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第三章 魔法学園
手に入れたアイテムは最強です (アロイス視点)
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ポツリ、ポツリと姿を表したヴェルフィアウルフとサバニアタイガーたちの姿は相変わらずでロベリアが見たら卒倒するか騒ぎ始めそうだ。眠ってくれてマジで助かった。
「何で相変わらず威嚇してくんのさ。もう俺に慣れてくれてもいい頃じゃない?」
「フン、彼らの信頼をすぐさま得られるわけがなかろう?身体を戻してもここから助け出されても心底信頼できるとは思わぬ。何か裏があるのではと疑ってしまう程、人は彼らを傷つけた。」
なんだよ。傷つけた相手は俺じゃないってのにさ~
不満げな俺にリーダーの目が光る。
「己の懐に入らぬものなど見捨て行くか?」
この言葉に俺は更にムッとする。
「あのな、別に感謝されたり恩返しを期待してお前らを連れて出るわけじゃないから。
なんだよリーダー感じ悪いぞ?」
リーダーはぴょんと俺の肩から降りると足を揃えて座りペコッと頭を下げた。
「疑ってすまん。許せ。」
「いいよ、まぁまだ信用されなくて当然かもしれないし?リーダーにもアイツらにもさ。」
「信じろと言われれば信じるしかないさ。主従の契約を結んだからな。」
ふいっと顔を逸らされる。
「はいはい、契約だかなんだか分かんないけど強制したっていいことないからさ。適当にやってよ。一緒にいて信じられないままならそれでいいや。」
面倒くさくなってそう言うとリーダーは不思議そうにこちらを見上げた後フッと笑った。
「主らしいな。良かろう。そうさせてもらう。」
尻尾をクルリと回してリーダーはニッと笑った。
「ところで、ロベリアがここに放り込まれたってことはあの女がここに来たのか?」
「一瞬な。主は霧で包み込んでおいたから気づかれなかった。我の中に主の魔力を感じて喰ったと思ったようだ。笑っておったよ。」
涼しい顔で言われたけど一瞬背筋が寒くなったよ?
「まぁ上手く騙されてくれてんなら良しとするか。」
「ああ。安心するがよい。今となっては我らの魔力はあの女の力を凌駕している。気付かれることはあるまいて。」
満足気に微笑むリーダーを他の奴らは眩しそうに見つめている。
「ま、そうは言っても長居は無用だよな。精霊たちの話じゃ外では色んなことが起きてるらしいし?
ロベリアがここに放り込まれたってことは学園側は血眼になってコイツを探してるだろうし。何よりマリーが心配だ。」
「そなたの言うそのマリーとやらの元にはあの仔犬が届けられているんだろう?心配はいらなそうだがな。」
「いや、それが気が合いすぎて二人で暴走し始めそうだから心配なんだよ。」
頭に手を置いて天を仰ぐ。
この空間では精霊たちの声が届かないから状況を把握できなくて落ち着かない。
「気苦労が多くて大変そうな婚約者だ。」
リーダーは呆れたように尻尾を揺らしている。
「何言ってんだ。」
俺はそれを笑い飛ばす。
「最高の婚約者だよ。決まってんだろ?
さぁ、さっさと始めるか。誰からいく?」
リーダーの後ろに集結した奴らは互いに相談するように目線を交わし合っている。
リーダーはクルリと向き直ると目が見えないらしい一匹のそばに迷わず近づき何かひっそりと語り合う。周りはそんな二匹を息を殺して見つめている。
しばらくしてリーダーが振り返り俺に側にくるように合図してくる。
「彼女から始めてくれ。早くしなければ消えてしまう。」
俺はうなずき手に入れたゲーミングマウスをかざす。
手の中に収まっていたそれが虹色に輝く石を掲げた杖に変わる。
驚いて皆が一歩後ずさる中、リーダーと目の前の奴だけが動かずにジッと待っている。
「何で相変わらず威嚇してくんのさ。もう俺に慣れてくれてもいい頃じゃない?」
「フン、彼らの信頼をすぐさま得られるわけがなかろう?身体を戻してもここから助け出されても心底信頼できるとは思わぬ。何か裏があるのではと疑ってしまう程、人は彼らを傷つけた。」
なんだよ。傷つけた相手は俺じゃないってのにさ~
不満げな俺にリーダーの目が光る。
「己の懐に入らぬものなど見捨て行くか?」
この言葉に俺は更にムッとする。
「あのな、別に感謝されたり恩返しを期待してお前らを連れて出るわけじゃないから。
なんだよリーダー感じ悪いぞ?」
リーダーはぴょんと俺の肩から降りると足を揃えて座りペコッと頭を下げた。
「疑ってすまん。許せ。」
「いいよ、まぁまだ信用されなくて当然かもしれないし?リーダーにもアイツらにもさ。」
「信じろと言われれば信じるしかないさ。主従の契約を結んだからな。」
ふいっと顔を逸らされる。
「はいはい、契約だかなんだか分かんないけど強制したっていいことないからさ。適当にやってよ。一緒にいて信じられないままならそれでいいや。」
面倒くさくなってそう言うとリーダーは不思議そうにこちらを見上げた後フッと笑った。
「主らしいな。良かろう。そうさせてもらう。」
尻尾をクルリと回してリーダーはニッと笑った。
「ところで、ロベリアがここに放り込まれたってことはあの女がここに来たのか?」
「一瞬な。主は霧で包み込んでおいたから気づかれなかった。我の中に主の魔力を感じて喰ったと思ったようだ。笑っておったよ。」
涼しい顔で言われたけど一瞬背筋が寒くなったよ?
「まぁ上手く騙されてくれてんなら良しとするか。」
「ああ。安心するがよい。今となっては我らの魔力はあの女の力を凌駕している。気付かれることはあるまいて。」
満足気に微笑むリーダーを他の奴らは眩しそうに見つめている。
「ま、そうは言っても長居は無用だよな。精霊たちの話じゃ外では色んなことが起きてるらしいし?
ロベリアがここに放り込まれたってことは学園側は血眼になってコイツを探してるだろうし。何よりマリーが心配だ。」
「そなたの言うそのマリーとやらの元にはあの仔犬が届けられているんだろう?心配はいらなそうだがな。」
「いや、それが気が合いすぎて二人で暴走し始めそうだから心配なんだよ。」
頭に手を置いて天を仰ぐ。
この空間では精霊たちの声が届かないから状況を把握できなくて落ち着かない。
「気苦労が多くて大変そうな婚約者だ。」
リーダーは呆れたように尻尾を揺らしている。
「何言ってんだ。」
俺はそれを笑い飛ばす。
「最高の婚約者だよ。決まってんだろ?
さぁ、さっさと始めるか。誰からいく?」
リーダーの後ろに集結した奴らは互いに相談するように目線を交わし合っている。
リーダーはクルリと向き直ると目が見えないらしい一匹のそばに迷わず近づき何かひっそりと語り合う。周りはそんな二匹を息を殺して見つめている。
しばらくしてリーダーが振り返り俺に側にくるように合図してくる。
「彼女から始めてくれ。早くしなければ消えてしまう。」
俺はうなずき手に入れたゲーミングマウスをかざす。
手の中に収まっていたそれが虹色に輝く石を掲げた杖に変わる。
驚いて皆が一歩後ずさる中、リーダーと目の前の奴だけが動かずにジッと待っている。
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