趣味のポーション作成スキルでお金を稼いでいたら、店を持つことになりました。

月城 夕実

文字の大きさ
上 下
1 / 28

01 青の雑貨店

しおりを挟む
「今日も暑いな~。」

オシャレな水玉模様が入ったタオルで首元を冷やす。
冷却作用があるタオルは夏の必需品だ。
布を冷やす物魔石?が織り込まれているらしい。

俺はオーシャン15歳だ。
親の仕事の手伝いをしている。
家は雑貨屋、店の名前は『青の雑貨店』
今使ってるタオルも商品として売っているものだ。
ネックレスや髪留めなど装飾品が主な商品で、女性のお客様が多い。

「相変わらず背が小さいね~。」
ニタニタして小馬鹿にしてくる隣の幼馴染。
人を馬鹿にして何が面白いんだか。
幼馴染のニルスは金髪碧眼の美男子だ。
嫌味さえなければいい男だと思うが。

「お姉さま方はいつもお美しい。」
目をキラキラさせて挨拶してくる。
軟派なんぱなやつは嫌いだ。

上の姉はアイラ18歳、髪は炎のような赤色で深紅の口紅が似合っている。

下の姉はミーシャ17歳、髪は落ち着いた茶色でナチュラルメイクだ。

「いつもお買い上げ有難うございます。」

営業スマイルで返すアイラ。
ミーシャは無視。
まあ、ニルス相手だからいいけど・・。


****


そろそろ開店の時間かな。

「いらっしゃいませ!」

休日ともなると沢山の人が訪れる。
最近人気のお店とかの雑誌に載ったらしい。
姉さまたちが言ってた。

「店のお手伝いじゃなくて、彼氏とかとショッピングしたいよね~。」

彼氏いるんかい。

「アイラこの前断ってたじゃん。」

「だって、好みじゃなかったから・・。」

もてもてだなぁおい!
一人突っ込みを入れながらサクサクと商品を並べていく。
姉たちも喋りながら、手は動いている。
手つきも慣れたもので、無意識に出来るものだ。
両親は如何してるって?
夫婦仲良く旅行へ行ってます。
夏休み~とか言ってたな。

カランカラン・・

「いらっしゃいませ!」

ふと目を向けると・・。
ショートカットの茶髪の女の子。
瞳は薄い灰色、肌は透けるような白。
今日は麦わら帽子をかぶっている。
何を見に来たのだろうか。

「あ、それ・・。」

俺を指さして・・正確には首に巻いてあるタオルをだが。

「冷感タオルですね。こちらになります。最近流行ってるんですよ。」

わぁ~
絵柄が色々あるので、結構迷うお客様も多い。
数分迷い、決めたようだ。

「店員さんと同じ絵柄の・・。」

確かにこれも人気の絵柄だけど・・同じのって・・。
無意識に顔がにんまりしてしまう。

つんつん!
ミーシャ姉さまから突かれる。

「ありがとうございます。すぐ包みますね。」

「すぐ使うからこのままでいい。ありがと。」
軽く会釈をして去っていくあの子。

「ほほ~。そういうことか~。」
アイラ姉がにやにやしている。

「青春ですな~。」
ミーシャ姉も呟く。

『声かければいいのに~。』

二人の声がハモった。
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

30代社畜の私が1ヶ月後に異世界転生するらしい。

ひさまま
ファンタジー
 前世で搾取されまくりだった私。  魂の休養のため、地球に転生したが、地球でも今世も搾取されまくりのため魂の消滅の危機らしい。  とある理由から元の世界に戻るように言われ、マジックバックを自称神様から頂いたよ。  これで地球で買ったものを持ち込めるとのこと。やっぱり夢ではないらしい。  取り敢えず、明日は退職届けを出そう。  目指せ、快適異世界生活。  ぽちぽち更新します。  作者、うっかりなのでこれも買わないと!というのがあれば教えて下さい。  脳内の空想を、つらつら書いているのでお目汚しな際はごめんなさい。

転生してしまったので服チートを駆使してこの世界で得た家族と一緒に旅をしようと思います

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
俺はクギミヤ タツミ。 今年で33歳の社畜でございます 俺はとても運がない人間だったがこの日をもって異世界に転生しました しかし、そこは牢屋で見事にくそまみれになってしまう 汚れた囚人服に嫌気がさして、母さんの服を思い出していたのだが、現実を受け止めて抗ってみた。 すると、ステータスウィンドウが開けることに気づく。 そして、チートに気付いて無事にこの世界を気ままに旅することとなる。楽しい旅にしなくちゃな

念願の異世界転生できましたが、滅亡寸前の辺境伯家の長男、魔力なしでした。

克全
ファンタジー
アルファポリスオンリーです。

ボッチになった僕がうっかり寄り道してダンジョンに入った結果

安佐ゆう
ファンタジー
第一の人生で心残りがあった者は、異世界に転生して未練を解消する。 そこは「第二の人生」と呼ばれる世界。 煩わしい人間関係から遠ざかり、のんびり過ごしたいと願う少年コイル。 学校を卒業したのち、とりあえず幼馴染たちとパーティーを組んで冒険者になる。だが、コイルのもつギフトが原因で、幼馴染たちのパーティーから追い出されてしまう。 ボッチになったコイルだったが、これ幸いと本来の目的「のんびり自給自足」を果たすため、町を出るのだった。 ロバのポックルとのんびり二人旅。ゴールと決めた森の傍まで来て、何気なくフラっとダンジョンに立ち寄った。そこでコイルを待つ運命は…… 基本的には、ほのぼのです。 設定を間違えなければ、毎日12時、18時、22時に更新の予定です。

巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する

高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。 手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。

知識スキルで異世界らいふ

チョッキリ
ファンタジー
他の異世界の神様のやらかしで死んだ俺は、その神様の紹介で別の異世界に転生する事になった。地球の神様からもらった知識スキルを駆使して、異世界ライフ

異世界人生を楽しみたい そのためにも赤ん坊から努力する

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕の名前は朝霧 雷斗(アサギリ ライト) 前世の記憶を持ったまま僕は別の世界に転生した 生まれてからすぐに両親の持っていた本を読み魔法があることを学ぶ 魔力は筋力と同じ、訓練をすれば上達する ということで努力していくことにしました

処理中です...