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第一章 リトア王国
アリアドネ様は語ります 3
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アリアドネ様はどこからか取り出した扇子で顔を半分隠したまま私たちを見つめている。
「あなたたち、本当にいい子ね。
リア充爆発しろとか思ってごめんなさい。」
?何が爆発?アロイスが顔をひくつかせているからあまりいい意味じゃないのだろうけど…
「コホン、とにかく。私に言い訳させてちょうだい。」
その言葉に私たちはうなずき、椅子に座り直した。
「私が記憶を取り戻したのは学園入学の時だと話したわよね?
その時はここはゲームか劇の中の世界なんだと思ってしまったの。
だってその直前まで元気に取引先とランチ会議してたのよ?
早く終わらせて戻らないとせっかく契約間近までこぎつけた努力が水の泡。エスターテはかなりやり込んでたからさっさとクリアしてやると意気込んでたのよ。
でも全然上手くいかなかった…
キルライトは恋愛…というか女子にほんっとうに興味なしで。
純真ぶっても、色気だしても、胃袋で釣ろうとしても全然、チラッとも関心を持ってくれなかった。
ファラスはすでにエリザベスにベタ惚れでむしろエリザベスは私が彼の気を引く協力をしてくれたぐらいですもん。」
「…その頃から母上はもう母上だったんだ。」
アロイスのため息混じりの小さな呟きに私は首をかしげた。
まだお会いしたことないけどエリザベス様は
イシェラの宝石と呼ばれる美女だそうで、将来義理の母親になる予定のその方にお会いするのが楽しみなような怖いような…
「で、アランにもさんざん接触したけど大した反応がなくて。何しろ他の人たちにさんざんちょっかいだして惨敗した後で疲れちゃってたの。ちゃんと役を演じなさいよって意味を込めてああ言っちゃったのよ。
あの後も普通に接してくれてたから聞き流してとっくに忘れてるんだと思ってたわ。」
私が納得してうなずく中アロイスはカップを手にしたアリアドネ様に話しかけた。
「アリアドネ様はそのエスターテという
ゲームにハマってたんですよね?」
「そうよ。仕事以外の時間のほとんどを恋の花シリーズに捧げてたと言ってもいいわ。」
「特に好きなキャラクターがいたとかはないんですか?」
この言葉にアリアドネ様は顔を赤くしたり青ざめたりしながら口をパクパクさせた。
私たちは落ち着くまで黙って様子を見ていたんだけど彼女は扇子で顔を隠しながら何か悩んでいるようだ。
「いるわよ…」
小さな声でやっとそう告げたアリアドネ様はパタンと扇子を閉じて膝に置いた。
「私が恋の花シリーズにハマったのも彼がいたからだもの。シリーズ通して登場する彼が好きすぎてグッズを買い漁り部屋にはポスターを貼り、彼の誕生日には1人誕生日会も…」
ハッと口を閉じてアリアドネ様は赤い顔で私たちを睨んだ。
「いいの、そんなことは。」
「え?それは誰なんですか?」
知りたくてつい聞いてしまったけどアロイスが隣で慌てている。
「2人は知らない人よ。今はどこにいるのか…」
え?行方不明ってこと?それは悪いことを聞いちゃった。
「あなたたち、本当にいい子ね。
リア充爆発しろとか思ってごめんなさい。」
?何が爆発?アロイスが顔をひくつかせているからあまりいい意味じゃないのだろうけど…
「コホン、とにかく。私に言い訳させてちょうだい。」
その言葉に私たちはうなずき、椅子に座り直した。
「私が記憶を取り戻したのは学園入学の時だと話したわよね?
その時はここはゲームか劇の中の世界なんだと思ってしまったの。
だってその直前まで元気に取引先とランチ会議してたのよ?
早く終わらせて戻らないとせっかく契約間近までこぎつけた努力が水の泡。エスターテはかなりやり込んでたからさっさとクリアしてやると意気込んでたのよ。
でも全然上手くいかなかった…
キルライトは恋愛…というか女子にほんっとうに興味なしで。
純真ぶっても、色気だしても、胃袋で釣ろうとしても全然、チラッとも関心を持ってくれなかった。
ファラスはすでにエリザベスにベタ惚れでむしろエリザベスは私が彼の気を引く協力をしてくれたぐらいですもん。」
「…その頃から母上はもう母上だったんだ。」
アロイスのため息混じりの小さな呟きに私は首をかしげた。
まだお会いしたことないけどエリザベス様は
イシェラの宝石と呼ばれる美女だそうで、将来義理の母親になる予定のその方にお会いするのが楽しみなような怖いような…
「で、アランにもさんざん接触したけど大した反応がなくて。何しろ他の人たちにさんざんちょっかいだして惨敗した後で疲れちゃってたの。ちゃんと役を演じなさいよって意味を込めてああ言っちゃったのよ。
あの後も普通に接してくれてたから聞き流してとっくに忘れてるんだと思ってたわ。」
私が納得してうなずく中アロイスはカップを手にしたアリアドネ様に話しかけた。
「アリアドネ様はそのエスターテという
ゲームにハマってたんですよね?」
「そうよ。仕事以外の時間のほとんどを恋の花シリーズに捧げてたと言ってもいいわ。」
「特に好きなキャラクターがいたとかはないんですか?」
この言葉にアリアドネ様は顔を赤くしたり青ざめたりしながら口をパクパクさせた。
私たちは落ち着くまで黙って様子を見ていたんだけど彼女は扇子で顔を隠しながら何か悩んでいるようだ。
「いるわよ…」
小さな声でやっとそう告げたアリアドネ様はパタンと扇子を閉じて膝に置いた。
「私が恋の花シリーズにハマったのも彼がいたからだもの。シリーズ通して登場する彼が好きすぎてグッズを買い漁り部屋にはポスターを貼り、彼の誕生日には1人誕生日会も…」
ハッと口を閉じてアリアドネ様は赤い顔で私たちを睨んだ。
「いいの、そんなことは。」
「え?それは誰なんですか?」
知りたくてつい聞いてしまったけどアロイスが隣で慌てている。
「2人は知らない人よ。今はどこにいるのか…」
え?行方不明ってこと?それは悪いことを聞いちゃった。
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