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第一章 リトア王国
友達に認定されました
しおりを挟む私に向き直ったリーク王子はふてくされた様子で声をかけてきた。
「そなたは?」
「お初にお目にかかります。私はアラン・スリジェの娘マリーベル・スリジェと申します。」
「アラン・スリジェ…春雷と呼ばれた剣豪。あのアラン・スリジェか?」
突然両肩をガッと掴まれてガクガク揺さぶられ、視界がグラグラする。
「こら、そんな乱暴に扱わない!」
慌ててのんちゃんが引き離してくれたけどリーク王子は興奮した様子でキラキラした目を私に向けてくる。
「すごいなお前、春雷の娘なのか。じゃあ飛馬の騎士も知ってるのか、春雷の右腕の。」
飛馬の騎士…クルートさんのことかな?
恐る恐るうなずくとすごいを連発しながら私を守るように抱きついているのんちゃんと私の周りをぐるぐる走り回った。
「マリーベルにディルか。さすがリノアの友達なだけある。
ディルは優秀な文官になりそうだしマリーベルは強い魔導師になりそうだ。」
リーク王子はピタッと足を止め私の顔を覗き込む。
「それになかなか可愛い。リノアには負けるけど。」
ニッといたずらっ子のような笑みを浮かべたリーク王子。か、かわいい~小悪魔?小悪魔なんですね。
「よし、マリーベル、ディル、お前たちは今日から俺の友達だ。」
友達認定された!のんちゃんはちょっと嫌そうにしてるけどディルと私は顔を見合わせてから頭を下げた。
「「ありがとうございます。」」
「敬語はダメだ。友達だから。リノアにも言ってあるけど俺たちだけの時は俺はリークと呼べ。様も殿下も王子もいらない。分かったか?」
ええ…いきなりそれはハードル高いな~
でもうなずかないとリーク王子は怒りだしそうだ。
「は…はぁ。分かりました。」
「全然分かってない!敬語使うな!」
「ひ~ごめん。気をつけます…る。」
まするってなんだよ~とリーク王子…リークはご立腹だ。ディルなんて困って口を開かないようにしているみたい。
「ところでリーク、こっそり王宮を抜け出してきたんじゃないよね?」
「うぇ?あ~いや、うん、その~」
のんちゃんに詰め寄られてリークは口をパクパク目は左右にキョロキョロ。分かりやすい。そしてかわいい。
「ちょっ、勘弁してよ。こっちまでお小言言われるんだから!
こっそり付いてきたの?」
「俺がコソコソするわけないだろ!
リノアの魔力が残ってたから自分の魔力も足して道を通ってきたんだ。」
「それをこっそり付いてきたっていうの!まったく。」
「こっそりじゃない。堂々ときた。部屋を出て庭に来たらこいつ…ディルがいて、お前と年も近いしお似合いだし怪しいって思っちゃったんだよ!」
そうだよね、やっぱりお似合いって思っちゃうよね。
「分かるよ~つい疑いたくなっちゃうよね。」
「おぉ、分かってくれるか。さすが俺の友達。いい奴だな。リノアに出会っていなかったら妃にしてやるところだ。リノアの次くらいに気に入ったぞマリーベル。」
「ダメ!マリーには婚約者がいるんだから。」
のんちゃんが再び私を抱き寄せる。
「俺にだっているさ。お前だ。」
キョトンとしているリーク。
なるほど、リークくんは妃を大親友か何かだと思っているみたいだね。
仕方ないのかな…夫婦の見本が偽装夫婦の陛下とアリアドネ妃だもんね。親友感覚の方が近いし間違っていない。
一人でうなずく私をのんちゃんが呆れた顔で見つめてくる。
「そなたは?」
「お初にお目にかかります。私はアラン・スリジェの娘マリーベル・スリジェと申します。」
「アラン・スリジェ…春雷と呼ばれた剣豪。あのアラン・スリジェか?」
突然両肩をガッと掴まれてガクガク揺さぶられ、視界がグラグラする。
「こら、そんな乱暴に扱わない!」
慌ててのんちゃんが引き離してくれたけどリーク王子は興奮した様子でキラキラした目を私に向けてくる。
「すごいなお前、春雷の娘なのか。じゃあ飛馬の騎士も知ってるのか、春雷の右腕の。」
飛馬の騎士…クルートさんのことかな?
恐る恐るうなずくとすごいを連発しながら私を守るように抱きついているのんちゃんと私の周りをぐるぐる走り回った。
「マリーベルにディルか。さすがリノアの友達なだけある。
ディルは優秀な文官になりそうだしマリーベルは強い魔導師になりそうだ。」
リーク王子はピタッと足を止め私の顔を覗き込む。
「それになかなか可愛い。リノアには負けるけど。」
ニッといたずらっ子のような笑みを浮かべたリーク王子。か、かわいい~小悪魔?小悪魔なんですね。
「よし、マリーベル、ディル、お前たちは今日から俺の友達だ。」
友達認定された!のんちゃんはちょっと嫌そうにしてるけどディルと私は顔を見合わせてから頭を下げた。
「「ありがとうございます。」」
「敬語はダメだ。友達だから。リノアにも言ってあるけど俺たちだけの時は俺はリークと呼べ。様も殿下も王子もいらない。分かったか?」
ええ…いきなりそれはハードル高いな~
でもうなずかないとリーク王子は怒りだしそうだ。
「は…はぁ。分かりました。」
「全然分かってない!敬語使うな!」
「ひ~ごめん。気をつけます…る。」
まするってなんだよ~とリーク王子…リークはご立腹だ。ディルなんて困って口を開かないようにしているみたい。
「ところでリーク、こっそり王宮を抜け出してきたんじゃないよね?」
「うぇ?あ~いや、うん、その~」
のんちゃんに詰め寄られてリークは口をパクパク目は左右にキョロキョロ。分かりやすい。そしてかわいい。
「ちょっ、勘弁してよ。こっちまでお小言言われるんだから!
こっそり付いてきたの?」
「俺がコソコソするわけないだろ!
リノアの魔力が残ってたから自分の魔力も足して道を通ってきたんだ。」
「それをこっそり付いてきたっていうの!まったく。」
「こっそりじゃない。堂々ときた。部屋を出て庭に来たらこいつ…ディルがいて、お前と年も近いしお似合いだし怪しいって思っちゃったんだよ!」
そうだよね、やっぱりお似合いって思っちゃうよね。
「分かるよ~つい疑いたくなっちゃうよね。」
「おぉ、分かってくれるか。さすが俺の友達。いい奴だな。リノアに出会っていなかったら妃にしてやるところだ。リノアの次くらいに気に入ったぞマリーベル。」
「ダメ!マリーには婚約者がいるんだから。」
のんちゃんが再び私を抱き寄せる。
「俺にだっているさ。お前だ。」
キョトンとしているリーク。
なるほど、リークくんは妃を大親友か何かだと思っているみたいだね。
仕方ないのかな…夫婦の見本が偽装夫婦の陛下とアリアドネ妃だもんね。親友感覚の方が近いし間違っていない。
一人でうなずく私をのんちゃんが呆れた顔で見つめてくる。
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