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第三章 魔法学園
事件はまだまだ終わりません
しおりを挟むよくテレビや漫画、小説の中で事件起きた後主人公は何ごともなかったかのようにそれまでの生活を続け、なんなら周りとの仲が深まり…みたいな流れがある。
では私、マリーベル•スリジェの場合どうかというと…
「実はずっと前からスリジェさんと話してみたいって思ってたの…」
「嬉しい!私のことはマリーって呼んでください。」
うふふ、えへへ………
なんて素敵展開はなかなか訪れず、やはり遠巻きにされているし、頑張って話しかけてもあまり目を合わせてもらえない。
「もういいんだ、いいんだ~
私にはセーラもルルもいてくれるし、イライザたちもいてくれるから。」
机に突っ伏して足をばたつかせながら言っていたら両脇に座っていたセーラとルルに励ますように肩を撫でられた。
「そうですよ、マリーそれにホープもいてくれるし。」
(そうだよ!ホープいつでも一緒よ?)
「気にすることない。周りもどうすればいいか分からなくて困ってるだけ。」
「ありがとう。」
少し元気が出てきて顔をあげる。
確かに私も色々あった皆んなとどう接すればいいのか迷ってしまう。
全てを忘れて付き合うにはもう少し時間が必要だ。彼女のこともあるし。
クラスメイト五人ほどに囲まれて楽しそうにおしゃべりをしている真っ赤な髪の少女に目を向ける。
ロベリア・ハフスさん…の偽物だと私たちは知っているけどニリーナ様に言われて今は彼女を泳がせている。
アロイスが言うには彼女はゲームのシナリオをヒロインポジションでたどっているらしい。
攻略対象たちには事情を話してそれらしく対応してもらっている。
さらにアロイスが改良したブローチやペンなどを配ってくれたからそこからも何らかの効果が発揮されているようだ。
どんな効果があるのかは教えてもらってないから分からないけどハフスさんが私を見る目には怯えた色が含まれていて何だか居心地が悪い。
アロイスは授業に顔を出さずに私の部屋かリノアの部屋にこもっている。
今はまだ偽ニリーナ様に見つかってはいけないからだそうだけど新しく手に入れた力を試すのが楽しくて授業に出たくないだけのようにも見える。
それでも側にアロイスがいてくれると思うと不思議なほど心が軽くて嬉しい。
放課後、ルルとルルの護衛のリタさん(南の帝国から新しく来た女性騎士でソーマ皇子に忠誠を誓っている信頼できる人らしく常にルルと行動をともにしている)
と三人で淑戦部に向かっていたらエドワード王子とアンディーブ様、リークとカストルが揃って反対側からやって来た。
「おぉ、ここで待ち伏せてたら捕まえられると思った。」
リークが笑顔で言ってくる。
「私たちに何か用事があった?」
「あぁ、今夜俺たちと晩飯食わねぇ?淑戦の2人と女子四人も一緒に」
女子四人ってことはルル、セーラ、イライザ…あとはきっとリノアだ。
一応今いないことになってるから名前を出すのは控えているんだろう。
「うん、分かった~皆んなにも聞いておくね。今夜だから早く聞いてみなきゃ。」
「あ~イライザとセーラには言ってあるから。」
じゃっ、よろしくっと去っていく一同。ついルルとカストルを見比べてしまう。
「ルルたち婚約者になってもあまり変わらないね。」
「そっ?私カストル会えて嬉しい。今夜も会える嬉しい。」
ルルはちっとも表情を変えずにそう言って先に淑戦へ向かってくれた。私は女子寮へアロイスに会いに向かう。
カストルも見た目では分からないけど喜んでるのかも。後で聞いてみよう。
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