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第十一章 卒業

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   高三の三学期になった。

   最後の学期で週一登校になっている。

   太陽は冬休みになってすぐに東京に行った。

   もうすぐクリスマスというところで行ってしまったので一緒にクリスマスを過ごすことは出来なかった。
   でも、空港まで見送った時にプレゼントをくれたので寂しくはなかった。

   プレゼントはひまわりの形をしたゴールドのネックレスだった。
   私はそのネックレスをずっとつけているほどお気に入りだ。

   私は大学に受かり、大学の入学準備におわれている。
   もうすぐ卒業式があるのだが、太陽は卒業式にも帰って来ないのか不安だった。


   卒業式の日になり、私は最後の登校に太陽の家に行った。
   太陽が帰って来ているのかは分からないけど太陽の部屋に向かって声をかけた。

「太陽!おはよう!」

   声をかけたが返事はなかった。

   やっぱり、帰ってきてないかと思いながら一人で学校に行こうとすると扉がガチャっと音をたてながら開いた。

「あー、ごめん。寝坊した!」

「……」

「どうした?」
「あっ、いや。おはよう……」

   私が動揺しながら挨拶をすると太陽はクスッと微笑みながら笑った。

「陽葵、おはよう!」
「最後の学校に行こっか!」
「うん!」


   卒業式が始まった。

   みんな泣いていたが私は泣かなかった。
   最後に泣いて終わるのは嫌だったから。

   卒業式が終わり、みんなで写真を撮ったりしていた。
   やっぱり最後に太陽と話したくて太陽を探すと大勢の人だかりができていた。
   太陽と最後に話そうと同級生や後輩の女子たちが集まってすごいことになっていた。
   太陽の制服のボタンはみんなに取られていた。

「あっ!陽葵!」

   私に気づいたように太陽が人をよけながら私のそばにきてくれた。

「すごいことになってるね……」
私が圧倒されながら言うと太陽も苦笑いをしていた。

「ほんとにな!マジで疲れたー、、」
「お疲れ様!大変だったね」
「ありがとう、お前は大丈夫だったか?最後にって告白とかされただろ?」

   太陽が嫉妬しているかのように言うので私は少し笑ってしまった。

「されてないよ!みんな私が太陽の彼女だって知ってるからね」

「付き合っといて良かったな!」
   太陽が嬉しそうに言った。

「もう、そう言われるとなんか複雑なんだけど」
「別に陽葵に悪い虫がつかないようにだよ」
「なにそれ!」


「俺、また明日には東京に戻んなきゃいけないからな」
「そっか……」

   私が暗い顔をすると太陽が笑顔で私の頭を撫でた。

「まぁ、そんな顔するなよ」
「……」

「もうすぐデビューできるから、そしたら碧と二人でライブに来いよ。チケット送ってやるから!」

「ありがとう。頑張ってるんだね」

「陽葵が応援してくれてると思うと頑張れるんだよ」

「うん!応援してる!」
   私がそういうと太陽はものすごく嬉しそうだった。

   私もそういう太陽を応援し続けたいと強く思った。


   そして、私は大学生になり太陽もデビューをした。

太陽のグループはデビューしてすぐに音楽サイト一位になったり、音楽番組に多数出演したり、すぐに人気アイドルへと登っていった。

   私は碧と何回かライブも見に行った。

   その度に太陽からすごく勇気と希望をもらえた。
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