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王城に着くと、銀髪の美男子が私の元に走ってやってきた。


「待ちわびた、私の真の妃よ。」



そう言って抱き締めてくるこの人は第一王子に違いないわ。




「お、お離し下さいませ、殿下。」


「そなたに会えるのを心待ちにしていた私に何故そんな酷いことを言うのだ。」


「私はただ妹の冤罪を晴らしに来ただけですわ。それに妹が罪を犯したというなら私とて同罪。殿下には相応しくないのです。」





けれどそんなセイラの思いとは裏腹に、皆ガブリエルがセイラを脅してブレスレットで力を奪ったと思っている。

それはセイラが幼い頃から家に引きこもっていたのが特殊な髪色のせいでもある。伯爵家の者は皆綺麗なブロンドだが、セイラだけはゴールドではなく世にも珍しいピンクゴールドを持って生まれた。
周りの者は当然伯爵の浮気を疑ったが、家の者は当然セイラが伯爵夫人の腹から出来てたことは事実だと分かっていたが、噂は幼いセイラの耳にも入り、元々の気の弱さもあって引きこもるようになってしまった。



セイラが公の場に姿を見せないことで噂は静まっていたが、現在ガブリエルがセイラの聖力を奪って王子と結婚しようとしたことが発覚し、貴族の間では私生児の聖女を伯爵家が隠し森の中に閉じ込めて、聖女であることが発覚すると無理矢理ネックレスでガブリエルに聖力を与えさせていたのではと事実とは違う噂が駆け巡っている。




「私がガブリエルにお願いしたのです。私の代わりに聖女になってほしいと。
だからガブリエルだけに罪をかぶせないで、罪を償わなければいけないのなら私も一緒に罰してくださいませ。」


ここまで来てしまったのだから、後には引けないわ。私がどうなっても、ガブリエルは守ってあげたい。王子への恋心を利用されて、私に利用された可哀想なガブリエル。

私が心が弱いばかりに辛い思いをさせてしまってるのだわ。




「そこまで言うなら一緒にガブリエルの元へ向かおうか。」



私は第一王子エルハルトにエスコートされて監獄へ向かった。


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