379 / 390
2015年8月 凪の始まり(後編)
24 2015年8月 24
しおりを挟む
「うん……
うん……
うん……
うん……
うん……
うん、
私、あの日、けんたろーが防波堤で……
海で……
水族館で……
優しくしてくれていた時からずっと、ずっと大好きだった。最初はお父さんが、また、現れたのかなって思っていた……
でも、やっぱり、それは、けんたろーで、優しいけど、決してお父さんみたいな優しさじゃないけど、優しくて……
それで、あたし、ずっと、ずっと大好きだった。
絶対、私、この人と家族になるって子供の時から、今でも子供かもしれないけど、小学校の時から思っていた。私にしてみれば、遅いよ!けんたろーって感じだけど……」
大きな薄茶色の瞳からポロポロと大粒の涙を流して、ときおり手で拭きながら、俺を見ている。今まで、はっきりとリリィさんに俺は意思を示さな過ぎたから、ずっと苦しめてしまっていたんだね。
泣きながら笑顔になって来たリリィさんは、
「嬉しいよ! けんたろー、家族になろう!
私は、あなたに幸せしか運ばない。あなたの前から消えたりしない。
安心して!
望んで!
一緒に幸せになろう!!
私だって、けんたろー に貰ったんだよ。パパが死んじゃって、なんにもなくなった心を けんたろー は幸せな気持ちにしてくれたんだよ。
次は、私の番だよ。けんたろー、私があなたを幸せにしてあげる!!
ありがとう! ずっと待たせたね!
これからはずっと一緒だよ!!」
リリィさんは隣で防波堤に座る俺の上にまたがって抱き着いて、満面の笑顔で俺を見つめている。
「私、言ってたよね?
大好き!って、
それを信じてなかった?
けんたろー!
けんたろーは臆病すぎるよ!
ここに私が来てる時点で、あなたの事、大好きって事じゃない!
もっと自信持った方が良いよ!
分からないなら、言葉にしようか?
けんたろー!!!!
大好き!!
ずっと、ずっと大好きだった!
ずっとずっとずっとこれからも大好き!
ずっとずっとこれからも!!
愛してる!!!!!
分かったかな!!
私の大好きな、元大人同級生、佐藤健太郎君!」
うん……
うん……
うん……
うん……
うん、
私、あの日、けんたろーが防波堤で……
海で……
水族館で……
優しくしてくれていた時からずっと、ずっと大好きだった。最初はお父さんが、また、現れたのかなって思っていた……
でも、やっぱり、それは、けんたろーで、優しいけど、決してお父さんみたいな優しさじゃないけど、優しくて……
それで、あたし、ずっと、ずっと大好きだった。
絶対、私、この人と家族になるって子供の時から、今でも子供かもしれないけど、小学校の時から思っていた。私にしてみれば、遅いよ!けんたろーって感じだけど……」
大きな薄茶色の瞳からポロポロと大粒の涙を流して、ときおり手で拭きながら、俺を見ている。今まで、はっきりとリリィさんに俺は意思を示さな過ぎたから、ずっと苦しめてしまっていたんだね。
泣きながら笑顔になって来たリリィさんは、
「嬉しいよ! けんたろー、家族になろう!
私は、あなたに幸せしか運ばない。あなたの前から消えたりしない。
安心して!
望んで!
一緒に幸せになろう!!
私だって、けんたろー に貰ったんだよ。パパが死んじゃって、なんにもなくなった心を けんたろー は幸せな気持ちにしてくれたんだよ。
次は、私の番だよ。けんたろー、私があなたを幸せにしてあげる!!
ありがとう! ずっと待たせたね!
これからはずっと一緒だよ!!」
リリィさんは隣で防波堤に座る俺の上にまたがって抱き着いて、満面の笑顔で俺を見つめている。
「私、言ってたよね?
大好き!って、
それを信じてなかった?
けんたろー!
けんたろーは臆病すぎるよ!
ここに私が来てる時点で、あなたの事、大好きって事じゃない!
もっと自信持った方が良いよ!
分からないなら、言葉にしようか?
けんたろー!!!!
大好き!!
ずっと、ずっと大好きだった!
ずっとずっとずっとこれからも大好き!
ずっとずっとこれからも!!
愛してる!!!!!
分かったかな!!
私の大好きな、元大人同級生、佐藤健太郎君!」
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
君の好きなもの
秋谷イル
ライト文芸
小説家の月見には弟子がいる。数年前から暮らしているアパートの大家の息子・文一。彼は十四歳の不登校児。将来は月見のような小説家になりたいらしい。家賃の割引と引き替えに弟子に取ったこの少年を、月見は今日も渋々迎え入れる。
白石マリアのまったり巫女さんの日々
凪崎凪
ライト文芸
若白石八幡宮の娘白石マリアが学校いったり巫女をしたりなんでもない日常を書いた物語。
妖怪、悪霊? 出てきません! 友情、恋愛? それなりにあったりなかったり?
巫女さんは特別な職業ではありません。 これを見て皆も巫女さんになろう!(そういう話ではない)
とりあえずこれをご覧になって神社や神職、巫女さんの事を知ってもらえたらうれしいです。
偶にフィンランド語講座がありますw
完結しました。
君はプロトタイプ
真鳥カノ
ライト文芸
西暦21XX年。
大地も海も空も、命すらも作り物の世界。
天宮ヒトミは、『天宮 愛』のクローンとして生まれ育った。
生涯を愛に尽くすために存在すると思っていたけれど、それはかなわなくなってしまった。
自分が『ヒトミ』なのか『愛』なのか、迷う曖昧な心を持て余す中、一人の少年と出会う。
以前、『愛』が想いを寄せていた少年『深海尚也』だ。
そう思っていたけれど、少し様子が違う。
彼もまた、尚也のクローンだったのだ。
オリジナルを失ったクローンの二人が目指すものは、オリジナルの完全複製か、それとも……?
目指すものすら曖昧な未完成のクローンたちの生きる道とは……。
※こちらの作品はエブリスタ様、Solispia様にも掲載しております。
ぼく、パンダ
山城木緑
ライト文芸
経営難に陥った堂ヶ芝動物園。堂ヶ芝動物園は起死回生の一手として保護された子パンダを買い受ける決断をする。子パンダを担当する早坂は異変を感じていた。この子パンダは悲しみに暮れている。早坂は子パンダを中国に返してあげようと決断する。
泣けない、泣かない。
黒蝶
ライト文芸
毎日絶望に耐えている少女・詩音と、偶然教育実習生として彼女の高校に行くことになった恋人・優翔。
ある事情から不登校になった少女・久遠と、通信制高校に通う恋人・大翔。
兄である優翔に憧れる弟の大翔。
しかし、そんな兄は弟の言葉に何度も救われている。
これは、そんな4人から為る物語。
《主な登場人物》
如月 詩音(きらさぎ しおん):大人しめな少女。歌うことが大好きだが、人前ではなかなか歌わない。
小野 優翔(おの ゆうと):詩音の恋人。養護教諭になる為、教育実習に偶然詩音の学校にやってくる。
水無月 久遠(みなづき くおん):家からほとんど出ない少女。読書家で努力家。
小野 大翔(おの ひろと):久遠の恋人。優翔とは兄弟。天真爛漫な性格で、人に好かれやすい。
千早さんと滝川さん
秋月真鳥
ライト文芸
私、千早(ちはや)と滝川(たきがわ)さんは、ネットを通じて知り合った親友。
毎晩、通話して、ノンアルコール飲料で飲み会をする、アラサー女子だ。
ある日、私は書店でタロットカードを買う。
それから、他人の守護獣が見えるようになったり、タロットカードを介して守護獣と話ができるようになったりしてしまう。
「スピリチュアルなんて信じてないのに!」
そう言いつつも、私と滝川さんのちょっと不思議な日々が始まる。
参考文献:『78枚のカードで占う、いちばんていねいなタロット』著者:LUA(日本文芸社)
タロットカードを介して守護獣と会話する、ちょっと不思議なアラサー女子物語。
三百字 -三百字の短編小説集-
福守りん
ライト文芸
三百字以内であること。
小説であること。
上記のルールで書かれた小説です。
二十五才~二十八才の頃に書いたものです。
今だったら書けない(書かない)ような言葉がいっぱい詰まっています。
それぞれ独立した短編が、全部で二十話です。
一話ずつ更新していきます。
ふと思ったこと
マー坊
エッセイ・ノンフィクション
たまにはのんびり考えるのも癒しになりますね。
頭を使うけど頭を休める運動です(笑)
「そうかもしれないね」という納得感。
「どうなんだろうね?」という疑問符。
日記の中からつまみ食いをしてみました(笑)
「世界平和とお金のない世界」
https://plaza.rakuten.co.jp/chienowa/
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる