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聞こえん
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「リリリって音だよ」
「電話みたいな?」
「いやぁ、どっちかって言うと鈴に近い。」
もう初夏もこえるころ、夏なので夜になると虫が鳴き始める。彼女の補聴器だとあまり綺麗に音が拾えないらしく
ただ今 圭からどんな音かを聞いているところだ。
彼女は相槌を打ちながらイメージを膨らませているのがわかる。
僕の耳には彼女が想像した鳴き声が絶えず聞こえてくるからだ。
いずれにしろ楽器のような綺麗な音である。
木管楽器でもなく金管楽器でもない彼女の音を僕は楽しんでいた。
この二日間、いろんな人に助けられたなと思う。
不器用なりにだが自分に関わるもの全てを愛することができる圭。
本心を隠しているが好きなものは好きと言えるマイ。
欠損があってもポジティブに考えて明るい方へと進むホノカ。
与えられたものがあると信じて自分の道を突き進んだ修也さん。
なによりも自分を大事にした大将。
みんな表向きには血の繋がりのない赤の他人だ。
けどここまでくると他人とは思えない。みんな僕の大事な人間だ。
「あー、なんて言えばいいのかなぁ?俺には声に聞こえるからなぁ」
「なんて言ってんのよ」
「『女がいない』だってさ」
「なにそれ?」
「知らなかったのか?ああ言う虫はメスを呼ぶために鳴いているんだぜ。正確には鳴くじゃなくて鳴らすだけど」
「なんかもう、流石だね」
「だろう?」
「自分で言うなバカ」
学校でもこのグループで集まるのだろう。けど周りは多分意外としか言えないようなメンバーに違いない。
それでよくないか?
みんな予想外であるからこそみんなは訳を知りたがる。どうやって仲良くなったかを知りたがる。
そして話すうちに仲良くなる。
そんな経由で友達ってできる…いやできていたんだなぁって思った。
「明日になったら帰らないとね」
「あ、そうだ。ルークになんか買って行かないといけないね」
「それは知らん。けどあっという間だったのは事実ね」
「またこればいいじゃん」
今までがなごりおしい。
僕らは縁側にみんなで座り冷蔵庫からとったアイスを頬張る。
「このラムネ味がたまんないねぇ」
「あー、マジで明日になって欲しくないわ」
「けどお昼まではここだよ?」
「なにしようか?」
「明日はここらをのんびり探索しようぜ」
「見ていない絶景スポットがあるかもしれないからね」
アイスも食べ終わり僕はトイレに行く。
用を足してから出るとホノカに出会った。
「ヒカル君、ちょっといいかな」
なんかこの二日間夜になると女子が僕に頼ってくる。ちょっと嬉しいのは内緒。
僕は彼女と縁側に座った。
「やっと鳴き声がわかったんだ」
「さっきの虫の?」
「そう、さっきの」
「圭が教えてくれたんだろ?」
「そうだね、身振り手振りで。あれだったら英語できなくても外国行ったらなにかと楽しめそうだよね」
「あいつのノリは親しみやすいからな」
こうやって2人でゆっくり話したのもあの日以来だ。
「私のお母さんね、目が見えなかったの」
ホノカは少し微笑みながら話してくれる。目が見えない母親を持っていたのか。その分耳が聞こえないなんて皮肉
のような体だった。
「お母さん、父さんの話を聞いて必死に想像するんだ。美術館に行ったときは特に。私と手を繋ぎながら想像を膨らませてる。『こんな綺麗な絵なんだろうな』って」
目を瞑り娘と手を繋ぎながら愛する夫の言葉で絵を描いて行く。目が見えないなりにそれは彼女の母の幸せだったのかもしれない。
「さっきの圭君が私のお父さんに見えちゃってね」
「あんな感じだったんだ」
「うん、私もいっしょに教えていたんだ。父さんとね」
世間は彼女とその母を五体不満足と表現するのだろう。しかし彼女らにとってはたとえ耳が聞こえなくても
目が見えなくても五体満足であった。
「私の顔を見たことはないけれど毎日『ホノカが一番かわいい』って撫でてもらったよ。お出かけするときは私が先導で母さんをエスコートしてた」
「いいお母さんだったんだね」
「私は幸せだなって思うの。私を愛してくれてる母さんが2人もいるなんて」
彼女は血の繋がりはないが僕らの家にきたことを何にも恥じてはいない。むしろ誇りに思ってる。
僕はというと毎日他人にビクビクして過ごしていて最終的には不登校。それが僕の末路だったはずだが僕は彼女に救われた。いや救ってくれた。あの夕日を思い出す。僕が振り返った時、彼女が夕日に照らされながらもずっと手を振っていた時のこと。
「けどもうこれが最後でしょうね」
ホノカは俯いて小さく呟いた。
「ホノカ……?」
僕は彼女の変わりように異変を感じる。なにがあった?
「まだ圭君達には言ってほしくないけど、私多分もうなにもないの。この機械もただのイヤホンになるの」
機械って補聴器だよな?それがイヤホンになる?もしかして……
「聞こえなくなって来てるのよ」
唇を震わせて彼女は打ち明けた。
「今の時点で細かい音が聞こえないの……」
「え?」
「声なら聞こえる、けど虫の鳴き声とか床がギシギシなる音とかそういうのはもう聞こえないの……私……何にも無いものになるの?」
一瞬あの時の兄ちゃんと像が被った。このすがりたい顔は……このか弱い声はあの時の兄ちゃんそのものだった。
「ホノカ……」
「いいの、もう…」
彼女は去って言った。僕は彼女の背中をずっと見ていた。
初めてあった時よりも、学校の中よりも、ここに来てる時よりも、とっても小さな背中だった。
ここにいては仕方がないので僕は布団に潜り込む。彼女とは隣じゃなくてよかった。
もう彼女は寝てしまっていた。
僕は……バカだ……!
どうしてすがっていたのに返事ができなかった!
どうして悲しい表情をしている彼女に優しい言葉をかけられなかった!
どうして……身体が……動かなかった…?
考えれば考えるたびに込み上げてくる後悔と不甲斐なさ。これじゃあ兄ちゃんの時から全く進歩していない。
この二日で学ぶべきものは学んだんじゃないのか?
人が好きになったんじゃないのか?
半端な理想を描いてもなにも起こらない。ただ冷たい金属のような重く苦しい現実があるのみだった。
みんなに見えないように涙を流す。
家で泣いた時とは違う潤った涙だった。
「おい、起きろよ」
気がつけば朝だった。またがる形で圭が俺を揺さぶっている。
「んぁ?朝?」
「おう、ちょっとこいよ。女どもは今朝食作りだ」
僕は縁側に連れていかれた。その縁側は昨日ホノカと話した時の縁側だ。
「お前昨日泣いてただろ?」
驚きもしなかった。ただばれたかという冷静な気持ち。
「なにがあった?言ってみろ」
「言ってなにになるんだよ」
「聞いてやるから、言ってごらん」
圭の優しい声で幾分か気持ちが楽になる。
僕は昨日のことを話す。
「本当か?」
「うん、ホノカは近いうちに完全に聞こえなくなる」
俺の声も聞こえなくなるのか?」
「何にも聞こえなくなるよ。僕はそんな彼女になにもしてあげることができなかった。あんなにすがっていたのに…」
あの時のホノカの顔がフラッシュバックする。
「私…何にもないものになるの?」
「お前はすごいよな、たった1人でよくそんな思いを背負えるもんだ」
「急になんだよ」
「彼女に一番近い存在は俺でもマイでもない。お前だろ」
「そうだけど…」
「お前にしかできないことが必ずある。それを肝に銘じておけよ」
圭は居間に向かった。
僕にしかできないこと?僕だけが彼女にあげられるものってあるのか?
あるとしたらなんだろう?
僕は居間に向かう。
足は抵抗している。
今日は重い日になりそうだ。
「電話みたいな?」
「いやぁ、どっちかって言うと鈴に近い。」
もう初夏もこえるころ、夏なので夜になると虫が鳴き始める。彼女の補聴器だとあまり綺麗に音が拾えないらしく
ただ今 圭からどんな音かを聞いているところだ。
彼女は相槌を打ちながらイメージを膨らませているのがわかる。
僕の耳には彼女が想像した鳴き声が絶えず聞こえてくるからだ。
いずれにしろ楽器のような綺麗な音である。
木管楽器でもなく金管楽器でもない彼女の音を僕は楽しんでいた。
この二日間、いろんな人に助けられたなと思う。
不器用なりにだが自分に関わるもの全てを愛することができる圭。
本心を隠しているが好きなものは好きと言えるマイ。
欠損があってもポジティブに考えて明るい方へと進むホノカ。
与えられたものがあると信じて自分の道を突き進んだ修也さん。
なによりも自分を大事にした大将。
みんな表向きには血の繋がりのない赤の他人だ。
けどここまでくると他人とは思えない。みんな僕の大事な人間だ。
「あー、なんて言えばいいのかなぁ?俺には声に聞こえるからなぁ」
「なんて言ってんのよ」
「『女がいない』だってさ」
「なにそれ?」
「知らなかったのか?ああ言う虫はメスを呼ぶために鳴いているんだぜ。正確には鳴くじゃなくて鳴らすだけど」
「なんかもう、流石だね」
「だろう?」
「自分で言うなバカ」
学校でもこのグループで集まるのだろう。けど周りは多分意外としか言えないようなメンバーに違いない。
それでよくないか?
みんな予想外であるからこそみんなは訳を知りたがる。どうやって仲良くなったかを知りたがる。
そして話すうちに仲良くなる。
そんな経由で友達ってできる…いやできていたんだなぁって思った。
「明日になったら帰らないとね」
「あ、そうだ。ルークになんか買って行かないといけないね」
「それは知らん。けどあっという間だったのは事実ね」
「またこればいいじゃん」
今までがなごりおしい。
僕らは縁側にみんなで座り冷蔵庫からとったアイスを頬張る。
「このラムネ味がたまんないねぇ」
「あー、マジで明日になって欲しくないわ」
「けどお昼まではここだよ?」
「なにしようか?」
「明日はここらをのんびり探索しようぜ」
「見ていない絶景スポットがあるかもしれないからね」
アイスも食べ終わり僕はトイレに行く。
用を足してから出るとホノカに出会った。
「ヒカル君、ちょっといいかな」
なんかこの二日間夜になると女子が僕に頼ってくる。ちょっと嬉しいのは内緒。
僕は彼女と縁側に座った。
「やっと鳴き声がわかったんだ」
「さっきの虫の?」
「そう、さっきの」
「圭が教えてくれたんだろ?」
「そうだね、身振り手振りで。あれだったら英語できなくても外国行ったらなにかと楽しめそうだよね」
「あいつのノリは親しみやすいからな」
こうやって2人でゆっくり話したのもあの日以来だ。
「私のお母さんね、目が見えなかったの」
ホノカは少し微笑みながら話してくれる。目が見えない母親を持っていたのか。その分耳が聞こえないなんて皮肉
のような体だった。
「お母さん、父さんの話を聞いて必死に想像するんだ。美術館に行ったときは特に。私と手を繋ぎながら想像を膨らませてる。『こんな綺麗な絵なんだろうな』って」
目を瞑り娘と手を繋ぎながら愛する夫の言葉で絵を描いて行く。目が見えないなりにそれは彼女の母の幸せだったのかもしれない。
「さっきの圭君が私のお父さんに見えちゃってね」
「あんな感じだったんだ」
「うん、私もいっしょに教えていたんだ。父さんとね」
世間は彼女とその母を五体不満足と表現するのだろう。しかし彼女らにとってはたとえ耳が聞こえなくても
目が見えなくても五体満足であった。
「私の顔を見たことはないけれど毎日『ホノカが一番かわいい』って撫でてもらったよ。お出かけするときは私が先導で母さんをエスコートしてた」
「いいお母さんだったんだね」
「私は幸せだなって思うの。私を愛してくれてる母さんが2人もいるなんて」
彼女は血の繋がりはないが僕らの家にきたことを何にも恥じてはいない。むしろ誇りに思ってる。
僕はというと毎日他人にビクビクして過ごしていて最終的には不登校。それが僕の末路だったはずだが僕は彼女に救われた。いや救ってくれた。あの夕日を思い出す。僕が振り返った時、彼女が夕日に照らされながらもずっと手を振っていた時のこと。
「けどもうこれが最後でしょうね」
ホノカは俯いて小さく呟いた。
「ホノカ……?」
僕は彼女の変わりように異変を感じる。なにがあった?
「まだ圭君達には言ってほしくないけど、私多分もうなにもないの。この機械もただのイヤホンになるの」
機械って補聴器だよな?それがイヤホンになる?もしかして……
「聞こえなくなって来てるのよ」
唇を震わせて彼女は打ち明けた。
「今の時点で細かい音が聞こえないの……」
「え?」
「声なら聞こえる、けど虫の鳴き声とか床がギシギシなる音とかそういうのはもう聞こえないの……私……何にも無いものになるの?」
一瞬あの時の兄ちゃんと像が被った。このすがりたい顔は……このか弱い声はあの時の兄ちゃんそのものだった。
「ホノカ……」
「いいの、もう…」
彼女は去って言った。僕は彼女の背中をずっと見ていた。
初めてあった時よりも、学校の中よりも、ここに来てる時よりも、とっても小さな背中だった。
ここにいては仕方がないので僕は布団に潜り込む。彼女とは隣じゃなくてよかった。
もう彼女は寝てしまっていた。
僕は……バカだ……!
どうしてすがっていたのに返事ができなかった!
どうして悲しい表情をしている彼女に優しい言葉をかけられなかった!
どうして……身体が……動かなかった…?
考えれば考えるたびに込み上げてくる後悔と不甲斐なさ。これじゃあ兄ちゃんの時から全く進歩していない。
この二日で学ぶべきものは学んだんじゃないのか?
人が好きになったんじゃないのか?
半端な理想を描いてもなにも起こらない。ただ冷たい金属のような重く苦しい現実があるのみだった。
みんなに見えないように涙を流す。
家で泣いた時とは違う潤った涙だった。
「おい、起きろよ」
気がつけば朝だった。またがる形で圭が俺を揺さぶっている。
「んぁ?朝?」
「おう、ちょっとこいよ。女どもは今朝食作りだ」
僕は縁側に連れていかれた。その縁側は昨日ホノカと話した時の縁側だ。
「お前昨日泣いてただろ?」
驚きもしなかった。ただばれたかという冷静な気持ち。
「なにがあった?言ってみろ」
「言ってなにになるんだよ」
「聞いてやるから、言ってごらん」
圭の優しい声で幾分か気持ちが楽になる。
僕は昨日のことを話す。
「本当か?」
「うん、ホノカは近いうちに完全に聞こえなくなる」
俺の声も聞こえなくなるのか?」
「何にも聞こえなくなるよ。僕はそんな彼女になにもしてあげることができなかった。あんなにすがっていたのに…」
あの時のホノカの顔がフラッシュバックする。
「私…何にもないものになるの?」
「お前はすごいよな、たった1人でよくそんな思いを背負えるもんだ」
「急になんだよ」
「彼女に一番近い存在は俺でもマイでもない。お前だろ」
「そうだけど…」
「お前にしかできないことが必ずある。それを肝に銘じておけよ」
圭は居間に向かった。
僕にしかできないこと?僕だけが彼女にあげられるものってあるのか?
あるとしたらなんだろう?
僕は居間に向かう。
足は抵抗している。
今日は重い日になりそうだ。
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