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転生しました
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「ソラー!!あんまり遠くに行っちゃダメだからねー」
「わかった!!行ってきます。母さん!!」
母さんが洗濯物を干しながら大きな声を出している。俺も母さんに聞こえるよう大きな声で返事をすると家から走って出る。
俺が転生したと気づいてから5年がたった。5年という月日は長いようで短くて、気づいたら時間が過ぎてたというところだ。
ただこの5年、何もせずに過ごしてきた訳では無い。一応この世界にも文字を読んだり計算をしたりということはあるようで、俺は早いうちから母さんに勉強を教えて貰っていた。
中身はアラサーなので、計算は難なく出来た。問題は文字の方だ。日本語でも英語でもない初めて見た文字に覚えるのは苦労した。それでも一応マスターすると母さんは喜んでくれたが学校に行く前に全て覚える子は珍しいそうだ。
「この子はすっごく賢いのよ」と近所に自慢して回ったので、慌てて止めたのは記憶に新しい。
そして神様の言った通りこの世界には魔法は存在する。種類としては火、水、風、土、聖、闇の6つらしい。
母さんは水の魔法が使えて父さんは火の魔法だ。優しく穏やかな母さんと正義感に強く猪突猛進な父さん、それぞれのイメージ通りで最初聞いた時は笑ってしまった。魔法の属性と雰囲気は似てくるものなんだろうか。
俺も魔法が使えるんだろうけどここには教えてくれる人も、詳しく書いた本もないからよく分からない。だいたい親と同系統の魔法を覚えることが多いみたいだから俺は火か水の魔法が使えるようになるだろう。本当は今すぐにでも魔法を練習したいが母さんに止められている。
この世界では6歳になるとステータスカードといって現在の自分の状態や、神様から貰った加護、使える魔法なんかが現れる紙を親から貰える。そこで初めて自分の適正の魔法が分かり練習するみたいだ。
適正のない魔法を使うと使用する魔力が多く、魔力量の少ない子供がすると命の危険があるらしい。だから自分の適性が分かるまでお預けってことだ。
「ま、6歳までもう少しだもんねー」
あとひと月もすれば俺の誕生日。そうしたら俺の魔法ライフが解禁される。誕生日が来るのが楽しみだ。
前世ではなんの日でもなかった誕生日だったが、今世ではとても楽しい1日となっている。
「おーい!!ソラー!!早く来いよー!!」
遠くに見える男の子が大きな声で俺を呼ぶ。歳は俺と同じ5歳で、紺色の髪をした男の子だ。名前はリャド。前世では出来なかった友達だ。
今日はリャドと森の方へと遊びに行く予定だ。あまり村の外に出ていくのはダメなのだが、森といっても村から見える範囲までしか行かないようにしている。
「俺達ももうすぐ6歳だなー。どんな魔法が使えるか楽しみだな」
「そうだな。リャドはどんな魔法が使いたいんだ?」
「俺?俺は火魔法かな。剣に火を纏ってどんどん敵をたおすんだ」
リャドは剣で敵を倒すような動作をしながら俺を見る。リャドの憧れの人は俺の父さんらしい。火魔法の使える父さんは剣に火を纏わせて敵を倒すらしい。といってもこんな村じゃ敵なんて出ないから専ら野犬退治みたいなんだけど。
「わかった!!行ってきます。母さん!!」
母さんが洗濯物を干しながら大きな声を出している。俺も母さんに聞こえるよう大きな声で返事をすると家から走って出る。
俺が転生したと気づいてから5年がたった。5年という月日は長いようで短くて、気づいたら時間が過ぎてたというところだ。
ただこの5年、何もせずに過ごしてきた訳では無い。一応この世界にも文字を読んだり計算をしたりということはあるようで、俺は早いうちから母さんに勉強を教えて貰っていた。
中身はアラサーなので、計算は難なく出来た。問題は文字の方だ。日本語でも英語でもない初めて見た文字に覚えるのは苦労した。それでも一応マスターすると母さんは喜んでくれたが学校に行く前に全て覚える子は珍しいそうだ。
「この子はすっごく賢いのよ」と近所に自慢して回ったので、慌てて止めたのは記憶に新しい。
そして神様の言った通りこの世界には魔法は存在する。種類としては火、水、風、土、聖、闇の6つらしい。
母さんは水の魔法が使えて父さんは火の魔法だ。優しく穏やかな母さんと正義感に強く猪突猛進な父さん、それぞれのイメージ通りで最初聞いた時は笑ってしまった。魔法の属性と雰囲気は似てくるものなんだろうか。
俺も魔法が使えるんだろうけどここには教えてくれる人も、詳しく書いた本もないからよく分からない。だいたい親と同系統の魔法を覚えることが多いみたいだから俺は火か水の魔法が使えるようになるだろう。本当は今すぐにでも魔法を練習したいが母さんに止められている。
この世界では6歳になるとステータスカードといって現在の自分の状態や、神様から貰った加護、使える魔法なんかが現れる紙を親から貰える。そこで初めて自分の適正の魔法が分かり練習するみたいだ。
適正のない魔法を使うと使用する魔力が多く、魔力量の少ない子供がすると命の危険があるらしい。だから自分の適性が分かるまでお預けってことだ。
「ま、6歳までもう少しだもんねー」
あとひと月もすれば俺の誕生日。そうしたら俺の魔法ライフが解禁される。誕生日が来るのが楽しみだ。
前世ではなんの日でもなかった誕生日だったが、今世ではとても楽しい1日となっている。
「おーい!!ソラー!!早く来いよー!!」
遠くに見える男の子が大きな声で俺を呼ぶ。歳は俺と同じ5歳で、紺色の髪をした男の子だ。名前はリャド。前世では出来なかった友達だ。
今日はリャドと森の方へと遊びに行く予定だ。あまり村の外に出ていくのはダメなのだが、森といっても村から見える範囲までしか行かないようにしている。
「俺達ももうすぐ6歳だなー。どんな魔法が使えるか楽しみだな」
「そうだな。リャドはどんな魔法が使いたいんだ?」
「俺?俺は火魔法かな。剣に火を纏ってどんどん敵をたおすんだ」
リャドは剣で敵を倒すような動作をしながら俺を見る。リャドの憧れの人は俺の父さんらしい。火魔法の使える父さんは剣に火を纏わせて敵を倒すらしい。といってもこんな村じゃ敵なんて出ないから専ら野犬退治みたいなんだけど。
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