転生貴族の魔石魔法~魔法のスキルが無いので家を追い出されました

月城 夕実

文字の大きさ
上 下
85 / 86

第85話 告白の結末

しおりを挟む
「おーい。平気か?」

お父さんたちが上から降りてきた。
ぼくが座り込んでいたから、心配していたのかもしれない。

「大丈夫じゃ。それより、ウェンディの風魔法は上達したのかの?」




ぼくは、二階の自分の部屋にブリアンナさんを連れて行った。
ドアに鍵をかける。
他の人に邪魔されないように。

「ここはぼくの部屋だよ。誰も入ってこない。大事な事だから、ここの方が良いと思ったんだ」

二人きりになるには自分の部屋しかない。
ぼくとブリアンナさんはベッドに腰かけた。
落ち着かせるために一旦、深呼吸をする。

「ごめんね。全然分からなくて。ぼくも最近自覚したところだったんだ」
「えっ、それは・・」

「ぼくも君の事が好きみたいだ」



*****トワ視点



少し離れた所で女性陣が話し合っていた。
ブリアンナさんが告白していたのをアルが聞いていたからだ。

「やっぱり、あの二人くっついたね」
「まぁ、予想通りじゃな」
「問題はその後かしらね」
「何々?何か面白い事でもありましたの?」

女性たちは恋バナが好きなようで。
僕は成り行きを見守る事にした。

「ブリアンナ・フィールド・・あ、子爵令嬢か」

思い出した。
王様から名前を聞いたことがあったんだよな。
娘を溺愛しているとか言ってたっけ。
大丈夫か?アルト。
ブリアンナさんのお父さんから怒られたりしないだろうな?



*****アルト視点



ぼくとブリアンナさんは付き合う事になった。
貴族同士なので、親にも一言いっておかないといけないらしい。
それで何故か、ブリアンナさんの親御さんがぼくの家に来ることになった。
ぼくの家は男爵で、ブリアンナさんの家は子爵だから逆だと思うんだけど。

「元王女様がいらっしゃるからと言ってましたわ」
とブリアンナさんが言っていた。

客間で父と、フィールド子爵ブリアンナ父が話している。
フィールド子爵は、短い金髪で銀色の瞳。
口髭を生やしている。
聞いたところ城の騎士をしているらしい。

「まだ、12歳ですし婚約は早いのでは・・」

「いえいえ、大事な娘なので生半可な気持ちでは止めて頂きたい。領主様の息子さんですし念のため・・大丈夫かと思いますが」

フィールド子爵は笑顔なんだけど、目が笑っていない。
正直怖い。


「ぼくは婚約でも大丈夫です。彼女を幸せにします」
「え?アルト君?嬉しい」

ブリアンナさんは涙ぐんでいた。


「さすが、トワの息子ですわね。是非お祝いしなくては」

レーシャさんが珍しく部屋に入ってきて、紅茶の入ったティーカップをテーブルに置いた。
付き合いのないお客様なので、普段は絶対会話に入ってこないと思うのだけど。

「お祝い?」
父は聞き返した。

王様ちちからも婚約祝いをしたいと言われておりますのよ?」

お母さんがドアの所に立ってニヤニヤしている。
フィールド子爵は王女の言葉に弱い。
正確には王家だろうけど。
(これ、わざとなのだろうか)

案の定、子爵は驚いて固まってしまっていた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【書籍化】パーティー追放から始まる収納無双!~姪っ子パーティといく最強ハーレム成り上がり~

くーねるでぶる(戒め)
ファンタジー
【24年11月5日発売】 その攻撃、収納する――――ッ!  【収納】のギフトを賜り、冒険者として活躍していたアベルは、ある日、一方的にパーティから追放されてしまう。  理由は、マジックバッグを手に入れたから。  マジックバッグの性能は、全てにおいてアベルの【収納】のギフトを上回っていたのだ。  これは、3度にも及ぶパーティ追放で、すっかり自信を見失った男の再生譚である。

日本列島、時震により転移す!

黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

知識スキルで異世界らいふ

チョッキリ
ファンタジー
他の異世界の神様のやらかしで死んだ俺は、その神様の紹介で別の異世界に転生する事になった。地球の神様からもらった知識スキルを駆使して、異世界ライフ

勇者パーティーから追放されたけど、最強のラッキーメイカーがいなくて本当に大丈夫?~じゃあ美少女と旅をします~

竹間単
ファンタジー
【勇者PTを追放されたチートなユニークスキル持ちの俺は、美少女と旅をする】 役立たずとして勇者パーティーを追放されて途方に暮れていた俺は、美少女に拾われた。 そして俺は、美少女と旅に出る。 強力すぎるユニークスキルを消す呪いのアイテムを探して――――

異世界転生漫遊記

しょう
ファンタジー
ブラック企業で働いていた主人公は 体を壊し亡くなってしまった。 それを哀れんだ神の手によって 主人公は異世界に転生することに 前世の失敗を繰り返さないように 今度は自由に楽しく生きていこうと 決める 主人公が転生した世界は 魔物が闊歩する世界! それを知った主人公は幼い頃から 努力し続け、剣と魔法を習得する! 初めての作品です! よろしくお願いします! 感想よろしくお願いします!

最強無敗の少年は影を従え全てを制す

ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。 産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。 カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。 しかし彼の力は生まれながらにして最強。 そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第三章フェレスト王国エルフ編

1×∞(ワンバイエイト) 経験値1でレベルアップする俺は、最速で異世界最強になりました!

マツヤマユタカ
ファンタジー
23年5月22日にアルファポリス様より、拙著が出版されました!そのため改題しました。 今後ともよろしくお願いいたします! トラックに轢かれ、気づくと異世界の自然豊かな場所に一人いた少年、カズマ・ナカミチ。彼は事情がわからないまま、仕方なくそこでサバイバル生活を開始する。だが、未経験だった釣りや狩りは妙に上手くいった。その秘密は、レベル上げに必要な経験値にあった。実はカズマは、あらゆるスキルが経験値1でレベルアップするのだ。おかげで、何をやっても簡単にこなせて――。異世界爆速成長系ファンタジー、堂々開幕! タイトルの『1×∞』は『ワンバイエイト』と読みます。 男性向けHOTランキング1位!ファンタジー1位を獲得しました!【22/7/22】 そして『第15回ファンタジー小説大賞』において、奨励賞を受賞いたしました!【22/10/31】 アルファポリス様より出版されました!現在第四巻まで発売中です! コミカライズされました!公式漫画タブから見られます!【24/8/28】 ***************************** ***毎日更新しています。よろしくお願いいたします。*** ***************************** マツヤマユタカ名義でTwitterやってます。 見てください。

処理中です...