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1章・幼少期

金策

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俺は金策として闇市で魔物を売ることにした。

きっと、そこは冒険者だろ!!って思ったのではなかろうか。

しかし、そんなちまちまして稼いでいては金が足りん。領地はしょうがないが、領地にある屋敷だけでも自分のものにしたい。あの公爵の事だ、金をたんまりあげれば屋敷の買収など簡単だろう。
会ったことないから、分からないけど。

ガキがドラゴンのような国が対処するレベルの魔物を持って行っても、不正を疑われて買収どころではない。確実に悪目立ちする。
最悪、他の冒険者から獲物を横取りしたとして、冒険者ギルドの暖簾をくぐることができなくなる。
あと純粋に、闇市の方が買取価格が高い。

はぁ、これが正式な公爵家の跡取りだったら違ったのかもね。公爵家だよ。多少の違法は握り潰せるはずだもん。

だがしかし、そんな細かいことを気にしなくてもいいのが闇市だ!!
闇市は、端的に言えば金儲けの事しか考えていない。つまり、利益が出るような商品なら身分や取得方法など諸々は気にしない。

まあ、闇市を公爵家の人間が利用したなんて知られたら面倒くさいったらありゃしないから、足がつくようなことは絶対にしない。

みんな忘れているかもしれないが、俺は情報収集を生業にしたいんだよ。そのためには、変装、演技その他諸々、情報を得るための技術は特訓に特訓を重ねた。あとは、俺みたいに探知魔法が使える人は、魔力で人探しができてしまう。そのために、魔力を体外に全く出さないようにしたり、その人一人ひとりにある魔力の波長を体外に出すときに変換するなど、魔力操作は死に物狂いで練習した。一番難しかったのが、魔力の波長を変えるやつね。魔力が同じだとバレると、身バレの危険があるので。最初やった時は、毛穴という毛穴を針で突いてるみたいでめちゃくちゃ痛かった。今でも、気を抜くと失敗するぐらい、難しい。やっぱり、目標があるっていいね。

普段の俺ならもう少し躊躇うが、今は切実に金が足りないのでやむなし。
それに、以前魔法で空を飛んで王都まで行ったときに、余っている魔物の素材を売ったのも闇市だったんだよね。自分でもびっくりするぐらいの金貨をもらえたから、その快楽が忘れられない。もしや、これは依存症なのでは?この年から依存症は大変だ。

てことで、俺は今、覚えていてよかった魔法上位に食い込む転移魔法で王都まで来ています。闇市にドラゴンを売ったら、ついで王都の屋敷にいるであろうハ―ウェザーに遭いに行く。もちろん、こそこそと会いに行くよ。いつか、堂々と会いに行きたいな。

まずは、闇市に商品を売りに行く。
売り方は簡単!
まず、闇市を取り仕切る商人を探します。闇市って違法だからね。見つかったら普通に重罪。売ったものなどによっては、死刑もある。だから、基本場所を転々としている。まあ、稼ぎがいい王都から出ることはないんだけど。俺は、探知魔法でその商人につけていた目印の俺の魔力を探す。前世のゲームでいうピンってところだね。
次に、その商人のところに転移します。転移できない人は地道に歩くしかないね。
最後に、その商人を剣を使い脅し、商品を売ります。
ね、簡単でしょ。俺はこの一連の作業、5秒足らずで終わるよ。

幼児だった俺も、既に8歳。でも、まだガキであることにかわりはないから舐められる。でも、商売だから舐められたらおしまい。ってことで、舐められないために脅している。人は誰しも自分の命が大事だからね。特に、違法なことをやってる奴らは我が身可愛さで結構簡単に屈するよ。

魔法があるんだから、自分の背丈や顔でも変えて売れば舐められないのでは?と思うだろう。しかし、魔法で姿形を変えるのは大変なんだ。この魔法は、自分の姿形を変えるというよりは、周りにいる人たちに偽な姿を認識させるってことを行っている。明け透けなく言うと、一種の洗脳だね。で、洗脳って脳とかに直接働きかけるんだけど、それがすっごく精密な魔力操作を行わないといけない。ミスると、脳に異常をきたしたり、最悪爆発する。頭がね、リアルに。
まあ、魔法の練習をしまくっている俺からするとそれも難しくはないんだけど。簡単とは言えないね。それを会う人全員にやるとなると、流石に難しい。やろうと思えばできるが、脳の処理が洗脳で埋め尽くされるから、歩くことすらままならない。田舎とかならできるけど、人がごった返している王都では賢い選択ではないね。

ってことで、闇市が終わって金受け取るまでに時間ができたので、ハーウェザーに会いに行く。

「久しぶりの生ハーちゃん、楽しみだなーぁ」

やっべ、嬉しさのあまりでかめの独り言を言ってしまった。

王都はただでさえ人が多いのに。不用意な発言は厳禁だね。






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