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結婚パーティー
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五年の間にあまり変わっていないと思っていた街は百八十度変わってしまっていた。
風景じゃない。
変わったのは人だった。
「そうなんだ~帰ってきたんだ~。あ、もう連絡してこないでね。知り合いだと思われたら嫌だし」
「アンタっていっつも面の皮厚すぎだよね。私だったら間違っても帰ってこようだなんて思わないわ」
「君ね、今まで散々周りに迷惑かけて恥ずかしくないのかね? せめて借金は自分で返しなさい」
「えーアリエラ……ですか? 申し訳ありませんがあなたは魔法協会除籍処分となっております。何故と申されましても……それが規則ですので」
友人、教師、同僚、みんなみんな私に冷たくなった。
心当たりは一つある。
姉弟子のミリアだ。
ミリアはどういうわけか私を嫌っていて彼女が変な噂を流しているに違いない。
私が街にいなかったからこんなに浸透して、協会も早まった決定をしてしまったんだ。
ミリアはいつだってそう。
お師匠様も学校の友達も教師もミリアの方を可愛がった。
曰く、ミリアの方が努力家。
曰く、ミリアの方が誠実。
曰く、ミリアの方が信頼できる。
曰く、ミリアの方が賢い。
誰も彼もミリアミリアってバカみたい。
ミリアはまだブロンズランクじゃない。20手前でプラチナになった私よりずっと落ちこぼれ。
其のうえ変な薬に手を出して魔法師としてはとっくに終わってるのに。
ブロンズランクになれたことすら何か汚い手を使ったんじゃないか。
私には冷たいのに他人にはいい顔をする腹黒いミリアだ。それくらいあり得る。
魔法協会から請求された金額はそう大した額ではなかった。
元々旅では自給自足を心がけてあまり使わなかったし。
1,2年くらい真面目に働けば問題なくかえせるだろう。
アレックは拘留所に入れられたことが故郷の家族に伝わり、急遽呼び戻されて帰ってしまった。
彼だけだったな。最後まで私を信頼してくれていたのは。
「絶対戻ってくる」ってそう覚悟した瞳はこれまでで一番頼もしく思えた。
ベニーとは大違い。
そのベニーの浮気について弁護士に当たっても受けられませんと返されるばかりだ。
もう三日後にはあの二人は籍を入れて友達のお店を貸し切って結婚式の代わりのパーティーをする予定なのに。
「ですから、何度も言いますが。あなたとベネディクトさんの婚約は4年前に破棄されております」
「そんなわけないです! だって私には全く話が届いてないし。何より破棄されたなら慰謝料とかが払われるはずですよね」
「払われてますよ」
「嘘言わないでください! 口座の履歴には載ってない!」
「ですから、あなた……の保護者としてヒルデ氏がベネディクトさんに慰謝料を支払っております」
「なんで! 浮気したのはベニーなのに、なんでお師匠様が慰謝料を払うんですか! おかしいです!」
「浮気浮気とおっしゃいますが、ベネディクトさんはあなたとの関係が切れてから他の女性と交際しております。そのため、浮気には当たりません。
加えて、あなたは他の男性と二人っきりで旅をしていたそうじゃないですか」
ただでさえ腹立たしいのにアレックとの関係を邪推されますます腹が立った。
「私とアレックは何も疚しいことはしていません」
「婚約者のいる身で他の男性と二人旅をすること自体が疚しいことなんですよ、普通は」
「じゃあどうしろっていうんですか! 女が一人で旅なんてできるわけがないのに!」
「その旅とやらに行かなければよかったのでは? 調べたところ、協会の正式な依頼ですらないただのあなたの『趣味』のようですし。あぁ、育ててくださった恩師の葬式よりも重要なのですよね。失礼しました」
「もういいです」
何度も弁護士事務所を訪問してやっと紹介してくれたからどんな人だろうと思ってたらとても嫌な人だった。
我慢の限界に達したので事務所から出ていく。
こうなったら自力でやるしかない。
みんなに真実を伝えるんだ。
結婚パーティーでみんなに伝えよう。
ミリアとベニーは浮気で結ばれた関係ですよって。
きっとみんな分かってくれるわ。
正しいのは私で、悪女はミリアだって。
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
ミリアの結婚パーティー会場はセカンドストリートの結構大きな喫茶店を貸し切って行われている。
綺麗な装飾とドレス。豪華な食事。
全て手作りだったけど気持ちが篭っているのが伝わってくる素敵なパーティーだった。
本当だったらミリアがいる位置には私がいるはずだったのに。
ミリアとベニー、それぞれの友人とおそらくその上司であろう人達。
ベニーの両親は当たり前のようにミリアに優しくしている。
あんなに私を可愛がってくれていたのに。
いつもこう。
思い返すとお師匠様だって、最初は私の方を可愛がってくれてたのに途中からミリアばかりをかわいがるようになった。
そうおもったらもう我慢だなんてできなかった。
「サプラーイズ!!」
突然飛び込んだ私をみて賑やかだった会場は一気に静まり返った。
すかさず私は用意していた原稿を取り出して大声で読み上げた。
「ミリア姉さん、ベニー、結婚おめでとう。私がいない間にしていた浮気は楽しかった?
私が必死に働いている間に嘘ばっかり言いふらして。そういうところは昔から変わってないね。直していかなきゃだめだよ。それから―――きゃああ!」
バチンとミリアが私に平手打ちした。
ミリアは片足が動かないから反動で彼女は倒れ、それをベニーが慌てて支えた。
それでも立ち上がって私の髪を掴むと地面に押し付けた。
「この度は折角のご参列にも関わらず不詳の妹弟子のせいで雰囲気を壊してしまい誠に申し訳ありません。
後日改めて説明と謝罪をさせていただきます。アンジェラ、少しの間奥を借りてもいいかしら?」
「え、えぇ。大丈夫よ。仕切りなおせそうにもないしお開きにしとくね」
「すまない。
皆さま、いったん僕らは話し合わなくてはならないため席を外します。
最後までお見送りできず申し訳ありません」
「いや気にするな。大変だな君たちも」
そういって引きずるように奥へと連れていかれた。
ベニーの両親とこのカフェの経営者の娘であるアンジェラが他の招待客の対応をしていた。
「はああああ」
部屋に入って扉を閉めるなり、ミリアは大きなため息とともに近くの椅子に座り込んだ。
どうやら倉庫みたいだった。
「アンタね、どういうつもり? いえ理由なんていいわ。謝罪もいらない。どれだけ言ったってアンタは理解しないし反省なんてしないからね。
でもさ、これだけは言わせてくれる? 本当にいい加減にしてよ。あんたのせいで私がどれだけ苦労してきたかわかる?
今日のパーティーだってね、こんな体のせいで結婚式がキツい私のために色んな人たちが手間暇かけて準備してくれたのよ。
なのに、何あれ? 自業自得の結果に逆恨みでそれら全部ぶち壊して。
アンタの借金だってね。アンタが帰ってこない間私や先生がどれだけ周囲に嫌みを言われ続けたかわかってるの? わかってないでしょうね。
ただでさえ子供のころから血がつながってるわけでもないアンタの尻ぬぐいばっかりさせられてきたってのに。
人生の晴れ舞台をぶち壊されて。もう何? 私が悪いわけ? んなわけないわよね。全部アンタが悪いんだから。あぁまったくもう。
アンタなんか生まれてこなければよかったのに」
一気にミリアに捲し立てられ、最後に最低な言葉を吐き捨てるように言われ、気づいたら私はぼろぼろと涙が出ていた。
風景じゃない。
変わったのは人だった。
「そうなんだ~帰ってきたんだ~。あ、もう連絡してこないでね。知り合いだと思われたら嫌だし」
「アンタっていっつも面の皮厚すぎだよね。私だったら間違っても帰ってこようだなんて思わないわ」
「君ね、今まで散々周りに迷惑かけて恥ずかしくないのかね? せめて借金は自分で返しなさい」
「えーアリエラ……ですか? 申し訳ありませんがあなたは魔法協会除籍処分となっております。何故と申されましても……それが規則ですので」
友人、教師、同僚、みんなみんな私に冷たくなった。
心当たりは一つある。
姉弟子のミリアだ。
ミリアはどういうわけか私を嫌っていて彼女が変な噂を流しているに違いない。
私が街にいなかったからこんなに浸透して、協会も早まった決定をしてしまったんだ。
ミリアはいつだってそう。
お師匠様も学校の友達も教師もミリアの方を可愛がった。
曰く、ミリアの方が努力家。
曰く、ミリアの方が誠実。
曰く、ミリアの方が信頼できる。
曰く、ミリアの方が賢い。
誰も彼もミリアミリアってバカみたい。
ミリアはまだブロンズランクじゃない。20手前でプラチナになった私よりずっと落ちこぼれ。
其のうえ変な薬に手を出して魔法師としてはとっくに終わってるのに。
ブロンズランクになれたことすら何か汚い手を使ったんじゃないか。
私には冷たいのに他人にはいい顔をする腹黒いミリアだ。それくらいあり得る。
魔法協会から請求された金額はそう大した額ではなかった。
元々旅では自給自足を心がけてあまり使わなかったし。
1,2年くらい真面目に働けば問題なくかえせるだろう。
アレックは拘留所に入れられたことが故郷の家族に伝わり、急遽呼び戻されて帰ってしまった。
彼だけだったな。最後まで私を信頼してくれていたのは。
「絶対戻ってくる」ってそう覚悟した瞳はこれまでで一番頼もしく思えた。
ベニーとは大違い。
そのベニーの浮気について弁護士に当たっても受けられませんと返されるばかりだ。
もう三日後にはあの二人は籍を入れて友達のお店を貸し切って結婚式の代わりのパーティーをする予定なのに。
「ですから、何度も言いますが。あなたとベネディクトさんの婚約は4年前に破棄されております」
「そんなわけないです! だって私には全く話が届いてないし。何より破棄されたなら慰謝料とかが払われるはずですよね」
「払われてますよ」
「嘘言わないでください! 口座の履歴には載ってない!」
「ですから、あなた……の保護者としてヒルデ氏がベネディクトさんに慰謝料を支払っております」
「なんで! 浮気したのはベニーなのに、なんでお師匠様が慰謝料を払うんですか! おかしいです!」
「浮気浮気とおっしゃいますが、ベネディクトさんはあなたとの関係が切れてから他の女性と交際しております。そのため、浮気には当たりません。
加えて、あなたは他の男性と二人っきりで旅をしていたそうじゃないですか」
ただでさえ腹立たしいのにアレックとの関係を邪推されますます腹が立った。
「私とアレックは何も疚しいことはしていません」
「婚約者のいる身で他の男性と二人旅をすること自体が疚しいことなんですよ、普通は」
「じゃあどうしろっていうんですか! 女が一人で旅なんてできるわけがないのに!」
「その旅とやらに行かなければよかったのでは? 調べたところ、協会の正式な依頼ですらないただのあなたの『趣味』のようですし。あぁ、育ててくださった恩師の葬式よりも重要なのですよね。失礼しました」
「もういいです」
何度も弁護士事務所を訪問してやっと紹介してくれたからどんな人だろうと思ってたらとても嫌な人だった。
我慢の限界に達したので事務所から出ていく。
こうなったら自力でやるしかない。
みんなに真実を伝えるんだ。
結婚パーティーでみんなに伝えよう。
ミリアとベニーは浮気で結ばれた関係ですよって。
きっとみんな分かってくれるわ。
正しいのは私で、悪女はミリアだって。
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ミリアの結婚パーティー会場はセカンドストリートの結構大きな喫茶店を貸し切って行われている。
綺麗な装飾とドレス。豪華な食事。
全て手作りだったけど気持ちが篭っているのが伝わってくる素敵なパーティーだった。
本当だったらミリアがいる位置には私がいるはずだったのに。
ミリアとベニー、それぞれの友人とおそらくその上司であろう人達。
ベニーの両親は当たり前のようにミリアに優しくしている。
あんなに私を可愛がってくれていたのに。
いつもこう。
思い返すとお師匠様だって、最初は私の方を可愛がってくれてたのに途中からミリアばかりをかわいがるようになった。
そうおもったらもう我慢だなんてできなかった。
「サプラーイズ!!」
突然飛び込んだ私をみて賑やかだった会場は一気に静まり返った。
すかさず私は用意していた原稿を取り出して大声で読み上げた。
「ミリア姉さん、ベニー、結婚おめでとう。私がいない間にしていた浮気は楽しかった?
私が必死に働いている間に嘘ばっかり言いふらして。そういうところは昔から変わってないね。直していかなきゃだめだよ。それから―――きゃああ!」
バチンとミリアが私に平手打ちした。
ミリアは片足が動かないから反動で彼女は倒れ、それをベニーが慌てて支えた。
それでも立ち上がって私の髪を掴むと地面に押し付けた。
「この度は折角のご参列にも関わらず不詳の妹弟子のせいで雰囲気を壊してしまい誠に申し訳ありません。
後日改めて説明と謝罪をさせていただきます。アンジェラ、少しの間奥を借りてもいいかしら?」
「え、えぇ。大丈夫よ。仕切りなおせそうにもないしお開きにしとくね」
「すまない。
皆さま、いったん僕らは話し合わなくてはならないため席を外します。
最後までお見送りできず申し訳ありません」
「いや気にするな。大変だな君たちも」
そういって引きずるように奥へと連れていかれた。
ベニーの両親とこのカフェの経営者の娘であるアンジェラが他の招待客の対応をしていた。
「はああああ」
部屋に入って扉を閉めるなり、ミリアは大きなため息とともに近くの椅子に座り込んだ。
どうやら倉庫みたいだった。
「アンタね、どういうつもり? いえ理由なんていいわ。謝罪もいらない。どれだけ言ったってアンタは理解しないし反省なんてしないからね。
でもさ、これだけは言わせてくれる? 本当にいい加減にしてよ。あんたのせいで私がどれだけ苦労してきたかわかる?
今日のパーティーだってね、こんな体のせいで結婚式がキツい私のために色んな人たちが手間暇かけて準備してくれたのよ。
なのに、何あれ? 自業自得の結果に逆恨みでそれら全部ぶち壊して。
アンタの借金だってね。アンタが帰ってこない間私や先生がどれだけ周囲に嫌みを言われ続けたかわかってるの? わかってないでしょうね。
ただでさえ子供のころから血がつながってるわけでもないアンタの尻ぬぐいばっかりさせられてきたってのに。
人生の晴れ舞台をぶち壊されて。もう何? 私が悪いわけ? んなわけないわよね。全部アンタが悪いんだから。あぁまったくもう。
アンタなんか生まれてこなければよかったのに」
一気にミリアに捲し立てられ、最後に最低な言葉を吐き捨てるように言われ、気づいたら私はぼろぼろと涙が出ていた。
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