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第二章 イシェラ王国
ユーグ公爵につかまりました
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何とか顔を整えている間にリトア王国の国王陛下が進み出てお礼とお祝いを述べている。
陛下は日増しに元気になるようでアロイスのキノコ効果は続いているらしい。
アロイスはひょっとしてとんでもないものを生み出したんじゃなかろうか…
式典が終わり陛下たちが退出されると会場にはワッと興奮した様子の話し声があふれた。
お父様も何人かに捕まりそうになるのを上手くかわしながら私たちを出口へと導いてくれる。
「スリジェ辺境伯。」
長居はしませんよ。っというお父様のオーラを無視して出口を塞ぐように立ちはだかった男性の後ろからイライザが申し訳なさそうにヒョコッと顔を出した。
なるほどこの方が…
「初めまして、リチャード・ユーグと申します。イシェラ王国王立魔導師長を務めるものです。
いつもイライザとカストルが世話になって、
一度ご挨拶に伺わなければと思いながらこんな形でお会いすることになり、非礼を詫びさせてください。」
「これはユーグ公爵、お会いできて嬉しいかぎりです。」
「せっかくお会いできたのですからゆっくりお話しする時間をいただけませんか?
娘たちは貴殿の御令嬢、マリーベル嬢と仲良くしていただいているそうで。
是非私も辺境伯と話をしてみたいと思っていたのです。」
ユーグ様は公爵、スリジェ家は辺境伯。よっぽどの理由が無ければ断りづらい申し出にイライザが眉をひそめている。
私はこっそり辺りを伺ってエシャルロット公爵とのんちゃん、アンディーブ様の姿を探したけどエシャルロット公爵たちはまた別の貴族の方々に囲まれている。
仕方なくユーグ公爵様に連れられて王宮の貴賓室の一つに来た私達は紅茶を飲みながら談笑していた。
イライザはお父さんが隣にいてもいつも通りの態度で接してくれるので私の緊張も少し和らいできた時、唐突に私の話題がふられた。
「スリジェ辺境伯の御息女は珍しい魔力をお持ちだとか?見せていただけませんか?」
「お父様、初対面でそんな失礼ですわ。」
「そなたがよくマリーベル嬢の話をしているから初対面の気がしない。」
「それでも、マリーは私の友です。」
「そなたの友なら私にとっても近しい人物だ。」
わぁ。お前のものは俺のもの。ジャ○○ンな発言だ。
お父様は口を挟まずジッと黙っているけどその沈黙が怖く感じるのは私だけ?
「あの、私の魔力はまだ未熟でして、王宮内で問題を起こすわけにはまいりませんので…」
「ハッハッハ、これは申し訳なかった。
いや、それにしても聡明なお嬢様ですな。
この年頃の子なら自分の魔力を見せたがるのが普通だというのに。
いやいや、想像通りの素晴らしいお嬢様だ。
どうだい、将来我が家に嫁いでくる気はないかな?
カストルはなかなか将来有望だよ。」
唐突な申し出に面食らっていると不機嫌そうなお父様の声が聞こえてきた。
「あいにく娘はすでに婚約しております。」
「あぁ。エシャルロット公爵家の次男だったか。だが、体調を崩して療養中だそうですな。
イライザもまだ会ったことがないとか。妹のリノア嬢には何度も会っているというのに。おかしな事だ。
病弱な夫に嫁ぐなど苦労が目に見えているではないですか。
もっと娘さんの幸せを考えてあげてはいかがですかな?」
イライザは目を見開きユーグ公爵を睨んでいる。今にも口からハァ?アンタが言う?っという怒りの声が出てきそうだ。
「娘の幸せを考えたからこそエシャルロット公爵家との婚約に同意したのです。
本人同士の強い希望でしたから。」
「ハッ、子供同士の好きだ嫌いだに付き合うとは辺境伯はずいぶんと先進的な考えをお持ちのようだ。」
「いつまでも子供だと思って侮っているといつか足元をすくわれることになりかねません。私は娘を子供ではなく、一個人として見ていますから。」
ユーグ公爵が苛立ったように手を握り込んだ時、扉をノックする音がしてニコニコ顔のエシャルロット公爵が入ってきた。
「やぁ、ここにいたんだねアラン。探したよ。なんだか面白い話してたみたいだね。」
陛下は日増しに元気になるようでアロイスのキノコ効果は続いているらしい。
アロイスはひょっとしてとんでもないものを生み出したんじゃなかろうか…
式典が終わり陛下たちが退出されると会場にはワッと興奮した様子の話し声があふれた。
お父様も何人かに捕まりそうになるのを上手くかわしながら私たちを出口へと導いてくれる。
「スリジェ辺境伯。」
長居はしませんよ。っというお父様のオーラを無視して出口を塞ぐように立ちはだかった男性の後ろからイライザが申し訳なさそうにヒョコッと顔を出した。
なるほどこの方が…
「初めまして、リチャード・ユーグと申します。イシェラ王国王立魔導師長を務めるものです。
いつもイライザとカストルが世話になって、
一度ご挨拶に伺わなければと思いながらこんな形でお会いすることになり、非礼を詫びさせてください。」
「これはユーグ公爵、お会いできて嬉しいかぎりです。」
「せっかくお会いできたのですからゆっくりお話しする時間をいただけませんか?
娘たちは貴殿の御令嬢、マリーベル嬢と仲良くしていただいているそうで。
是非私も辺境伯と話をしてみたいと思っていたのです。」
ユーグ様は公爵、スリジェ家は辺境伯。よっぽどの理由が無ければ断りづらい申し出にイライザが眉をひそめている。
私はこっそり辺りを伺ってエシャルロット公爵とのんちゃん、アンディーブ様の姿を探したけどエシャルロット公爵たちはまた別の貴族の方々に囲まれている。
仕方なくユーグ公爵様に連れられて王宮の貴賓室の一つに来た私達は紅茶を飲みながら談笑していた。
イライザはお父さんが隣にいてもいつも通りの態度で接してくれるので私の緊張も少し和らいできた時、唐突に私の話題がふられた。
「スリジェ辺境伯の御息女は珍しい魔力をお持ちだとか?見せていただけませんか?」
「お父様、初対面でそんな失礼ですわ。」
「そなたがよくマリーベル嬢の話をしているから初対面の気がしない。」
「それでも、マリーは私の友です。」
「そなたの友なら私にとっても近しい人物だ。」
わぁ。お前のものは俺のもの。ジャ○○ンな発言だ。
お父様は口を挟まずジッと黙っているけどその沈黙が怖く感じるのは私だけ?
「あの、私の魔力はまだ未熟でして、王宮内で問題を起こすわけにはまいりませんので…」
「ハッハッハ、これは申し訳なかった。
いや、それにしても聡明なお嬢様ですな。
この年頃の子なら自分の魔力を見せたがるのが普通だというのに。
いやいや、想像通りの素晴らしいお嬢様だ。
どうだい、将来我が家に嫁いでくる気はないかな?
カストルはなかなか将来有望だよ。」
唐突な申し出に面食らっていると不機嫌そうなお父様の声が聞こえてきた。
「あいにく娘はすでに婚約しております。」
「あぁ。エシャルロット公爵家の次男だったか。だが、体調を崩して療養中だそうですな。
イライザもまだ会ったことがないとか。妹のリノア嬢には何度も会っているというのに。おかしな事だ。
病弱な夫に嫁ぐなど苦労が目に見えているではないですか。
もっと娘さんの幸せを考えてあげてはいかがですかな?」
イライザは目を見開きユーグ公爵を睨んでいる。今にも口からハァ?アンタが言う?っという怒りの声が出てきそうだ。
「娘の幸せを考えたからこそエシャルロット公爵家との婚約に同意したのです。
本人同士の強い希望でしたから。」
「ハッ、子供同士の好きだ嫌いだに付き合うとは辺境伯はずいぶんと先進的な考えをお持ちのようだ。」
「いつまでも子供だと思って侮っているといつか足元をすくわれることになりかねません。私は娘を子供ではなく、一個人として見ていますから。」
ユーグ公爵が苛立ったように手を握り込んだ時、扉をノックする音がしてニコニコ顔のエシャルロット公爵が入ってきた。
「やぁ、ここにいたんだねアラン。探したよ。なんだか面白い話してたみたいだね。」
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