BL(？)短編集

罰ゲーム活用法

２

コクられると知ってから三日後に正式なお呼び出しを受け、更にその二日後、ついにその日はやってきた。
後からお金もらえると思ってちょっと良いカメラ買っちゃったのはご愛嬌だ。
その、ちょっと良いカメラを友人に渡し、学校の屋上の貯水タンクの上にスタンバっていただく。
危険を顧みない、それでこそ俺の親友だ。

その頃俺は、一旦屋上から校舎内へ入り適当に近くのトイレに籠もる。
なんとなく、コクる奴よりも先に屋上にいたくはなかった。
ま、プライドってやつだよ、わかってくれ。

準備万端！と思ったとき、キーンコーンカーンコーーン…と終業のチャイムが鳴った。
いよいよ約束の時間、放課後がやってきたのだ。

何故チャイムが鳴る前から準備が出来てたかって？
あー…５現目が担任の授業で、６現目が自習だったから、ってことにしといて。

トイレの個室に身を隠して20分ほど経ったとき、危険に身を晒している友人から一本のメールが入った。
どうやら感じの悪ぅーい方々が屋上に到着したようだ。
よし！と便器から腰をあげると、用を足したわけじゃないが気分的に水を流して、勢い良くその場を後にした。
向かうは、いざ屋上！


―コンコンッ


｢お邪魔しまぁーす。｣


中からでも待ってらっしゃるのがわかるくらいわいわいと皆で楽しそうにお喋りをしてらしたので、来たってことを知らせるためにノックをしてから屋上に出てみた。


｢いらっしゃぁーい！待ってたよん！｣


至極明るく俺を出迎えてくれたのは友人のおにいたま。

あら何？密告者のくせに図々しい。
いや、俺から見たら味方なわけだけど。


｢えっと、どう言ったご用件でボクは呼び出されたのでございましょう？｣

｢コイツがお前に話があんだよ。｣


そう言ったのはチョイ悪風な出立ちの、たぶん先輩。
そしてコイツとちょっと前に押し出されたのが…


｢え？おにいたま？｣

｢はぁーい！俺だよぉ！！｣


チョイ待て！
え？何？どゆこと？


｢心身共にイケてるメンズなおにいたまが、愛の告白しちゃいまぁーす！！｣

｢えーボクチンびっくりー。｣


してやられた。
クソッ！カメラ代返せ！


｢チョー待ちチョー待ち！！おにいたま何してくれてんの！？｣

｢オーマイヤングブラザー！そんなとこで何してんのん？｣


慌てた様子で貯水タンクから声を掛けてきたのはおにいたまの弟君である友人で、この反応から見るとどうやらおにいたまが賭けに負けたことを知らなかったようだ。
俺だって、そんな予想すらしてなかった。

だっておにいたまってば卑怯がミドルネームみたいな性格してらっしゃるから、こういうの負けるイメージない、てか実際に負けたとこ見たことないし。
友人もそんな感じのこと言ってたし。