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第一章 リトア王国
サイドのんちゃんの場合
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※のんちゃんから見た再会までのお話しです。
3回ぐらいに分けて掲載する予定ですが、読まなくてもお話しの続きには繋がります。
それでも読んであげようというありがたい読者様は読み進めてください。
のんちゃんサイドは別に…という方は更新をお待ちいただければ幸いです。
いつも読んでいただきありがとうございます。
サイド のんちゃんスタート
俺には小さい頃から仲が良い幼なじみの女の子がいる。
有希というその子は頭は悪くないのに要領が悪いというか、良いもの持ってるくせに損してるというかなんともほっとけないタイプで高一になるまでなんだかんだずっと一緒にいた。
昔から妹みたいに思って世話を焼いていたが、高校生になったばかりのある日男子ばかりで集まって話していた時のことだ。
クラスの女子で誰がかわいいだの付き合いたいだの話していたら、一人がニヤニヤしながら俺に言ったのだ。
「有希ちゃんもいいよな~あまり目立つタイプじゃないけど和むっていうか、押しに弱そうっていうか。グイグイいけば付き合えそうじゃん。」
その言葉に俺はイラッとして言い返した。
「あいつはパッと見フワフワしてるけど、自分の意思はハッキリしてるし遊びで付き合えるようなタイプじゃないから。」
すると周りの奴がドッと笑い、そいつも俺の肩をバシバシ叩く。
「悪い悪い、冗談。俺も友達の彼女に手ぇ出すほど落ちてねぇから。」
「はぁ?彼女じゃねーし。何言ってんの?」
俺の言葉に周りは楽しそうに盛り上がり始める。
「まぁまぁ、今は彼女じゃなくてもいずれはそうなるだろ?」
「いいよな~幼なじみ。萌えるよな。」
「てか、まだ付き合ってなかったんか。お前らすでに夫婦みたいに見えるのに。」
「俺らがふざけて、のんちゃんって呼んだら無言で殴ったくせに有希ちゃんにはずっとのんちゃん呼びされててさ~
お前、有希ちゃんと喋ってる時だけ口調も優しげで俺らへの扱いとの差酷いじゃん?」
みるみる顔を赤くした俺に奴らは急にしんと静まった。
「え、待って?もしかして自覚無かったとか?」
「マジか~二人してどんだけニブ。いや、純粋なんだ。俺はいつからこんなに汚れてしまったんだ。」
「いや、この二人だからこそあの関係が築けてるんだろ。
むしろどこまでもこのままでいて欲しい気も…」
ワイワイ言っている中、一人が俺を覗き込んで聞いてきた。
「で、本当のところどうなの?お前にとっての有希ちゃんって家族みたいなもん?
例えば有希ちゃんが誰か他の奴と付き合い始めても平気でいられる?」
そいつの言葉に想像してみた。想像しただけで最悪の気分だ。
「いや、それは…キツいな。うん、かなりキツい…ってか嫌だ。」
小さく呟いた俺にそいつはニッと笑った。
「今、気づけて良かったじゃん。頑張れよ」
「よっ、流石俺らの中で唯一の彼女持ち。言うことが男前だね。かっこいいね~」
最初に有希をいいとか言ってたお調子者がはやしたてる。
「頑張るって言ってもな、有希は俺のことどう思ってるんだか…」
「気持ちを伝えてみたらいいだろ、あっちだって明らかムガフガ」
「はいはい。ちょっと君はこっちで大人しくしてようね。これからが面白いんだから。」
彼女持ちのやつが口を塞がれて俺らの会話の輪から出されている。どうしたんだ?
「じゃあ意識させるとこから始めたら?望がちょっとイメチェンするとか。」
「それって有希ちゃんの好みじゃなかったら逆効果なんじゃ?」
「え~じゃあ有希ちゃんの好みってどんな奴なん?」
みんなの視線が俺に集まる。見つめられても困るんだよな。
「全然知らない。あいつ、芸能人とかにも興味ないしな~」
そんな俺の肩にお調子者の奴の手が置かれた。
「俺、いいもの持ってるぜ。ゲーム好きな望にピッタリだし。」
そして奴が薄いカバンから出したのはカラフルなイケメンがたくさん描かれたゲームだった。
3回ぐらいに分けて掲載する予定ですが、読まなくてもお話しの続きには繋がります。
それでも読んであげようというありがたい読者様は読み進めてください。
のんちゃんサイドは別に…という方は更新をお待ちいただければ幸いです。
いつも読んでいただきありがとうございます。
サイド のんちゃんスタート
俺には小さい頃から仲が良い幼なじみの女の子がいる。
有希というその子は頭は悪くないのに要領が悪いというか、良いもの持ってるくせに損してるというかなんともほっとけないタイプで高一になるまでなんだかんだずっと一緒にいた。
昔から妹みたいに思って世話を焼いていたが、高校生になったばかりのある日男子ばかりで集まって話していた時のことだ。
クラスの女子で誰がかわいいだの付き合いたいだの話していたら、一人がニヤニヤしながら俺に言ったのだ。
「有希ちゃんもいいよな~あまり目立つタイプじゃないけど和むっていうか、押しに弱そうっていうか。グイグイいけば付き合えそうじゃん。」
その言葉に俺はイラッとして言い返した。
「あいつはパッと見フワフワしてるけど、自分の意思はハッキリしてるし遊びで付き合えるようなタイプじゃないから。」
すると周りの奴がドッと笑い、そいつも俺の肩をバシバシ叩く。
「悪い悪い、冗談。俺も友達の彼女に手ぇ出すほど落ちてねぇから。」
「はぁ?彼女じゃねーし。何言ってんの?」
俺の言葉に周りは楽しそうに盛り上がり始める。
「まぁまぁ、今は彼女じゃなくてもいずれはそうなるだろ?」
「いいよな~幼なじみ。萌えるよな。」
「てか、まだ付き合ってなかったんか。お前らすでに夫婦みたいに見えるのに。」
「俺らがふざけて、のんちゃんって呼んだら無言で殴ったくせに有希ちゃんにはずっとのんちゃん呼びされててさ~
お前、有希ちゃんと喋ってる時だけ口調も優しげで俺らへの扱いとの差酷いじゃん?」
みるみる顔を赤くした俺に奴らは急にしんと静まった。
「え、待って?もしかして自覚無かったとか?」
「マジか~二人してどんだけニブ。いや、純粋なんだ。俺はいつからこんなに汚れてしまったんだ。」
「いや、この二人だからこそあの関係が築けてるんだろ。
むしろどこまでもこのままでいて欲しい気も…」
ワイワイ言っている中、一人が俺を覗き込んで聞いてきた。
「で、本当のところどうなの?お前にとっての有希ちゃんって家族みたいなもん?
例えば有希ちゃんが誰か他の奴と付き合い始めても平気でいられる?」
そいつの言葉に想像してみた。想像しただけで最悪の気分だ。
「いや、それは…キツいな。うん、かなりキツい…ってか嫌だ。」
小さく呟いた俺にそいつはニッと笑った。
「今、気づけて良かったじゃん。頑張れよ」
「よっ、流石俺らの中で唯一の彼女持ち。言うことが男前だね。かっこいいね~」
最初に有希をいいとか言ってたお調子者がはやしたてる。
「頑張るって言ってもな、有希は俺のことどう思ってるんだか…」
「気持ちを伝えてみたらいいだろ、あっちだって明らかムガフガ」
「はいはい。ちょっと君はこっちで大人しくしてようね。これからが面白いんだから。」
彼女持ちのやつが口を塞がれて俺らの会話の輪から出されている。どうしたんだ?
「じゃあ意識させるとこから始めたら?望がちょっとイメチェンするとか。」
「それって有希ちゃんの好みじゃなかったら逆効果なんじゃ?」
「え~じゃあ有希ちゃんの好みってどんな奴なん?」
みんなの視線が俺に集まる。見つめられても困るんだよな。
「全然知らない。あいつ、芸能人とかにも興味ないしな~」
そんな俺の肩にお調子者の奴の手が置かれた。
「俺、いいもの持ってるぜ。ゲーム好きな望にピッタリだし。」
そして奴が薄いカバンから出したのはカラフルなイケメンがたくさん描かれたゲームだった。
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