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第三章 魔法学園
前途多難が早すぎます
しおりを挟む見られている…
すっごく見られている。
そりゃそうだよね~こんなにキラキラした人が集まってるんだから見るなっていう方が難しいよね。
はぁ、この輪から外れたい。
私はビシビシ背中に感じる視線をなんとか無視して貼り出された紙に見入っているフリを続けていた。
六人でいた時はまだマシだったのだ。皆んなで学園に入り、クラス表を眺めていたらリノアのゲッという声と同時にポンっと肩をたたかれ振り返るとアンディーブ様とエドワード王子が立っていた。
「やぁ、マリーベル久しぶりだね。入学おめでとう。
騎士養成所じゃなくてこちらに来たんだね。」
今年20歳になられたアンディーブ様はその妖艶な美しさで男女問わず魅力しまくっているとのんちゃんが言っていた。久しぶりにお会いしたら更に美しさに磨きがかかったみたいで私もぎこちない笑みになってしまう。
しかも気さくに話してくれるアンディーブ様の後ろにいる方に更にびっくりしてしまい私は慌てて深く頭を下げた。
「入学おめでとう。マリーベル・スリジェ嬢だね。学園内では私は一生徒だ。かしこまる必要はないよ。」
優しく言われてそっと頭を上げる。
真っ黒な髪に緑の瞳。キルライト陛下の面影を色濃く受け継いでいるエドワード王子は口調とは裏腹に無表情でドギマギしてしまう。
「あれ、兄貴とマリーってもしかして初対面か?」
空気を読まないリークの言葉に救われる日が来るとは…
「兄貴はやめるように言わなかったか?リーク?」
「いいじゃん。学園内だけだよ。」
リークはエドワード王子の肩をバシバシ叩いていてアンディーブ様も慣れた様子で二人を見守っている。
あれ、リークはお兄さんであるエドワード王子に引け目を感じてて二人は不仲というかあまり関わらないようにしてたんじゃなかったっけ?
驚いてリノアに目を向けたけど後でと口パクで言われてしまった。隣に立つイライザはアンディーブ様を見て赤面したまま固まっている。
「初対面だが、お前やアンディからよく話を聞いていたからな。
珍しい光の魔力持ちだそうで、いつか見てみたいな。」
「恐れ入ります。」
作法としてはダメダメだったろうけど不意打ちだし、周りの視線は痛いしなんか色々衝撃的すぎたから見逃してほしい。
まだ学園内にちょっと入っただけなのに~
先が思いやられるな。
もう、早くクラスに行きたいよ~
あ。でもクラスに行ったら知らない人ばっかりなんだ。
それも嫌だな~何かもうほどよく。ほどよく散らばろうよ。目立ちたくないんだよ~
まだ学園内にちょっと入っただけなのに…
先が思いやられる。泣きたい。
ちょっと泣きそうな私にディルはオロオロし、リノアは元気付けるようにギュッと手を握ってくれた。
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