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第一章 リトア王国
食後の報告会です
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食事を終え、応接室に場所を移して皆それぞれカップを片手にくつろぎ始めた。
私もホットミルクを入れてもらいご機嫌だ。
しかもアイリーンが上品に並べられたショコラのお皿を持って皆んなの間をまわってくれる。目を輝かせた私を見てニコニコしながら触るのが怖いくらい薄くて真っ白な小皿に3粒のせてくれた。
ホットミルクで温まった口にさっそく一粒入れると楕円形のショコラが溶けて中から甘酸っぱいベリーのソースが溢れてくる。
ウットリと余韻を味わう私をアンディーブ様が面白そうに眺めているのに気づき、私はハッと姿勢を正した。
「それで?」
葉巻を片手にお父様が公爵様に問いかけ、皆の視線が集まる。
「やっとまともに話を聞いてくれる気になった?」
公爵様はコーヒーを一口飲んでニヤッと笑った。
「やっとも何も、ここで話を聞くのが普通だ。」
「もちろん僕だって分かってるさ。でもつい、アランには甘えちゃって。」
お父様の刺すような視線もヘラヘラと笑ってスルーして公爵様はようやく語り始めた。
エシャルロット公爵家は代々魔力の強い家系として知られている。その中でもアロイス様の魔力量は現時点でファラス様の魔力を凌駕する勢いな上、本人はすでにその力を自在に扱っているらしい。
(のんちゃん、ゲームのレベル上げ得意だったもんな~嬉しそうに魔法を習得する姿が目に浮かぶ。)
そんなアロイス様の噂が隣国イシェラ王国の国王陛下の耳に入り、陛下の第二王子リーク様が強すぎる魔力を制御できず本人も周りも困っているので助けを借りたいと頼まれた。まだ世間にお披露目されていないアロイス様の噂をどうやって知ったのかというと…
「だってアロイスがあんまりすごいからつい陛下に自慢しちゃって」
ということらしい。
公爵様と共に城の別棟を訪問したアロイスはちょうど癇癪をおこして魔力を暴発させているリーク王子を発見し、その場で暴発を止めリーク王子を叱り付けながら制御の仕方を叩き込んだらしい。
そうして何故かリーク王子に気に入られてしまい。
「喜べ、そなたを将来私の妃にしてやる。」
と言わしめたそうだ。
私もホットミルクを入れてもらいご機嫌だ。
しかもアイリーンが上品に並べられたショコラのお皿を持って皆んなの間をまわってくれる。目を輝かせた私を見てニコニコしながら触るのが怖いくらい薄くて真っ白な小皿に3粒のせてくれた。
ホットミルクで温まった口にさっそく一粒入れると楕円形のショコラが溶けて中から甘酸っぱいベリーのソースが溢れてくる。
ウットリと余韻を味わう私をアンディーブ様が面白そうに眺めているのに気づき、私はハッと姿勢を正した。
「それで?」
葉巻を片手にお父様が公爵様に問いかけ、皆の視線が集まる。
「やっとまともに話を聞いてくれる気になった?」
公爵様はコーヒーを一口飲んでニヤッと笑った。
「やっとも何も、ここで話を聞くのが普通だ。」
「もちろん僕だって分かってるさ。でもつい、アランには甘えちゃって。」
お父様の刺すような視線もヘラヘラと笑ってスルーして公爵様はようやく語り始めた。
エシャルロット公爵家は代々魔力の強い家系として知られている。その中でもアロイス様の魔力量は現時点でファラス様の魔力を凌駕する勢いな上、本人はすでにその力を自在に扱っているらしい。
(のんちゃん、ゲームのレベル上げ得意だったもんな~嬉しそうに魔法を習得する姿が目に浮かぶ。)
そんなアロイス様の噂が隣国イシェラ王国の国王陛下の耳に入り、陛下の第二王子リーク様が強すぎる魔力を制御できず本人も周りも困っているので助けを借りたいと頼まれた。まだ世間にお披露目されていないアロイス様の噂をどうやって知ったのかというと…
「だってアロイスがあんまりすごいからつい陛下に自慢しちゃって」
ということらしい。
公爵様と共に城の別棟を訪問したアロイスはちょうど癇癪をおこして魔力を暴発させているリーク王子を発見し、その場で暴発を止めリーク王子を叱り付けながら制御の仕方を叩き込んだらしい。
そうして何故かリーク王子に気に入られてしまい。
「喜べ、そなたを将来私の妃にしてやる。」
と言わしめたそうだ。
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