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第二章 イシェラ王国
学園でのウワサ
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「もう、マリーったらその物騒なものを下げてくださる?
心配しなくても悪口じゃありませんわ。」
イライザが私が取り出した扇子を膝の上に戻させる。
こんなに綺麗で実用にも優れた逸品を物騒呼ばわりなんて失礼しちゃうなー庭師のダンの最高傑作なのに。
「ディル様は知的で優しくほどよく美しく愛らしさもある姿、加えて武芸や魔法もかなりの実力ですからお近づきになりたいと思うご令嬢が数多くいますの。」
さすがディル。我が家でも皆んなに愛されてるけど学園でもモテモテらしい。
「お茶会や、ちょっとしたパーティなどお誘いすれば参加してくださいますしお話も楽しく、気遣いも素晴らしいですが、特定のどなたかとお付き合いしていらっしゃるという話を一度も聞かないのです。
我こそはと思うご令嬢たちが次々玉砕していると聞きますのでもしかして女性に興味がないのではと噂に…」
ディルは困った顔をしている。
「エドワード様とアンディーブ様も以前同じような噂がたったことがありましたよね。」
「同じような噂?」
「まぁ、マリーったら知らないの?情報は女性にとって最大の武器ですのよ?
エドワード様が学園に入学なさった時からずっと噂されているのに。
お二人が想いあっていらっしゃるという…」
「ですから、噂はただの噂です。
アンディーブ様は護衛騎士としてエドワード様といつでも一緒にいらっしゃるので周りの方が噂し始めただけで…」
うわぁ~美しすぎるアンディーブ様の弊害なんだろうなぁ。
「エドワード様の婚約者選びが慎重なのは分かりますがアンディーブ様もいまだに婚約者がいらっしゃらないのが噂のもとなのでは…」
「現エシャルロット公爵様は家を大きくする事にあまり興味がない方ですから…」
確かに、アンディーブの好きな人と一緒になればいいよ~とか言ってる姿が目に浮かぶ。
ディルは小さくため息をついた。
「この噂に関しては以前、エドワード様、アンディーブ様と話したことがあるのです。
お二人は気にしすぎずにいればいいとおっしゃっていましたし、僕もスリジェ家に恩返しをするのが先だと思っていますから。」
「またそんな~」
恩があるだの気にするなだのは今まで散々話し合ってきた。
いつもいつも平行線で終わるんだけど。
私もディルも意外に頑固だからな~
「ディルの恋愛事情に口出しするつもりはないけど恋人を作らない理由に我が家を使ってない?」
「まぁ、少し。ちょうどいい言い分けにはしてるかな。」
私たちは互いに睨み合ってからプッと吹き出して笑いあった。
こんなやり取りができるくらい距離が縮まったのもいい傾向だと思いたい。
心配しなくても悪口じゃありませんわ。」
イライザが私が取り出した扇子を膝の上に戻させる。
こんなに綺麗で実用にも優れた逸品を物騒呼ばわりなんて失礼しちゃうなー庭師のダンの最高傑作なのに。
「ディル様は知的で優しくほどよく美しく愛らしさもある姿、加えて武芸や魔法もかなりの実力ですからお近づきになりたいと思うご令嬢が数多くいますの。」
さすがディル。我が家でも皆んなに愛されてるけど学園でもモテモテらしい。
「お茶会や、ちょっとしたパーティなどお誘いすれば参加してくださいますしお話も楽しく、気遣いも素晴らしいですが、特定のどなたかとお付き合いしていらっしゃるという話を一度も聞かないのです。
我こそはと思うご令嬢たちが次々玉砕していると聞きますのでもしかして女性に興味がないのではと噂に…」
ディルは困った顔をしている。
「エドワード様とアンディーブ様も以前同じような噂がたったことがありましたよね。」
「同じような噂?」
「まぁ、マリーったら知らないの?情報は女性にとって最大の武器ですのよ?
エドワード様が学園に入学なさった時からずっと噂されているのに。
お二人が想いあっていらっしゃるという…」
「ですから、噂はただの噂です。
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うわぁ~美しすぎるアンディーブ様の弊害なんだろうなぁ。
「エドワード様の婚約者選びが慎重なのは分かりますがアンディーブ様もいまだに婚約者がいらっしゃらないのが噂のもとなのでは…」
「現エシャルロット公爵様は家を大きくする事にあまり興味がない方ですから…」
確かに、アンディーブの好きな人と一緒になればいいよ~とか言ってる姿が目に浮かぶ。
ディルは小さくため息をついた。
「この噂に関しては以前、エドワード様、アンディーブ様と話したことがあるのです。
お二人は気にしすぎずにいればいいとおっしゃっていましたし、僕もスリジェ家に恩返しをするのが先だと思っていますから。」
「またそんな~」
恩があるだの気にするなだのは今まで散々話し合ってきた。
いつもいつも平行線で終わるんだけど。
私もディルも意外に頑固だからな~
「ディルの恋愛事情に口出しするつもりはないけど恋人を作らない理由に我が家を使ってない?」
「まぁ、少し。ちょうどいい言い分けにはしてるかな。」
私たちは互いに睨み合ってからプッと吹き出して笑いあった。
こんなやり取りができるくらい距離が縮まったのもいい傾向だと思いたい。
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