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第86話 婚約祝い(終話)
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「いやーまさか、婚約するなんて思ってもいなかったよ・・まだ12歳だし」
「あら?不服ですの?」
「いやいや、そんな事ないよ」
学校の教室内で、ぼくとブリアンナさんは喋っていた。
婚約したことは、直ぐに知れ渡ったらしくぼくたちは噂になっていた。
「ちょっとびっくりしただけ・・」
貴族って大変なんだな・・・。
それから靴箱に手紙も入らなくなり、女子から話しかけられることも無くなった。
結果的には良かったかもしれない。
エミリアの周りには相変わらず男子が居たりするけど。
本人は男子の相手をするのに疲れているようだった。
「エミリアは大変そうだな」
「そうですわね」
*****トワ視点
家の執務室でウェンディと話していた。
「まさか、アルトがもう結婚相手見つけてくるとはなぁ」
「ホントね。まだ12歳だっけ?アルト君は一人の人と一緒になるのかしらね」
「あっという間に大きくなりそうだな」
「いやーね。私たちもすぐ歳を取っちゃうじゃない。そういえばエミリアちゃんも学校でモテモテなんだって!お父さんも困っちゃうわね?」
「「ええっ?」」
「何今更驚いているの?アルさんに似て美人だもの。モテない訳ないでしょうに」
学校に行かせたの失敗したかな。
「今、後悔したでしょ?お父さんだわね~」
僕たちはゼノベア城に来ていた。
今日はアルトとブリアンナさんが婚約するので、王様がわざわざお祝いをしてくれるというのだ。
内輪だけのお祝いみたいだけど。
各々ドレスやタキシードなど着用している。
「いやーめでたい。アルトはわしの孫みたいなものじゃからの」
王様は上機嫌だ。
場所は大広間で家族以外には居ない。
「お父様、あまりお酒を飲み過ぎないで下さいね」
レーシャがたしなめる。
「わかっておるわ」
「私共の為に有難うございます」
深々と頭を下げるフィールド子爵。
緊張しまくっているみたいだ。
「ご馳走・・沢山・・」
テーブルには色とりどりの料理が並べられている。
エミリアもキレイなドレスを着用しているが、目が食べ物にくぎ付けだ。
「何だか夢のようですわ」
「まだ、婚約なのにね」
本人たちは戸惑いを隠せないようだ。
僕たち以上に王様の歓迎ぶりに少し引いてしまいそうだな。
祝ってくれるのは有難いのだけど。
まるで結婚式の披露宴のようだ。
これから先が思いやられる。
「結婚式を思い出すわね」
「あれは大変だったな」
「アルトはそうはならんじゃろ」
「そうですわね」
僕たちの家族がまた増えていって、騒がしくなりそうだ。
これからが楽しみだな。
僕はグラスを片手に、主役の二人を眺めていた。
---------------------------------------------------------------------------------------------
最後まで読んで頂き有難うございました。
初めて10万文字の長編を書いてみました。
思っていたより登場人物が多くなってしまい、てんてこまいでしたけど書いていて
凄く楽しかったです。
宜しければまた次作でお会い出来たら幸いです。^^
「あら?不服ですの?」
「いやいや、そんな事ないよ」
学校の教室内で、ぼくとブリアンナさんは喋っていた。
婚約したことは、直ぐに知れ渡ったらしくぼくたちは噂になっていた。
「ちょっとびっくりしただけ・・」
貴族って大変なんだな・・・。
それから靴箱に手紙も入らなくなり、女子から話しかけられることも無くなった。
結果的には良かったかもしれない。
エミリアの周りには相変わらず男子が居たりするけど。
本人は男子の相手をするのに疲れているようだった。
「エミリアは大変そうだな」
「そうですわね」
*****トワ視点
家の執務室でウェンディと話していた。
「まさか、アルトがもう結婚相手見つけてくるとはなぁ」
「ホントね。まだ12歳だっけ?アルト君は一人の人と一緒になるのかしらね」
「あっという間に大きくなりそうだな」
「いやーね。私たちもすぐ歳を取っちゃうじゃない。そういえばエミリアちゃんも学校でモテモテなんだって!お父さんも困っちゃうわね?」
「「ええっ?」」
「何今更驚いているの?アルさんに似て美人だもの。モテない訳ないでしょうに」
学校に行かせたの失敗したかな。
「今、後悔したでしょ?お父さんだわね~」
僕たちはゼノベア城に来ていた。
今日はアルトとブリアンナさんが婚約するので、王様がわざわざお祝いをしてくれるというのだ。
内輪だけのお祝いみたいだけど。
各々ドレスやタキシードなど着用している。
「いやーめでたい。アルトはわしの孫みたいなものじゃからの」
王様は上機嫌だ。
場所は大広間で家族以外には居ない。
「お父様、あまりお酒を飲み過ぎないで下さいね」
レーシャがたしなめる。
「わかっておるわ」
「私共の為に有難うございます」
深々と頭を下げるフィールド子爵。
緊張しまくっているみたいだ。
「ご馳走・・沢山・・」
テーブルには色とりどりの料理が並べられている。
エミリアもキレイなドレスを着用しているが、目が食べ物にくぎ付けだ。
「何だか夢のようですわ」
「まだ、婚約なのにね」
本人たちは戸惑いを隠せないようだ。
僕たち以上に王様の歓迎ぶりに少し引いてしまいそうだな。
祝ってくれるのは有難いのだけど。
まるで結婚式の披露宴のようだ。
これから先が思いやられる。
「結婚式を思い出すわね」
「あれは大変だったな」
「アルトはそうはならんじゃろ」
「そうですわね」
僕たちの家族がまた増えていって、騒がしくなりそうだ。
これからが楽しみだな。
僕はグラスを片手に、主役の二人を眺めていた。
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最後まで読んで頂き有難うございました。
初めて10万文字の長編を書いてみました。
思っていたより登場人物が多くなってしまい、てんてこまいでしたけど書いていて
凄く楽しかったです。
宜しければまた次作でお会い出来たら幸いです。^^
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