神は眷属からの溺愛に気付かない

グランラババー

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二章・管理人

剣聖って憧れるよね

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 今章は、説明回のような内容になってしまいました。
 申し訳ないです。

 最後に、今回もこの小説を読んでいただきありがとうございます。
 次章からは、新天地と新攻めキャラを出していく構想なので、お待ちいただければ幸いです。


ーーーーーーーーーーーーーーーーー



 従者との生活を嗜んで、少しばかり経った。
 そんな僕には、早速飽きが来ていた。
 今だに屋敷の中は殺風景で、なんとかお風呂の設置だけを終えた状況なのだ。
 いや、屋敷生活を二日目にしてトイレがないことに気づき慌てた。森での生活のようなサバイバルなトイレは嫌だからね。文化的なトイレが良いよね。
 ただ、僕に文化的なトイレの作成方法など分かるわけがなかった。それに、異世界アルアルの魔道具での再現とかも分からない。だって、魔道具とかみたことないんだもん。
 だから、トイレはボットン式で、トイレをした後毎回デリートの魔法で存在ごと消すことにしている。やはり、文化より魔法である。
 まあ、精霊になってトレイの必要もなくなったけど。


 毎日やる事と言えば、食糧確保のために魔物を狩るだけ。しかし、魔物狩りは何年もやってしまったため、生活の一部になりつつある。

 因みに、従者との屋敷生活を始めて、まだ一週間しか経っていない。
 飽きるのが早すぎでは?と思われるかもしれないが、殺風景すぎる家を見ていたら一瞬で飽きてしまったのだ。
 だがしかし!!昨日閃いてしまったことがある。
 僕の生活の基盤には煩わしい人類との接触を極力避けることであるが、それと同時にせっかくの異世界なのだから、異世界らしいことをしてみたいのである。
 もっと言えば、魔法チートとか知識チートとか、特許チートとか。
 まあ、チートを発揮するにはどうしても有象無象との接触が必要になるが、今は自分チートに酔いたいのである。
 嫌なことは、忘れる所存である。

 僕には僕なりにやりたいチートがあるのだ。
 僕がやりたいのは俺TUEE(剣術バージョン)である。
 つまり、剣聖になりたい。賢者ではない。剣聖である。
 理由はなんとなく、剣聖が1番かっこいいと思ったから。
 因みに、路線変更はいつでも受付中である。僕は何者にも縛られないからね。

「ラント様、起きてください。流石に三度寝はダメですよ。」

 そんな僕に声をかけてくるジークハルト。最近僕の従者になってくれた者で、唯一の会話相手である。
 僕の思考場所はベッドの上である。ここが、いや、ここしか僕がのんびりできる場所がない。なぜかって?この屋敷にはベッドと風呂とトイレ以外のものがないからな!!
 まあ、のんびりスペースがジークハルトと共有であるのは、問題かもしれない。
 ジークハルトは、僕の安眠抱き枕がなくても、ぐっすりのようだし、ベッドは近々分けた方が良いかもね。 
 やっぱり、シャンデリア付きのベッドに憧れるね。入手できるかは論外として、欲しいものを想像するだけは自由だからね。


 今だに料理は、魔物肉を焚き火で焼くと言うワイルド全開な生活である。
 そろそろ文化的な生活を嗜んでも良いかと思うところだ。そのためには、人類圏に進出し商品の購入をする必要がある。

「我は眠りの精霊である。我が仕事は寝るなり。妨げることは許さぬ。」

「はぁ、、、あーあ、剣聖ラント様の活躍を見てみたいです。」

「しょうがないなぁ~」

 僕は可愛い従者からの声援に真摯に答える主人なのである。
 僕が眠りの精霊だとしても、本職を疎かにしてでも従者の望みを叶える系主人である。良い主人だね。

 決して、僕の欲が優先されたわけではない。これだけは断言しておこう。

 ただ、ジークハルトの僕を見る目に尊敬が減っているのが気になる。


***


 僕はウィンドウルフに向かって剣を振るう。

「ガッ!」

 急所の首を狙ったが、良い感じに首チョンパ出来たようだ。
 しかし、このウルフたちの厄介な点は、強さではない。もちろん、ウィンドと名を冠していることから、風魔法を使い攻撃してきたり、素早い移動をしたりはするものの、脅威とはならない。

 だが、ある一点のみは無視できないのである。

「アオーーン!!」

 そう、仲間を呼ぶだ。
 これにより、終わりのない戦いが始まる。
 だが、僕だって対策を考えないような愚か者ではない。
 実際、この森に来た時にもこの地獄を味わったのだ。

 攻略法は至って簡単だ。仲間を呼べるウルフは限られていることが分かれば、造作もない。
 仲間を呼べるウルフは、群れのボスの役割を果たしており、ボスウルフを倒せば仲間を呼ばれることがなくなり、更に魔物の連隊も崩れる。

 と言うことで、一際大きく一目でボスと分かるような出立ちのウルフを討伐することにする。
 ボスとあって、それを守るウルフも多いが、僕のチート肉体スペックから働く放たれる剣技の前では、どうもこうもない。
 本当は、剣術の術に当たる、所謂技の習得をしたいんだけど、僕にはそれを教わる人がいない。


 ジークハルトにも聞いてみたんだけど、彼の剣は誰かに教わったのではなく、独学で取得したものみたいである。
 つまり、今の僕にあるのは実践あるのみである。
 その実践も高スペックの肉体があるから困難な状況には陥らないけど、冷静な戦闘ができるから、まあ良しとしよう。

 おっと、目の前に集中しないとね。
 目の前、後ろ、横、真上、あらゆる方向から死角意図的に作り出すようにウィンドウルフが僕に襲い掛かる。
 常人ならこれだけでも致命傷に至らせることができるかもしれないが、僕の身体は全方向から襲い掛かるウィンドウルフを丁寧に一匹ずつ殺せるような高速移動ができる。

 まあ、丁寧に一匹ずつなんてめんどくさいから、一閃して前方から来るウィンドウルフを蹴散らす。
 そのまま、一気に前進して、ボスウルフの前に移動する。
 そして、驚きの表情で固まっているボスウルフの首を一閃する。

 ボトッ


「本日もお疲れ様でした。」

「うーむ、、、」

「?何かお悩みですか?」

「いや、なんかただ剣を振っている感があってさ。僕の目指す剣聖とはなんか違うんだだよね。」

 僕の剣は剣士って感じで、技を突き詰めた先にある剣聖とは対極にいる気がする。
 これは、早急に剣の技を会得する必要があるね。
 
「そうですね。私も実際に剣聖というものに会ったことがないので分からないのですが、過去にそのような存在がいたことはあるようですね。」

「え?!マジで?!じゃあ、そこに弟子入りに行く?行っちゃう?」

 やはり、目標への近道はその道のプロフェッショナルに教わることだと思う。独学は危ないからね。

「ちょ、あの、落ち着いて下さい。」

「落ち着いてるよ!!少し興奮してるだけだよ!!」

「いえ、それが落ち着いていなってことですよ。それれと、弟子入りは一考した方が良いと思います。」 

 つまり、弟子入りは控えてほしいってこと?
 、、、。
 うーん、いや、弟子入りは辞めておこう。
 
「この世界はクズばかりだからね。」

「何か言いましたか?」

「いや、やっぱり弟子入りはやめようってこと。」

「それは良かったです。」

 そんなにホットした表情で言われると、弟子入りというのはそこまで最悪なあんだったのかな?

 
 どうせ、弟子入りするためにも何とか教に入らないとダメとか言われそうだ。

 致し方ないな。
 この森から出て、世界の剣術見学をするのが最善かねぇ。
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