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第一章 リトア王国

アロイスとしばしのお別れ…?

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その日は泊まっていけば?と軽いノリで誘うアリアドネ様たちのお誘いをお断りして私とお父様とディルはリトア王国へと帰ってきた。

手を振るアロイスを見てちょっと涙ぐんでしまったのは内緒だ。

だって再会できてから離れ離れになるのは初めてだから…

ベッドの中でもちょっと泣いちゃって、朝少し寝不足な顔で食堂へ行くと何故かアロイスがディルと並んで朝食を食べていた。

「え!な、なんでアロイスがここに?!」

「え?スリジェ家の朝ごはんが食べたいから?」

何その理由。私の涙返せ!!

「我が家の食事も美味しいよ?ただ朝からがっつり肉!とかシェフが2日間煮込んだ熟成カレー!とかなんだよ。
俺、朝はサッパリしたもんをがっつり食べたいからさ。
このバケットに今めちゃくちゃハマってるんだよね~」

ご機嫌に食事をパクつくアロイスと私の事情を察して、困ったような笑顔を向けてくるディル。

私は黙ってディルの隣に椅子を近づけて座った。

「あれ、マリーいつもと席違くない?」

「今日はここに座りたい気分なの。
いいでしょ別に。」

 アロイスが規格外だって分かってた。魔法ですぐ移動して来られるって分かってたけど王宮のあの部屋をほいほい使えるなんて聞いてないもん。

ディルは私用に椅子に乗せたクッションを調整してくれたり、ナプキンを広げてくれたり甲斐甲斐しく世話してくれる。

ディル優しいな~さすが、私の中でのヒロインポジション。

ありがとう。っと笑うとにっこり笑い返してくれる。かわいい。

「なんなんだよな~今日変だよマリー俺、なんかした?」

「別に」

勝手にすねながら食事を始めたらディルがアロイスにコソコソ何か話している。

「へ?なんだ~そっか~」

あ、ディルなんか余計なこと言ったな。

アロイスは嬉しそうに席を立って私の側にやってきた。

「かわいいな~マリー。すねないでよ。言わなかった俺も悪いけど。
大丈夫。どこにいてもマリーに寂しい思いはさせないよ。」

頭を優しく撫でられて、ちょっと気持ちが落ち着いてきた。

その時、玄関が騒がしくなり、複数の人がガヤガヤ屋敷に入ってきた音がする。

私たちは黙って聞き耳を立てたけど何を言っているのかは聞き取れない。

みんな応接間に通されたらしく私たちは何事かとソワソワしていたけどダミアンさんが優しい笑顔で入ってきて食事を続けるよううながしてくれたのでとりあえず食べることにした。

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