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第一章 リトア王国
もう一人の伯父さんに会いに行きます
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扉をぬけるとお父様たちが待っていてくれた。
二リーナ様の姿が見当たらないことに少しホッとする。
「大丈夫か?もし疲れていなければこのままイスト辺境伯に会いに行くが」
「はい。大丈夫です。」
私がまだ会ったことのないもう1人の伯父さん。
どんな人かすごく興味がある。
王宮の騎士の方の案内で私たちは廊下をぬけ、別棟の一室へと案内された。
その間にこっそりとお父様に二リーナ様に何を話しかけられていたのか尋ねると、ただの世間話しだと言われた。本当かな?
心配しながらお父様を見上げると、大丈夫だと頭をクシャッと撫でられる。
案内していた騎士が振り返りそんなお父様の姿を見て急いで視線を逸らしていた。
なんでそんな、見ちゃいけないものを見てしまった。みたいな動きをするんだろう?
首をかしげながら焦げ茶の重厚な扉をくぐりぬける。
光が降り注ぐ明るい部屋の中央にクリーム色の大きなソファーと机が置かれていて、マーガレット様が立ち上がり頭を下げる。
窓辺に立っていた男性もこちらに深く礼をしていた。
「お久しぶりです。二人とも顔を上げてください。」
お父様の声に二人とも顔をあげ私たちを見る。
「お久しぶりです。スリジェ辺境伯爵。」
オーレルさんが前に進み私たちに座るよう勧めつつお父様と向かいあった。
お父様よりも背が高く、赤っぽい茶色の波打つ髪を後ろに束ねたその人はお父様に負けず劣らず無表情で威厳に満ちている。
二人は表情を変えずにガッチリと握手をかわし、お父様はオーレルさんの背中をポンポンと叩いた。
目を丸くしてその様子を眺めているとマーガレット様が小さな声で教えてくれた。
「伯父様であるイスト王立騎士団長とお父上は騎士団時代に共に過ごされた旧知の仲なのですよ。」
びっくりしてマーガレット様を見つめるとコクッとうなずかれ、再びお父様たちの方を見ると二人は小さな声で話し合っている。
「…辺境伯爵位を賜った際にお会いして以来です。隊長に合わせる顔がないことは重々承知でしたが、直接お詫び申し上げねば生涯悔いが残ると手前勝手な思いでここに…」
「隊長呼びがまだ直らないのか?同じ辺境伯同士になったのだから改まる必要はない。
カイル・ランギャーの振る舞いの責を求めるつもりもない。」
「とんでもありません。スリジェ隊長は私にとって模範とすべき上官。それはどんな肩書きになろうと永遠に変わることはありません。」
「そうか、相変わらずだな。オーレル」
そう呼ばれて一瞬パァっと顔が明るくなったオーレルさんはようやくこちらに近づいてきた。
こちらに向けられた表情はキリッとした無表情に戻っていて少し残念だ。
二リーナ様の姿が見当たらないことに少しホッとする。
「大丈夫か?もし疲れていなければこのままイスト辺境伯に会いに行くが」
「はい。大丈夫です。」
私がまだ会ったことのないもう1人の伯父さん。
どんな人かすごく興味がある。
王宮の騎士の方の案内で私たちは廊下をぬけ、別棟の一室へと案内された。
その間にこっそりとお父様に二リーナ様に何を話しかけられていたのか尋ねると、ただの世間話しだと言われた。本当かな?
心配しながらお父様を見上げると、大丈夫だと頭をクシャッと撫でられる。
案内していた騎士が振り返りそんなお父様の姿を見て急いで視線を逸らしていた。
なんでそんな、見ちゃいけないものを見てしまった。みたいな動きをするんだろう?
首をかしげながら焦げ茶の重厚な扉をくぐりぬける。
光が降り注ぐ明るい部屋の中央にクリーム色の大きなソファーと机が置かれていて、マーガレット様が立ち上がり頭を下げる。
窓辺に立っていた男性もこちらに深く礼をしていた。
「お久しぶりです。二人とも顔を上げてください。」
お父様の声に二人とも顔をあげ私たちを見る。
「お久しぶりです。スリジェ辺境伯爵。」
オーレルさんが前に進み私たちに座るよう勧めつつお父様と向かいあった。
お父様よりも背が高く、赤っぽい茶色の波打つ髪を後ろに束ねたその人はお父様に負けず劣らず無表情で威厳に満ちている。
二人は表情を変えずにガッチリと握手をかわし、お父様はオーレルさんの背中をポンポンと叩いた。
目を丸くしてその様子を眺めているとマーガレット様が小さな声で教えてくれた。
「伯父様であるイスト王立騎士団長とお父上は騎士団時代に共に過ごされた旧知の仲なのですよ。」
びっくりしてマーガレット様を見つめるとコクッとうなずかれ、再びお父様たちの方を見ると二人は小さな声で話し合っている。
「…辺境伯爵位を賜った際にお会いして以来です。隊長に合わせる顔がないことは重々承知でしたが、直接お詫び申し上げねば生涯悔いが残ると手前勝手な思いでここに…」
「隊長呼びがまだ直らないのか?同じ辺境伯同士になったのだから改まる必要はない。
カイル・ランギャーの振る舞いの責を求めるつもりもない。」
「とんでもありません。スリジェ隊長は私にとって模範とすべき上官。それはどんな肩書きになろうと永遠に変わることはありません。」
「そうか、相変わらずだな。オーレル」
そう呼ばれて一瞬パァっと顔が明るくなったオーレルさんはようやくこちらに近づいてきた。
こちらに向けられた表情はキリッとした無表情に戻っていて少し残念だ。
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