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第62話 とある寒村
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僕はゼノベア城に呼ばれていた。
最初はアスマにと話が行ったらしいのだが、アスマが是非僕にと推薦したらしい。
城の大臣から相談を受ける。
仕事でよく顔を合わせる、白髪の壮年だ。
「レイト村の調査ですか?」
「領主の仕事ではないのだが、最近不審なことがあってな。貴殿の力を見込んで調査してほしい」
何でも寒村らしいのだが、最近になって急に豊かになり始めたらしい。
それらしい原因も解らず、周りから不思議がられているそうだ。
「何も悪い事をしていなければいいのだが・・」
調べて悪い事をしていなければ良い。
もし何か犯罪をしているならば証拠を突き止めてほしいという事だった。
*****
ジャラ・・。
「全く、楽しくて止められないぜ」
俺は不思議な村にいた。
周りは自然が豊かで、建物は小さく素朴な木造の家が建っていた。
家の中に置いてあった、金で出来たネックレスを無造作に掴み、袋に詰め込む。
この緑に光る不思議な短剣を手に入れてからお宝が手に入るようになった。
魔道具の店で見つけた不思議な短剣。
吸い寄せられるように、俺は短剣を購入した。
空中を裂いて?みるとある村に繋がっていた。
不思議なことにその村には住人が居ない。
もしかしたら隠れているのかもしれないが出てこないから良いのだろう。
高そうな貴金属は盗み放題だった。
「盗賊って癖になるな」
「で、でも見つかったらまずいんじゃ・・」
弟が弱音を吐く。
「見つかるって誰に?誰もいないぜ?」
見つかったお宝は、最初こそ自分たちだけのものにしていたが量が多いので村長に渡していた。
これで共犯だ。
*****トワ視点
久しぶりに風魔法を使って空を飛んでいた。
馬車で行くには時間かかり過ぎるんだよね。
大臣は馬車を使ってくれって勧めてくれたけど。
たまには空を飛んでも良いよね。
数時間でレイト村に付いた。
見た目は普通の村なんだけどな。
取り合えず村長さんに会いに行くとするか。
「こんにちは。僕はトワと言います。村長さんに会わせてもらえませんか?」
「村長?なら奥の大きなあの家だよ」
村人は警戒することも無く、家を教えてくれた。
「こんにちは。村長さん居ますか?」
僕は外から声をかけた。
「誰じゃ?」
おどおどした様子で顔を見せる村長。
灰色の髪の初老の男性だった。
僕は自己紹介をする。
そして家に入って気になった物を訊いてみた。
「これは・・村人がわしに譲ってもらったものじゃ」
家の中に入ると、建物に不釣り合いな貴金属が無造作にテーブルに置かれていた。
ネックレス、指輪、魔道具らしき物。
どうやらこれらの品を売りさばいているようだった。
「その、譲ってくれた人っていうのは」
「マニス兄弟じゃ。わしは何も悪い事しとらん」
訊いてみると数カ月前からマニス兄弟が金品をくれるようになったらしい。
どうしたのかと聞いてもはぐらかされるのだとか。
めっちゃ怪しい。
僕はマニス兄弟に会ってみることにした。
「今日も大漁だったな~」
「・・・」
「お前さ~いい加減慣れろよ」
「兄貴はどうして慣れるんだよ・・悪いことしてんのに」
僕は村に向かって歩いてくる男たちに声をかけた。
「ちょっと、今の話聞かせてもらっても良いかな?」
「やべっ!ずらかるぞ」
「・・・」
一人は血相を変えて逃げてしまった。
もう一人は諦めたのか逃げずに留まっていた。
「逃げないの?」
「逃げても無駄でしょう・・きっと捕まるだろうし」
「少し、事情を聞かせてもらえるかな」
僕は留まった男から理由を聞くことにした。
最初はアスマにと話が行ったらしいのだが、アスマが是非僕にと推薦したらしい。
城の大臣から相談を受ける。
仕事でよく顔を合わせる、白髪の壮年だ。
「レイト村の調査ですか?」
「領主の仕事ではないのだが、最近不審なことがあってな。貴殿の力を見込んで調査してほしい」
何でも寒村らしいのだが、最近になって急に豊かになり始めたらしい。
それらしい原因も解らず、周りから不思議がられているそうだ。
「何も悪い事をしていなければいいのだが・・」
調べて悪い事をしていなければ良い。
もし何か犯罪をしているならば証拠を突き止めてほしいという事だった。
*****
ジャラ・・。
「全く、楽しくて止められないぜ」
俺は不思議な村にいた。
周りは自然が豊かで、建物は小さく素朴な木造の家が建っていた。
家の中に置いてあった、金で出来たネックレスを無造作に掴み、袋に詰め込む。
この緑に光る不思議な短剣を手に入れてからお宝が手に入るようになった。
魔道具の店で見つけた不思議な短剣。
吸い寄せられるように、俺は短剣を購入した。
空中を裂いて?みるとある村に繋がっていた。
不思議なことにその村には住人が居ない。
もしかしたら隠れているのかもしれないが出てこないから良いのだろう。
高そうな貴金属は盗み放題だった。
「盗賊って癖になるな」
「で、でも見つかったらまずいんじゃ・・」
弟が弱音を吐く。
「見つかるって誰に?誰もいないぜ?」
見つかったお宝は、最初こそ自分たちだけのものにしていたが量が多いので村長に渡していた。
これで共犯だ。
*****トワ視点
久しぶりに風魔法を使って空を飛んでいた。
馬車で行くには時間かかり過ぎるんだよね。
大臣は馬車を使ってくれって勧めてくれたけど。
たまには空を飛んでも良いよね。
数時間でレイト村に付いた。
見た目は普通の村なんだけどな。
取り合えず村長さんに会いに行くとするか。
「こんにちは。僕はトワと言います。村長さんに会わせてもらえませんか?」
「村長?なら奥の大きなあの家だよ」
村人は警戒することも無く、家を教えてくれた。
「こんにちは。村長さん居ますか?」
僕は外から声をかけた。
「誰じゃ?」
おどおどした様子で顔を見せる村長。
灰色の髪の初老の男性だった。
僕は自己紹介をする。
そして家に入って気になった物を訊いてみた。
「これは・・村人がわしに譲ってもらったものじゃ」
家の中に入ると、建物に不釣り合いな貴金属が無造作にテーブルに置かれていた。
ネックレス、指輪、魔道具らしき物。
どうやらこれらの品を売りさばいているようだった。
「その、譲ってくれた人っていうのは」
「マニス兄弟じゃ。わしは何も悪い事しとらん」
訊いてみると数カ月前からマニス兄弟が金品をくれるようになったらしい。
どうしたのかと聞いてもはぐらかされるのだとか。
めっちゃ怪しい。
僕はマニス兄弟に会ってみることにした。
「今日も大漁だったな~」
「・・・」
「お前さ~いい加減慣れろよ」
「兄貴はどうして慣れるんだよ・・悪いことしてんのに」
僕は村に向かって歩いてくる男たちに声をかけた。
「ちょっと、今の話聞かせてもらっても良いかな?」
「やべっ!ずらかるぞ」
「・・・」
一人は血相を変えて逃げてしまった。
もう一人は諦めたのか逃げずに留まっていた。
「逃げないの?」
「逃げても無駄でしょう・・きっと捕まるだろうし」
「少し、事情を聞かせてもらえるかな」
僕は留まった男から理由を聞くことにした。
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