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3月 卒業
7 奪われた日常7
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学校は高台にある。港の見下ろせる、街の見下ろせる30mほどの急峻な海岸段丘の丘の上にあった。学校にいる限りは、津波の被害にあう事は考えられない。実際、避難所になってもいた。
港へと続く道を俺は駆け下りていた。ここから見える海の表情は、まだ、大きく普段と違っているようには見えないが、寒空の、曇り空の中、それは、どこまでも灰色に見えた。
途中、道を下りながら、避難に来た人たちとすれ違う様になった。街が近づくとそれまで、遠くに聞こえていた防災無線のサイレンが激しく鳴り響いていたことに今更ながら気付いた。その中を整然と歩く人、車の渋滞の長い列。それらを横目に俺はリリィさんのアパートを目指して避難の人の流れに逆らう様に海へと向かって走っている。
港へと続く道を俺は駆け下りていた。ここから見える海の表情は、まだ、大きく普段と違っているようには見えないが、寒空の、曇り空の中、それは、どこまでも灰色に見えた。
途中、道を下りながら、避難に来た人たちとすれ違う様になった。街が近づくとそれまで、遠くに聞こえていた防災無線のサイレンが激しく鳴り響いていたことに今更ながら気付いた。その中を整然と歩く人、車の渋滞の長い列。それらを横目に俺はリリィさんのアパートを目指して避難の人の流れに逆らう様に海へと向かって走っている。
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