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本編

114 彼女のハジメテ3

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突然姿を現したアレクに対して、驚きと共にほんの少しだけ疑いを持った。

だって、いつもは転移で訪れることなんてない。先ぶれとまではいかないまでも、部屋をノックするくらいはちゃんとしてくれる。

傍若無人で、ドSな鬼畜で人でなしだけど、そのへんの礼儀はちゃんとしている人だ。──ということは、

(はじめから、ルーかわたしの行動を監視していたということか・・・)

さすがに理由まではわかりかねるが、タイミングを見計らってわざわざ来たと考えるのが妥当だろう。

ただこの王様の場合は、ものすごく重要な理由か、ものすごくどうしようもない理由か、どちらかわからないだけに質が悪い。

そこまで頭を巡らせたところで、強く抱きしめられて我に返る。

「ぜったいやだ、アレクに見せたら減る。さっさと出ていってよ。」

わたしを腕に閉じ込めながら、ルーが毛を逆立てた猫みたいに威嚇した。

「えーやだよ、シアはわたしの妃なんだから、彼女の姿を楽しむのは当然の権利でしょう? ルーがいやなら、わたしがシアの相手をするだけだよ。」

アレクは当然のように言うと、ルーに向かって、いやわたしに向けて、おいでというしぐさをする。


ルーの気持ちはうれしいが、指示系統的には目の前の相手に応えるのが正しい。
大丈夫というふうにトントンと指で合図すると、困惑したような、でも心底いやそうなルーと目が合った。

とりあえず束縛する腕が緩んだところを抜け出し、アレクの前に立つ。上から下まで眺められ、手を引かれる。

「おりこうな子は好きだよ。今日の衣装もすごく似合ってる。」

アレクは胸元から幅広の布を取り出すと、わたしの目にキスしてから視界をふさいだ。

(目隠し・・・でもって3人・・・)

まさか、先日の不穏な言葉がこんなにすぐに現実となるなんて。

固まったわたしをよそに、頭の後ろで布が固く結わかれる。決して痛くはないが、厚手の生地なのかまったく何も見えない。突然のことに戸惑って手を伸ばすと、温かな手が私の手を握った。

「なにも見えなくて、なにされるかわからなくて、不安だよね。・・・ああ、ほんとにかわいいなあ」

明らかに前半と後半のセリフが合ってない。そんな突っ込みをする間もなかった。

後ろのファスナーを下ろす音がしたかと思うと、急に素肌に空気が触れる。

「相変わらずおっきなおっぱいだねー。」 

そんな声が聞こえたと思ったら、わしっと下着ごと両胸を鷲掴みされる。下着に手を入れられて、ずらされたのがわかった。

そのまま、むき出しになったであろう乳首を食まれる。

「あうっ・・・」

ルーに見られていることを一瞬忘れ、声が漏れる。他に物音はなく、自分の声だけがいやに大きく響いた。

目隠しして、服を脱がし、見せつけるように胸を舐めしゃぶる・・・立派な変態行為だ。

セイにからだを弄られるところをアレクが観察していたときとは状況が違う。彼の性癖に慣れている自分はともかく、突然のことにルーはきっと戸惑っているに違いない。

フォローしなくてはと考えを巡らせようとした途端、胸の先端をかりりと噛まれて意識が飛んだ。

「!」

指でつままれ、じゅるじゅると口の中に入れられ、舌でぐりぐりと先端を嬲られる。目が見えないので刺激だけを感じて余計、気持ちがいい。ぬめぬめとした舌の感触があまりにも淫靡で、一瞬立ってられなくなりそうになる。

「ああ、いい具合にとろとろだ・・・。ルーは、どうする? このまま駄々こねててもいいし、一緒に楽しんでもいいよ。」

のんびりとしたアレクの問いに、泣きそうなルーの声がした。

「──いっしょに、する」





それからの状況は、正直自分でもよくわからない。

「んん・・・・・っ」

目隠しをされたままの状態でベッドの上に四つん這いになったわたしは、口いっぱいに硬くなった竿を必死に頬張っている。後ろからは絶え間なく花芯を刺激され、どこからか伸びてきた手が性感を刺激するように胸をやさしく撫でる。

わたしが舌を這わせるたびに、陰茎がびくびくと動くのが感じられた。できるだけ奥まで咥え、口をすぼめて上下する。

時折聞こえるアレクの息遣いに、どうしようもなく欲情する。

「は・・・すごく、いい。もっとして。」

命じられるまま、舌を動かして物欲しそうに吸い付く。少しだけ苦い味がした。

視覚を奪われた分、ふたりの手が、声が、恐ろしいほどに気持ちいい。いつの間にか恥ずかしいという気持ちもなくなってしまうほどに。

ほしいものが与えられず、もどかしげに腰が揺れる。時間を忘れ、ひたすら陰茎を手で、舌で、愛撫し続けた。

理性では、ふたりの男性と行為をするべきではないと思っていても、ふたりから愛されたい、もっとほしいという本心が、頭をもたげる。

考え事をしたからだろう。無心にしゃぶっていたモノが口から離れた。物足りない気分になり、もう一度しゃぶらせてほしくて見えないまま左手をさまよわせる。

ふいに、ぐいと左腕を後ろから引かれた。
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