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浮気癖のある彼氏を邪魔します
ジャマー1
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アリーシア学園
この国では、国をあらゆる分野から管理する聖国議会で働く者達を貴族と呼んだ。
ここは、そのご子息たちが通い、議会に出ても恥ずかしくなく、国民の理解を得られる人材になるよう設立された学園だ。
基本的に3年通い、仁・義・礼・智・信を学んでいく。最終テストで点数が一定値を超えていれば卒業、議会補助員として次のステージへと上がれる仕組み。
そこに通う2年の私、リーナ・エクスロアは街のインフラ制御を主に担当する御三家の1つエクスロア家の長女。顔も良くて運動も出来、性格も優しい正に完璧のレディ。学園の成績だってトップだった。たまには落ちるけどほぼトップ。
貴族の中でも一目置かれるのは勿論、幼馴染で貿易関連を担うアルフェイド家の長男アランとの婚約も決まっていたまさに勝ち組。
「やぁリーナ」
「ごきげんようアラン」
廊下ですれ違った挨拶を交わす私達。それを見ていた人達は黄色い声援。
女性のように綺麗で艶やかな金髪の髪に、見るだけで落ち着いてしまうような、奥二重で目尻の下がった優しい顔。あぁアランなんてイケメンなの。性格も神だし最高。
そして極めつけは私にだけ見せる弱み。
「リーナ助けて!」
虫が出るとすぐに私に抱きつき助けを求めてくる。
私ははいはいと面倒そうにしながらも内心叫びまくって虫退治をした。
普段は何でもできそうだけど二人きりになると弱さをさらけ出してくれるアラン。
これはもう、順風満帆の人生が確定したと思っていた。
「や、やめてよ! こんなとこで……」
「ん」
庭園に設置された椅子でボッチ飯としゃれこもうとしていたのだけど。なんで彼氏いて黄色い声援も浴びれるのにボッチ飯なの? なんて聞かないで欲しい。泣くから。
すると、ふとどこからか厭らしい声が聞こえてきた。何だなんだ。不埒な匂いがしますぞ。
「いいだろミーナ。僕と君の仲じゃないか」
この声聞いたことあるぞ。その推測を私の魂が否定していません。
「ここじゃだめだよアラン君……」
アランだぁ!!
気になる。とても気になる。何をしてるんだ。
おやおや?
「リーナに悪いよ……だって婚約者なんでしょ」
そうだよ婚約者だよ。浮気駄目よ駄目。
「大丈夫だよ。あいつとの婚約は無かったことにしておくから」
何ですとぉぉぉ!?
ちょっと待って何で? 私たち喧嘩もしたこと無いじゃん?
「……」
本当でしょうか……。
「……」
いやあれは嘘嘘。ただ脳みそが性欲に支配されてただけで、
「もう……! 仕方ないなぁ」
「愛してるよ……ミーナ」
「うん……やぁアラン君」
「うわぁっ!?」
間に合ったあ……。
「な、なんでここにリーナが!?」
驚いて変な顔のアラン。私は決め顔で言う。
「私の異能を忘れたわけではあるまい……?」
「……はい」
私は王国民の中からごく稀に誕生する異能者の一人。そして、能力は他者と自分の場所を入れ替えること。まぁそれだけなんだけど。特に困ったデメリットもなく座標さえ分かれば基本的に移動可能。ははは最強だろう。
さっきはこの能力を使ったのだ。
私はミーナとアランがお楽しみになられる瞬間、自分の位置とミーナの位置を入れ替えた。そのため、現在は私がアランに覆いかぶさられている状態。
「……どけよ浮気野郎」
「申し訳ございません……」
私はアランの浮気癖には気づいていた。別れた方が良いと思ったこともある。しかし、アランの家柄は正直美味い。なので何としてでも他の女と良い雰囲気になるのを避けているのだ。
アランは静かに立ち上がり、私と距離を取る。
「はははアランよ。こういう不埒な行いは駄目だぞと前に忠告した筈ですが……?」
「本当に申し訳ございません……」
これは私が彼の浮気をただ阻止するだけのくだらない話だ。
この国では、国をあらゆる分野から管理する聖国議会で働く者達を貴族と呼んだ。
ここは、そのご子息たちが通い、議会に出ても恥ずかしくなく、国民の理解を得られる人材になるよう設立された学園だ。
基本的に3年通い、仁・義・礼・智・信を学んでいく。最終テストで点数が一定値を超えていれば卒業、議会補助員として次のステージへと上がれる仕組み。
そこに通う2年の私、リーナ・エクスロアは街のインフラ制御を主に担当する御三家の1つエクスロア家の長女。顔も良くて運動も出来、性格も優しい正に完璧のレディ。学園の成績だってトップだった。たまには落ちるけどほぼトップ。
貴族の中でも一目置かれるのは勿論、幼馴染で貿易関連を担うアルフェイド家の長男アランとの婚約も決まっていたまさに勝ち組。
「やぁリーナ」
「ごきげんようアラン」
廊下ですれ違った挨拶を交わす私達。それを見ていた人達は黄色い声援。
女性のように綺麗で艶やかな金髪の髪に、見るだけで落ち着いてしまうような、奥二重で目尻の下がった優しい顔。あぁアランなんてイケメンなの。性格も神だし最高。
そして極めつけは私にだけ見せる弱み。
「リーナ助けて!」
虫が出るとすぐに私に抱きつき助けを求めてくる。
私ははいはいと面倒そうにしながらも内心叫びまくって虫退治をした。
普段は何でもできそうだけど二人きりになると弱さをさらけ出してくれるアラン。
これはもう、順風満帆の人生が確定したと思っていた。
「や、やめてよ! こんなとこで……」
「ん」
庭園に設置された椅子でボッチ飯としゃれこもうとしていたのだけど。なんで彼氏いて黄色い声援も浴びれるのにボッチ飯なの? なんて聞かないで欲しい。泣くから。
すると、ふとどこからか厭らしい声が聞こえてきた。何だなんだ。不埒な匂いがしますぞ。
「いいだろミーナ。僕と君の仲じゃないか」
この声聞いたことあるぞ。その推測を私の魂が否定していません。
「ここじゃだめだよアラン君……」
アランだぁ!!
気になる。とても気になる。何をしてるんだ。
おやおや?
「リーナに悪いよ……だって婚約者なんでしょ」
そうだよ婚約者だよ。浮気駄目よ駄目。
「大丈夫だよ。あいつとの婚約は無かったことにしておくから」
何ですとぉぉぉ!?
ちょっと待って何で? 私たち喧嘩もしたこと無いじゃん?
「……」
本当でしょうか……。
「……」
いやあれは嘘嘘。ただ脳みそが性欲に支配されてただけで、
「もう……! 仕方ないなぁ」
「愛してるよ……ミーナ」
「うん……やぁアラン君」
「うわぁっ!?」
間に合ったあ……。
「な、なんでここにリーナが!?」
驚いて変な顔のアラン。私は決め顔で言う。
「私の異能を忘れたわけではあるまい……?」
「……はい」
私は王国民の中からごく稀に誕生する異能者の一人。そして、能力は他者と自分の場所を入れ替えること。まぁそれだけなんだけど。特に困ったデメリットもなく座標さえ分かれば基本的に移動可能。ははは最強だろう。
さっきはこの能力を使ったのだ。
私はミーナとアランがお楽しみになられる瞬間、自分の位置とミーナの位置を入れ替えた。そのため、現在は私がアランに覆いかぶさられている状態。
「……どけよ浮気野郎」
「申し訳ございません……」
私はアランの浮気癖には気づいていた。別れた方が良いと思ったこともある。しかし、アランの家柄は正直美味い。なので何としてでも他の女と良い雰囲気になるのを避けているのだ。
アランは静かに立ち上がり、私と距離を取る。
「はははアランよ。こういう不埒な行いは駄目だぞと前に忠告した筈ですが……?」
「本当に申し訳ございません……」
これは私が彼の浮気をただ阻止するだけのくだらない話だ。
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