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第一章 リトア王国

お祖母様のデレ待ちです

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お祖母様に注意されるとマリーはいつも泣きそうになり、更に怒られていたっけ。
私も怒られ慣れているわけではないが、マリーより長く生きた経験から気がついた。
お祖母様、今チラッと不安そうに一瞬こちらを見ましたよね?
そんな顔するくらいならもう少し優しく言ってくれればいいのに。
幼女にそんなツンデレ?いや、ツンツン?通じないですよ~
現にマリーはお祖母様に嫌われていると認識していた。
もう少し様子見だけど、嫌われているわけではなさそうだ…と私は思う。

マリーはなかなか複雑な育ち方をしている。
生まれた時から育ったのは小さな村の教会。母の顔はあまり思い出せないがベッドから伸ばされた暖かく柔らかい手を覚えている。
優しく撫でてくれる手の感触。
マリーが大切に何度も何度も思い出していたからこそ鮮明に覚えているのだろう。

母は亡くなった。病気だったのだと思う。
ひどく悲しかったのは覚えているがやはりその姿は思い出せない。
教会の隣にある墓地に母の小さな墓が作られ、マリーは毎日そこに花を摘んで持っていっていた。
教会の人たちは母が亡くなっても変わらずマリーを可愛がってくれ読み書きや礼儀作法、簡単な家事を教えてくれたので居場所を失って寂しくなるなんてことはなかったし教会での暮らしが彼女の日常だった。

お父様が迎えに来るまでは。
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