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第82話 眠りの海
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「お、おはよう・・・」
ぼくはブリアンナさんに挨拶をした。
きちんと喋れているだろうか?
昨日はあれから夜一睡も出来なくて寝不足になってしまっていた。
その割にテンションが高い気がする。
「おはようございます・・アルト君どうされましたか?」
「え?」
ブリアンナさんがぼくの顔を覗き込んでいた。
「お顔が赤いようなので、体調が悪いのではないかと・・熱があるのでしょうか」
「た、多分大丈夫だと思うよ?少し寝不足だけど・・」
そう、寝不足で頭がくらくらするんだよね。
「そうですわね。目も赤いですし大丈夫ですか?」
ブリアンナさんは優しいな。
今日一日くらい大丈夫だろう。
頭の中はブリアンナさんのことで頭がいっぱいになっていた。
きっと授業も頭に入ってこない気がする。
二時限目、意識が朦朧としてきた。
ヤバイ授業中に寝てしまうかもしれない。
「アルト君大丈夫ですか?やっぱり保健室へ行かれた方が・・」
ブリアンナさんが心配して声をかけてきた。
いや、ただの寝不足だしそんな心配するほどじゃ。
「「先生!アルト君が具合悪そうなのでわたしが保健室へ連れて行きます!」」
ブリアンナさんは挙手をして先生に言う。
「え?そうなんですか?よろしくお願いしますね」
マイア先生は驚いているみたいだ。
ざわざわとクラス内が騒めいている。
廊下でブリアンナさんとゆっくり歩いていた。
授業中なので静かなものだ。
「ありがとう、保健室なんて大げさなんだけどな」
「何言ってるんですか!今、顔真っ青ですわよ?」
「え?そうなの?」
ぼくはよろけていたので、ブリアンナさんの肩を借りて歩いていた。
ちょっと情けない。
でも今すっごく嬉しい。
不謹慎なのかもしれないけど。
どうやらぼくはブリアンナさんの事が好きみたいだ。
しばらく二人きりで廊下を歩ける。
それだけで嬉しいなんて。
「どうしたんですの?顔、笑ってますけど?」
「何だか嬉しくなっちゃって」
君と二人きりで歩いているだけなのに。
心がふわふわしている。
「変なアルト君ですわね」
首を傾げているブリアンナさんも可愛い。
保健室は一階の端にあった。
しばらく寝れば体調は戻るだろう。
保健室は白いカーテンにベッドが二つ置かれていて、簡単な処置が出来るところだ。
魔法学校だけあって、先生は回復魔法が使えるらしいけど。
「失礼します・・って誰もいませんわ。保健の先生は戻ってくるんでしょうか?」
「取り合えず、ここで寝ることにするよ。休んでいれば良くなるだろうし」
「送ってくれてありがとう」
「いいえ、どういたしまして」
「ブリアンナさん?」
彼女は俯いて、寂しそうな表情をしていた。
「先生が戻るまで一緒に居たいなんて思ったけど駄目ですわね」
「一緒に居て?」
「アルト君・・」
ぼくはブリアンナさんの手を掴んだ。
「ぼくも一緒に居たいな」
温かい感覚に包まれて、いつの間にか眠りの海に溺れていった。
ぼくはブリアンナさんに挨拶をした。
きちんと喋れているだろうか?
昨日はあれから夜一睡も出来なくて寝不足になってしまっていた。
その割にテンションが高い気がする。
「おはようございます・・アルト君どうされましたか?」
「え?」
ブリアンナさんがぼくの顔を覗き込んでいた。
「お顔が赤いようなので、体調が悪いのではないかと・・熱があるのでしょうか」
「た、多分大丈夫だと思うよ?少し寝不足だけど・・」
そう、寝不足で頭がくらくらするんだよね。
「そうですわね。目も赤いですし大丈夫ですか?」
ブリアンナさんは優しいな。
今日一日くらい大丈夫だろう。
頭の中はブリアンナさんのことで頭がいっぱいになっていた。
きっと授業も頭に入ってこない気がする。
二時限目、意識が朦朧としてきた。
ヤバイ授業中に寝てしまうかもしれない。
「アルト君大丈夫ですか?やっぱり保健室へ行かれた方が・・」
ブリアンナさんが心配して声をかけてきた。
いや、ただの寝不足だしそんな心配するほどじゃ。
「「先生!アルト君が具合悪そうなのでわたしが保健室へ連れて行きます!」」
ブリアンナさんは挙手をして先生に言う。
「え?そうなんですか?よろしくお願いしますね」
マイア先生は驚いているみたいだ。
ざわざわとクラス内が騒めいている。
廊下でブリアンナさんとゆっくり歩いていた。
授業中なので静かなものだ。
「ありがとう、保健室なんて大げさなんだけどな」
「何言ってるんですか!今、顔真っ青ですわよ?」
「え?そうなの?」
ぼくはよろけていたので、ブリアンナさんの肩を借りて歩いていた。
ちょっと情けない。
でも今すっごく嬉しい。
不謹慎なのかもしれないけど。
どうやらぼくはブリアンナさんの事が好きみたいだ。
しばらく二人きりで廊下を歩ける。
それだけで嬉しいなんて。
「どうしたんですの?顔、笑ってますけど?」
「何だか嬉しくなっちゃって」
君と二人きりで歩いているだけなのに。
心がふわふわしている。
「変なアルト君ですわね」
首を傾げているブリアンナさんも可愛い。
保健室は一階の端にあった。
しばらく寝れば体調は戻るだろう。
保健室は白いカーテンにベッドが二つ置かれていて、簡単な処置が出来るところだ。
魔法学校だけあって、先生は回復魔法が使えるらしいけど。
「失礼します・・って誰もいませんわ。保健の先生は戻ってくるんでしょうか?」
「取り合えず、ここで寝ることにするよ。休んでいれば良くなるだろうし」
「送ってくれてありがとう」
「いいえ、どういたしまして」
「ブリアンナさん?」
彼女は俯いて、寂しそうな表情をしていた。
「先生が戻るまで一緒に居たいなんて思ったけど駄目ですわね」
「一緒に居て?」
「アルト君・・」
ぼくはブリアンナさんの手を掴んだ。
「ぼくも一緒に居たいな」
温かい感覚に包まれて、いつの間にか眠りの海に溺れていった。
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