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第六章 告白
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「太陽、好きです」
陽葵にいきなりそう言われた。
俺が告白するよりも先に言われたので驚きすぎて言葉が出なかった。
「……」
「私、太陽のことが昔から好きだった。ただの幼なじみじゃなくなることが怖くて、太陽には私なんか釣り合わないと思ってずっと言えなかった」
俺と目を合わせないように目線を逸らしている陽葵を見ながら緊張しているんだと感じた。
俺は幼なじみだから知っているが陽葵が緊張するなんてことは滅多にない。なのに緊張しているのは本当に俺のことを好きでいてくれているんだと実感した。
「……俺も」
「えっ?」
「俺も好きだった」
「ずっと前から陽葵だけを好きだった。陽葵は俺のことなんかただの幼なじみぐらいにしか思っていないんじゃないかって思ったり、告白して振られて仲のいい友達にも戻れなかったらどうしようって陽葵には俺よりもいい人がいるってずっとそんなことを考えて怖かったんだ」
「そんなこと……絶対ない!」
俺が本音を漏らすと陽葵が大きな声でそう言い顔をあげた。
「私にとって太陽よりもいい人なんていない。私が太陽を嫌いになることなんて絶対にない!」
そう言っている陽葵の目線はしっかりと俺の目線と合っていて、さっきまで目を逸らして顔を下に向けていた人とは思えないほど力強く俺を見つめていた。
「だから……だから、私と!」
「ちょっと待って!」
俺は陽葵が何を言おうとしているのかすぐに分かった。
「俺と付き合ってください」
「本当に私でいい?」
「陽葵がいい」
「……はい、よろしくお願いします!」
陽葵は静かに頷きながら幸せそうな笑顔で微笑んでいた。
そして俺たちは付き合うことになった。
まるでひまわりたちが俺たちのことをお祝いしてくれているように光り輝いて見えた。
この日の帰り道、二人で帰っていたが何を話していいか分からずにすごく微妙な空気が流れた。
いつも二人で帰っているのに隣にいるのが全く知らない人かのように緊張していた。
静かな俺たちを後ろから夕日が照らして二人の影だけが長く伸びていった。
そして家に着き、俺たちが別れようとしていると陽葵の家の玄関の扉が開いた。
「あっ……」
女の子が家から出てきた。
その子は大日野天燈《おおひの あまひ》。
陽葵の妹だ。
「天燈!ただいま」
「……おかえり、遅かったじゃん」
天燈は少し不機嫌そうにしていた。
「ごめんね。お母さん怒ってる?」
「別に怒ってないよ。それよりお姉ちゃんと太陽くんやっと付き合ったの?」
俺たちを見ながら無表情でそう言う天燈に驚いた。
「えっ!?なんで分かったの?」
俺と同じように驚いた陽葵がびっくりしたように聞いた。
「いや、二人の雰囲気が違ったから……」
「すごい、天燈は人のことよく見てるね」
陽葵が感心しながら褒めると天燈は少し恥ずかしそうにしていた。
「別にいいでしょ?私もう行くから!」
そう言いながら天燈は恥ずかしそうにしている顔を隠すように急いで行こうとしていた。
「こんな時間にどこに行くの?」
夕日も沈み暗くなっていたので陽葵も心配しているようだった。
「コンビニ」
「そっか、早く帰って来るんだよ」
「……分かってる、じゃあね」
そう言うと天燈は俺に軽く頭を下げて行った。
「天燈ちゃん、暗いから気をつけてね」
俺はそう声をかけた。
「じゃあ、私も家に入るね。今日はありがとう」
「うん、また明日」
「うん、明日ね!」
そう言い陽葵は家に入っていった。
俺も家に入り、すごく幸せな気分だった。
だって憧れだった陽葵と付き合うことができたなんてこんな夢みたいなことがあるのかと思った。
そして俺が絶対に陽葵を幸せにして必ず守ると心に決めた。
陽葵にいきなりそう言われた。
俺が告白するよりも先に言われたので驚きすぎて言葉が出なかった。
「……」
「私、太陽のことが昔から好きだった。ただの幼なじみじゃなくなることが怖くて、太陽には私なんか釣り合わないと思ってずっと言えなかった」
俺と目を合わせないように目線を逸らしている陽葵を見ながら緊張しているんだと感じた。
俺は幼なじみだから知っているが陽葵が緊張するなんてことは滅多にない。なのに緊張しているのは本当に俺のことを好きでいてくれているんだと実感した。
「……俺も」
「えっ?」
「俺も好きだった」
「ずっと前から陽葵だけを好きだった。陽葵は俺のことなんかただの幼なじみぐらいにしか思っていないんじゃないかって思ったり、告白して振られて仲のいい友達にも戻れなかったらどうしようって陽葵には俺よりもいい人がいるってずっとそんなことを考えて怖かったんだ」
「そんなこと……絶対ない!」
俺が本音を漏らすと陽葵が大きな声でそう言い顔をあげた。
「私にとって太陽よりもいい人なんていない。私が太陽を嫌いになることなんて絶対にない!」
そう言っている陽葵の目線はしっかりと俺の目線と合っていて、さっきまで目を逸らして顔を下に向けていた人とは思えないほど力強く俺を見つめていた。
「だから……だから、私と!」
「ちょっと待って!」
俺は陽葵が何を言おうとしているのかすぐに分かった。
「俺と付き合ってください」
「本当に私でいい?」
「陽葵がいい」
「……はい、よろしくお願いします!」
陽葵は静かに頷きながら幸せそうな笑顔で微笑んでいた。
そして俺たちは付き合うことになった。
まるでひまわりたちが俺たちのことをお祝いしてくれているように光り輝いて見えた。
この日の帰り道、二人で帰っていたが何を話していいか分からずにすごく微妙な空気が流れた。
いつも二人で帰っているのに隣にいるのが全く知らない人かのように緊張していた。
静かな俺たちを後ろから夕日が照らして二人の影だけが長く伸びていった。
そして家に着き、俺たちが別れようとしていると陽葵の家の玄関の扉が開いた。
「あっ……」
女の子が家から出てきた。
その子は大日野天燈《おおひの あまひ》。
陽葵の妹だ。
「天燈!ただいま」
「……おかえり、遅かったじゃん」
天燈は少し不機嫌そうにしていた。
「ごめんね。お母さん怒ってる?」
「別に怒ってないよ。それよりお姉ちゃんと太陽くんやっと付き合ったの?」
俺たちを見ながら無表情でそう言う天燈に驚いた。
「えっ!?なんで分かったの?」
俺と同じように驚いた陽葵がびっくりしたように聞いた。
「いや、二人の雰囲気が違ったから……」
「すごい、天燈は人のことよく見てるね」
陽葵が感心しながら褒めると天燈は少し恥ずかしそうにしていた。
「別にいいでしょ?私もう行くから!」
そう言いながら天燈は恥ずかしそうにしている顔を隠すように急いで行こうとしていた。
「こんな時間にどこに行くの?」
夕日も沈み暗くなっていたので陽葵も心配しているようだった。
「コンビニ」
「そっか、早く帰って来るんだよ」
「……分かってる、じゃあね」
そう言うと天燈は俺に軽く頭を下げて行った。
「天燈ちゃん、暗いから気をつけてね」
俺はそう声をかけた。
「じゃあ、私も家に入るね。今日はありがとう」
「うん、また明日」
「うん、明日ね!」
そう言い陽葵は家に入っていった。
俺も家に入り、すごく幸せな気分だった。
だって憧れだった陽葵と付き合うことができたなんてこんな夢みたいなことがあるのかと思った。
そして俺が絶対に陽葵を幸せにして必ず守ると心に決めた。
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