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二章・管理人
絶対者
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僕はジークハルトからの10年間も寝ていたよ発言が理解できずに苦しんでいる。
「スヤァー」
文面としては理解できるが、それを理解するのを体が嫌がっているようだ。
つまるところ、思考が混乱しまくっている。そんな時の対策は、寝ることだ。
思考に一区切りつけることで、リフレッシュして考えることができる。
だから僕は寝ることにする。
「ちょ!寝ないで下さい!!」
「いや、寝させてくれよ。僕はお気楽に生きたいんだよ。自分の身に起こったことでも、面倒臭そうなことからは逃げたいんだよ。」
「ダメですよ。ラント様がお眠りになられてから、変わったこともあるのですから。」
変わったこと?
そう言えば、10年経ったと言っていたね。つまり、僕の背が伸びたのかもしれない!!
果たして精霊に成長という概念があるかは知らないが、きっと伸びてるに違いない。
背が伸びれば、僕の女っぽさ、もっと言ってしまえば、子供っぽさが抜けるはずだ!!
「ジーク、立って。」
こうしちゃいられないと思い、僕はすぐさま身長の測定にはいる。
ジークハルトは僕が何をするのかよく分かっていない様子だが、素直に立ってくれた。
測定といっても、それ専用の道具があるわけではない。いや、探せばあるかもしれないが、探すのが面倒くさい。だから、目分量で行く。その目分量で必要になるのが、相手との比較だ。その相手とは、僕の従者であるジークハルトくんである。
「あ、もしかして、身長を測ろうとしてますか?」
「そうだよ。変わったことって身長でしょ?いや~ぁ、僕もついて大人の階段に突入だね。」
年齢的にはとっくに大人だが、以前の僕の身長はお子様サイズだった。いや、日本にいた頃なら少し身長が低いね~ぐらいだったが、この世界は異世界アルアルの一種である平均身長が高い現象が起きていたのだ。
つまり、この世界で日本基準でさえ身長が低いとなると、お子様サイズになってしまう。
しかし、今の僕は大きくなっているはずだ。心なしか、起き上がった時いつもより視点が高くなっている気がしたし。
「あ、あれ?」
さっきまでのウキウキな気持ちを返して欲しい。
ジークハルトと並んだ僕は、以前と変わらなかった。
気絶前の僕はジークハルトの胸あたりまでの身長だった。
そして、今僕の目の前にはジークハルトの真っ白な騎士服の胸部分が見えている。
、、、、
つまりは、以前と変化なし!!
「これが、絶望、というやつか。トホホ」
こうゆう時に、O R Zを使うのだろう。
「だ、大丈夫ですよ。きっとこれからも成長しますよ。」
ジークハルトが慰めてくる。でも、慰めてくれるなら、言葉に詰まらないで欲しい。言葉に詰まるってことは、無理して言ってるってことじゃん。
つまり、僕の身長は伸びるか分からない、いや、高確率で伸びないって思ってるってことじゃん。
「そ、それよりも、もっと大事なことがあるんですよ。」
「そんなこと、ないない。」
ないだろう。僕の身長以上に重要なことはないだろう。
こいつ、僕の従者を名乗っているくせに僕のことを全く理解できていない!!
これは由々しき事態だ!!
「ほら、森ですよ、森。私たちがいる森を見ていただくのが一番手っ取り早いと思います。」
「えー、いいよぉ。僕は二度寝がしたい。」
「何言ってるんですか!!ダメに決まってるしでしょ!!」
僕がぐずぐずしていたら、ジークハルトがお母さんみたいなことを言ってきた。
てか、ジークハルトは僕にそこまで干渉しなかった人なのに。
なんか遠慮がなくなったね。
「分かったよ。分かった。」
家から出ることにした僕は、安全確認のために探知魔法を展開する。
「ん?」
「どうかしましたか?」
突然立ち止まった僕を心配してジークハルトが声をかけてきたがそれどころではない。
僕の探知魔法は物体の存在を認識するだけである。つまりは、その物体の情報、例えばその物体の名前や大きさ、存在する年月、由来は何か、は分からない。
だが、僕は今探知魔法で存在を確認した全ての情報という情報が頭の中に入ってくる。
しかもだ、その情報量に僕の頭が順応していることが1番の驚きだ。
難なく苦もなく、滝のように流れ込んできた情報の処理ができてしまう。
地味に探知範囲も広がっている。今ならこの世界全てを一瞬で探知することもできそうだ。いや、できるね。できてしまうから怖いって感じ。
「あの、ラント様、もしかして不調ですか?」
立ち止まったまま一向に動かず話さない僕をジークハルトが心配してくれるが、僕は今それどころではない。
僕は考えた。
自分の性能が格段に上がった体験は滅多にないが、一度だけある。それは、精霊王という種族になった時だ。
今回も、何かしら僕の種族に変化があったと考えて良いいだろう。それに、人間から精霊王になった時も、長期間の睡眠を取っていた。今回も、まだ信じられないが10年も寝ていたようだ。と言うことは、僕の種族が変化、もっと言えば能力が優れている点から上位の種族に変化したと考えられるだろう。
つまり、今一番確認すべきは僕の種族、もといいステータスってことだ。
『名前:北野蘭斗
年齢:31歳
種族:神族/精霊神
職業:魂神
天賦:眷属化、循環、輪廻転生 』
、、、、。
???
、、、
なーるほどね。
僕ビックリ。
あと地味に、本当に10年経っていたんだと思わされたよね。
僕も人間で言えば中年と言える年頃なんだね。
そのほとんどを寝て過ごしていたと思うと少しばかり悲しい。
ちなみに、このステータスも鑑定魔法を使った訳ではない。なんとなく僕の情報を見たいなと思ったら頭に浮かんできた。
この万能感。何をやってもできてしまい、しかもそれが必ず成功するような感じ。
感覚で自分が神になったと思わされてしまう。
ただ、この万能な能力はすぎた力である。僕はこの異世界を楽しみたいのだ。
この世界の基礎知識は欲しいが、なんでも分かってしまうと、それは面白くない。
現在の課題は、森の変化とかよりも、僕自身の能力の制限方法だね。
「スヤァー」
文面としては理解できるが、それを理解するのを体が嫌がっているようだ。
つまるところ、思考が混乱しまくっている。そんな時の対策は、寝ることだ。
思考に一区切りつけることで、リフレッシュして考えることができる。
だから僕は寝ることにする。
「ちょ!寝ないで下さい!!」
「いや、寝させてくれよ。僕はお気楽に生きたいんだよ。自分の身に起こったことでも、面倒臭そうなことからは逃げたいんだよ。」
「ダメですよ。ラント様がお眠りになられてから、変わったこともあるのですから。」
変わったこと?
そう言えば、10年経ったと言っていたね。つまり、僕の背が伸びたのかもしれない!!
果たして精霊に成長という概念があるかは知らないが、きっと伸びてるに違いない。
背が伸びれば、僕の女っぽさ、もっと言ってしまえば、子供っぽさが抜けるはずだ!!
「ジーク、立って。」
こうしちゃいられないと思い、僕はすぐさま身長の測定にはいる。
ジークハルトは僕が何をするのかよく分かっていない様子だが、素直に立ってくれた。
測定といっても、それ専用の道具があるわけではない。いや、探せばあるかもしれないが、探すのが面倒くさい。だから、目分量で行く。その目分量で必要になるのが、相手との比較だ。その相手とは、僕の従者であるジークハルトくんである。
「あ、もしかして、身長を測ろうとしてますか?」
「そうだよ。変わったことって身長でしょ?いや~ぁ、僕もついて大人の階段に突入だね。」
年齢的にはとっくに大人だが、以前の僕の身長はお子様サイズだった。いや、日本にいた頃なら少し身長が低いね~ぐらいだったが、この世界は異世界アルアルの一種である平均身長が高い現象が起きていたのだ。
つまり、この世界で日本基準でさえ身長が低いとなると、お子様サイズになってしまう。
しかし、今の僕は大きくなっているはずだ。心なしか、起き上がった時いつもより視点が高くなっている気がしたし。
「あ、あれ?」
さっきまでのウキウキな気持ちを返して欲しい。
ジークハルトと並んだ僕は、以前と変わらなかった。
気絶前の僕はジークハルトの胸あたりまでの身長だった。
そして、今僕の目の前にはジークハルトの真っ白な騎士服の胸部分が見えている。
、、、、
つまりは、以前と変化なし!!
「これが、絶望、というやつか。トホホ」
こうゆう時に、O R Zを使うのだろう。
「だ、大丈夫ですよ。きっとこれからも成長しますよ。」
ジークハルトが慰めてくる。でも、慰めてくれるなら、言葉に詰まらないで欲しい。言葉に詰まるってことは、無理して言ってるってことじゃん。
つまり、僕の身長は伸びるか分からない、いや、高確率で伸びないって思ってるってことじゃん。
「そ、それよりも、もっと大事なことがあるんですよ。」
「そんなこと、ないない。」
ないだろう。僕の身長以上に重要なことはないだろう。
こいつ、僕の従者を名乗っているくせに僕のことを全く理解できていない!!
これは由々しき事態だ!!
「ほら、森ですよ、森。私たちがいる森を見ていただくのが一番手っ取り早いと思います。」
「えー、いいよぉ。僕は二度寝がしたい。」
「何言ってるんですか!!ダメに決まってるしでしょ!!」
僕がぐずぐずしていたら、ジークハルトがお母さんみたいなことを言ってきた。
てか、ジークハルトは僕にそこまで干渉しなかった人なのに。
なんか遠慮がなくなったね。
「分かったよ。分かった。」
家から出ることにした僕は、安全確認のために探知魔法を展開する。
「ん?」
「どうかしましたか?」
突然立ち止まった僕を心配してジークハルトが声をかけてきたがそれどころではない。
僕の探知魔法は物体の存在を認識するだけである。つまりは、その物体の情報、例えばその物体の名前や大きさ、存在する年月、由来は何か、は分からない。
だが、僕は今探知魔法で存在を確認した全ての情報という情報が頭の中に入ってくる。
しかもだ、その情報量に僕の頭が順応していることが1番の驚きだ。
難なく苦もなく、滝のように流れ込んできた情報の処理ができてしまう。
地味に探知範囲も広がっている。今ならこの世界全てを一瞬で探知することもできそうだ。いや、できるね。できてしまうから怖いって感じ。
「あの、ラント様、もしかして不調ですか?」
立ち止まったまま一向に動かず話さない僕をジークハルトが心配してくれるが、僕は今それどころではない。
僕は考えた。
自分の性能が格段に上がった体験は滅多にないが、一度だけある。それは、精霊王という種族になった時だ。
今回も、何かしら僕の種族に変化があったと考えて良いいだろう。それに、人間から精霊王になった時も、長期間の睡眠を取っていた。今回も、まだ信じられないが10年も寝ていたようだ。と言うことは、僕の種族が変化、もっと言えば能力が優れている点から上位の種族に変化したと考えられるだろう。
つまり、今一番確認すべきは僕の種族、もといいステータスってことだ。
『名前:北野蘭斗
年齢:31歳
種族:神族/精霊神
職業:魂神
天賦:眷属化、循環、輪廻転生 』
、、、、。
???
、、、
なーるほどね。
僕ビックリ。
あと地味に、本当に10年経っていたんだと思わされたよね。
僕も人間で言えば中年と言える年頃なんだね。
そのほとんどを寝て過ごしていたと思うと少しばかり悲しい。
ちなみに、このステータスも鑑定魔法を使った訳ではない。なんとなく僕の情報を見たいなと思ったら頭に浮かんできた。
この万能感。何をやってもできてしまい、しかもそれが必ず成功するような感じ。
感覚で自分が神になったと思わされてしまう。
ただ、この万能な能力はすぎた力である。僕はこの異世界を楽しみたいのだ。
この世界の基礎知識は欲しいが、なんでも分かってしまうと、それは面白くない。
現在の課題は、森の変化とかよりも、僕自身の能力の制限方法だね。
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