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一章
2話 ドラゴン倒す卑怯者
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上原健二はいつのまにか地面に倒れていた
「頭いてぇ...吐きそう...」
朦朧としながらフラフラと歩くと誰かにぶつかった
「いってぇ~な!テメェ!どこ目つけてんだ?この野郎」
「兄貴ぃ!大丈夫ですか?」
「これは骨が折れた...!?」
すると、いきなりけんは当たり屋のガラの悪い男にボディーブローをぶちかましてやった
「わりぃ!雑魚の当たり屋なんか眠たくて聞いてらんねぇ」
物凄い威力でガラの悪い男が数距離吹き飛ばされた
「しかし!ここはどこなんだよ!?俺はさっき女とエッチしてたんだけどな~」
「舐めてんじゃねぇ!殺すぞ!」
「あん!?」
上原は一発のパンチを軽く避けて上段前蹴りで男の顔面を蹴り飛ばした
「ったく!頭いてぇし!訳分からん場所で寝ていたわ、当たり屋にぶつかるわ、何がどうなってやがる」
上原の圧倒的な強さに恐れた当たり屋に目をつけると
「おい!雑魚ども!金を寄越せや!オラっ!オラッ!」
「やっ...やめて...」
「オラオラオラもっと、なんやこれ!?銀の丸っこいの?これがお金なのか!」
上原は少しだけ理解した、日本の硬貨と紙幣がないって事に
「なんやと言われても...これがお金でございましゅ」
「まあええや、もっとあるんやろ?出せよ!」
上原は殴りながら銀の硬貨を当たり屋から全てカツアゲをする
「ホンマ、訳分からんわ!」
そして上原はもう一つ当たり屋に尋ねた
「おい!ちんこ頭、この近くに街とかないのか?」
「あ...あちらでございまする」
当たり屋は怯えたような口答えで喋った
「おう!」
上原は示された通りに道を進むと治安が悪そうな街に着いた
「ちっ!しけた街だな、煙臭いし汗臭いし脇臭いし足臭いし」
よく見てみると最低限の店や建物は揃っているのであった、そして座れる場所に座ってここはどこなのか考察する事にした
「うーん、さっきまでは学校にいて、頭に何かが刺さって、そして...」
そして、上原は気づいてしまった
「もしかして!俺って死んだの!?」
大きな声で驚いて周りの人を驚かせる
「うるせぇ!」
と、店の店長から怒鳴られた、本当に死んだがどうか試してみてみると、そして頬をツネってみたら、ちゃんと痛みを感じた
「いってぇ!」
「だからうるさいって!営業妨害か!コラァ!?」
「しゅいませぇ!所でここは何処なんですか!?」
「はぁ?何言ってんだ!テメェ!普通の街に普通の店だろうが」
「俺は確か頭に何か刺さって死んで」
「頭に何かぶつかっておかしくなったのか?店の邪魔になるからあっち行った」
上原は何処かにおい帰られされた
「何だったんでしょうね」
「頭を打っておかしくなった返事だろ」
上原はある脳裏にこんな事が浮かぶ、それはネットであった異世界転生というジャンルの小説に漫画だ
「まさか!?本当にこんな事ってあり得るのか?」
また大きな声で驚くと
「テメェ!さっきから一人でうるさいんじゃ」
すると、またもやガラの悪い兄ちゃんがドス黒いで騒がしい上原に絡みに行った
「あん?こっちはなぁ!いきなり頭に変なものが刺さって、目が覚めたらこんな場所に来たんだよ!」
「ほう!頭打っておかしくなったのか?頭おかしい顔してるわ、ギャハハハハハハ!!!」
「俺の顔がおかしいだって!?」
上原はいきなりガラの悪い兄ちゃんの顔面殴り飛ばした、そして
「オラッ!オラッ!どうだ!」
ヒップドロップで何度も背中を叩き込む
「デュハハハ!俺は異世界来ても最強なんだよ!?」
上原は理解した、俺は死んで異世界にやって来たようだ、容姿と人格と記憶はそのままだった
「せっかく異世界来たし!この世界を探索して冒険でもしてやるか!」
この街はガラの悪い街で多くの訳ありの人が集まる場所、この街の雰囲気で察した上原はガラの悪い男を捕まえてカツアゲしようと思った
「お!あいつ顔がイカついぞ!当たって銀でもカツアゲするか!」
上原はわざと肩をぶつけて因縁をつけた
「いってぇな!ゴラァ!骨が折れただろうが!銀寄越して死ねやぁ!ボケが!」
「折れた腕で人を殴れるかぁ!!!」
と、ツッコミながら殴られて吹き飛ばされた
「テメェはなんなんだよ!」
「俺は上原健二だぁ!この街をシメるボスだぁ!だっはっはっはっは!!!」
上原は自己紹介を踏まえつつ絡んだ男から銀をカツアゲした
「オラオラオラ!銀もっと寄越せやぁ!テメェ!少ししかねぇじゃねぇか!ふざけんな、殺すぞ!」
そして銀をカツアゲした上原はニヤつきながら銀をポケットに入れた
「これで美容室に行って心機一転して第二の人生を歩んでやるぞ!」
妄想しながらどんな髪型にしようか悩んでいた時、店のドアの所で誰かとぶつかった
「いってぇな!どこ見て歩いてんだごらぁ!」
「あん?テメェこそどこを見てるんだよ!」
「やんのか?てめぇ!」
「ちょっとお前等ここで喧嘩すんじゃねぇ!やりたきゃ別の所に行きな」
美容室の人に怒られて二人は落ち着いた
「まあいいや、今日は機嫌がいいから許してやるよ」
「許す?お前が許されてるって自覚してんのか?」
「おい!」
「はいっ!ふん」
「はい!ちぃっ!」
二人は同時に美容室の待機室で情報冊子を読みながら待機している、お互いチラチラと見ながら気まずそうな表情している
(よりによってコイツと同じかよ)
(いちいち見てくんじゃねぇよ)
そして、上原とぶつかった男は同時に席に座り、どんな髪型にするか決めた
(髪型を金にするか?いや、それでは普通すぎるか?なら)
ぶつかった男もどんな髪型にしるか悩んでいた
(リーゼントにするか?いや、それでは普通すぎるか?なら)
二人は目を瞑ってセットが完了するまで時間を過ごす
「ありがとうございました、またのご来店をお願いします」
二人が出ようとした瞬間、お互いの目が映った、そして上原が突然、笑い出した
「だっはっはっはっはぁぁぁぁ!!!なんなんだ!?この髪型!!!翼生やしている!頭が空飛んでるよ!!!」
「テメェこそ!銀色の髪色とか地味でセンスねぇよ!地味すぎる!俺みたいにセンスのある髪型をしろや!」
「てめぇ!それが本当にセンスあると思ってるいるなら頭に生やしている羽で病院行けよ!」
「なんだと!?てめぇ!」
「やんのか!ごらぁ!」
二人はお互い殴り合おうとするとピタリと止まった
「ちっ!やめだ、髪色が汚れる」
「せっかくの髪型がおかしくなる」
「今回は見逃してやる、失せな!」
「テメェこそ、消えな」
「ふん」
「ちっ!」
二人は別れると、そして上原は何処か空き家がないか探していた
「お!いい家あるじゃん!」
「なあ、この家の家賃はいくらだ?」
大家さんに聞いてみると
「この家はタダだよ!」
「ダダでって、訳ありのじゃないだろうな?」
「うわっ!?きったな!まあいいや、この家を俺のアジトにしてやる」
そこには大量のガラクタと蜘蛛の巣、ゴキブリやハエ、埃が沢山かかっていた
「別にどうでもいいから好きに使いな」
「本当にタダでくれんの?公開すんなよ?」
「ああ、本当だよ、ああそうだ、この街に住みたいなら、区役所に行きな、あそこにあるから」
「おう!サンキューな」
上原はタダで家を手に入れた、しかし、大量のゴミにガラクタ、汚い虫に大量の埃、掃除する道具もなく困った
「そういえば掃除する道具がないや」
上原はある事を思いついた
「そっか!さっきの雑魚どもに掃除させればいいか!俺って頭いいな!」
そして悪そうな男を捕まえに行った
「いってぇな!あの男...マジで何なんだよ...」
「マジで関わらんとこうぜ...」
「そうだな...」
被害者は屯して上原の事を愚痴っていた、噂をすればなんとやら、そこに上原が満面の笑みでやって来た
「よお!雑魚ども!少し手伝ってくれや!」
「げっ!テメェはあの時の!」
「げっとはなんだゴラァ!お前等ちょっと掃除を手伝ってくれや!」
「なんでだよ!」
「あん?もう一度のされたいのか?」
「分かったよ...」
「おう!分かればいい、着いてこい雑魚ども!だっはっはっは!」
そして上原は自分の家にガラの悪い男達を連れて来た
「あの...この家を掃除するですか?」
「ああ、そうだ!文句あんのか?」
上原はドス黒い声と鋭い眼光でガラの悪い男を威圧する、その威圧に負けて仕方がなく掃除した
「オラァ!さっさと帰って動けやぁ!だっはっはっはっ!」
「き!きたねぇ!」
「愚痴ってないでさっさと働けぇ!タコ!」
「ひぃ!」
そして数時間すると部屋は綺麗ななってある程度住みやすくなった
「よぉし!お前等もういいぞ!」
そして、大家さんがやって来て
「あんた、一様ここに住むんならこの紙を持って区役所に行きな、住民登録を早くやって来な」
「おう!サンキューな」
綺麗になった部屋では何処か寂しさを感じた、一つのテーブルに椅子、そして空の本棚にタンス
「なんか寂しいな...」
玄関から何か叩く音がした
「なんだ?」
「掃除、ご苦労さん」
「おっ?差し入れかマジでありがてぇ!」
「それじゃぁ、おやすみなさい」
「おう!」
上原は新鮮な気分で眠りについた、そして翌日の朝、日差しの光が窓に入って上原の顔にあたる、大きなあくびをしながら身体を起き上がらすと、住民登録をしに行くために紙を持って区役所に行った
「ふーん、ここか区役所か」
「次どうぞ」
流れるような呼び方に呼ばれて住民登録をしていると
「はい」
昨日何処かで聞いたような声がした
「あぁ!昨日のクソダサリーゼント!テメェこんな所で何してんだ!?」
「こいつは昨日の銀髪!?テメェこそ、なんだ!?地味な奴は髪色も地味なのか!」
「言いやがったな!クソ野郎!」
「やんのか!?」
お互いの拳が二人の頬に当たる、そして職員から厳しく注意された
「喧嘩するなら別の所でやりな」
「ちっ!しょうがねぇな」
「今日はこのぐらいで勘弁してやるか」
二人はお互いイライラしながら同じ道を歩いて通る
「ったく、いってぇな!アイツのパンチ結構効いたな、学校では負けなしと言われてたんだがな、もしかしてアイツは強いのか?」
上原の後にウイングリーゼント男が後をつけてなんかぶつぶつ言っている
「この街に早々に強敵に会ってしまったか、結構鍛えたんだがな」
ぶつぶつ言いながら歩いていると、柱に頭をぶつけて、背後から誰かがぶつかってきた
「いってぇ!タコ!どこ見て歩いてんだ!ゴラァ!」
「テメェは!」
「あの時の!」
「同じ道を通るなよ!」
「テメェこそここ歩くなよ」
「帰り道が同じなんだからしょうがないだろうが」
二人はおでこをぶつけてながら言い合いになりながら歩く、するともう一度誰にぶつかった
「いってぇな!ゴラァ!」
「どこ見て歩いてんだ!テメェ!」
「あ?兄ちゃん、いい度胸してんな...」
ぶつかった男は明らかにやべぇ雰囲気を醸し出している
「これって?ヤクザ?」
「そーみたいね..」
「いい髪型ですね、今度真似てみようかな...へへ」
上原がヤクザの頭を見てそう褒めると
「それ褒めてない気が...」
ウイングリーゼント男がツッコミ
「ほう、兄ちゃん、ハゲをバカにしてんのか、死ねやぁ!ボケェ!」
二人は瞬間移動の如く木の影に隠れた
「テメェ...いい気になって居れば、調子乗んなよ!タコ!」
「おめぇな、この体勢で言ってもカッコよくねーよ」
「そう」
「そうだよ」
ヤクザみたいな男はどこか去っていった
「ふん今日はあのヤクザを見逃してらぁ!」
そして二人は別れて何処かに去っていった、上原は残りの銀で食料を買ってある事に気がついたら
「しまった!?そういえば働く場所を探さないと行けないや!」
上原は取り敢えず、大家さんに聞いてみたら
「働く?働きたいならギルドに行って冒険者になったら?モンスターを倒したり素材を納品すれば銀は手に入る」
「へ?」
上原が大きな声で笑った
「そんな漫画やアニメのような事があるかよ!」
バカにしたような空調で喋る上原、上原は完全にこの世界を把握してない、別の世界だって事は理解したけど、創作に出てくるようなドラゴンや悪魔などいないと思ってた
「そんなおかしい事言ってるか?もしかして...世間知らずに金持ちか?」
「そんな訳ねーよ、モンスターとか悪魔とかドラゴンとか漫画やアニメの話だろ?」
「変な奴だな、んじゃ!ちょっとついて来い、面白い物を見せてやる」
「ふん!どうせ、なんだよ!そのでっかいツノみたいな奴」
「ワシの祖父が昔狩った、アーマードドラゴンのツノだ」
そこには変な骨董品や生き物らしき生首や腕とか飾ってあった
「おいおいおい!これ本当にモンスターのなのか?」
上原は困惑している、本当に異世界に来ちまったのかと、そしてある紋章が刻印されている本に視線を飛ばすと
「これはなんだ?」
「魔導書だ」
「父は魔法使いだったんだよ」
「魔法使い!?」
「何を驚いている?常識だろ」
「常...識?」
漫画やアニメよくみる設定、まさかに本当に存在するなんて
「いや?待てよ?」
上原はある事を思いついた
(魔法を研究すれば銀が稼げるんじぇね?)
どれも阿漕な事ばかり
「なあ、大家さん、モンスターとか素材の納品を受ける場所ってどこだ?」
「マジックトレインに乗ってアドベンチャーステーションに行けばあるよ」
「サンキュー!」
そうと決まれば行動は早かった
「これ?魔法で電車を動かしているのか...はぇ」
指定された駅で降りて、早速ギルドに向かって、冒険の準備をした、ギルドにはいろんな冒険者が集まっていた
「マジか!本当に異世界に来たのか!」
上原は驚きと感動に胸を膨らませる
「なんだ?アイツ?独りで感動してさ」
「冒険者になれる新人さんだろ」
「なんだか気に食わんな」
「しかもなんだあれ?タキシードみたいな服装してんな」
上原はある事に気がついた
「そういえばここに来た時は学生服のままだったわ、冒険と言えば剣に鎧に杖に魔法やろ、しかし、この銀だけ買えそうにないな...」
素直に働いて武器でも買うか、でも情報によるとかなり値段がするらしく、武器や防具を買う事は車やバイクを買うことと同じことなのだ
「おい!テメェ!新人冒険者か?こんなセンスのないタキシードでなんのクエスト受注すんのかよ!」
「ちょうどいいカモが来た」
上原はニヤリと笑った
「ちょっとこっち来いや!三流冒険者」
「なんだと!?」
「やんのか!?」
そして指先で外に出ろっと言う合図で呼び出して人の気のない場所に連れて行く
「お前さ?悪い事は言わねぇ、今すぐ立ち去れや!それと持ってる銀をだしな!」
上原は隠し持ってた布で絡んできた戦士の顔面を不意打ちでぶん殴る
「テメェ!汚ねぇぞ!」
「クソ!この卑怯者がぁ!」
「卑怯?卑怯はな...俺の専用スキルだぁ!」
上原の絡んだパーティは卑怯な戦術と悪知恵で次々と地面に倒れて行く
「オラァ!オラァ!銀と装備寄越せやぁ!」
「貴様ぁ!これでも冒険者になる者かぁ!この卑劣者がぁ!」
「もう少し相手をよく見て絡むべきだったな、三流冒険者君よ」
「う...うぅ...」
「せっ!せっかく買った...プラチナソードが...」
「だっはっはっはぁぁぁ!!!全部貰っていくねぇ!!!」
「お...おい魔法を使えないお前が杖を持っても意味がないだろ?」
「あん?剥ぎ取った装備を今から売りにくんだよ、文句あるのか」
「そ...そんな(なんて...新人冒険者だよ...)」
「ど...邪悪な冒険者だよ...コイツ」
満面の笑みの上原は剥ぎ取ったプライドソードと盾以外の装備を全部売って銀にした、そして雑貨屋でポーションと携帯食料を買った、そして新たに服装に着替えて新鮮な気持ちでギルドに向かい、受付嬢に冒険者としての申請をして登録した、冒険者は誰でも無料で登録できるらしい
「所であなたは新人冒険者なのに高いプラチナソードを持っていますね」
「ああ、貰ったんだ」
「そうですか?」
受付嬢は訝しめた表情をする
「新人さんに一応説明しますと、このギルドの中で数回、武器を構えたり振るったりしたら冒険者としと資格を剥奪します、そして誰かの装備を奪ったり盗んだら一発で停止します、二度と解除される事はできません、ご了承ください」
上原は大きな目を開いた
(やっば!いや?待てよ?俺はタチの悪い冒険者のパーティに絡まれて慰謝料として装備を貰った、って事にすれば)フフッ!」
「どうかされましたか?」
「いや、なんでもない」
「初心者にはスライムを数匹討伐するのがよろしいかと」
「俺があんなダッセェ!生き物倒すかよ、あれだろ?あのブヨブヨした奴、漫画やアニメで見たわ」
「資料で見たようにブヨブヨして不規則に動くアレですね」
上原は不満を隠さず言った
「あんな雑魚どうでもいいんだよ、ドラゴンとかデーモンとかああいう奴を倒したいんだよ」
「はいはい、そうやってイキがって命を落とす新人も多いからね、まずはランクを上げて信用を得てから挑みましょうね」
「なんだと!?」
「おーい受付嬢さん?」
背後から忌々しい声が聞こえてきた
「この声、まさか!」
振り返るとまさかのウイングリーゼント男だった
「テメェ!こんな所で何してやがる!」
「テメェこそ!ぶっ!お前!新人冒険者か?」
「なんだよ...テメェこそ冒険者か?見せてみろよ」
「ほーれ」
「なあ?受付嬢、これってランク高いほうか?」
「はい、高ランク冒険者ですよ、この方はルーズライト・キハラ、上級者冒険者だよ、所で随分と個性的な髪型にイメチェンしましたね」
「そろそろ、有名にならないとね、だからインパクトのある髪型にしたんだ」
「はぁぁぁぁぁ?こんなクソダサリーゼント野郎が」
「という訳だ、新人の雑魚は引っ込んで冒険の書でも読んでな」
「チッキショー、あのクソダサリーゼント、案外すごい奴だったのか」
上原はこれほどまでもない屈辱を受けた
「なあ?受付嬢、これってパーティとか組めるの?」
「はい、ランク関係なく誰とでも組めます、しかし例外も一部存在しますが、貴方達二人はチームを組む事は出来ます」
「誰がこんな雑魚と、それじゃぁ、俺はこのアーマードドラゴンの討伐を受注するわ」
(そうか、パーティを組めるのか、なら)
上原は考えた
「はーい!僕たち、実はコイツとパーティを組む事になってるんだ」
「はぁぁぁぁぁ???」
「いやぁ!キハラ君に冒険者のイロハを教えてくれるって言うからさぁ」
「言ってねぇよ!!!てめぇ!!!ふざけんな!!!」
「まぁまぁ!会った仲じゃないか!」
「人格が変わって馴れ馴れしい気持ち悪いんだよ!どっか行けや」
「分かりました、それでは御二人アーマードドラゴンの依頼を受注を承諾します」
「ねぇ?話聞いてた?俺!断ってるよね?ねぇってばぁ!」
「それでは御武運を」
「うんも武運もあるか!誰がこんな奴と」
「つめてぇ事言うなよ」
「そ...そんな...」
二人は距離を取りながら目的にある野営地に向かった
「でっ?いつになったら目的の野営地に着くんだ?」
「テメェは依頼が終わるまで黙ってろ」
「お?あれは美味そうな果実」
「あん?っておい!何やってもんだ!てめぇ!」
「いってぇな!タコ!何すんだゴラァ!」
「あれは猛毒があるんだぞ!テメェ!テメェは死んでもどうでもいいけど、クエスト中にテメェを見殺しにしたら始末書や後始末が大変なんだよ!分かれや!」
「いきなり殴るバカがおるかよ!」
「テメェがバカだから殴るんだろうが!」
「おう!アーマードドラゴンの前にお前をやるかぁ!」
「上等だゴラァ!軽い肩慣らし程度にはちょうどいい、部下が変な行動をとって仕方なく実力行使したと言い訳がつく」
二人は取っ組み合いになりかけた瞬間、貧相な姿をした御一行がやってきた
「なんだお前ら、割り込んでくんなよ」
「こ...コイツ...俺たちの銀と装備をカツアゲして売りやがったんだ、キハラさんそいつ、やばい人です」
「貰ったんだよ!なあ!お前らさっきはありがとうな!」
上原は満面の笑みで感謝の意を示すと、キハラは感情の抜けたように指刺しながら確認をした
「マジで?」
「マジ...」
ホーホケショ!
「うぎゃぁぁぁぁぁぁ!!!おーれ知ーらない!」
「ああ!こらぁテメェ逃げやがったな」
「テメェ!犯罪者やぞ!」
「アイツが絡んできたから仕方なく実力行使で戦利品として装備を貰ったんだ!」
「普通、そんな事をするかてめぇ!」
「とにかく!あいつが絡んで来なければ、こんな事にはならなかったのだ!だっはっはっはっ!!!(絡んでいなくても拝借するつもりだったけどな)」
「笑ってんじゃねぇよ!」
そう言って走っていると目的の野営地に着いた
「ふう、ここが野営地かぁ、しけてんなぁ」
「文句言うなら変えれば?」
そしてイビキが聞こえた
「こいつ寝てやがる」
テーブルに伏せて眠った上原、キハラはアーマードドラゴンの探索を出る前に色々と準備をした、野営地に用意されている物で火を起こし、テントの中身を綺麗にして寝床を確保する
「今回は遅いし明日にするか」
キハラはダッチオーブンで肉を焼く、匂いに釣られて直ぐに目が覚めた
「おい!バカ!お前にはやらねぇからな!」
「いいじゃん!くれよ!」
「いやだ!」
「ケチくせぇ事言ってんじゃねぇ!」
上原は不意を突いてキハラの水を飲む
「もーらい」
「あぁ!?ごらぁ!」
そしてダッチオーブンの肉を頬張る、結局、キハラはダッチオーブンの野菜と汁と少量の肉しか食べられなかった、そして再び眠りにつく上原、そんな彼を殺意が湧いた
「あぁぁぁぁブチ殺してぇぇぇぇぇ!!!」
憎たらしくイビキなどなって夜は眠れない、朝になると日差しがテントの隙間から入り込み二人の顔に当たる、そして上原だけが満面の笑みで起き上がり、キハラだけは重々しい表情で起き上がる
「おいおい!元気出せよ!」
「誰のせいでこんな表情になってると思ってんだ...」
「アーマードドラゴンか、皮膚は鎧の如く硬く、強靭な爪で金属ですら切り裂き、僅かだが炎のブレスを吐く、動きは鈍重だ」
「どうした?問題児?にして随分と資料を見てるな」
「誰が問題児だ!」
中指を立てながら言う
「最近、この山岳にアーマードドラゴンが出没して商売人の流通が停滞している、これをなんとかしないといけない」
上原珍しく考えていると
「やーめた!」
「は?」
「食料でも探してくるわ、おめぇは討伐でも頑張れや」
「てんめぇ!珍しく見直そうとすればこれかぁ!二度と帰ってくんな!」
キハラもすかさず中指を立てる
キハラは数時間、探索していると、例のアーマードドラゴンに遭遇した
「おう!いい運がいいねぇ」
キハラは剣と盾を抜き身構える、そしてアーマードドラゴンはいきなり突進攻撃を繰り出してきた
「よっしゃー!!!避けられる!」
そして第二波の攻撃、鋭い前脚の爪が襲いかかる、キハラとアーマードドラゴンのお互いに接戦を繰り広げる
「お互いいい勝負するじゃない!」
上原は木の上で観戦をしていた
「隙ありだ!」
アーマードドラゴンの眼球に斬撃が切り裂く
「ちっ!失明してないのか...」
硬い頭部でギリギリ受けて防いだのだ、そして上から槍がキハラに向かって放たれた
「なんだ!」
それは誰でも躱せる程度に投げ槍だった
「キハラ君、動物虐待はよくないな~」
「てめぇ!裏切んのかぁ!」
「あ!空飛ぶ神様!」
「えぇ?」
上原は不意打ちでキハラをダウンさせて気絶させた
「よう、アーマードドラゴン、お前に良いものをやろう」
上原はアーマードドラゴンに肉を与えた、そしてキハラは直ぐに目が覚めた
「テメェは絶対に許さねぇ、もう堪忍袋の尾が切れた」
「へっへっへ!俺は動物愛護に目覚めた愛の戦士だぜ!」
「おらぁ!こいや!卑怯者」
「無理すんな、そんな満身創痍では俺を出し抜けないぜ」
そしてアーマードドラゴンはどこか消えていった、キハラは一度も上原に攻撃を与えることがなく疲れ果てて地面に倒れた
「よぉし!悪いなキハラ、お前のやり方ではアーマードドラゴンは倒す事は出来ない、野営地に寝てやがれ」
そして夜になると、アーマードドラゴンは元の住処に何かを吐きそうな表情で気分を悪そうにしていた
「よう!ここがお前に住処か」
アーマードドラゴンは上原を見て激怒した、そうだ、あの肉には野営地に向かう道中に拾った猛毒の果実の成分を染み込ませたのだ
「寝かせないぜ、オラァ!しねぇ!ボケがぁ!」
キハラは目を覚まし、どこかで戦っている音がした
「誰かアーマードドラゴンと戦っているのか?」
駆けつけた時は既にアーマードドラゴンは地面に転がっていた
「よう!遅かったじゃないか」
「上原!これお前がぁ?」
「そうだよ」
「一体どうやって?」
「簡単さ、お前が正々堂々と戦う、俺は逃げる、お前はアーマードドラゴンと戦って消耗する、俺は毒生肉を差し出して弱らせる、最後に俺がトドメを刺す、簡単だろ?」
「お前なぁ」
「すべては俺の計画通りに運んでいた訳だ」
「計りやがって、ったく」
二人は笑い合って少しだけ上原を認めた、ギルドから運搬車が派遣されてアーマードドラゴンは縛られギルドに運搬させられる、そして受付嬢から御礼と報酬を渡せれる
「すごいですね、初心者でありながら高難度の敵であるアーマードドラゴンを倒すなんて」
「俺は天才だからな!だっはっはっは!!!」
「調子のいい奴...って!?あっ!テメェ!報酬全部持っていくなやぁ!」
「俺がアーマードドラゴンを倒したんだ、戦ってる時に寝てたお前には要らないだろ?」
「ふざけんな!おい!上原ぁぁぁぁ!!!」
こうして上原健二は冒険者としてこの世界を旅するのであった
「頭いてぇ...吐きそう...」
朦朧としながらフラフラと歩くと誰かにぶつかった
「いってぇ~な!テメェ!どこ目つけてんだ?この野郎」
「兄貴ぃ!大丈夫ですか?」
「これは骨が折れた...!?」
すると、いきなりけんは当たり屋のガラの悪い男にボディーブローをぶちかましてやった
「わりぃ!雑魚の当たり屋なんか眠たくて聞いてらんねぇ」
物凄い威力でガラの悪い男が数距離吹き飛ばされた
「しかし!ここはどこなんだよ!?俺はさっき女とエッチしてたんだけどな~」
「舐めてんじゃねぇ!殺すぞ!」
「あん!?」
上原は一発のパンチを軽く避けて上段前蹴りで男の顔面を蹴り飛ばした
「ったく!頭いてぇし!訳分からん場所で寝ていたわ、当たり屋にぶつかるわ、何がどうなってやがる」
上原の圧倒的な強さに恐れた当たり屋に目をつけると
「おい!雑魚ども!金を寄越せや!オラっ!オラッ!」
「やっ...やめて...」
「オラオラオラもっと、なんやこれ!?銀の丸っこいの?これがお金なのか!」
上原は少しだけ理解した、日本の硬貨と紙幣がないって事に
「なんやと言われても...これがお金でございましゅ」
「まあええや、もっとあるんやろ?出せよ!」
上原は殴りながら銀の硬貨を当たり屋から全てカツアゲをする
「ホンマ、訳分からんわ!」
そして上原はもう一つ当たり屋に尋ねた
「おい!ちんこ頭、この近くに街とかないのか?」
「あ...あちらでございまする」
当たり屋は怯えたような口答えで喋った
「おう!」
上原は示された通りに道を進むと治安が悪そうな街に着いた
「ちっ!しけた街だな、煙臭いし汗臭いし脇臭いし足臭いし」
よく見てみると最低限の店や建物は揃っているのであった、そして座れる場所に座ってここはどこなのか考察する事にした
「うーん、さっきまでは学校にいて、頭に何かが刺さって、そして...」
そして、上原は気づいてしまった
「もしかして!俺って死んだの!?」
大きな声で驚いて周りの人を驚かせる
「うるせぇ!」
と、店の店長から怒鳴られた、本当に死んだがどうか試してみてみると、そして頬をツネってみたら、ちゃんと痛みを感じた
「いってぇ!」
「だからうるさいって!営業妨害か!コラァ!?」
「しゅいませぇ!所でここは何処なんですか!?」
「はぁ?何言ってんだ!テメェ!普通の街に普通の店だろうが」
「俺は確か頭に何か刺さって死んで」
「頭に何かぶつかっておかしくなったのか?店の邪魔になるからあっち行った」
上原は何処かにおい帰られされた
「何だったんでしょうね」
「頭を打っておかしくなった返事だろ」
上原はある脳裏にこんな事が浮かぶ、それはネットであった異世界転生というジャンルの小説に漫画だ
「まさか!?本当にこんな事ってあり得るのか?」
また大きな声で驚くと
「テメェ!さっきから一人でうるさいんじゃ」
すると、またもやガラの悪い兄ちゃんがドス黒いで騒がしい上原に絡みに行った
「あん?こっちはなぁ!いきなり頭に変なものが刺さって、目が覚めたらこんな場所に来たんだよ!」
「ほう!頭打っておかしくなったのか?頭おかしい顔してるわ、ギャハハハハハハ!!!」
「俺の顔がおかしいだって!?」
上原はいきなりガラの悪い兄ちゃんの顔面殴り飛ばした、そして
「オラッ!オラッ!どうだ!」
ヒップドロップで何度も背中を叩き込む
「デュハハハ!俺は異世界来ても最強なんだよ!?」
上原は理解した、俺は死んで異世界にやって来たようだ、容姿と人格と記憶はそのままだった
「せっかく異世界来たし!この世界を探索して冒険でもしてやるか!」
この街はガラの悪い街で多くの訳ありの人が集まる場所、この街の雰囲気で察した上原はガラの悪い男を捕まえてカツアゲしようと思った
「お!あいつ顔がイカついぞ!当たって銀でもカツアゲするか!」
上原はわざと肩をぶつけて因縁をつけた
「いってぇな!ゴラァ!骨が折れただろうが!銀寄越して死ねやぁ!ボケが!」
「折れた腕で人を殴れるかぁ!!!」
と、ツッコミながら殴られて吹き飛ばされた
「テメェはなんなんだよ!」
「俺は上原健二だぁ!この街をシメるボスだぁ!だっはっはっはっは!!!」
上原は自己紹介を踏まえつつ絡んだ男から銀をカツアゲした
「オラオラオラ!銀もっと寄越せやぁ!テメェ!少ししかねぇじゃねぇか!ふざけんな、殺すぞ!」
そして銀をカツアゲした上原はニヤつきながら銀をポケットに入れた
「これで美容室に行って心機一転して第二の人生を歩んでやるぞ!」
妄想しながらどんな髪型にしようか悩んでいた時、店のドアの所で誰かとぶつかった
「いってぇな!どこ見て歩いてんだごらぁ!」
「あん?テメェこそどこを見てるんだよ!」
「やんのか?てめぇ!」
「ちょっとお前等ここで喧嘩すんじゃねぇ!やりたきゃ別の所に行きな」
美容室の人に怒られて二人は落ち着いた
「まあいいや、今日は機嫌がいいから許してやるよ」
「許す?お前が許されてるって自覚してんのか?」
「おい!」
「はいっ!ふん」
「はい!ちぃっ!」
二人は同時に美容室の待機室で情報冊子を読みながら待機している、お互いチラチラと見ながら気まずそうな表情している
(よりによってコイツと同じかよ)
(いちいち見てくんじゃねぇよ)
そして、上原とぶつかった男は同時に席に座り、どんな髪型にするか決めた
(髪型を金にするか?いや、それでは普通すぎるか?なら)
ぶつかった男もどんな髪型にしるか悩んでいた
(リーゼントにするか?いや、それでは普通すぎるか?なら)
二人は目を瞑ってセットが完了するまで時間を過ごす
「ありがとうございました、またのご来店をお願いします」
二人が出ようとした瞬間、お互いの目が映った、そして上原が突然、笑い出した
「だっはっはっはっはぁぁぁぁ!!!なんなんだ!?この髪型!!!翼生やしている!頭が空飛んでるよ!!!」
「テメェこそ!銀色の髪色とか地味でセンスねぇよ!地味すぎる!俺みたいにセンスのある髪型をしろや!」
「てめぇ!それが本当にセンスあると思ってるいるなら頭に生やしている羽で病院行けよ!」
「なんだと!?てめぇ!」
「やんのか!ごらぁ!」
二人はお互い殴り合おうとするとピタリと止まった
「ちっ!やめだ、髪色が汚れる」
「せっかくの髪型がおかしくなる」
「今回は見逃してやる、失せな!」
「テメェこそ、消えな」
「ふん」
「ちっ!」
二人は別れると、そして上原は何処か空き家がないか探していた
「お!いい家あるじゃん!」
「なあ、この家の家賃はいくらだ?」
大家さんに聞いてみると
「この家はタダだよ!」
「ダダでって、訳ありのじゃないだろうな?」
「うわっ!?きったな!まあいいや、この家を俺のアジトにしてやる」
そこには大量のガラクタと蜘蛛の巣、ゴキブリやハエ、埃が沢山かかっていた
「別にどうでもいいから好きに使いな」
「本当にタダでくれんの?公開すんなよ?」
「ああ、本当だよ、ああそうだ、この街に住みたいなら、区役所に行きな、あそこにあるから」
「おう!サンキューな」
上原はタダで家を手に入れた、しかし、大量のゴミにガラクタ、汚い虫に大量の埃、掃除する道具もなく困った
「そういえば掃除する道具がないや」
上原はある事を思いついた
「そっか!さっきの雑魚どもに掃除させればいいか!俺って頭いいな!」
そして悪そうな男を捕まえに行った
「いってぇな!あの男...マジで何なんだよ...」
「マジで関わらんとこうぜ...」
「そうだな...」
被害者は屯して上原の事を愚痴っていた、噂をすればなんとやら、そこに上原が満面の笑みでやって来た
「よお!雑魚ども!少し手伝ってくれや!」
「げっ!テメェはあの時の!」
「げっとはなんだゴラァ!お前等ちょっと掃除を手伝ってくれや!」
「なんでだよ!」
「あん?もう一度のされたいのか?」
「分かったよ...」
「おう!分かればいい、着いてこい雑魚ども!だっはっはっは!」
そして上原は自分の家にガラの悪い男達を連れて来た
「あの...この家を掃除するですか?」
「ああ、そうだ!文句あんのか?」
上原はドス黒い声と鋭い眼光でガラの悪い男を威圧する、その威圧に負けて仕方がなく掃除した
「オラァ!さっさと帰って動けやぁ!だっはっはっはっ!」
「き!きたねぇ!」
「愚痴ってないでさっさと働けぇ!タコ!」
「ひぃ!」
そして数時間すると部屋は綺麗ななってある程度住みやすくなった
「よぉし!お前等もういいぞ!」
そして、大家さんがやって来て
「あんた、一様ここに住むんならこの紙を持って区役所に行きな、住民登録を早くやって来な」
「おう!サンキューな」
綺麗になった部屋では何処か寂しさを感じた、一つのテーブルに椅子、そして空の本棚にタンス
「なんか寂しいな...」
玄関から何か叩く音がした
「なんだ?」
「掃除、ご苦労さん」
「おっ?差し入れかマジでありがてぇ!」
「それじゃぁ、おやすみなさい」
「おう!」
上原は新鮮な気分で眠りについた、そして翌日の朝、日差しの光が窓に入って上原の顔にあたる、大きなあくびをしながら身体を起き上がらすと、住民登録をしに行くために紙を持って区役所に行った
「ふーん、ここか区役所か」
「次どうぞ」
流れるような呼び方に呼ばれて住民登録をしていると
「はい」
昨日何処かで聞いたような声がした
「あぁ!昨日のクソダサリーゼント!テメェこんな所で何してんだ!?」
「こいつは昨日の銀髪!?テメェこそ、なんだ!?地味な奴は髪色も地味なのか!」
「言いやがったな!クソ野郎!」
「やんのか!?」
お互いの拳が二人の頬に当たる、そして職員から厳しく注意された
「喧嘩するなら別の所でやりな」
「ちっ!しょうがねぇな」
「今日はこのぐらいで勘弁してやるか」
二人はお互いイライラしながら同じ道を歩いて通る
「ったく、いってぇな!アイツのパンチ結構効いたな、学校では負けなしと言われてたんだがな、もしかしてアイツは強いのか?」
上原の後にウイングリーゼント男が後をつけてなんかぶつぶつ言っている
「この街に早々に強敵に会ってしまったか、結構鍛えたんだがな」
ぶつぶつ言いながら歩いていると、柱に頭をぶつけて、背後から誰かがぶつかってきた
「いってぇ!タコ!どこ見て歩いてんだ!ゴラァ!」
「テメェは!」
「あの時の!」
「同じ道を通るなよ!」
「テメェこそここ歩くなよ」
「帰り道が同じなんだからしょうがないだろうが」
二人はおでこをぶつけてながら言い合いになりながら歩く、するともう一度誰にぶつかった
「いってぇな!ゴラァ!」
「どこ見て歩いてんだ!テメェ!」
「あ?兄ちゃん、いい度胸してんな...」
ぶつかった男は明らかにやべぇ雰囲気を醸し出している
「これって?ヤクザ?」
「そーみたいね..」
「いい髪型ですね、今度真似てみようかな...へへ」
上原がヤクザの頭を見てそう褒めると
「それ褒めてない気が...」
ウイングリーゼント男がツッコミ
「ほう、兄ちゃん、ハゲをバカにしてんのか、死ねやぁ!ボケェ!」
二人は瞬間移動の如く木の影に隠れた
「テメェ...いい気になって居れば、調子乗んなよ!タコ!」
「おめぇな、この体勢で言ってもカッコよくねーよ」
「そう」
「そうだよ」
ヤクザみたいな男はどこか去っていった
「ふん今日はあのヤクザを見逃してらぁ!」
そして二人は別れて何処かに去っていった、上原は残りの銀で食料を買ってある事に気がついたら
「しまった!?そういえば働く場所を探さないと行けないや!」
上原は取り敢えず、大家さんに聞いてみたら
「働く?働きたいならギルドに行って冒険者になったら?モンスターを倒したり素材を納品すれば銀は手に入る」
「へ?」
上原が大きな声で笑った
「そんな漫画やアニメのような事があるかよ!」
バカにしたような空調で喋る上原、上原は完全にこの世界を把握してない、別の世界だって事は理解したけど、創作に出てくるようなドラゴンや悪魔などいないと思ってた
「そんなおかしい事言ってるか?もしかして...世間知らずに金持ちか?」
「そんな訳ねーよ、モンスターとか悪魔とかドラゴンとか漫画やアニメの話だろ?」
「変な奴だな、んじゃ!ちょっとついて来い、面白い物を見せてやる」
「ふん!どうせ、なんだよ!そのでっかいツノみたいな奴」
「ワシの祖父が昔狩った、アーマードドラゴンのツノだ」
そこには変な骨董品や生き物らしき生首や腕とか飾ってあった
「おいおいおい!これ本当にモンスターのなのか?」
上原は困惑している、本当に異世界に来ちまったのかと、そしてある紋章が刻印されている本に視線を飛ばすと
「これはなんだ?」
「魔導書だ」
「父は魔法使いだったんだよ」
「魔法使い!?」
「何を驚いている?常識だろ」
「常...識?」
漫画やアニメよくみる設定、まさかに本当に存在するなんて
「いや?待てよ?」
上原はある事を思いついた
(魔法を研究すれば銀が稼げるんじぇね?)
どれも阿漕な事ばかり
「なあ、大家さん、モンスターとか素材の納品を受ける場所ってどこだ?」
「マジックトレインに乗ってアドベンチャーステーションに行けばあるよ」
「サンキュー!」
そうと決まれば行動は早かった
「これ?魔法で電車を動かしているのか...はぇ」
指定された駅で降りて、早速ギルドに向かって、冒険の準備をした、ギルドにはいろんな冒険者が集まっていた
「マジか!本当に異世界に来たのか!」
上原は驚きと感動に胸を膨らませる
「なんだ?アイツ?独りで感動してさ」
「冒険者になれる新人さんだろ」
「なんだか気に食わんな」
「しかもなんだあれ?タキシードみたいな服装してんな」
上原はある事に気がついた
「そういえばここに来た時は学生服のままだったわ、冒険と言えば剣に鎧に杖に魔法やろ、しかし、この銀だけ買えそうにないな...」
素直に働いて武器でも買うか、でも情報によるとかなり値段がするらしく、武器や防具を買う事は車やバイクを買うことと同じことなのだ
「おい!テメェ!新人冒険者か?こんなセンスのないタキシードでなんのクエスト受注すんのかよ!」
「ちょうどいいカモが来た」
上原はニヤリと笑った
「ちょっとこっち来いや!三流冒険者」
「なんだと!?」
「やんのか!?」
そして指先で外に出ろっと言う合図で呼び出して人の気のない場所に連れて行く
「お前さ?悪い事は言わねぇ、今すぐ立ち去れや!それと持ってる銀をだしな!」
上原は隠し持ってた布で絡んできた戦士の顔面を不意打ちでぶん殴る
「テメェ!汚ねぇぞ!」
「クソ!この卑怯者がぁ!」
「卑怯?卑怯はな...俺の専用スキルだぁ!」
上原の絡んだパーティは卑怯な戦術と悪知恵で次々と地面に倒れて行く
「オラァ!オラァ!銀と装備寄越せやぁ!」
「貴様ぁ!これでも冒険者になる者かぁ!この卑劣者がぁ!」
「もう少し相手をよく見て絡むべきだったな、三流冒険者君よ」
「う...うぅ...」
「せっ!せっかく買った...プラチナソードが...」
「だっはっはっはぁぁぁ!!!全部貰っていくねぇ!!!」
「お...おい魔法を使えないお前が杖を持っても意味がないだろ?」
「あん?剥ぎ取った装備を今から売りにくんだよ、文句あるのか」
「そ...そんな(なんて...新人冒険者だよ...)」
「ど...邪悪な冒険者だよ...コイツ」
満面の笑みの上原は剥ぎ取ったプライドソードと盾以外の装備を全部売って銀にした、そして雑貨屋でポーションと携帯食料を買った、そして新たに服装に着替えて新鮮な気持ちでギルドに向かい、受付嬢に冒険者としての申請をして登録した、冒険者は誰でも無料で登録できるらしい
「所であなたは新人冒険者なのに高いプラチナソードを持っていますね」
「ああ、貰ったんだ」
「そうですか?」
受付嬢は訝しめた表情をする
「新人さんに一応説明しますと、このギルドの中で数回、武器を構えたり振るったりしたら冒険者としと資格を剥奪します、そして誰かの装備を奪ったり盗んだら一発で停止します、二度と解除される事はできません、ご了承ください」
上原は大きな目を開いた
(やっば!いや?待てよ?俺はタチの悪い冒険者のパーティに絡まれて慰謝料として装備を貰った、って事にすれば)フフッ!」
「どうかされましたか?」
「いや、なんでもない」
「初心者にはスライムを数匹討伐するのがよろしいかと」
「俺があんなダッセェ!生き物倒すかよ、あれだろ?あのブヨブヨした奴、漫画やアニメで見たわ」
「資料で見たようにブヨブヨして不規則に動くアレですね」
上原は不満を隠さず言った
「あんな雑魚どうでもいいんだよ、ドラゴンとかデーモンとかああいう奴を倒したいんだよ」
「はいはい、そうやってイキがって命を落とす新人も多いからね、まずはランクを上げて信用を得てから挑みましょうね」
「なんだと!?」
「おーい受付嬢さん?」
背後から忌々しい声が聞こえてきた
「この声、まさか!」
振り返るとまさかのウイングリーゼント男だった
「テメェ!こんな所で何してやがる!」
「テメェこそ!ぶっ!お前!新人冒険者か?」
「なんだよ...テメェこそ冒険者か?見せてみろよ」
「ほーれ」
「なあ?受付嬢、これってランク高いほうか?」
「はい、高ランク冒険者ですよ、この方はルーズライト・キハラ、上級者冒険者だよ、所で随分と個性的な髪型にイメチェンしましたね」
「そろそろ、有名にならないとね、だからインパクトのある髪型にしたんだ」
「はぁぁぁぁぁ?こんなクソダサリーゼント野郎が」
「という訳だ、新人の雑魚は引っ込んで冒険の書でも読んでな」
「チッキショー、あのクソダサリーゼント、案外すごい奴だったのか」
上原はこれほどまでもない屈辱を受けた
「なあ?受付嬢、これってパーティとか組めるの?」
「はい、ランク関係なく誰とでも組めます、しかし例外も一部存在しますが、貴方達二人はチームを組む事は出来ます」
「誰がこんな雑魚と、それじゃぁ、俺はこのアーマードドラゴンの討伐を受注するわ」
(そうか、パーティを組めるのか、なら)
上原は考えた
「はーい!僕たち、実はコイツとパーティを組む事になってるんだ」
「はぁぁぁぁぁ???」
「いやぁ!キハラ君に冒険者のイロハを教えてくれるって言うからさぁ」
「言ってねぇよ!!!てめぇ!!!ふざけんな!!!」
「まぁまぁ!会った仲じゃないか!」
「人格が変わって馴れ馴れしい気持ち悪いんだよ!どっか行けや」
「分かりました、それでは御二人アーマードドラゴンの依頼を受注を承諾します」
「ねぇ?話聞いてた?俺!断ってるよね?ねぇってばぁ!」
「それでは御武運を」
「うんも武運もあるか!誰がこんな奴と」
「つめてぇ事言うなよ」
「そ...そんな...」
二人は距離を取りながら目的にある野営地に向かった
「でっ?いつになったら目的の野営地に着くんだ?」
「テメェは依頼が終わるまで黙ってろ」
「お?あれは美味そうな果実」
「あん?っておい!何やってもんだ!てめぇ!」
「いってぇな!タコ!何すんだゴラァ!」
「あれは猛毒があるんだぞ!テメェ!テメェは死んでもどうでもいいけど、クエスト中にテメェを見殺しにしたら始末書や後始末が大変なんだよ!分かれや!」
「いきなり殴るバカがおるかよ!」
「テメェがバカだから殴るんだろうが!」
「おう!アーマードドラゴンの前にお前をやるかぁ!」
「上等だゴラァ!軽い肩慣らし程度にはちょうどいい、部下が変な行動をとって仕方なく実力行使したと言い訳がつく」
二人は取っ組み合いになりかけた瞬間、貧相な姿をした御一行がやってきた
「なんだお前ら、割り込んでくんなよ」
「こ...コイツ...俺たちの銀と装備をカツアゲして売りやがったんだ、キハラさんそいつ、やばい人です」
「貰ったんだよ!なあ!お前らさっきはありがとうな!」
上原は満面の笑みで感謝の意を示すと、キハラは感情の抜けたように指刺しながら確認をした
「マジで?」
「マジ...」
ホーホケショ!
「うぎゃぁぁぁぁぁぁ!!!おーれ知ーらない!」
「ああ!こらぁテメェ逃げやがったな」
「テメェ!犯罪者やぞ!」
「アイツが絡んできたから仕方なく実力行使で戦利品として装備を貰ったんだ!」
「普通、そんな事をするかてめぇ!」
「とにかく!あいつが絡んで来なければ、こんな事にはならなかったのだ!だっはっはっはっ!!!(絡んでいなくても拝借するつもりだったけどな)」
「笑ってんじゃねぇよ!」
そう言って走っていると目的の野営地に着いた
「ふう、ここが野営地かぁ、しけてんなぁ」
「文句言うなら変えれば?」
そしてイビキが聞こえた
「こいつ寝てやがる」
テーブルに伏せて眠った上原、キハラはアーマードドラゴンの探索を出る前に色々と準備をした、野営地に用意されている物で火を起こし、テントの中身を綺麗にして寝床を確保する
「今回は遅いし明日にするか」
キハラはダッチオーブンで肉を焼く、匂いに釣られて直ぐに目が覚めた
「おい!バカ!お前にはやらねぇからな!」
「いいじゃん!くれよ!」
「いやだ!」
「ケチくせぇ事言ってんじゃねぇ!」
上原は不意を突いてキハラの水を飲む
「もーらい」
「あぁ!?ごらぁ!」
そしてダッチオーブンの肉を頬張る、結局、キハラはダッチオーブンの野菜と汁と少量の肉しか食べられなかった、そして再び眠りにつく上原、そんな彼を殺意が湧いた
「あぁぁぁぁブチ殺してぇぇぇぇぇ!!!」
憎たらしくイビキなどなって夜は眠れない、朝になると日差しがテントの隙間から入り込み二人の顔に当たる、そして上原だけが満面の笑みで起き上がり、キハラだけは重々しい表情で起き上がる
「おいおい!元気出せよ!」
「誰のせいでこんな表情になってると思ってんだ...」
「アーマードドラゴンか、皮膚は鎧の如く硬く、強靭な爪で金属ですら切り裂き、僅かだが炎のブレスを吐く、動きは鈍重だ」
「どうした?問題児?にして随分と資料を見てるな」
「誰が問題児だ!」
中指を立てながら言う
「最近、この山岳にアーマードドラゴンが出没して商売人の流通が停滞している、これをなんとかしないといけない」
上原珍しく考えていると
「やーめた!」
「は?」
「食料でも探してくるわ、おめぇは討伐でも頑張れや」
「てんめぇ!珍しく見直そうとすればこれかぁ!二度と帰ってくんな!」
キハラもすかさず中指を立てる
キハラは数時間、探索していると、例のアーマードドラゴンに遭遇した
「おう!いい運がいいねぇ」
キハラは剣と盾を抜き身構える、そしてアーマードドラゴンはいきなり突進攻撃を繰り出してきた
「よっしゃー!!!避けられる!」
そして第二波の攻撃、鋭い前脚の爪が襲いかかる、キハラとアーマードドラゴンのお互いに接戦を繰り広げる
「お互いいい勝負するじゃない!」
上原は木の上で観戦をしていた
「隙ありだ!」
アーマードドラゴンの眼球に斬撃が切り裂く
「ちっ!失明してないのか...」
硬い頭部でギリギリ受けて防いだのだ、そして上から槍がキハラに向かって放たれた
「なんだ!」
それは誰でも躱せる程度に投げ槍だった
「キハラ君、動物虐待はよくないな~」
「てめぇ!裏切んのかぁ!」
「あ!空飛ぶ神様!」
「えぇ?」
上原は不意打ちでキハラをダウンさせて気絶させた
「よう、アーマードドラゴン、お前に良いものをやろう」
上原はアーマードドラゴンに肉を与えた、そしてキハラは直ぐに目が覚めた
「テメェは絶対に許さねぇ、もう堪忍袋の尾が切れた」
「へっへっへ!俺は動物愛護に目覚めた愛の戦士だぜ!」
「おらぁ!こいや!卑怯者」
「無理すんな、そんな満身創痍では俺を出し抜けないぜ」
そしてアーマードドラゴンはどこか消えていった、キハラは一度も上原に攻撃を与えることがなく疲れ果てて地面に倒れた
「よぉし!悪いなキハラ、お前のやり方ではアーマードドラゴンは倒す事は出来ない、野営地に寝てやがれ」
そして夜になると、アーマードドラゴンは元の住処に何かを吐きそうな表情で気分を悪そうにしていた
「よう!ここがお前に住処か」
アーマードドラゴンは上原を見て激怒した、そうだ、あの肉には野営地に向かう道中に拾った猛毒の果実の成分を染み込ませたのだ
「寝かせないぜ、オラァ!しねぇ!ボケがぁ!」
キハラは目を覚まし、どこかで戦っている音がした
「誰かアーマードドラゴンと戦っているのか?」
駆けつけた時は既にアーマードドラゴンは地面に転がっていた
「よう!遅かったじゃないか」
「上原!これお前がぁ?」
「そうだよ」
「一体どうやって?」
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「俺は天才だからな!だっはっはっは!!!」
「調子のいい奴...って!?あっ!テメェ!報酬全部持っていくなやぁ!」
「俺がアーマードドラゴンを倒したんだ、戦ってる時に寝てたお前には要らないだろ?」
「ふざけんな!おい!上原ぁぁぁぁ!!!」
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