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第一章 リトア王国
リーク王子の登場です
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天使みたいな見た目の突然屋敷に押しかけてきた男の子はなんとリーク王子だった。
「ちょっと、リーク。なんでディルに絡んでるの。離しなさい。」
いつもより少し高めの声で話すのんちゃん。
「嫌だね。お前、こいつに会いにきてんだろ?俺にはちゃんとわかってんだからな。」
「はぁあ??」
わぁぁ、何か思い込み激しそうなタイプだ。
「俺と会った後いつもどこかへ行くからおかしいと思ってたんだ。
何か嬉しそうだし…俺と会ってる時より。」
「別にそんなことは…」
「だったらなんで俺を仲間はずれにするんだ!こいつと俺を会わせたくなかったんじゃないのか?」
拗ねながらディルの腕を振るからディルがガクガクしている。
かわいそうだから離してあげて…
「私はディルとマリーに会いに来ているんです。二人は私の大事な友人だから。
それに魔力の特訓もしてるし。」
「俺にも特訓してくれてるじゃないか一緒にやればいいだろ?
…俺は危険だから一緒にはダメなのか?」
悲しそうに目を潤ませたリーク王子。すごい破壊力!
かわいい。抱きしめてあげたい。
リーク王子にメロメロの私、一方のんちゃんは冷めた様子で腕を組んだ。
「違うから。リーク、ここがどこか分かってる?」
リーク王子はキョロキョロと辺りを見回してから首をかしげた。
「どこかの家の中庭?」
「そう、中庭。だけどここはイシェラ王国じゃない。リトア王国スリジェ辺境伯邸。
一国の王子であるあなたをホイホイ連れて来られる場所じゃない。」
「じゃ、じゃあこいつらを一緒に連れて来れば良かったじゃないか。」
「あのね~バカなの?王宮に許可なく隣国の貴族を連れていけるわけないでしょう?捕まって牢屋行きだよ。」
「ば…相変わらず失礼なやつだ!
分かった。俺が許可する!それなら大丈夫だろう?」
「大丈夫かどうかは正式に申請してみてよ、まぁ、後は二人の意思もあるし。」
その時になってようやくリーク王子はディルの腕を握ったままだったことに気づき慌てて手を離した。
「おい、お前、来るよな?」
「まずは名前を聞いてあげたらいかがです?」
のんちゃんの横やりにリーク王子は焦れたように足を踏み鳴らしてからふてくされた顔でディルに歩み寄った。
「私はイシェラ王国第二王子、リーク・イシェラだ。そなた名はなんという?」
「お会いできて光栄です殿下。私はカイル・ランギャーの息子。ディル・スリジェと申します。」
「他家より養子に来たのか?」
「さようでございます。」
リーク王子は今度はクルリと私に向き直った。
「ちょっと、リーク。なんでディルに絡んでるの。離しなさい。」
いつもより少し高めの声で話すのんちゃん。
「嫌だね。お前、こいつに会いにきてんだろ?俺にはちゃんとわかってんだからな。」
「はぁあ??」
わぁぁ、何か思い込み激しそうなタイプだ。
「俺と会った後いつもどこかへ行くからおかしいと思ってたんだ。
何か嬉しそうだし…俺と会ってる時より。」
「別にそんなことは…」
「だったらなんで俺を仲間はずれにするんだ!こいつと俺を会わせたくなかったんじゃないのか?」
拗ねながらディルの腕を振るからディルがガクガクしている。
かわいそうだから離してあげて…
「私はディルとマリーに会いに来ているんです。二人は私の大事な友人だから。
それに魔力の特訓もしてるし。」
「俺にも特訓してくれてるじゃないか一緒にやればいいだろ?
…俺は危険だから一緒にはダメなのか?」
悲しそうに目を潤ませたリーク王子。すごい破壊力!
かわいい。抱きしめてあげたい。
リーク王子にメロメロの私、一方のんちゃんは冷めた様子で腕を組んだ。
「違うから。リーク、ここがどこか分かってる?」
リーク王子はキョロキョロと辺りを見回してから首をかしげた。
「どこかの家の中庭?」
「そう、中庭。だけどここはイシェラ王国じゃない。リトア王国スリジェ辺境伯邸。
一国の王子であるあなたをホイホイ連れて来られる場所じゃない。」
「じゃ、じゃあこいつらを一緒に連れて来れば良かったじゃないか。」
「あのね~バカなの?王宮に許可なく隣国の貴族を連れていけるわけないでしょう?捕まって牢屋行きだよ。」
「ば…相変わらず失礼なやつだ!
分かった。俺が許可する!それなら大丈夫だろう?」
「大丈夫かどうかは正式に申請してみてよ、まぁ、後は二人の意思もあるし。」
その時になってようやくリーク王子はディルの腕を握ったままだったことに気づき慌てて手を離した。
「おい、お前、来るよな?」
「まずは名前を聞いてあげたらいかがです?」
のんちゃんの横やりにリーク王子は焦れたように足を踏み鳴らしてからふてくされた顔でディルに歩み寄った。
「私はイシェラ王国第二王子、リーク・イシェラだ。そなた名はなんという?」
「お会いできて光栄です殿下。私はカイル・ランギャーの息子。ディル・スリジェと申します。」
「他家より養子に来たのか?」
「さようでございます。」
リーク王子は今度はクルリと私に向き直った。
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