道具屋のおっさんが勇者パーティーにリンチされた結果、一日を繰り返すようになった件。

名無し

文字の大きさ
上 下
54 / 66

五十四話 道具屋のおっさん、愛称をつける。

しおりを挟む

 ミヤレスカをパーティーに入れたわけだが、一応こいつだけ透明化しておいた。吸盤カードで逃げられないようにしておくのも忘れない。

 これで俺の性奴隷はウサビッチのエレネ、ハメガキのリュリアに続いて3匹目だ。あとでミヤレスカにもぴったりな愛称を考えてやらないとな。しばらくエレネしかいなかったのが嘘のようで、最近は順調に増えつつある。さすがに戦士ライラは勘弁だが……。

 とにかくこれで戦力も充実するし、今後の楽しみも増える。というわけで早速駅に向かい、例の家族を凍らせて馬車に乗り込むと、武器屋『インフィニティ・ウェポン』に向かった。

 こう毎日同じことを繰り返してると刺激が欲しくなるもんだ。

「おいミヤレスカ、爺さんを脅せ。馬車を急がせるようにな」

「……へ。私がですか?」

「畜生のお前に相応しいだろう」

「そ、そんな……。私は上品な貴族の産まれでしてよ……」

「お前……またボコられたいのか?」

「あ、ごめんあそばせ、モルネト様っ……。わかりました。私にお任せを……」

 お、スイッチが入ったのかミヤレスカが豹変する。これは、道具屋で善人モルネトをいじめていたときの顔だ。オラ、ゾクゾクしてきたぞ……。やつの透明化を解除して見守ることに。

「あの、おじいさま……」

「は、はい、なんでしょう……」

「なんでしょう……ですって?」

「へ……?」

「まあぁ、なんて汚らわしい爺なんでしょう! 私が普通にあなたのようは下賤な者と会話すると思ったら大間違いですよおぉぉ!」

「あがががっ!」

 うわ、ミヤレスカのやつ、御者の耳をつまんで叫んだかと思うと、頭を靴で叩きやがった。痛そう……。

「もっと……もーっと急ぐのです! ヒールヒールヒールヒルヒルヒルヒルヒルヒルルヒールウゥウ!」

「あぎゃあぁぁっぁぁああぁああ!」

 壮絶だった。ミヤレスカの御者に対する容赦ない殴打とヒールの繰り返しで、馬車はこれ以上ないほど加速していたが、もう爺さんは気絶してしまっていた。まずい……。

 急いで爺さんの口にエリクサーを流し込む。どーせ一日経てばまた使えるしな。こいつには今までよくしてもらったし問題ない。

「う、あっ……!」

 お、すぐ回復した。というか御者の爺さん、目力が凄くて一気に10歳以上若返ったかのようだ。しかも勃起までしている。不能インポまで治したというのか。さすが神の薬……。

「――着きましたじゃあああぁぁっ!」

 もう着いたのかよ。はやっ……。



「あ、あのっ、モルネト様……」

「ん? どうしたミヤレスカ」

 武器屋内でオルグが帰ってくるのを待っていたわけだが、ミヤレスカがもじもじしながら俺にすり寄ってきた。

「エリクサー、まだあるのでしたら、是非……」

「……」

 まあこいつが欲しがるのもわかる。爺さん、ここに到着したあと鼻歌交じりに馬車を出してたからな。若返りの効果だけでなく、気分まで最高になる神の薬なのは目に見えてわかっただろうし……。

「よし、わかった。やろう」

「あ、ありがとうございますですっ……」

 本当はもうないんだが、実に面白いことを思い付いた。

「ほら、ミヤレスカ。俺が飲ませてやるから口を開けろ。あーん……」

「あーん……ゴクッゴク……うっ!?」

「「ププッ」」

 エレネとリュリアが口を押さえるのもわかる。ミヤレスカの表情の変化、凄く面白かった。

「吐き出したらボコボコだからな」

「ゴキュゴキュッ……ゲプッ……おぐぇ……」

 ミヤレスカのやつ、喉を押さえながら四つん這いになってて今にも吐きそうだ。

「もし吐いたら啜ってでも飲ませるからな」

「……うぐっ。は、はいですわ……あの、これ……本当にエリクサーなのでしょうか……」

「んなわけねえだろバカ。俺のくっさい△液だよ」

「……」

 ミヤレスカ、歪んだ顔のまま凍り付いたかのように動かなくなってしまった。俺が目の前で手を振っても一切反応しない。氷結剣なんて使ってないのに……。

 高貴な貴族の出身らしいし相当ショックだったんだな。まったく、けしからんやつだ。俺の性奴隷になるなら、むしろエリクサーよりこっちのほうを積極的に望むくらいになってもらわないと。実際、エレネはそうなってるしな。

 ……あ、そうだ。こいつの良い愛称、思いついた。てかもうつけてたな。エクストラクソブス、略してエクブスだ。
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

外れスキル【転送】が最強だった件

名無し
ファンタジー
三十路になってようやくダンジョン入場試験に合格したケイス。 意気揚々と冒険者登録所に向かうが、そこで貰ったのは【転送】という外れスキル。 失意の中で故郷へ帰ろうとしていた彼のもとに、超有名ギルドのマスターが訪れる。 そこからケイスの人生は目覚ましく変わっていくのだった……。

ゴミスキル【スコップ】が本当はチート級でした~無能だからと生き埋めにされたけど、どんな物でも発掘できる力でカフェを経営しながら敵を撃退する~

名無し
ファンタジー
鉱山で大きな宝石を掘り当てた主人公のセインは、仲間たちから用済みにされた挙句、生き埋めにされてしまう。なんとか脱出したところでモンスターに襲われて死にかけるが、隠居していた司祭様に助けられ、外れだと思われていたスキル【スコップ】にどんな物でも発掘できる効果があると知る。それから様々なものを発掘するうちにカフェを経営することになり、スキルで掘り出した個性的な仲間たちとともに、店を潰そうとしてくる元仲間たちを撃退していく。

外れスキル【削除&復元】が実は最強でした~色んなものを消して相手に押し付けたり自分のものにしたりする能力を得た少年の成り上がり~

名無し
ファンタジー
 突如パーティーから追放されてしまった主人公のカイン。彼のスキルは【削除&復元】といって、荷物係しかできない無能だと思われていたのだ。独りぼっちとなったカインは、ギルドで仲間を募るも意地悪な男にバカにされてしまうが、それがきっかけで頭痛や相手のスキルさえも削除できる力があると知る。カインは一流冒険者として名を馳せるという夢をかなえるべく、色んなものを削除、復元して自分ものにしていき、またたく間に最強の冒険者へと駆け上がっていくのだった……。

勇者パーティーを追放された召喚術師、美少女揃いのパーティーに拾われて鬼神の如く崇められる。

名無し
ファンタジー
 ある日、勇者パーティーを追放された召喚術師ディル。  彼の召喚術は途轍もなく強いが一風変わっていた。何が飛び出すかは蓋を開けてみないとわからないというガチャ的なもので、思わず脱力してしまうほど変なものを召喚することもあるため、仲間から舐められていたのである。  ディルは居場所を失っただけでなく、性格が狂暴だから追放されたことを記す貼り紙を勇者パーティーに公開されて苦境に立たされるが、とある底辺パーティーに拾われる。  そこは横暴なリーダーに捨てられたばかりのパーティーで、どんな仕打ちにも耐えられる自信があるという。ディルは自身が凶悪な人物だと勘違いされているのを上手く利用し、底辺パーティーとともに成り上がっていく。

ハズレスキル【分解】が超絶当たりだった件~仲間たちから捨てられたけど、拾ったゴミスキルを優良スキルに作り変えて何でも解決する~

名無し
ファンタジー
お前の代わりなんざいくらでもいる。パーティーリーダーからそう宣告され、あっさり捨てられた主人公フォード。彼のスキル【分解】は、所有物を瞬時にバラバラにして持ち運びやすくする程度の効果だと思われていたが、なんとスキルにも適用されるもので、【分解】したスキルなら幾らでも所有できるというチートスキルであった。捨てられているゴミスキルを【分解】することで有用なスキルに作り変えていくうち、彼はなんでも解決屋を開くことを思いつき、底辺冒険者から成り上がっていく。

固有スキルが【空欄】の不遇ソーサラー、死後に発覚した最強スキル【転生】で生まれ変わった分だけ強くなる

名無し
ファンタジー
相方を補佐するためにソーサラーになったクアゼル。 冒険者なら誰にでも一つだけあるはずの強力な固有スキルが唯一《空欄》の男だった。 味方に裏切られて死ぬも復活し、最強の固有スキル【転生】を持っていたことを知る。 死ぬたびにダンジョンで亡くなった者として転生し、一つしか持てないはずの固有スキルをどんどん追加しながら、ソーサラーのクアゼルは最強になり、自分を裏切った者達に復讐していく。

救助者ギルドから追放された俺は、ハズレだと思われていたスキル【思念収集】でやり返す

名無し
ファンタジー
 アセンドラの都で暮らす少年テッドは救助者ギルドに在籍しており、【思念収集】というスキルによって、ダンジョンで亡くなった冒険者の最期の思いを遺族に伝える仕事をしていた。  だが、ある日思わぬ冤罪をかけられ、幼馴染で親友だったはずのギルド長ライルによって除名を言い渡された挙句、最凶最悪と言われる異次元の監獄へと送り込まれてしまう。  それでも、幼馴染の少女シェリアとの面会をきっかけに、ハズレ認定されていた【思念収集】のスキルが本領を発揮する。喧嘩で最も強い者がここから出られることを知ったテッドは、最強の囚人王を目指すとともに、自分を陥れた者たちへの復讐を誓うのであった……。

転移術士の成り上がり

名無し
ファンタジー
 ベテランの転移術士であるシギルは、自分のパーティーをダンジョンから地上に無事帰還させる日々に至上の喜びを得ていた。ところが、あることがきっかけでメンバーから無能の烙印を押され、脱退を迫られる形になる。それがのちに陰謀だと知ったシギルは激怒し、パーティーに対する復讐計画を練って実行に移すことになるのだった。

処理中です...