういってカイトは部屋から出て行った、担当の看護師が戻ってくると、魔物の着物を着た上原を見て大騒ぎする
「落ち着け!?俺だ!俺?」
「上原さん!?」
「いやぁ、これには訳が」
そして、上原はなんとか訳を話し、事態が大きくなる前に事を済ました、そして渡された賞状を見ると、賞状者名前が白い駅で塗られてある、こうして上原健二は復活の悪魔を倒し、世界に平和をもたらしたのだ
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