趣味のポーション作成スキルでお金を稼いでいたら、店を持つことになりました。

月城 夕実

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07 オープンの日

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今日はお店がオープンする日。
ロココさんの提案で、お試し品を無料で配ることになった。
この前ロココさんにあげた疲労回復ポーション。
強い薬じゃないし。
配ってもいいかな。

お店を宣伝してもらう作戦だ。
多分、ある程度認知度があるみたいだから宣伝しなくてもいいような気がする。
この前の冒険者が来た事。
知っていたからこそここに駆け込んできたのだから。

以前は間借り(実家)だったから家賃はかからなかった。
ここは月々支払いがある。
多分・・何とかなるだろう。

朝から、ぼーっとしている。

「お客さん来ないな~。」
雑貨屋が懐かしい。
あの時はいつも忙しかったなぁ。
俺はカウンターに突っ伏していた。

「よお!なにしけた顔してんだよ。」
あれ、ニルス。
「オープンしたから来てやったよって・・客いなさそうだな。」

「まあ、見ての通りだよ。」
それでも一番最初のお客様だ。
ニルスって実はいい奴なのかもしれない。

「来てくれて有難う。見て行ってくれ。」

「あれ、丁寧語《ていねいご》じゃないのな。」

「冒険者相手だから、砕けた方がいいと思って。」

「ほお~。なるほど。」

店内に置かれている品物を一個一個見て触る。
「良いじゃないか。あっちの店と違ってまた良いな。」

「これとかカッコイイな。俺使わないけど。」
ニルスは冒険者が使う手袋を指さした。

「これ、サービス品だ。持って行ってくれ。」

「え?買ってないのにいいのか?」
俺は袋に包んであるポーションを手渡した。

「疲れた時に効く薬だから。」
ニルスはすぐに袋を開けポーションを飲み干す。

「あれ?ぽかぽかする~。」

足元がふらつく。
あれ・・まさか・・。
疲れてないときに飲むと・・少し気分が高揚する。
テンションが上がるのだ。

「元気になった気がする~。」

お酒を飲んで酔っ払わないけど、やたらと高揚する感じに似てるかな?
目が変だ。
「おれさ~オーシャンの事好きなんだぜ~。いつも仲良くやってるだろ~。」
絡《から》んできた。
酒と同じかなこうなると。
薬が切れるまでしばらくかかる。
俺はニルスを奥の長椅子に寝かせることにした。

・・・注意書き書いとくか。


****


「オーシャンあれ誰?」

ロココさんが寝ているニルスを指す。
「あ~俺の幼馴染のニルス。あの薬飲んだらああなってさ。」

「えええ?私の時は何ともなかったよ?」

「疲れてたからだろ?元気な時は飲んじゃダメなんだよ。」

何だろ・・俺の作るポーションって効きすぎるみたいだな。
注意しないとな。
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