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12 王城
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「お父様、私に言ってくれたら良かったのに・・。」
大事なことだからこそ本人に伝えたかったのだろう。
もしかして、直接じゃなくて間接的に話が来たのは色々と考えてくれていたから?なのかもしれない。
「王様?が言ってるのかな?それとも城の偉い人?」
「レオって言ってたから王様だと思うよ。確かに昔から友達だとは言ってたけどね。」
俺たちはロココさんのお部屋で・・だいぶ広いが・・くつろいでいた。
ビックリしすぎて、緊張も何処かへ行ってしまった。
長椅子にもたれかかり・・何も考えられない。
「今日は家に泊ってく?」
ロココの部屋には当然だが、大きいベッドが一つ。
「このお部屋でもいいよ?」
顔を近づけこっそり話すロココ。
絶対からかってる。
分かってるけど、顔が赤くなる。
「もう!ロココったら。」
これだけ大きいお屋敷だ、他にも部屋はあるに違いない。
「冗談だよ~。」
手をひらひらさせて、笑う。
笑った顔、超可愛いけどさ。
ロココはテーブルにあるベルを鳴らし、メイドを呼んだ。
「オーシャンのお部屋用意できるかしら。」
「かしこまりました、少々お待ちください。」
そんなにすぐ用意出来るのか?と思っていたが・・。
準備できていたのだろう、すぐに俺は呼ばれた。
「案内しますので、こちらへ。」
「じゃ、またね。ロココ。」
慣れた感じで案内される。
多分お客が来るたびに準備しておくんだろうな。
「有難う。」
メイドは深々とお辞儀をして去っていった。
部屋に一人になった。
窓の外を見るといつの間にか真っ暗だった。
お店を作って、彼女も出来て、今度はお城とか・・。
お城で働くとなると今のお店を辞めないといけない。
俺って何がしたかったんだっけ?
****
後日、城の見学に来ないかと誘いがあった。
店に王様からの手紙が来たのである。
「行ってみるか。」
俺は意を決して、王国が用意した馬車に乗り込んだ。
アルティナ城
初めて来た。
遠くから眺めてはいたけれど、まさか入ることになるとは。
ドキドキ・・緊張する。
王様って言ったら、すごい椅子に座ってるイメージ?
と思っていたのだが。
「やあ、初めまして君がオーシャン君だね。僕はレオナルド・ラクシアだ。この国の王様をやってる。」
「は、初めましてオーシャンと言います。この度はお招きにあずかり・・」
「そういう堅苦しいのはいいからさ。気楽に見学してよ。」
王様?ノリが軽いんですけど?
はあぁ~~。
後ろの護衛の人が深いため息をついた。
「やあねえ、シルバいいでしょ。オーシャン君も緊張してるだろうしさ。」
「いいですけどね。」
諦めた表情のシルバって人、何だか苦労してそう。
ノリが軽い王様に、城の一室に案内された。
「ここは主にポーションの研究をしていてね、優秀な人材を探していたわけだよ。オーシャン君は高品質のポーションを作れるようだし、是非ここで働いてもらいたいと思ってね。」
なるほど、そういう事だったのか。
15人くらいの人が、透明なコップで薬品を足してみたり、ハーブをすり潰していたり、火にかけたりと様々な作業をしているみたいだった。
大事なことだからこそ本人に伝えたかったのだろう。
もしかして、直接じゃなくて間接的に話が来たのは色々と考えてくれていたから?なのかもしれない。
「王様?が言ってるのかな?それとも城の偉い人?」
「レオって言ってたから王様だと思うよ。確かに昔から友達だとは言ってたけどね。」
俺たちはロココさんのお部屋で・・だいぶ広いが・・くつろいでいた。
ビックリしすぎて、緊張も何処かへ行ってしまった。
長椅子にもたれかかり・・何も考えられない。
「今日は家に泊ってく?」
ロココの部屋には当然だが、大きいベッドが一つ。
「このお部屋でもいいよ?」
顔を近づけこっそり話すロココ。
絶対からかってる。
分かってるけど、顔が赤くなる。
「もう!ロココったら。」
これだけ大きいお屋敷だ、他にも部屋はあるに違いない。
「冗談だよ~。」
手をひらひらさせて、笑う。
笑った顔、超可愛いけどさ。
ロココはテーブルにあるベルを鳴らし、メイドを呼んだ。
「オーシャンのお部屋用意できるかしら。」
「かしこまりました、少々お待ちください。」
そんなにすぐ用意出来るのか?と思っていたが・・。
準備できていたのだろう、すぐに俺は呼ばれた。
「案内しますので、こちらへ。」
「じゃ、またね。ロココ。」
慣れた感じで案内される。
多分お客が来るたびに準備しておくんだろうな。
「有難う。」
メイドは深々とお辞儀をして去っていった。
部屋に一人になった。
窓の外を見るといつの間にか真っ暗だった。
お店を作って、彼女も出来て、今度はお城とか・・。
お城で働くとなると今のお店を辞めないといけない。
俺って何がしたかったんだっけ?
****
後日、城の見学に来ないかと誘いがあった。
店に王様からの手紙が来たのである。
「行ってみるか。」
俺は意を決して、王国が用意した馬車に乗り込んだ。
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初めて来た。
遠くから眺めてはいたけれど、まさか入ることになるとは。
ドキドキ・・緊張する。
王様って言ったら、すごい椅子に座ってるイメージ?
と思っていたのだが。
「やあ、初めまして君がオーシャン君だね。僕はレオナルド・ラクシアだ。この国の王様をやってる。」
「は、初めましてオーシャンと言います。この度はお招きにあずかり・・」
「そういう堅苦しいのはいいからさ。気楽に見学してよ。」
王様?ノリが軽いんですけど?
はあぁ~~。
後ろの護衛の人が深いため息をついた。
「やあねえ、シルバいいでしょ。オーシャン君も緊張してるだろうしさ。」
「いいですけどね。」
諦めた表情のシルバって人、何だか苦労してそう。
ノリが軽い王様に、城の一室に案内された。
「ここは主にポーションの研究をしていてね、優秀な人材を探していたわけだよ。オーシャン君は高品質のポーションを作れるようだし、是非ここで働いてもらいたいと思ってね。」
なるほど、そういう事だったのか。
15人くらいの人が、透明なコップで薬品を足してみたり、ハーブをすり潰していたり、火にかけたりと様々な作業をしているみたいだった。
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