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9月 リリィさんと海 (後編)
33 けんたろーの学校での仕事
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「ちょっと、ちょっと、どうした?」
俺がお昼休みの校庭でいつの間にか殴り合っているご学友の間に割って入った。ドッジボールの的になりながら、校庭の隅の20m程先の鉄棒のあたりで絡み合っていた二人の一部始終を見ていたのだ。
「だって、こいつがしつこく、ずっと絡んできて、さっきも急に頭をぶってきたから、僕もやり返したんだよ!」
武藤君が言った。
武藤君と鈴木君はいつも遊んでいる組み合わせではない。話を聞くと、どうも一方的に言葉でグチグチねちっこく鈴木君が絡んでいたようだが、ついに暴力を伴った事で武藤君が反撃に出たらしい。
「何で鈴木君はそんな事したんだ?」
俺がソフトに聞くと、
「何でもない……」
向こうを見ている。
「鈴木君は何でもないのに友達を殴る様な人なのかい?」
「殴ってなんか無いよ!」
言葉を荒げる。
「殴ったろ!」
武藤君も続けた。
「鈴木君、俺も君が武藤君を殴ったところを見ていたから、ここに来ているんだよ。
どんな事があっても殴ったりしたら負けだ。それはダメだ。今のうちに大人のルールを覚えておいた方がいい。それとせっかくだから、何故、君がそんなに武藤君に絡んでいたのか、しっかりとした話をしよう。俺が付き合うから一緒に話をしよう」
俺は、興奮する二人の肩を軽く抱きながら校庭のタイヤに座らせ話を聞いた。
単純な話だ。
絡んでいた鈴木君のお母さんが武藤君を良く褒めるので、彼なりの対抗心、やきもちから始まっていた事らしい。最後には鈴木君が謝って、武藤君がそれを受け入れた。
「なあ、君たちも一緒にドッジボールやらないか!!」
なんとなく、謝罪して見たもののお互い身の置き場がない感じの二人に声を掛けた。
俺、一体何してんだろう?
俺がお昼休みの校庭でいつの間にか殴り合っているご学友の間に割って入った。ドッジボールの的になりながら、校庭の隅の20m程先の鉄棒のあたりで絡み合っていた二人の一部始終を見ていたのだ。
「だって、こいつがしつこく、ずっと絡んできて、さっきも急に頭をぶってきたから、僕もやり返したんだよ!」
武藤君が言った。
武藤君と鈴木君はいつも遊んでいる組み合わせではない。話を聞くと、どうも一方的に言葉でグチグチねちっこく鈴木君が絡んでいたようだが、ついに暴力を伴った事で武藤君が反撃に出たらしい。
「何で鈴木君はそんな事したんだ?」
俺がソフトに聞くと、
「何でもない……」
向こうを見ている。
「鈴木君は何でもないのに友達を殴る様な人なのかい?」
「殴ってなんか無いよ!」
言葉を荒げる。
「殴ったろ!」
武藤君も続けた。
「鈴木君、俺も君が武藤君を殴ったところを見ていたから、ここに来ているんだよ。
どんな事があっても殴ったりしたら負けだ。それはダメだ。今のうちに大人のルールを覚えておいた方がいい。それとせっかくだから、何故、君がそんなに武藤君に絡んでいたのか、しっかりとした話をしよう。俺が付き合うから一緒に話をしよう」
俺は、興奮する二人の肩を軽く抱きながら校庭のタイヤに座らせ話を聞いた。
単純な話だ。
絡んでいた鈴木君のお母さんが武藤君を良く褒めるので、彼なりの対抗心、やきもちから始まっていた事らしい。最後には鈴木君が謝って、武藤君がそれを受け入れた。
「なあ、君たちも一緒にドッジボールやらないか!!」
なんとなく、謝罪して見たもののお互い身の置き場がない感じの二人に声を掛けた。
俺、一体何してんだろう?
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