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2章
対決
しおりを挟む再び、キキン城・王の間。
キキン国王の見守るなか、刺し身対決は、あっけなく終了したよ。
俺が出品した刺し身なんだけど、キキンの商店街にある雑貨屋さんで見つけた深い青色のお皿に、薄く削ぎ切りしたラミアフィニッシュの身を、花びらのように並べたよ。
濃い青色、いわゆる藍色は、純日本って感じがして、日本の誇る刺し身で対決するんだったら、ぜひこの皿だと思ったのよね。
それに盛ったラミアの白身を透かして、お皿の藍色がいい感じに栄えるんだよね。
単に美味いだけじゃなく、食べる前に見て楽しむ刺し身。
花びらのように盛り付けたのも、大昔の魚屋さんが培った刺し身の妙技、侘び寂びを感じ取ってもらいたいのもあったね。
色んな想いを込めた作品だったけど、それも、あんまり意味がなかったよ。
何があったかって?
俺とアシダダムの作品(刺し身)がテーブルに公開された途端、
審査員の10名と、国王までが殺到して、俺の刺し身にオリーブ油をドバドバかけまくり、フォークで乱暴にすくい取るもんだから、自慢の盛り付けは、鑑賞する以前に、あっという間にグチャグチャになったね。
「見事じゃ、見事じゃ、ヒジカタの刺し身は美味いのお~♪」
まあ、国王が喜んでるからいいか~。
やっぱり刺し身は、箸で一切れづつ食べて欲しいな。
箸が無理なら、せめて落ち着いて食べて欲しいよ。
俺の刺し身を全部たいらげた所で判定が下された。
もう言わなくても分かるけど。
アシダダムの造ったイワシの刺し身だけ、一口食べただけでそのまんまだもん。
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