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番外編
その後 リアナから見た兄夫婦
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リアナが城内を歩いていると、廊下で珍しく突っ立っている兄を見つけた。
何をしているのだろう?
と近づきながら観察してみると、じっと自分の手元を見下ろしていた。
「どうしたの? お兄様」
「ああ、リアナ」
声をかけて、シモンの指に指輪があることに気付いた。
エメラルドの、見覚えのないものだ。
そもそも彼は装飾品をあまり身に付けないので、珍しい。
リアナの視線に気付いたのか、シモンが笑みを深くした。
「これか。エステファニア様がくださったんだ」
「へえ……」
大人になってからはあまり見ていなかった嬉しそうな顔をしているので、リアナはなんだか恥ずかしくなった。
彼がエステファニアに一目惚れをしたと言い放ったときには信じられなかったが、その後の様子を見ていれば、兄が本当に彼女に惚れ込んでいることは嫌というほど伝わってきた。
シモンは家族や特別付き合いの長い侍従と、それ以外にはまったく態度が違う。
そしてエステファニアへの態度は一見その他の人々と同じように見えるのだが、やはりリアナから見れば、違うことが分かった。
シモンは元々性格があまり良くないし、言葉遣いも悪い。
けれど普段は王子としての品のある振る舞いをしていて、エステファニアに対してもそうだったので、無理をしているなあと最初は思ったのだ。
けれど彼の言っていたとおり、あれは無理をしているのではなく、彼女を好きであるがゆえに、自然とそういう態度になっているらしい。
他の人と接するときには王子らしさを徹底していて兄の感情を感じ取れることがほとんどないのだが、逆にエステファニアといるときの彼は、覆い隠せていない感情が溢れているのだ。
王族の男は、妻が相手できないときや、なかなか子供ができないときのために側室を囲っておくこともよくあった。
それは父の若い頃もそうだったし、シモンにも結婚当初はいた。
その女性たちもみな赤い髪に緑の目なので、よっぽどエステファニアが好みなのだなあと思ったものだ。
だが彼女たちもエステファニアが出産する頃にはもう城からいなくなっていて、シモンも以前に増して幸せそうなので、よほど彼女を愛しているのだな、と母とも話していた。
昔から女に興味がなさそうで、果たして人を愛することがあるのだろうかと思っていた兄にそういう相手ができて、素直に良かったと思う。
あの兄が見た目だけの女に惚れ込むなんて、と不満を持っていた時期もあるのだが、今はもう、彼女はそうではないことも分かっている。
エステファニアの初対面の印象が悪かったし、未だに茶会に現れもしない彼女に付き合いづらいなあとは思うけれど、彼女はやはり王太子妃として公の場では完璧に振舞っていた。
にこやかに貴族や他国の要人の相手をして、難しい話しについていっている彼女を見ていると、シモンと同じタイプなのかもしれないと思ったのだ。
プライベートと公をきっちりと分けていて、自分の立場に相応しい振る舞いに全力なのだろう、と。
だから、どうしても初めのやり取りで苦手意識があったのであまり話しかけることはなかったものの、時折兄と義姉がふたりで穏やかに過ごしている姿を見たときは純粋に微笑ましく思えたし、戦場に行く兄を見送る彼女はいつもの澄ました表情が崩れていて、それだけ兄のことを想っているのだと嬉しくなった。
「よかったわね。お義姉様の瞳の色みたいで、綺麗」
「やっぱり、そう思うよな」
リアナが指輪の感想を言うと、シモンは分かり易く弾んだ声を上げた。
王太子――というよりも、まるで恋する令嬢のような反応に笑ってしまう。
「お守りにくださったんだ。自分ばかり俺の色を身につけているから、と」
「へえ、なんだか意外。結構情熱的なのね」
瞳や髪と同じ色を恋人や配偶者に身に着けてもらうというのは、よくある話だ。
それを贈って身に着けられることが、仲が良いことのアピールにもなる。
あの美貌だしあまり人に興味がなさそうなので、こう周りにアピールするタイプではないと思っていたのだが……まあ兄はモテるし、やっぱり少しは心配するのだろうか。
甘ったるい顔をする兄を微笑ましく思っていると、彼はふと眉を寄せた。
「……そういえばリアナ。アドリアン王子とお会いする準備は進んでいるのか」
「っ……え、ええ……」
ぎくりとしながら、頷いた。
魔石のことが公になってから、リアナへの縁談が来るようになった。
どこの国も、ロブレとの繋がりをつくりたいのだろう。
アドリアン王子はそのうちの一人で、今度顔合わせに来ることになったのだ。
わざわざ会うということは、リアナの嫁ぎ先の有力候補である。
以前ロブレが属していた大国の更に西にある、大きな島国だ。あそこと縁ができれば、ロブレによるここ一帯の統一の大きな助けになるだろう。
島国ということで大陸とはまた少し違う文化が発展しているというので、今はその勉強中だった。
王子は姿絵を見た感じは結構かっこよかったが、やはり顔立ちや服装が少し変わっていて、期待よりも緊張が勝っている。
「くれぐれも、失礼のないようにな」
「分かってるわよ」
心配してくれているのは分かるのだが、信頼されていないようでむすっと返事してしまった。
シモンはそんなリアナの態度にも慣れているので特に何も言わず、廊下を歩いていった。
リアナはふうと息をついて、重い足を城内の衣装部屋に向けて動かした。
今日は、アドリアン王子と会うときのドレスを決めることになっているのだ。
衣装部屋に入り、城に保管されている、自分に合うサイズのドレスを見ていく。
「どういったものにしましょう?」
「……とりあえず、落ち着いたものにしましょう」
エステファニアに怒られた時のことを思い出して、侍女と話しながら、とりあえず失礼のなさそうなものを探す。
無難なドレスをピックアップしていくが、まったく心が弾まない。
こんなかわいくない、自分に合わないようなドレスを着たところで、失礼はなくとも、好感も持ってもらえないのではないだろうか。
そうしていると、侍女がリアナの後ろを見てはっと息を呑んだ。
振り返ると、エステファニアが衣装部屋に入ってきたところだった。
今日は白と深い青色のドレスを着ていて、彼女の周りだけ光を重ねて当てられているように輝いて見える。
背筋を伸ばしてゆったりと歩く姿は、幾人もの高貴な令嬢を見てきたこの部屋の人々にも感嘆の息を吐かせた。
エステファニアはリアナに気付くと軽い挨拶の礼をして、彼女のサイズのドレスのある方へ行ってしまった。
歳は同じだけれど、彼女の方が背丈も胸もあるのだ。
リアナは気を取り直してドレスに向き直ったが、どうしても彼女に選んでもらったら良いのではないかという考えが邪魔をした。
きっと彼女なら、相手の国の歴史やマナーを学ぶのでいっぱいいっぱいの自分よりも、知識があるのではないかと思ったのだ。
向こうの人にも好印象も持たれるような、かわいいドレスを見つけてくれるのではないかと。
けれど初対面のときを思い出して、正直怖かった。
いやでも、兄を送り出す時なんかは声をかけても意外と素直だったし、いけるかもしれない。
ルイスのこともあって、最近はたまーに話すこともあるし。
リアナは深呼吸をして、エステファニアに近づいた。
「あの……お義姉様」
「なにかしら?」
振り返ったエステファニアのかんばせを直視して、さらに緊張してしまった。
あの兄が一目惚れしただけあって、ほんとうに美人である。
「あの……今度、アドリアン王子とお会いするときのドレスなんですけれど……一緒に選んでもらえないでしょうか? その、どれが良いのか分からなくて……」
「あら。いいですわよ。随分と成長したのね」
言外に自分のときはそうじゃなかったのにと言われて、そんなことわざわざ言わなくても良いじゃないとは思ったけど、ぐっと黙った。
自分が悪いし、面と向かって文句を言う度胸はリアナになかった。あとで母に愚痴ろう。
エステファニアはリアナのサイズのところに来ると、ドレスを見て回った。
「シモンもアドリアン王子には期待しているとおっしゃってましたし……このくらいアピールしても良いんじゃないかしら。あちらは王族それぞれに装飾品の色が決まっていて……アドリアン王子は青だったはずよ。水色はいないから」
エステファニアは水色に、青いリボンや花の飾りがついたドレスを侍女にとらせた。
飾りはどれも小ぶりでしつこくなく、リアナとしては物足りないけれど、ちゃんとかわいいと思う。
「青じゃなくて良いの?」
「青メインだとやりすぎね。まだ婚約が決まってるわけではないし……あくまでこちらが選ぶ立場だから、期待させすぎるのも良くないわ」
「なるほど……ありがとうございます」
「いいえ」
歳は同じなのに、本当に姉のようだ。
そう思いながらエステファニアを見上げると、アメシストのイヤリングに気づいた。
兄の瞳の色に似ている。
ついニヤついていると、エステファニアは不快そうに眉を寄せた。
「なにかしら?」
「いえ……兄もさっきエメラルドの指輪をつけていて……仲が良いんだなって」
「ちがっ……ああ、いえ……」
リアナの目線もあって、何のことを言われたのか分かったのだろう。
エステファニアは指先で耳に触れて、顔を赤くして目を逸らした。
その仕草と顔がかわいくて、ふふ、と笑みが溢れる。
「最初ちょっと心配してたんで、良かったです。どうかこれからも、兄をよろしくお願いします」
「…………ええ」
小さく頷いたエステファニアは、笑いながらもどこか困ったような顔をしていた。
リアナはふと昔、父が戦地に行く時に妻と離れたくないとぼやき、そんな彼をしょうがないわねぇ、と呆れながらも嬉しそうに笑っていた母の姿を思い出した。
何をしているのだろう?
と近づきながら観察してみると、じっと自分の手元を見下ろしていた。
「どうしたの? お兄様」
「ああ、リアナ」
声をかけて、シモンの指に指輪があることに気付いた。
エメラルドの、見覚えのないものだ。
そもそも彼は装飾品をあまり身に付けないので、珍しい。
リアナの視線に気付いたのか、シモンが笑みを深くした。
「これか。エステファニア様がくださったんだ」
「へえ……」
大人になってからはあまり見ていなかった嬉しそうな顔をしているので、リアナはなんだか恥ずかしくなった。
彼がエステファニアに一目惚れをしたと言い放ったときには信じられなかったが、その後の様子を見ていれば、兄が本当に彼女に惚れ込んでいることは嫌というほど伝わってきた。
シモンは家族や特別付き合いの長い侍従と、それ以外にはまったく態度が違う。
そしてエステファニアへの態度は一見その他の人々と同じように見えるのだが、やはりリアナから見れば、違うことが分かった。
シモンは元々性格があまり良くないし、言葉遣いも悪い。
けれど普段は王子としての品のある振る舞いをしていて、エステファニアに対してもそうだったので、無理をしているなあと最初は思ったのだ。
けれど彼の言っていたとおり、あれは無理をしているのではなく、彼女を好きであるがゆえに、自然とそういう態度になっているらしい。
他の人と接するときには王子らしさを徹底していて兄の感情を感じ取れることがほとんどないのだが、逆にエステファニアといるときの彼は、覆い隠せていない感情が溢れているのだ。
王族の男は、妻が相手できないときや、なかなか子供ができないときのために側室を囲っておくこともよくあった。
それは父の若い頃もそうだったし、シモンにも結婚当初はいた。
その女性たちもみな赤い髪に緑の目なので、よっぽどエステファニアが好みなのだなあと思ったものだ。
だが彼女たちもエステファニアが出産する頃にはもう城からいなくなっていて、シモンも以前に増して幸せそうなので、よほど彼女を愛しているのだな、と母とも話していた。
昔から女に興味がなさそうで、果たして人を愛することがあるのだろうかと思っていた兄にそういう相手ができて、素直に良かったと思う。
あの兄が見た目だけの女に惚れ込むなんて、と不満を持っていた時期もあるのだが、今はもう、彼女はそうではないことも分かっている。
エステファニアの初対面の印象が悪かったし、未だに茶会に現れもしない彼女に付き合いづらいなあとは思うけれど、彼女はやはり王太子妃として公の場では完璧に振舞っていた。
にこやかに貴族や他国の要人の相手をして、難しい話しについていっている彼女を見ていると、シモンと同じタイプなのかもしれないと思ったのだ。
プライベートと公をきっちりと分けていて、自分の立場に相応しい振る舞いに全力なのだろう、と。
だから、どうしても初めのやり取りで苦手意識があったのであまり話しかけることはなかったものの、時折兄と義姉がふたりで穏やかに過ごしている姿を見たときは純粋に微笑ましく思えたし、戦場に行く兄を見送る彼女はいつもの澄ました表情が崩れていて、それだけ兄のことを想っているのだと嬉しくなった。
「よかったわね。お義姉様の瞳の色みたいで、綺麗」
「やっぱり、そう思うよな」
リアナが指輪の感想を言うと、シモンは分かり易く弾んだ声を上げた。
王太子――というよりも、まるで恋する令嬢のような反応に笑ってしまう。
「お守りにくださったんだ。自分ばかり俺の色を身につけているから、と」
「へえ、なんだか意外。結構情熱的なのね」
瞳や髪と同じ色を恋人や配偶者に身に着けてもらうというのは、よくある話だ。
それを贈って身に着けられることが、仲が良いことのアピールにもなる。
あの美貌だしあまり人に興味がなさそうなので、こう周りにアピールするタイプではないと思っていたのだが……まあ兄はモテるし、やっぱり少しは心配するのだろうか。
甘ったるい顔をする兄を微笑ましく思っていると、彼はふと眉を寄せた。
「……そういえばリアナ。アドリアン王子とお会いする準備は進んでいるのか」
「っ……え、ええ……」
ぎくりとしながら、頷いた。
魔石のことが公になってから、リアナへの縁談が来るようになった。
どこの国も、ロブレとの繋がりをつくりたいのだろう。
アドリアン王子はそのうちの一人で、今度顔合わせに来ることになったのだ。
わざわざ会うということは、リアナの嫁ぎ先の有力候補である。
以前ロブレが属していた大国の更に西にある、大きな島国だ。あそこと縁ができれば、ロブレによるここ一帯の統一の大きな助けになるだろう。
島国ということで大陸とはまた少し違う文化が発展しているというので、今はその勉強中だった。
王子は姿絵を見た感じは結構かっこよかったが、やはり顔立ちや服装が少し変わっていて、期待よりも緊張が勝っている。
「くれぐれも、失礼のないようにな」
「分かってるわよ」
心配してくれているのは分かるのだが、信頼されていないようでむすっと返事してしまった。
シモンはそんなリアナの態度にも慣れているので特に何も言わず、廊下を歩いていった。
リアナはふうと息をついて、重い足を城内の衣装部屋に向けて動かした。
今日は、アドリアン王子と会うときのドレスを決めることになっているのだ。
衣装部屋に入り、城に保管されている、自分に合うサイズのドレスを見ていく。
「どういったものにしましょう?」
「……とりあえず、落ち着いたものにしましょう」
エステファニアに怒られた時のことを思い出して、侍女と話しながら、とりあえず失礼のなさそうなものを探す。
無難なドレスをピックアップしていくが、まったく心が弾まない。
こんなかわいくない、自分に合わないようなドレスを着たところで、失礼はなくとも、好感も持ってもらえないのではないだろうか。
そうしていると、侍女がリアナの後ろを見てはっと息を呑んだ。
振り返ると、エステファニアが衣装部屋に入ってきたところだった。
今日は白と深い青色のドレスを着ていて、彼女の周りだけ光を重ねて当てられているように輝いて見える。
背筋を伸ばしてゆったりと歩く姿は、幾人もの高貴な令嬢を見てきたこの部屋の人々にも感嘆の息を吐かせた。
エステファニアはリアナに気付くと軽い挨拶の礼をして、彼女のサイズのドレスのある方へ行ってしまった。
歳は同じだけれど、彼女の方が背丈も胸もあるのだ。
リアナは気を取り直してドレスに向き直ったが、どうしても彼女に選んでもらったら良いのではないかという考えが邪魔をした。
きっと彼女なら、相手の国の歴史やマナーを学ぶのでいっぱいいっぱいの自分よりも、知識があるのではないかと思ったのだ。
向こうの人にも好印象も持たれるような、かわいいドレスを見つけてくれるのではないかと。
けれど初対面のときを思い出して、正直怖かった。
いやでも、兄を送り出す時なんかは声をかけても意外と素直だったし、いけるかもしれない。
ルイスのこともあって、最近はたまーに話すこともあるし。
リアナは深呼吸をして、エステファニアに近づいた。
「あの……お義姉様」
「なにかしら?」
振り返ったエステファニアのかんばせを直視して、さらに緊張してしまった。
あの兄が一目惚れしただけあって、ほんとうに美人である。
「あの……今度、アドリアン王子とお会いするときのドレスなんですけれど……一緒に選んでもらえないでしょうか? その、どれが良いのか分からなくて……」
「あら。いいですわよ。随分と成長したのね」
言外に自分のときはそうじゃなかったのにと言われて、そんなことわざわざ言わなくても良いじゃないとは思ったけど、ぐっと黙った。
自分が悪いし、面と向かって文句を言う度胸はリアナになかった。あとで母に愚痴ろう。
エステファニアはリアナのサイズのところに来ると、ドレスを見て回った。
「シモンもアドリアン王子には期待しているとおっしゃってましたし……このくらいアピールしても良いんじゃないかしら。あちらは王族それぞれに装飾品の色が決まっていて……アドリアン王子は青だったはずよ。水色はいないから」
エステファニアは水色に、青いリボンや花の飾りがついたドレスを侍女にとらせた。
飾りはどれも小ぶりでしつこくなく、リアナとしては物足りないけれど、ちゃんとかわいいと思う。
「青じゃなくて良いの?」
「青メインだとやりすぎね。まだ婚約が決まってるわけではないし……あくまでこちらが選ぶ立場だから、期待させすぎるのも良くないわ」
「なるほど……ありがとうございます」
「いいえ」
歳は同じなのに、本当に姉のようだ。
そう思いながらエステファニアを見上げると、アメシストのイヤリングに気づいた。
兄の瞳の色に似ている。
ついニヤついていると、エステファニアは不快そうに眉を寄せた。
「なにかしら?」
「いえ……兄もさっきエメラルドの指輪をつけていて……仲が良いんだなって」
「ちがっ……ああ、いえ……」
リアナの目線もあって、何のことを言われたのか分かったのだろう。
エステファニアは指先で耳に触れて、顔を赤くして目を逸らした。
その仕草と顔がかわいくて、ふふ、と笑みが溢れる。
「最初ちょっと心配してたんで、良かったです。どうかこれからも、兄をよろしくお願いします」
「…………ええ」
小さく頷いたエステファニアは、笑いながらもどこか困ったような顔をしていた。
リアナはふと昔、父が戦地に行く時に妻と離れたくないとぼやき、そんな彼をしょうがないわねぇ、と呆れながらも嬉しそうに笑っていた母の姿を思い出した。
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