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五十四話 道具屋のおっさん、愛称をつける。
しおりを挟むミヤレスカをパーティーに入れたわけだが、一応こいつだけ透明化しておいた。吸盤カードで逃げられないようにしておくのも忘れない。
これで俺の性奴隷はウサビッチのエレネ、ハメガキのリュリアに続いて3匹目だ。あとでミヤレスカにもぴったりな愛称を考えてやらないとな。しばらくエレネしかいなかったのが嘘のようで、最近は順調に増えつつある。さすがに戦士ライラは勘弁だが……。
とにかくこれで戦力も充実するし、今後の楽しみも増える。というわけで早速駅に向かい、例の家族を凍らせて馬車に乗り込むと、武器屋『インフィニティ・ウェポン』に向かった。
こう毎日同じことを繰り返してると刺激が欲しくなるもんだ。
「おいミヤレスカ、爺さんを脅せ。馬車を急がせるようにな」
「……へ。私がですか?」
「畜生のお前に相応しいだろう」
「そ、そんな……。私は上品な貴族の産まれでしてよ……」
「お前……またボコられたいのか?」
「あ、ごめんあそばせ、モルネト様っ……。わかりました。私にお任せを……」
お、スイッチが入ったのかミヤレスカが豹変する。これは、道具屋で善人モルネトをいじめていたときの顔だ。オラ、ゾクゾクしてきたぞ……。やつの透明化を解除して見守ることに。
「あの、おじいさま……」
「は、はい、なんでしょう……」
「なんでしょう……ですって?」
「へ……?」
「まあぁ、なんて汚らわしい爺なんでしょう! 私が普通にあなたのようは下賤な者と会話すると思ったら大間違いですよおぉぉ!」
「あがががっ!」
うわ、ミヤレスカのやつ、御者の耳をつまんで叫んだかと思うと、頭を靴で叩きやがった。痛そう……。
「もっと……もーっと急ぐのです! ヒールヒールヒールヒルヒルヒルヒルヒルヒルルヒールウゥウ!」
「あぎゃあぁぁっぁぁああぁああ!」
壮絶だった。ミヤレスカの御者に対する容赦ない殴打とヒールの繰り返しで、馬車はこれ以上ないほど加速していたが、もう爺さんは気絶してしまっていた。まずい……。
急いで爺さんの口にエリクサーを流し込む。どーせ一日経てばまた使えるしな。こいつには今までよくしてもらったし問題ない。
「う、あっ……!」
お、すぐ回復した。というか御者の爺さん、目力が凄くて一気に10歳以上若返ったかのようだ。しかも勃起までしている。不能まで治したというのか。さすが神の薬……。
「――着きましたじゃあああぁぁっ!」
もう着いたのかよ。はやっ……。
「あ、あのっ、モルネト様……」
「ん? どうしたミヤレスカ」
武器屋内でオルグが帰ってくるのを待っていたわけだが、ミヤレスカがもじもじしながら俺にすり寄ってきた。
「エリクサー、まだあるのでしたら、是非……」
「……」
まあこいつが欲しがるのもわかる。爺さん、ここに到着したあと鼻歌交じりに馬車を出してたからな。若返りの効果だけでなく、気分まで最高になる神の薬なのは目に見えてわかっただろうし……。
「よし、わかった。やろう」
「あ、ありがとうございますですっ……」
本当はもうないんだが、実に面白いことを思い付いた。
「ほら、ミヤレスカ。俺が飲ませてやるから口を開けろ。あーん……」
「あーん……ゴクッゴク……うっ!?」
「「ププッ」」
エレネとリュリアが口を押さえるのもわかる。ミヤレスカの表情の変化、凄く面白かった。
「吐き出したらボコボコだからな」
「ゴキュゴキュッ……ゲプッ……おぐぇ……」
ミヤレスカのやつ、喉を押さえながら四つん這いになってて今にも吐きそうだ。
「もし吐いたら啜ってでも飲ませるからな」
「……うぐっ。は、はいですわ……あの、これ……本当にエリクサーなのでしょうか……」
「んなわけねえだろバカ。俺のくっさい△液だよ」
「……」
ミヤレスカ、歪んだ顔のまま凍り付いたかのように動かなくなってしまった。俺が目の前で手を振っても一切反応しない。氷結剣なんて使ってないのに……。
高貴な貴族の出身らしいし相当ショックだったんだな。まったく、けしからんやつだ。俺の性奴隷になるなら、むしろエリクサーよりこっちのほうを積極的に望むくらいになってもらわないと。実際、エレネはそうなってるしな。
……あ、そうだ。こいつの良い愛称、思いついた。てかもうつけてたな。エクストラクソブス、略してエクブスだ。
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