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第21話 新旧
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「ちょっ……!?」
「どうした、イル? さあ早く行くぞ」
「……お、おう……」
懐から出した羽をスライドで船に変え、俺は孤島と化した我が領地を目指す。
「……スラン。あんた、あのシードランド家の息子なんだな……」
「ああ。その通りだ」
「領主様なら、スランって呼び捨てにしないほうがいいか?」
「いや、スランって呼んでくれ。そのほうが俺としてはやりやすい」
「それじゃ遠慮なく! てか、名前を聞いたときにどっかで聞いたことがあるって思ったんだよ。最近ゴタゴタやってるって思ったら、まさか俺がその一人になるなんてよ……」
「……イル。今更引き返そうなんて言わないよな?」
「まさか! むしろよ、なんかわくわくしてきたぜ!」
「ただし、領民は俺を含めて3人しかいないけどな」
「さ、3人……!? それじゃあ、俺を入れて4人ってわけか!?」
「そうだ。ぞくぞくしてきただろ?」
「……鳥肌が止まらん」
「ははっ。そりゃそうだよな。ただ、逆に言えばこれから開拓し甲斐があるってことだ」
「……確かに、俺みてえなならず者が生まれ変わるには最高の舞台だ」
俺はイルガルトの言葉に相槌を打った。
出発したときと同じく、目立たないように船を迂回させ、シードランド家の領地を目指す。
それからほどなくして、俺たちは目的地へと辿り着いた。
「へえぇ、ここがスランの領地か……」
「そうだな。正しくは俺たちの領地だ」
「な、なるほど……」
イルガルトも感動した様子で周囲を見回していた。このやり取りは、裏側にスライドしておいた防壁の扉から領地へと入った瞬間のことだ。
「てかよお、全然思ってたのと違う……」
「まあ、そこは仕方ない。今はこんなもんだが、なんせこれからの領土なんだからな」
「いや、スラン、そうじゃねえんだ。もっと荒廃したイメージだったのに、やたらと手入れが行き届いてて感動したくらいだ……って、これも例のスライドスキルってやつで!?」
「そうだな。それもあるが、これから紹介予定の二人の領民のおかげでもある」
「へえ……って、あれ? スラン、どこ行くんだ? こっちは山のほうなんだが……」
「山のほうに俺たちの住んでる家があるんだ」
「えぇ? あんだけ立派な屋敷もあるのに? それに山のほうって、下りるとき凄く不便じゃねえか?」
「んー、不便かっていうとそうでもない。領地ごとスライドしたばかりだから今はまだ難しいが、エネルギーに余裕があればスライドスキルを使って一瞬で下山できる」
「へえ……って! 今まで100%の力じゃなかったのか……」
「ああ、そういうことだ。それにここはな、両親の墓もあるし、自然豊かで見晴らしもいい」
「確かに……。山のほうに住むっていうくらいだから、あの屋敷はてっきりダミーとばかり思ってたが……」
「まあダミーってほどじゃないが目くらましにはなる。屋敷ががら空きだからな。ただ、だからって将来住む予定の領民たちを捨て駒にするつもりはないよ。むしろ、見晴らしがいいから何か異変があればすぐに助けに行ける」
「さすがスラン。しっかり考えてんなあ……」
俺たちは会話しつつ歩き、山の中腹にある小屋へ到着した。
「あ、坊ちゃま、お帰りなさいませ!」
「スラン、おかえりー!」
「ただいま、モラッド、モコ」
「ど、どうも。よろしく」
「「あ……」」
モラッドとモコが、小屋から出てくるなり目を丸くしていた。そりゃそうか。本当に領民を連れてきたんだからな。
「ま、まさか、本当に新たな領民をお連れになるとは……」
「思わなかったぁ……」
「えぇ? 二人とも、俺を信じてくれなかったのか?」
「う、うん。失敗するかもって、モラッド様とお話してて……」
「坊ちゃまを信じたいのは山々ですが、なんせこういう閑散とした状況ですゆえ、いくらお金を積んでも断られるかと……」
「……なるほど。あ、モラッドとモコに自己紹介してくれ、イル」
「おう、わかった! 俺はイルガルトっていう名前で――」
イルガルトが緊張した様子で自己紹介しつつ、今までの経緯を手短に話した。
「「……」」
彼の話が終わる頃には、それまで信じられなさそうだったモラッドとモコも納得顔になっていた。
「そんな辛い経験があったのですな……」
「みんなから捨てられちゃうなんて、可哀想……」
「……ま、まあ、確かにそのせいで一時期は荒れまくってたが、俺にも悪いところはあったんだって今は思ってる。それに、スランに拾われたから、そう思ったら捨てられたのも結果的には悪くなかったのかなって」
「イル、心を入れ替えただけあって前向きでいいな。それでいいんだ」
「そりゃな。なんせ俺がスランの一番の領民だから、姿勢だけでも見せとかねえとな!」
「「「……」」」
俺はモラッド、モコと顔を見合わせて苦笑いした。どうやらイルは調子に乗るタイプでもあるようだ。
「あ、その前にちょっといいか? スラン」
「なんだ? イル」
「俺が普段使ってる弓は古いもんだし、矢筒も数に制限がある。それが切れたら短剣で戦おうと思ってるんだが……」
「いや、その必要はない」
「え……!?」
俺は両手を合わせて暗がり、つまり『闇』を作り出すと、その頭文字をスライドして『弓』に変え、さらに足元の『野』の漢字をスライドして『矢』に変えてみせた。
「この通りだ。いくらでも代わりはあるから、遠慮なく弓手として力を発揮してほしい」
「す、すげえ! さすが神のスライドスキル! これで遠慮なく矢をぶっ放せるぜ!」
喜んでくれたみたいでよかった。
「……あ、スラン! あのね、ドラコの件、卵に罅が入ってから苦戦してたけど、もうすぐ誕生するみたい!」
「お……かなり待たされたが、いよいよみたいだな」
「はい、坊ちゃま。わたくしめも、卵の様子が気になって気になって寝不足で……」
「ははっ、爺もドラコに相当焦らされてるか。イル、早くも後輩ができそうだな」
「へ……?」
きょとんとするイルを見て、俺たちは大いに笑い合ったのだった。
「どうした、イル? さあ早く行くぞ」
「……お、おう……」
懐から出した羽をスライドで船に変え、俺は孤島と化した我が領地を目指す。
「……スラン。あんた、あのシードランド家の息子なんだな……」
「ああ。その通りだ」
「領主様なら、スランって呼び捨てにしないほうがいいか?」
「いや、スランって呼んでくれ。そのほうが俺としてはやりやすい」
「それじゃ遠慮なく! てか、名前を聞いたときにどっかで聞いたことがあるって思ったんだよ。最近ゴタゴタやってるって思ったら、まさか俺がその一人になるなんてよ……」
「……イル。今更引き返そうなんて言わないよな?」
「まさか! むしろよ、なんかわくわくしてきたぜ!」
「ただし、領民は俺を含めて3人しかいないけどな」
「さ、3人……!? それじゃあ、俺を入れて4人ってわけか!?」
「そうだ。ぞくぞくしてきただろ?」
「……鳥肌が止まらん」
「ははっ。そりゃそうだよな。ただ、逆に言えばこれから開拓し甲斐があるってことだ」
「……確かに、俺みてえなならず者が生まれ変わるには最高の舞台だ」
俺はイルガルトの言葉に相槌を打った。
出発したときと同じく、目立たないように船を迂回させ、シードランド家の領地を目指す。
それからほどなくして、俺たちは目的地へと辿り着いた。
「へえぇ、ここがスランの領地か……」
「そうだな。正しくは俺たちの領地だ」
「な、なるほど……」
イルガルトも感動した様子で周囲を見回していた。このやり取りは、裏側にスライドしておいた防壁の扉から領地へと入った瞬間のことだ。
「てかよお、全然思ってたのと違う……」
「まあ、そこは仕方ない。今はこんなもんだが、なんせこれからの領土なんだからな」
「いや、スラン、そうじゃねえんだ。もっと荒廃したイメージだったのに、やたらと手入れが行き届いてて感動したくらいだ……って、これも例のスライドスキルってやつで!?」
「そうだな。それもあるが、これから紹介予定の二人の領民のおかげでもある」
「へえ……って、あれ? スラン、どこ行くんだ? こっちは山のほうなんだが……」
「山のほうに俺たちの住んでる家があるんだ」
「えぇ? あんだけ立派な屋敷もあるのに? それに山のほうって、下りるとき凄く不便じゃねえか?」
「んー、不便かっていうとそうでもない。領地ごとスライドしたばかりだから今はまだ難しいが、エネルギーに余裕があればスライドスキルを使って一瞬で下山できる」
「へえ……って! 今まで100%の力じゃなかったのか……」
「ああ、そういうことだ。それにここはな、両親の墓もあるし、自然豊かで見晴らしもいい」
「確かに……。山のほうに住むっていうくらいだから、あの屋敷はてっきりダミーとばかり思ってたが……」
「まあダミーってほどじゃないが目くらましにはなる。屋敷ががら空きだからな。ただ、だからって将来住む予定の領民たちを捨て駒にするつもりはないよ。むしろ、見晴らしがいいから何か異変があればすぐに助けに行ける」
「さすがスラン。しっかり考えてんなあ……」
俺たちは会話しつつ歩き、山の中腹にある小屋へ到着した。
「あ、坊ちゃま、お帰りなさいませ!」
「スラン、おかえりー!」
「ただいま、モラッド、モコ」
「ど、どうも。よろしく」
「「あ……」」
モラッドとモコが、小屋から出てくるなり目を丸くしていた。そりゃそうか。本当に領民を連れてきたんだからな。
「ま、まさか、本当に新たな領民をお連れになるとは……」
「思わなかったぁ……」
「えぇ? 二人とも、俺を信じてくれなかったのか?」
「う、うん。失敗するかもって、モラッド様とお話してて……」
「坊ちゃまを信じたいのは山々ですが、なんせこういう閑散とした状況ですゆえ、いくらお金を積んでも断られるかと……」
「……なるほど。あ、モラッドとモコに自己紹介してくれ、イル」
「おう、わかった! 俺はイルガルトっていう名前で――」
イルガルトが緊張した様子で自己紹介しつつ、今までの経緯を手短に話した。
「「……」」
彼の話が終わる頃には、それまで信じられなさそうだったモラッドとモコも納得顔になっていた。
「そんな辛い経験があったのですな……」
「みんなから捨てられちゃうなんて、可哀想……」
「……ま、まあ、確かにそのせいで一時期は荒れまくってたが、俺にも悪いところはあったんだって今は思ってる。それに、スランに拾われたから、そう思ったら捨てられたのも結果的には悪くなかったのかなって」
「イル、心を入れ替えただけあって前向きでいいな。それでいいんだ」
「そりゃな。なんせ俺がスランの一番の領民だから、姿勢だけでも見せとかねえとな!」
「「「……」」」
俺はモラッド、モコと顔を見合わせて苦笑いした。どうやらイルは調子に乗るタイプでもあるようだ。
「あ、その前にちょっといいか? スラン」
「なんだ? イル」
「俺が普段使ってる弓は古いもんだし、矢筒も数に制限がある。それが切れたら短剣で戦おうと思ってるんだが……」
「いや、その必要はない」
「え……!?」
俺は両手を合わせて暗がり、つまり『闇』を作り出すと、その頭文字をスライドして『弓』に変え、さらに足元の『野』の漢字をスライドして『矢』に変えてみせた。
「この通りだ。いくらでも代わりはあるから、遠慮なく弓手として力を発揮してほしい」
「す、すげえ! さすが神のスライドスキル! これで遠慮なく矢をぶっ放せるぜ!」
喜んでくれたみたいでよかった。
「……あ、スラン! あのね、ドラコの件、卵に罅が入ってから苦戦してたけど、もうすぐ誕生するみたい!」
「お……かなり待たされたが、いよいよみたいだな」
「はい、坊ちゃま。わたくしめも、卵の様子が気になって気になって寝不足で……」
「ははっ、爺もドラコに相当焦らされてるか。イル、早くも後輩ができそうだな」
「へ……?」
きょとんとするイルを見て、俺たちは大いに笑い合ったのだった。
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