49 / 86
第49話 アルの場合
しおりを挟む
「トワ、来たぞ~」
空間が歪んで手がにょきっと現れてアルが姿を現した。
「うわっ!びっくりした」
「ん?どこじゃここは・・」
「何処って、僕たち引っ越ししたんだよ」
「そうなのか?じゃあ、王女たちは居ないのじゃな?」
「私は居るわよ。ごめんなさいね」
レーシャは実家が城なのでこっちには来ていない。
実際結婚したら一緒に住むという事にはなるとは思うけど。
「なんじゃ、つまらんのう」
「あの、アル?いつもあんな移動方法してるの?」
「そうじゃよ?でもトワの所と魔王城しか移動してないぞ?」
「そっか~ならいい・・って良くない!急に目の前を現れてびっくりするじゃないか!」
「折角なら一緒に掃除しましょうよ」
ウェンディがホウキを持ってきてアルに手渡した。
「あ~それはいいかも」
アルは無言で床を掃き始めた。
「何で掃除なんか・・」
「丁度人手が足りなくて二人だと結構大変なんだよ。アルが来て凄い助かるよ」
僕はテーブルを拭きながら言った。
「そうか?ならいいのじゃが・・そういえば何で引っ越したのじゃ?」
「何でって勇者パーティ辞めたからね。城からも出たかったし」
ウェンディが突然切り出した。
「トワ・・今だから言うけど、レーシャとはどこまでいってるの?」
「どこまで・・って?」
「キスとか・・そういう事よ」
ウェンディは目を反らして言う。
「あ・・そういえばキスくらいだっけ。僕が記憶戻って城に帰って来た時か」
「そうなんだ・・」
「キス・・いいのう。わらわも甘ーいキスを・・」
ウェンディが少しほっとした表情をしていた。
実際には三人と付き合ってる感じだし・・ちゃんとしないと駄目かな。
「あの?アルさん?」
真夜中の僕の部屋。
部屋は月明かりが窓から差し込んでいた。
ウェンディは隣の部屋で寝ている。
僕の寝顔にアルがキスをしてきた。
キスで目が覚めた。
お姫様じゃないけど。
「こういうの襲うっていいません?」
「キスしてみたかったのじゃ」
「せめて起きている時に言ってくれれば良かったのに。僕もアルの事好きなんだから拒否しないよ」
ぼくはアルを抱き寄せた。
「むぐっ」
「かわいいなぁ。僕もアルの事大好きだよ」
アルは顔を真っ赤にしていた。
月明かりが彼女の顔を照らす。
「今日は・・いつになく積極的じゃの?」
「そりゃ、そっちから来られたら・・我慢できないよ」
黒い髪を撫でてみた。
やわらくて良い匂いがする。
僕はアルの口に優しくキスをした。
「何だかほわほわするんじゃが・・」
「あは、こういうのって初めてだったりするの?」
アルは無言で頷いた。
チュンチュン・・。
「朝か・・」
僕の隣に黒い翼の彼女が気持ちよさそうに寝ていた。
いつもアルは突然来るんだもんな。
まあ、いいけどさ。
可愛い寝顔を見ながら、彼女の黒髪を優しく撫でた。
空間が歪んで手がにょきっと現れてアルが姿を現した。
「うわっ!びっくりした」
「ん?どこじゃここは・・」
「何処って、僕たち引っ越ししたんだよ」
「そうなのか?じゃあ、王女たちは居ないのじゃな?」
「私は居るわよ。ごめんなさいね」
レーシャは実家が城なのでこっちには来ていない。
実際結婚したら一緒に住むという事にはなるとは思うけど。
「なんじゃ、つまらんのう」
「あの、アル?いつもあんな移動方法してるの?」
「そうじゃよ?でもトワの所と魔王城しか移動してないぞ?」
「そっか~ならいい・・って良くない!急に目の前を現れてびっくりするじゃないか!」
「折角なら一緒に掃除しましょうよ」
ウェンディがホウキを持ってきてアルに手渡した。
「あ~それはいいかも」
アルは無言で床を掃き始めた。
「何で掃除なんか・・」
「丁度人手が足りなくて二人だと結構大変なんだよ。アルが来て凄い助かるよ」
僕はテーブルを拭きながら言った。
「そうか?ならいいのじゃが・・そういえば何で引っ越したのじゃ?」
「何でって勇者パーティ辞めたからね。城からも出たかったし」
ウェンディが突然切り出した。
「トワ・・今だから言うけど、レーシャとはどこまでいってるの?」
「どこまで・・って?」
「キスとか・・そういう事よ」
ウェンディは目を反らして言う。
「あ・・そういえばキスくらいだっけ。僕が記憶戻って城に帰って来た時か」
「そうなんだ・・」
「キス・・いいのう。わらわも甘ーいキスを・・」
ウェンディが少しほっとした表情をしていた。
実際には三人と付き合ってる感じだし・・ちゃんとしないと駄目かな。
「あの?アルさん?」
真夜中の僕の部屋。
部屋は月明かりが窓から差し込んでいた。
ウェンディは隣の部屋で寝ている。
僕の寝顔にアルがキスをしてきた。
キスで目が覚めた。
お姫様じゃないけど。
「こういうの襲うっていいません?」
「キスしてみたかったのじゃ」
「せめて起きている時に言ってくれれば良かったのに。僕もアルの事好きなんだから拒否しないよ」
ぼくはアルを抱き寄せた。
「むぐっ」
「かわいいなぁ。僕もアルの事大好きだよ」
アルは顔を真っ赤にしていた。
月明かりが彼女の顔を照らす。
「今日は・・いつになく積極的じゃの?」
「そりゃ、そっちから来られたら・・我慢できないよ」
黒い髪を撫でてみた。
やわらくて良い匂いがする。
僕はアルの口に優しくキスをした。
「何だかほわほわするんじゃが・・」
「あは、こういうのって初めてだったりするの?」
アルは無言で頷いた。
チュンチュン・・。
「朝か・・」
僕の隣に黒い翼の彼女が気持ちよさそうに寝ていた。
いつもアルは突然来るんだもんな。
まあ、いいけどさ。
可愛い寝顔を見ながら、彼女の黒髪を優しく撫でた。
0
お気に入りに追加
77
あなたにおすすめの小説
これダメなクラス召喚だわ!物を掌握するチートスキルで自由気ままな異世界旅
聖斗煉
ファンタジー
クラス全体で異世界に呼び出された高校生の主人公が魔王軍と戦うように懇願される。しかし、主人公にはしょっぱい能力しか与えられなかった。ところがである。実は能力は騙されて弱いものと思い込まされていた。ダンジョンに閉じ込められて死にかけたときに、本当は物を掌握するスキルだったことを知るーー。
平民として生まれた男、努力でスキルと魔法が使える様になる。〜イージーな世界に生まれ変わった。
モンド
ファンタジー
1人の男が異世界に転生した。
日本に住んでいた頃の記憶を持ったまま、男は前世でサラリーマンとして長年働いてきた経験から。
今度生まれ変われるなら、自由に旅をしながら生きてみたいと思い描いていたのだ。
そんな彼が、15歳の成人の儀式の際に過去の記憶を思い出して旅立つことにした。
特に使命や野心のない男は、好きなように生きることにした。
スキルが【アイテムボックス】だけってどうなのよ?
山ノ内虎之助
ファンタジー
高校生宮原幸也は転生者である。
2度目の人生を目立たぬよう生きてきた幸也だが、ある日クラスメイト15人と一緒に異世界に転移されてしまう。
異世界で与えられたスキルは【アイテムボックス】のみ。
唯一のスキルを創意工夫しながら異世界を生き抜いていく。
死に戻り勇者は二度目の人生を穏やかに暮らしたい ~殺されたら過去に戻ったので、今度こそ失敗しない勇者の冒険~
白い彗星
ファンタジー
世界を救った勇者、彼はその力を危険視され、仲間に殺されてしまう。無念のうちに命を散らした男ロア、彼が目を覚ますと、なんと過去に戻っていた!
もうあんなヘマはしない、そう誓ったロアは、二度目の人生を穏やかに過ごすことを決意する!
とはいえ世界を救う使命からは逃れられないので、世界を救った後にひっそりと暮らすことにします。勇者としてとんでもない力を手に入れた男が、死の原因を回避するために苦心する!
ロアが死に戻りしたのは、いったいなぜなのか……一度目の人生との分岐点、その先でロアは果たして、穏やかに過ごすことが出来るのだろうか?
過去へ戻った勇者の、ひっそり冒険談
小説家になろうでも連載しています!
Switch jobs ~転移先で自由気ままな転職生活~
天秤兎
ファンタジー
突然、何故か異世界でチート能力と不老不死を手に入れてしまったアラフォー38歳独身ライフ満喫中だったサラリーマン 主人公 神代 紫(かみしろ ゆかり)。
現実世界と同様、異世界でも仕事をしなければ生きて行けないのは変わりなく、突然身に付いた自分の能力や異世界文化に戸惑いながら自由きままに転職しながら生活する行き当たりばったりの異世界放浪記です。
異世界転生でチートを授かった俺、最弱劣等職なのに実は最強だけど目立ちたくないのでまったりスローライフをめざす ~奴隷を買って魔法学(以下略)
朝食ダンゴ
ファンタジー
不慮の事故(死神の手違い)で命を落としてしまった日本人・御厨 蓮(みくりや れん)は、間違えて死んでしまったお詫びにチートスキルを与えられ、ロートス・アルバレスとして異世界に転生する。
「目立つとろくなことがない。絶対に目立たず生きていくぞ」
生前、目立っていたことで死神に間違えられ死ぬことになってしまった経験から、異世界では決して目立たないことを決意するロートス。
十三歳の誕生日に行われた「鑑定の儀」で、クソスキルを与えられたロートスは、最弱劣等職「無職」となる。
そうなると、両親に将来を心配され、半ば強制的に魔法学園へ入学させられてしまう。
魔法学園のある王都ブランドンに向かう途中で、捨て売りされていた奴隷少女サラを購入したロートスは、とにかく目立たない平穏な学園生活を願うのだった……。
※『小説家になろう』でも掲載しています。
不遇にも若くして病死した少年、転生先で英雄に
リョウ
ファンタジー
辺境貴族の次男レイ=イスラ=エルディア。 実は、病で一度死を経験した転生者だった。 思わぬ偶然によって導かれた転生先…。 転生した際に交わした約束を果たす為、15歳で家を出て旅に出る。 転生する際に与えられたチート能力を駆使して、彼は何を為して行くのか。 魔物あり、戦争あり、恋愛有りの異世界冒険英雄譚がここに幕を開ける!
最強の回復魔法で、レベルアップ無双! 異常な速度でレベルアップで自由に冒険者をして、勇者よりも強くなります
おーちゃん
ファンタジー
俺は勇者パーティーに加入していて、勇者サリオス、大魔導士ジェンティル、剣士ムジカの3人パーティーの雑用係。雑用係で頑張る毎日であったものの、ある日勇者サリオスから殺されそうになる。俺を殺すのかよ!! もう役に立たないので、追放する気だったらしい。ダンジョンで殺される時に運良く命は助かる。ヒール魔法だけで冒険者として成り上がっていく。勇者サリオスに命を狙われつつも、生き延びていき、やがて俺のレベルは異常な速度で上がり、成長する。猫人、エルフ、ドワーフ族の女の子たちを仲間にしていきます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる