俺のまったり生活はどこへ?

グランラババー

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1章・幼少期

整理整頓ってスッキリするよね

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 領地の屋敷の所有権を買ったら、やることは一つ!!
 

 それは、邪魔で金食い虫で何もしない使用人の解雇だ。
 そう、強制解雇!!
 普通に働いていた人が強制解雇されるのはあってはいけないと思うけど、マジであの使用人たち仕事しないからね。
 今日だって、あの人たちお昼前に起きて、その後領地にある上級貴族御用達のみせに買い物に行ってるよ。使用人が主人の代わりに買い物に行くことは結構あることだから、例えば平民や下級貴族だとしても高級店を追い出されることはなくなる。
 ほんと、人の名前を勝手に使って何やってるんだか。


 公爵から使用人を任命する権利も買い取ったから、この権利を使いサッサっと契約を解除して解雇する。
 この任命は、契約時は対等な了承が必要になるが、解消時は任命権があるものが強制的に行える。解消するためには、明らかだ職務怠慢など契約内容を履行できていないことが条件だ。
 この屋敷にいる使用人は、明らかな職務怠慢がなので今回は強制解除が使える。強制解除が使える基準は精霊の采配みたいだから、俺は精霊に解除を申し立てることはできるが、強引にすることはできない。
 まあ、強制解除で誤解除が起きたことはないと聞いたし、こればっかりは精霊を信じるしかないね。


 王都から帰ってきて、ライラやバルに屋敷で特に何もなかったかを聞きながら、公爵からもらった契約の魔法陣を出す。ここに、俺の血を垂らす。

「精霊へ契約の解除を申し立てる、我が名はリューイ=ブランド」

 僅かな魔力と共に、契約が解消される。これで、定期的に行われていた給料の支払いがなくなる。また、契約を強制的に解除されると、任命されたものの首の後ろに赤い色で精霊による契約が強制的に解除されたことを示す魔法陣が出る。
 この魔法陣が浮かび上がっていることは、自分が仕事をサボったことを示す何よりの証拠となるため、就職では必ず確認される。
 これが強制解除を行ったことにより、使用人たちはこれから路頭に迷うこと間違えなしだね。いや、でも、公爵家からは結構な額が支払われていたし大丈夫かも。でも、あの人たち主人に似て金遣い荒いしね。


 忘れているかもしれないが、唯一俺に寄り添ってくれた門番のアラックは解除してないよ。彼にまだこの屋敷で働いてくれるかの意思確認をしてから、契約を解除するか続行するかを決めるつもり。
 俺は道理を弁えているものは、道理で返す派だよ。


 次の朝起きて、ライラに仕事を教えていると、案の定使用人たちが部屋に駆け込んできた。仮にもこの屋敷の主人の部屋にノックもなしに入るとか、無作法もいいところだよね。

「リューイ様、この魔法陣ななんなんですか?!」
「今すぐこの魔法陣を消しなさい!!」

などなど、分かりきっている質問から不敬な発言まで、様々な言が飛び交っている。


  懇切丁寧に説明するなんて、親切なことはしないので、俺は端的に説明して、彼らを追い出すことにする。

「お前たちの職務怠慢は精霊により見届けられていた。よって、以上の処置をした。この場にお前たちの居場所などない。速やかに去れ。」

 説明したものの、まだごちゃごちゃと言ってくる。混乱から抜けられないものは「魔法陣を消してください」とか言ってる。状態を理解したものは、急に俺に媚びを売り出した。
 ほんと、こいつらは俺を不愉快にする天才だな。しかし!、こんな時にも俺の魔法が光り輝く!!
 光魔法の中には、精神を操るようなことができる魔法がある。これは、声に魔力を乗せて、命令を下すものである。被術者の魔力が多いと抵抗されたり、簡単な命令しか下せないなど制限はあるが、こいつらの魔力はカスだから、問題ないね。ちなみに、この魔法は記憶の被術者の記憶を司る器官を傷つけることである。それに伴い、俺が魔法を使い彼らを操ったことは、彼ら自身は覚えていない。こいつらの体の心配なんか俺はしないよ。

『荷物をまとめて、性急に去れ!』

 この言葉を放った途端、彼らはいきなり大人しくなり、目を虚ろにしながら、部屋を後にして、しばらくすると、荷物を持ちながら、この屋敷を後にした。

「うるさくしてごめんね、ライラ。」

「いえ、リューイ様が謝罪なさることはありません。それに、屋敷に住み着くウジ虫がいなくなって、スッキリしました。」

 ほんとそれね。これで・スッキリだよ。でもね、同時に問題もあるんだよね。この屋敷って、お城みたいに広いんだけど、管理する人っていうか住んでいる人が俺を含めてたったの4人。そう、4人しかいないんなよ。それに、ライラは俺の専属護衛なんだから、俺の部屋で過ごす!!とか言い出して。バルは連れてきた時すごくビクビクしてたから、あまりにも可哀想で一緒の布団で寝てたら、彼もまた俺の部屋で生活するようになったんだよね。つまりね、部屋もアホみたいに余ってる。もう一人、アラックていう男性の門番がいる。彼には、屋敷の見回りとかをお願いしている。あと、ライラとバルの教育だね。彼、男爵家ではあるけど貴族だから、礼儀とかを教えてもらっている。
 知識に関しては、屋敷にあるバカでかい図書室の本を読んで学んでもらおうと思う。


 もう、この屋敷を孤児院にしてしまっていいのでは?って思ってしまうぐらい、部屋が余ってる。あと、流石に寂しい。あと、夜も怖い。夜の学校以上に怖い。


 考えなくても分かるかも知れないが、うちの領地は孤児がかなりいる。理由は二つ。一つ目は、領地計画が杜撰だから。最近は、俺がドラゴンを狩って得た金を資金として投入しているから少しはマシになった。二つ目は、千載一遇の機会を目標にしていた子どもの親が森に行ったっきり帰ってこないから。つまり、親が死んだってことだね。


 孤児を迎える利点は、寂しさをなくすためだけじゃないよ。この屋敷って、いや、もう俺がこの屋敷の所有者になったから、俺の屋敷って言えるのか。なんか、偉くなったみたいでいいねぇ。で、俺の屋敷は絶賛人手不足!!
 いやマジで!猫の手も借りたいってこんな時に使うんだね。


 恩を売って雇わないと、なんか安心して仕事を任せられなくなってるんだよね。でも、それぐらい人間不信になるのは仕方なくない。乳児ごろからの悪質ないじめ被害者だよ、俺は。奴隷の購入でもいいかも知れないけど、今は絶賛金欠中!!


 金庫が素寒貧ですよ。
 次の課題は、人員をどうするかだねぇ。

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