14 / 28
14 手紙
しおりを挟む
王様に手紙を送って数日が過ぎた。
ロココと、奥の部屋で紅茶を飲んでいる。
「町で少し噂になってるよ。王様からの誘いを断ったって・・。」
「あ~~。まあしょうがないよな。」
本当の事だからしょうがない。
「オーシャンがまさか断るとは思ってなかったよ。」
ロココがちらりと俺を見る。
「馬鹿だっていう人もいるだろうけど、オーシャンの人生だもんね?逆に、王様にも認められてるって凄くない?」
「俺の事、惚れ直した?」
「ばか。」
頭を突《つつ》かれる。
「あのさ、私ここに住んでいいかな・・。」
ロココは俺に寄りかかってきた。
「今回のこと意外っていうかさ、何ていうか…。ずっと近くに居たい…。」
あれ、でも…。
「学校があるって言ってなかったっけ?」
ここから学校に通うには遠くないか?
「辞める。」
カラン、カラン
店のドアが開いた。
いらっしゃいませ・・と声をかけようとしたが、見るとロココの父親レインが店に入ってきた。
「すまないがロココお邪魔してないかね・・。急に家を出るとか言い出して・・。」
「・・来てます。」
ロココって突っ走るとこあるよな。
「家に帰ってきなさい。」
「やだ。」
俺の後ろに隠れるロココ。
「とにかく学校は最後まで行きなさい。それと彼と一緒になりたいのなら、婚約すればいい。」
ん?
何だか今穏やかじゃないワードが出てきたぞ?
『婚約?』
俺とロココは、はもった。
「結婚していいの?やった~~!」
ロココは上機嫌だ。
「学校はちゃんと行くんだぞ?」
「は~い」
「オーシャン、それとは別に王から手紙を預かってきた。」
俺は手紙を渡される。
開けて、内容を見て驚いた。
「なんて書いてあるの?」
ロココがのぞき込む。
今回の件は見送っておくが、いい機会だから、王都の魔法学校へ通ってみないか?
推薦をしておくから、来月には発つように。
魔法の勉強をすれば、ポーション作りにも役に立つであろう。
「良いんじゃないか。魔法の勉強にもなるだろうし、独学だときついだろう。」
確かに一理ある。
魔法に関しては色々知らないことが多すぎるんだよな。
ポーション作りも、もっと上手くなるだろう。
「オーシャン王都来るんだ。やった!」
手放しで喜んでるロココ。
お店どうしよう・・・。
****
お店は悩んだ挙句、実家の方と相談して在庫を引き取ってもらった。
やむなく閉店。
そんなに流行ってなかったけどね。
また、新たに店を作ればいい。
今度はきちんとお客が来るようなお店に。
少し寂しいけれど、数か月住んだお家とお別れ。
「またな。」
俺は、もぬけの殻になった家に挨拶して王都へ出発した。
ロココと、奥の部屋で紅茶を飲んでいる。
「町で少し噂になってるよ。王様からの誘いを断ったって・・。」
「あ~~。まあしょうがないよな。」
本当の事だからしょうがない。
「オーシャンがまさか断るとは思ってなかったよ。」
ロココがちらりと俺を見る。
「馬鹿だっていう人もいるだろうけど、オーシャンの人生だもんね?逆に、王様にも認められてるって凄くない?」
「俺の事、惚れ直した?」
「ばか。」
頭を突《つつ》かれる。
「あのさ、私ここに住んでいいかな・・。」
ロココは俺に寄りかかってきた。
「今回のこと意外っていうかさ、何ていうか…。ずっと近くに居たい…。」
あれ、でも…。
「学校があるって言ってなかったっけ?」
ここから学校に通うには遠くないか?
「辞める。」
カラン、カラン
店のドアが開いた。
いらっしゃいませ・・と声をかけようとしたが、見るとロココの父親レインが店に入ってきた。
「すまないがロココお邪魔してないかね・・。急に家を出るとか言い出して・・。」
「・・来てます。」
ロココって突っ走るとこあるよな。
「家に帰ってきなさい。」
「やだ。」
俺の後ろに隠れるロココ。
「とにかく学校は最後まで行きなさい。それと彼と一緒になりたいのなら、婚約すればいい。」
ん?
何だか今穏やかじゃないワードが出てきたぞ?
『婚約?』
俺とロココは、はもった。
「結婚していいの?やった~~!」
ロココは上機嫌だ。
「学校はちゃんと行くんだぞ?」
「は~い」
「オーシャン、それとは別に王から手紙を預かってきた。」
俺は手紙を渡される。
開けて、内容を見て驚いた。
「なんて書いてあるの?」
ロココがのぞき込む。
今回の件は見送っておくが、いい機会だから、王都の魔法学校へ通ってみないか?
推薦をしておくから、来月には発つように。
魔法の勉強をすれば、ポーション作りにも役に立つであろう。
「良いんじゃないか。魔法の勉強にもなるだろうし、独学だときついだろう。」
確かに一理ある。
魔法に関しては色々知らないことが多すぎるんだよな。
ポーション作りも、もっと上手くなるだろう。
「オーシャン王都来るんだ。やった!」
手放しで喜んでるロココ。
お店どうしよう・・・。
****
お店は悩んだ挙句、実家の方と相談して在庫を引き取ってもらった。
やむなく閉店。
そんなに流行ってなかったけどね。
また、新たに店を作ればいい。
今度はきちんとお客が来るようなお店に。
少し寂しいけれど、数か月住んだお家とお別れ。
「またな。」
俺は、もぬけの殻になった家に挨拶して王都へ出発した。
346
お気に入りに追加
653
あなたにおすすめの小説

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
30代社畜の私が1ヶ月後に異世界転生するらしい。
ひさまま
ファンタジー
前世で搾取されまくりだった私。
魂の休養のため、地球に転生したが、地球でも今世も搾取されまくりのため魂の消滅の危機らしい。
とある理由から元の世界に戻るように言われ、マジックバックを自称神様から頂いたよ。
これで地球で買ったものを持ち込めるとのこと。やっぱり夢ではないらしい。
取り敢えず、明日は退職届けを出そう。
目指せ、快適異世界生活。
ぽちぽち更新します。
作者、うっかりなのでこれも買わないと!というのがあれば教えて下さい。
脳内の空想を、つらつら書いているのでお目汚しな際はごめんなさい。

転生してしまったので服チートを駆使してこの世界で得た家族と一緒に旅をしようと思います
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
俺はクギミヤ タツミ。
今年で33歳の社畜でございます
俺はとても運がない人間だったがこの日をもって異世界に転生しました
しかし、そこは牢屋で見事にくそまみれになってしまう
汚れた囚人服に嫌気がさして、母さんの服を思い出していたのだが、現実を受け止めて抗ってみた。
すると、ステータスウィンドウが開けることに気づく。
そして、チートに気付いて無事にこの世界を気ままに旅することとなる。楽しい旅にしなくちゃな


悪役顔のモブに転生しました。特に影響が無いようなので好きに生きます
竹桜
ファンタジー
ある部屋の中で男が画面に向かいながら、ゲームをしていた。
そのゲームは主人公の勇者が魔王を倒し、ヒロインと結ばれるというものだ。
そして、ヒロインは4人いる。
ヒロイン達は聖女、剣士、武闘家、魔法使いだ。
エンドのルートしては六種類ある。
バットエンドを抜かすと、ハッピーエンドが五種類あり、ハッピーエンドの四種類、ヒロインの中の誰か1人と結ばれる。
残りのハッピーエンドはハーレムエンドである。
大好きなゲームの十回目のエンディングを迎えた主人公はお腹が空いたので、ご飯を食べようと思い、台所に行こうとして、足を滑らせ、頭を強く打ってしまった。
そして、主人公は不幸にも死んでしまった。
次に、主人公が目覚めると大好きなゲームの中に転生していた。
だが、主人公はゲームの中で名前しか出てこない悪役顔のモブに転生してしまった。
主人公は大好きなゲームの中に転生したことを心の底から喜んだ。
そして、折角転生したから、この世界を好きに生きようと考えた。
ボッチになった僕がうっかり寄り道してダンジョンに入った結果
安佐ゆう
ファンタジー
第一の人生で心残りがあった者は、異世界に転生して未練を解消する。
そこは「第二の人生」と呼ばれる世界。
煩わしい人間関係から遠ざかり、のんびり過ごしたいと願う少年コイル。
学校を卒業したのち、とりあえず幼馴染たちとパーティーを組んで冒険者になる。だが、コイルのもつギフトが原因で、幼馴染たちのパーティーから追い出されてしまう。
ボッチになったコイルだったが、これ幸いと本来の目的「のんびり自給自足」を果たすため、町を出るのだった。
ロバのポックルとのんびり二人旅。ゴールと決めた森の傍まで来て、何気なくフラっとダンジョンに立ち寄った。そこでコイルを待つ運命は……
基本的には、ほのぼのです。
設定を間違えなければ、毎日12時、18時、22時に更新の予定です。

巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する
高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。
手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる