4 / 22
第4話 跡継ぎ
しおりを挟む
「う……?」
俺のぼんやりとした視界と意識が、徐々に正常さを取り戻していく。
……どうやらそこは、小屋の中のようだった。俺はベッド上に横たわっている。
ここはどこにある小屋なんだ……? 少なくとも屋敷の中ではない。まったく見覚えのない場所だ。
六畳ほどの狭くも広くもない部屋。
自分がいるベッドに加え、タンス、椅子、テーブル、暖炉等、綺麗に清掃や整頓がされており、生活感に満ち溢れていた。
そういえば、兄のダリックと姉のエリーズが俺に面白いものを見せてやると言っていた。
それが、決して良い意味ではないのはわかっている。
ということは、まさか……俺はライバル貴族グレゴリスの手の者に捕まって、その家にいる可能性もあるってことか。
考えたくないことだが、最悪の状況も想定しないといけない。
ここは兄姉の手の者の家で、面白いものっていうのが拷問の類の恐れも十分にある。
現状だと俺は縛られてるわけでもなく自由に行動できるが、だからといって油断はできない。
一旦安心させておいて、そこから落として俺の反応を楽しもうっていう考えかもしれない。一刻も早くここから逃げ出さなければ……。
「ぐぐっ……」
俺は痛みを堪えながらも上体を起こす。
「お坊ちゃま、いけませんぞ。まだ治療中の身ゆえ、無理をしてはなりませぬ」
「あ……」
誰かが小屋へ入ってきたと思ったら、執事のモラッドだった。
「爺じゃないか……一体どうなってるんだ? ここはどこなんだ……?」
「ご安心ください。ここは隠れ家でございます」
「隠れ家だと?」
「はい。屋敷前でお坊ちゃまが倒れているところを発見し、山の隠れ家まで連れてきた所存でございます。以前より、何かあったときのためにと用意していたものです」
「そうだったのだな……」
「……スラン様、それよりもお守りすることができず、本当に申し訳ございません……」
モラッドが深々とひざまずくのを俺は慌てて制止する。
「おいおい、やめろって。モラッドは多忙なんだから仕方がない。それに、俺だってまさか兄姉からやられるなんて夢にも思わなかったんだから」
「いえ、もっと警戒するべきでした。まさか、既に内通していたとは……」
「そういえば、兄姉は準男爵として身の安全を保障されたって言ってたな」
「なるほど。やはり、疑ってこのような隠れ家を密かに用意しておいて正解でございました」
「ああ、確かにそうだな。他に変わったことはないか?」
「それが、兄姉がこの領地を譲ると宣言したことで、いずれはグレゴリス男爵家の領兵が草の根を分けてでも我々を捕まえに来る予定だとか」
「くっ……。もうそこまでやつらの計画は進行してたんだな……って、そうだ。父は?」
「……大変、申し辛いのですが、スラン様が意識を失っている間、既に旅立たれました……」
「なっ……」
俺は衝撃のあまり、しばらく言葉が出てこなかった。
「しかも、ベルク様が亡くなった日は、ちょうど奥方様の命日だったのです……」
「……」
これが運命の悪戯というやつか。
「ここにベルク様からの遺言状がございます。もし自分が亡くなったら、スラン様に読ませてほしいと承っていたものです。当然ながら、わたくしめはまだ拝見しておりません」
「おお……」
モラッドが懐からおもむろに取り出した書状を俺は受け取る。
この日付は……ちょうど俺がスキルを受け取るために王都に出発したときじゃないか。
「よし、内容を声に出して読んでみる」
「はっ」
「三子のスランは心根が優しく、芯がとてもしっかりしており、シードランド男爵家の家督を継ぐに相応しい。必ずやこの領地を守り切るであろう。スランが獲得したスキルがなんであろうとこの意思に変わりはない。ゆえに、モラッドはスランを命がけで守り抜くのだ」
「ベルク様……」
モラッドは伏せた目を赤くしていた。
◆◇◆
俺はモラッドに対し、とある頼みごとをした。
彼に体を支えられつつ、山中にある父の墓を参ることになったんだ。
その隣には母の墓もある。
この山というのは、母が【植物スキル】で豊かにした山だ。
母の命日には必ずここへ来ていたものだ。
兄姉も知らない場所だ。あいつらは実母とともに、妾という立場の母とその息子の俺を見下していたからな。兄姉の実母はというと、ライバル貴族と不倫してさっさといなくなったが。
それにしても、偶然にしてはできすぎている。まさか、母の命日に父が亡くなるとは。
もしかしたら、父がそれまで耐えた可能性もあるな。
数時間ほど歩いて、ようやく母の墓が見えてきた。
「あ、あれは……」
そこまで着き、両親に祈ろうとしたとき、衝撃的な光景が飛び込んできた。
ここからは、父と母との思い出の砂浜が見えるわけだが、そこに、防壁が作られようとしていたのだ。
こんなことができるような金はうちにはない。
「……つまり、あれか。既にグレゴリス男爵の手の者が作業に取りかかっていたということか」
「はい、おそらくそうかと。既に領地におり、兄姉の息がかかった者たちの仕業でしょう」
「うぬう……」
砂浜に防壁を作れば、海辺から来るモンスターや海賊をシャットダウンできる。
兄姉が俺に面白いものを見せたいと言っていたのはこれだったのか。
確かにこの方法であれば、連中にとっては何もかも上手くいく。長らく俺の領地を狙っていたのも納得だ。上手く考えたものだと感心させられた。
だが、その一方で大切な思い出を踏みにじられたようで、腸が煮えくり返る思いだった。
グレゴリス男爵家に対してもそうだが、寝返った準男爵の兄ダリックと姉エリーズにも思い知らせてやらねば。絶対に連中の思い通りにさせるものか。
スキルを貰った直後から生じる、使用禁止期間の三日間は既に過ぎているので、怪我が治ってからは思う存分その性能を試すことが可能になる。
また、ユニークスキルを貰ったことで一時期は塞ぎ込んでいたが、気持ちの切り替えも済んでいる。
【スライド】スキルには、俺が知らないだけで相手を滑らせること以外に、もっと違う効果もあるのかもしれないって。
見方を変えれば、母のユニークスキル【植物】のように、世界で一つしかないスキルなんだ。
そう考えると、無限の可能性があるように思えてくる。
「……」
俺はモラッドとともに、防壁が作られようとしている砂浜をしばらく見つめていた。
必ずや、あいつらからこの領地を守り切ってみせる。モンスターや海賊からも。
兄姉にも、寝返ったことを後悔させてみせる。
だから、父さん、母さん、どこかで俺たちのことを見守っていてほしい……。
俺のぼんやりとした視界と意識が、徐々に正常さを取り戻していく。
……どうやらそこは、小屋の中のようだった。俺はベッド上に横たわっている。
ここはどこにある小屋なんだ……? 少なくとも屋敷の中ではない。まったく見覚えのない場所だ。
六畳ほどの狭くも広くもない部屋。
自分がいるベッドに加え、タンス、椅子、テーブル、暖炉等、綺麗に清掃や整頓がされており、生活感に満ち溢れていた。
そういえば、兄のダリックと姉のエリーズが俺に面白いものを見せてやると言っていた。
それが、決して良い意味ではないのはわかっている。
ということは、まさか……俺はライバル貴族グレゴリスの手の者に捕まって、その家にいる可能性もあるってことか。
考えたくないことだが、最悪の状況も想定しないといけない。
ここは兄姉の手の者の家で、面白いものっていうのが拷問の類の恐れも十分にある。
現状だと俺は縛られてるわけでもなく自由に行動できるが、だからといって油断はできない。
一旦安心させておいて、そこから落として俺の反応を楽しもうっていう考えかもしれない。一刻も早くここから逃げ出さなければ……。
「ぐぐっ……」
俺は痛みを堪えながらも上体を起こす。
「お坊ちゃま、いけませんぞ。まだ治療中の身ゆえ、無理をしてはなりませぬ」
「あ……」
誰かが小屋へ入ってきたと思ったら、執事のモラッドだった。
「爺じゃないか……一体どうなってるんだ? ここはどこなんだ……?」
「ご安心ください。ここは隠れ家でございます」
「隠れ家だと?」
「はい。屋敷前でお坊ちゃまが倒れているところを発見し、山の隠れ家まで連れてきた所存でございます。以前より、何かあったときのためにと用意していたものです」
「そうだったのだな……」
「……スラン様、それよりもお守りすることができず、本当に申し訳ございません……」
モラッドが深々とひざまずくのを俺は慌てて制止する。
「おいおい、やめろって。モラッドは多忙なんだから仕方がない。それに、俺だってまさか兄姉からやられるなんて夢にも思わなかったんだから」
「いえ、もっと警戒するべきでした。まさか、既に内通していたとは……」
「そういえば、兄姉は準男爵として身の安全を保障されたって言ってたな」
「なるほど。やはり、疑ってこのような隠れ家を密かに用意しておいて正解でございました」
「ああ、確かにそうだな。他に変わったことはないか?」
「それが、兄姉がこの領地を譲ると宣言したことで、いずれはグレゴリス男爵家の領兵が草の根を分けてでも我々を捕まえに来る予定だとか」
「くっ……。もうそこまでやつらの計画は進行してたんだな……って、そうだ。父は?」
「……大変、申し辛いのですが、スラン様が意識を失っている間、既に旅立たれました……」
「なっ……」
俺は衝撃のあまり、しばらく言葉が出てこなかった。
「しかも、ベルク様が亡くなった日は、ちょうど奥方様の命日だったのです……」
「……」
これが運命の悪戯というやつか。
「ここにベルク様からの遺言状がございます。もし自分が亡くなったら、スラン様に読ませてほしいと承っていたものです。当然ながら、わたくしめはまだ拝見しておりません」
「おお……」
モラッドが懐からおもむろに取り出した書状を俺は受け取る。
この日付は……ちょうど俺がスキルを受け取るために王都に出発したときじゃないか。
「よし、内容を声に出して読んでみる」
「はっ」
「三子のスランは心根が優しく、芯がとてもしっかりしており、シードランド男爵家の家督を継ぐに相応しい。必ずやこの領地を守り切るであろう。スランが獲得したスキルがなんであろうとこの意思に変わりはない。ゆえに、モラッドはスランを命がけで守り抜くのだ」
「ベルク様……」
モラッドは伏せた目を赤くしていた。
◆◇◆
俺はモラッドに対し、とある頼みごとをした。
彼に体を支えられつつ、山中にある父の墓を参ることになったんだ。
その隣には母の墓もある。
この山というのは、母が【植物スキル】で豊かにした山だ。
母の命日には必ずここへ来ていたものだ。
兄姉も知らない場所だ。あいつらは実母とともに、妾という立場の母とその息子の俺を見下していたからな。兄姉の実母はというと、ライバル貴族と不倫してさっさといなくなったが。
それにしても、偶然にしてはできすぎている。まさか、母の命日に父が亡くなるとは。
もしかしたら、父がそれまで耐えた可能性もあるな。
数時間ほど歩いて、ようやく母の墓が見えてきた。
「あ、あれは……」
そこまで着き、両親に祈ろうとしたとき、衝撃的な光景が飛び込んできた。
ここからは、父と母との思い出の砂浜が見えるわけだが、そこに、防壁が作られようとしていたのだ。
こんなことができるような金はうちにはない。
「……つまり、あれか。既にグレゴリス男爵の手の者が作業に取りかかっていたということか」
「はい、おそらくそうかと。既に領地におり、兄姉の息がかかった者たちの仕業でしょう」
「うぬう……」
砂浜に防壁を作れば、海辺から来るモンスターや海賊をシャットダウンできる。
兄姉が俺に面白いものを見せたいと言っていたのはこれだったのか。
確かにこの方法であれば、連中にとっては何もかも上手くいく。長らく俺の領地を狙っていたのも納得だ。上手く考えたものだと感心させられた。
だが、その一方で大切な思い出を踏みにじられたようで、腸が煮えくり返る思いだった。
グレゴリス男爵家に対してもそうだが、寝返った準男爵の兄ダリックと姉エリーズにも思い知らせてやらねば。絶対に連中の思い通りにさせるものか。
スキルを貰った直後から生じる、使用禁止期間の三日間は既に過ぎているので、怪我が治ってからは思う存分その性能を試すことが可能になる。
また、ユニークスキルを貰ったことで一時期は塞ぎ込んでいたが、気持ちの切り替えも済んでいる。
【スライド】スキルには、俺が知らないだけで相手を滑らせること以外に、もっと違う効果もあるのかもしれないって。
見方を変えれば、母のユニークスキル【植物】のように、世界で一つしかないスキルなんだ。
そう考えると、無限の可能性があるように思えてくる。
「……」
俺はモラッドとともに、防壁が作られようとしている砂浜をしばらく見つめていた。
必ずや、あいつらからこの領地を守り切ってみせる。モンスターや海賊からも。
兄姉にも、寝返ったことを後悔させてみせる。
だから、父さん、母さん、どこかで俺たちのことを見守っていてほしい……。
194
お気に入りに追加
574
あなたにおすすめの小説

はずれスキル『本日一粒万倍日』で金も魔法も作物もなんでも一万倍 ~はぐれサラリーマンのスキル頼みな異世界満喫日記~
緋色優希
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて異世界へやってきたサラリーマン麦野一穂(むぎのかずほ)。得たスキルは屑(ランクレス)スキルの『本日一粒万倍日』。あまりの内容に爆笑され、同じように召喚に巻き込まれてきた連中にも馬鹿にされ、一人だけ何一つ持たされず荒城にそのまま置き去りにされた。ある物と言えば、水の樽といくらかの焼き締めパン。どうする事もできずに途方に暮れたが、スキルを唱えたら水樽が一万個に増えてしまった。また城で見つけた、たった一枚の銀貨も、なんと銀貨一万枚になった。どうやら、あれこれと一万倍にしてくれる不思議なスキルらしい。こんな世界で王様の助けもなく、たった一人どうやって生きたらいいのか。だが開き直った彼は『住めば都』とばかりに、スキル頼みでこの異世界での生活を思いっきり楽しむ事に決めたのだった。

異世界人生を楽しみたい そのためにも赤ん坊から努力する
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕の名前は朝霧 雷斗(アサギリ ライト)
前世の記憶を持ったまま僕は別の世界に転生した
生まれてからすぐに両親の持っていた本を読み魔法があることを学ぶ
魔力は筋力と同じ、訓練をすれば上達する
ということで努力していくことにしました
異世界召喚されたら無能と言われ追い出されました。~この世界は俺にとってイージーモードでした~
WING/空埼 裕@書籍発売中
ファンタジー
1~8巻好評発売中です!
※2022年7月12日に本編は完結しました。
◇ ◇ ◇
ある日突然、クラスまるごと異世界に勇者召喚された高校生、結城晴人。
ステータスを確認したところ、勇者に与えられる特典のギフトどころか、勇者の称号すらも無いことが判明する。
晴人たちを召喚した王女は「無能がいては足手纏いになる」と、彼のことを追い出してしまった。
しかも街を出て早々、王女が差し向けた騎士によって、晴人は殺されかける。
胸を刺され意識を失った彼は、気がつくと神様の前にいた。
そしてギフトを与え忘れたお詫びとして、望むスキルを作れるスキルをはじめとしたチート能力を手に入れるのであった──
ハードモードな異世界生活も、やりすぎなくらいスキルを作って一発逆転イージーモード!?
前代未聞の難易度激甘ファンタジー、開幕!

パーティのお荷物と言われて追放されたけど、豪運持ちの俺がいなくなって大丈夫?今更やり直そうと言われても、もふもふ系パーティを作ったから無理!
蒼衣翼
ファンタジー
今年十九歳になった冒険者ラキは、十四歳から既に五年、冒険者として活動している。
ところが、Sランクパーティとなった途端、さほど目立った活躍をしていないお荷物と言われて追放されてしまう。
しかしパーティがSランクに昇格出来たのは、ラキの豪運スキルのおかげだった。
強力なスキルの代償として、口外出来ないというマイナス効果があり、そのせいで、自己弁護の出来ないラキは、裏切られたショックで人間嫌いになってしまう。
そんな彼が出会ったのが、ケモノ族と蔑まれる、狼族の少女ユメだった。
一方、ラキの抜けたパーティはこんなはずでは……という出来事の連続で、崩壊して行くのであった。

集団転移した商社マン ネットスキルでスローライフしたいです!
七転び早起き
ファンタジー
「望む3つのスキルを付与してあげる」
その天使の言葉は善意からなのか?
異世界に転移する人達は何を選び、何を求めるのか?
そして主人公が○○○が欲しくて望んだスキルの1つがネットスキル。
ただし、その扱いが難しいものだった。
転移者の仲間達、そして新たに出会った仲間達と異世界を駆け巡る物語です。
基本は面白くですが、シリアスも顔を覗かせます。猫ミミ、孤児院、幼女など定番物が登場します。
○○○「これは私とのラブストーリーなの!」
主人公「いや、それは違うな」

劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。
勘当貴族なオレのクズギフトが強すぎる! ×ランクだと思ってたギフトは、オレだけ使える無敵の能力でした
赤白玉ゆずる
ファンタジー
【コミックス第1巻発売中です!】
皆様どうぞよろしくお願いいたします。
【10/23コミカライズ開始!】
『勘当貴族なオレのクズギフトが強すぎる!』のコミカライズが連載開始されました!
颯希先生が描いてくださるリュークやアニスたちが本当に素敵なので、是非ご覧になってくださいませ。
【第2巻が発売されました!】
今回も改稿や修正を頑張りましたので、皆様どうぞよろしくお願いいたします。
イラストは蓮禾先生が担当してくださいました。サクヤとポンタ超可愛いですよ。ゾンダールもシブカッコイイです!
素晴らしいイラストの数々が載っておりますので、是非見ていただけたら嬉しいです。
【ストーリー紹介】
幼い頃、孤児院から引き取られた主人公リュークは、養父となった侯爵から酷い扱いを受けていた。
そんなある日、リュークは『スマホ』という史上初の『Xランク』スキルを授かる。
養父は『Xランク』をただの『バツランク』だと馬鹿にし、リュークをきつくぶん殴ったうえ、親子の縁を切って家から追い出す。
だが本当は『Extraランク』という意味で、超絶ぶっちぎりの能力を持っていた。
『スマホ』の能力――それは鑑定、検索、マップ機能、動物の言葉が翻訳ができるほか、他人やモンスターの持つスキル・魔法などをコピーして取得が可能なうえ、写真に撮ったものを現物として出せたり、合成することで強力な魔導装備すら製作できる最凶のものだった。
貴族家から放り出されたリュークは、朱鷺色の髪をした天才美少女剣士アニスと出会う。
『剣姫』の二つ名を持つアニスは雲の上の存在だったが、『スマホ』の力でリュークは成り上がり、徐々にその関係は接近していく。
『スマホ』はリュークの成長とともにさらに進化し、最弱の男はいつしか世界最強の存在へ……。
どん底だった主人公が一発逆転する物語です。
※別小説『ぶっ壊れ錬金術師(チート・アルケミスト)はいつか本気を出してみたい 魔導と科学を極めたら異世界最強になったので、自由気ままに生きていきます』も書いてますので、そちらもどうぞよろしくお願いいたします。

うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生
野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。
普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。
そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。
そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。
そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。
うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。
いずれは王となるのも夢ではないかも!?
◇世界観的に命の価値は軽いです◇
カクヨムでも同タイトルで掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる