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番外編
その後 家族の休日
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今日は、シモンもエステファニアも仕事がなかった。
そこで、天気も良かったので、ルイスを連れて三人で王城の敷地内にある草原へピクニックにやってきた。
敷地内ということでそれなりに整備はされているが、庭園ほど人の手が入っているわけではない。
野草や野花が広がり、木々も生えている。
池は定期的に掃除されているものの見て楽しむためにあるわけではないので、そこまで作り物めいた様子ではなく、魚も泳いでいた。
ルイスはいつも散歩する庭園とはまた違う場所に、楽しそうに走り回った。
シモンが追いかけて、エステファニアは草原の上に敷いた大布に座り、それを眺める。
シモンはルイスを捕まえるとくすぐり、ルイスがきゃっきゃと笑った。
しばらくするとルイスをわざと逃がして、また追いかけっこが始まる。
そんな二人を見るのが、エステファニアは好きだった。
ルイスを妊娠した経緯こそ特殊だったが、息子と出会えてよかったとエステファニアは思っている。
そして、そんな息子を同じように愛しているシモンを見ていると、終わりよければ全て良し……とまでは言えないが、あれがなければルイスを腕に抱くこともできなかったと思うと、絶対の間違いとも言い切れないな、と思うのだ。
もちろん心に引っかかることはあるが、それでも、今のエステファニアは、たしかに家族に囲まれて幸せを感じていた。
「あっ」
「うえーーーーん!!」
ルイスが転けて、顔面から地面に追突してしまった。
大声で泣き叫び、シモンが慌てて抱き上げる。
あやしているがなかなか泣き止まず、困ったような顔をしながらエステファニアのもとへ来た。
「お、おかあさま~~~!!」
エステファニアを呼びながら泣くルイスに、目尻を下げてシモンからルイスを受け取った。
「よしよし。痛かったですわね」
ぽんぽんと背中を叩いてなだめる。
先程よりは大人しくなったが、まだ涙は止まらないようだった。
「すみません、わたくしがついていながら……」
「仕様がないですわ。子供の怪我を全て防ぐことはできないでしょう」
エステファニアも兄たちも、小さい頃は傷が絶えなかったものだ。
それでも、いつまでも痛みに泣くルイスが可哀想だ。
なんとか気を逸らしてあげられれば良いのだが……。
エステファニアは思いついて、ルイスを片腕で抱き直した。
「ほら、ルイス。お母様の手を見てて」
エステファニアはルイスの目線の高さで、手の平を上に向けて広げる。
するとか細い水柱が噴水のように噴き出し、太陽の光を反射して、キラキラと輝きながら散っていった。
幼い頃、よく父や兄たちがこうして慰めてくれたのだ。
ルイスも目を大きく開けて頬を赤くし、その光景に夢中になっている。すっかり涙も止まったようだ。
「すごーい!」
「ふふ。ルイスもすぐできるようになりますわよ。お母様とお父様の子ですからね」
エステファニアは魔術をやめると、ルイスの頭を撫でる。
そうしていると、シモンが固い声で言った。
「……エステファニア様は、魔術を学んでおられたのですか?」
「いいえ? 帝国でも女は魔術を教えてもらえませんわ。独学というか……見よう見まねでやっているので、本当に、この程度しか使えませんのよ」
貴い身分のものはほぼ全員が魔術を扱う才能はあるが、女性は魔術を学ぶ機会がなく、その才能を発揮することなく生涯を終える。
魔術は戦うためのものであり、女性には必要とされないからだ。
だからエステファニアも教えられたことはないのだが、兄たちに憧れて隠れて練習し、こうした簡単なものならできるようになったのだ。
なんだかいつもと雰囲気の違うシモンに、エステファニアは首を傾げる。
シモンは周囲に目を走らせてから、一歩近づいてくると、声を潜めて言った。
「今はもう魔石もありますし、そんなことをする必要はないはずですが……。うちでは、女性にも魔術を学ばせて戦に向かわせる案がでたことがあるんですよ」
「……まあ…………」
「我々のような小国は、帝国ほど、魔術師がいないので……。独立したばかりで、今よりも争いが多かった時代の話ですがね。すでに子供を産み終えた女性や、姉妹の多い家の女性などを、魔術師として育成しようという動きがあったのです」
なぜ女性は戦場に行かないのかといえば、戦場で命を散らすよりも、国に残って子供産み増やすためだ。
それに、魔術師教育には金と時間もかかるからである。
そのため、男は魔術師になり戦場に、女は国に残り子供を産むと、性別で役割がはっきりと分かれているのだ。
けれど必要な魔術師が不足していれば、それを崩さざるを得ない場合もあるのか。
帝国では、まずありえないことだった。
シモンは、ルイスごとエステファニアをぎゅっと抱き締めた。
「……もう、魔術は使わないでください。独学で使えるようになったという話も、他言しないようお願いします。……おそらく……あなた様には、高い魔術師の素質があります。魔石がある以上、魔術師不足に陥ることはないとは思いますが……何があるか分かりませんから……」
「……分かりましたわ」
力の無い声色と苦しいほどのシモンの腕の締め付けに、視線を泳がせた。
それはシモンが、エステファニアが戦場に行くことを想像して、どれだけ心を痛めているかを表していた。
彼も言っていたとおり、もうロブレには魔石があるから、わざわざ女性の魔術師を立てる必要などないだろう。
けれどそのほぼほぼありえない可能性を考えてここまで弱っていると思うと、それだけ大切にされているのだと感じて、どうにも胸がむず痒い。
「うう~~っ」
二人に挟まれていたルイスがもう限界のようで、もぞもぞと動いた。
シモンは離れると、「ごめんねルイス」と頭を撫でる。
彼が自分の身を案じているのは嬉しいが、しかし、エステファニアはずっとそんな思いをさせられていた。
ロブレは最近、西の国との戦争の準備を進めている。
おそらく今日が、戦争の前に家族三人で過ごせる最後の休日だったのだ。
これで、エステファニアがシモンを見送るのは二度目になるだろう。
だが、前回のシモンの家族のように、余裕を持って送り出せる気がしなかった。
「シモン」
ちょうど良い話の流れだと思い、エステファニアは布の上に置いてある鞄から、小さな箱を取り出した。
「これを、あなたに差し上げますわ。わたくしの心配をなさるのも結構ですけれど、まずは自分の心配をして欲しいものですわね」
相変わらず素直に言うことはできなかったが、つまりは、無事に帰って来て欲しいということだった。
「あなた様が……わたくしに……?」
シモンは信じられないような顔をして、箱を受け取った。
そういえば、これが初めてのまともなプレゼントな気がする。
シモンの誕生日にも、侍従に頼んで花を用意するくらいしかしていなかった。
「ここで、開けても?」
「え、ええ……」
そわそわとした様子のシモンに、頷いた。
気恥ずかしかったが、このシモンをそのままにしておいたら、こっちが気になってしまうと思ったのだ。
「これは……」
シモンが箱を開けると、そこには、エメラルドのシンプルな指輪があった。
もちろんそれは、エステファニアの瞳の色に近いものを選んでいる。
シモンは震える手でそれを手に取り、指にはめた。
そして手をかざし、エステファニアの顔と見比べる。
「あ、ありがとうございます……!!」
涙を浮かべながら喜ぶシモンに、エステファニアは頬を赤くして顔を背けた。
ここまで喜ばれてしまうと、こっちが恥ずかしくて、どうしたら良いのか分からない。
「あなた様が、あなた様の色をくださるなんて……」
「別に、深い意味はありませんわ。ただのお守りです。それに、わたくしばかりあなたの色を身につけさせられて、不公平に思っただけで……」
「……わたくしを、憐れんでくださったのですか?」
「ち、違います! どうしてそうなるのですか! わ、わたくしばかりあなたの色をつけさせられて、嫌だっただけです!」
「ふふ。わたくしにも、身につけてほしいと思ってくださったのですね。嬉しいです」
そうだけど、そうじゃない。
この男、分かってやっているのではないのだろうか。
恨みがましく見つめるが、シモンは幸せそうに指輪を眺めるだけだった。
これ以上言っても、自分が恥ずかしくなるだけだ。
こういう姿を見ていると、この男は殺しても死ななそうに思えてくる。
戦争のことを思って暗くなっていた空気が、すっかりいつもどおりになっていた。
まあ、せっかくの家族の休日なのだから、こちらの方が良いのだけれど。
「そろそろ、ご飯にしましょうか」
もう良い時間だったのと、この話を終わらせたくて、エステファニアは遠くで待機している侍従に合図を送った。
彼らは、外で食事をするためのテーブルや椅子を用意しはじめる。
シモンがルイスに話しかけた。
「ご飯がおわったら、魚釣りでもしますか。ルイスは初めてでしたよね」
「つりー?」
「ええ。池の魚をとるんですよ」
「やる!」
わくわくした様子のルイスに、エステファニアもシモンも頬を緩めた。
「おかあさまも、する!」
「ええ、みんなでやりましょうね」
「みんな!」
色々あったし、思うところはあるけれど、エステファニアは確かに幸せだった。
そしてこの日々が、ずっと続けば良いと思う。
そこで、天気も良かったので、ルイスを連れて三人で王城の敷地内にある草原へピクニックにやってきた。
敷地内ということでそれなりに整備はされているが、庭園ほど人の手が入っているわけではない。
野草や野花が広がり、木々も生えている。
池は定期的に掃除されているものの見て楽しむためにあるわけではないので、そこまで作り物めいた様子ではなく、魚も泳いでいた。
ルイスはいつも散歩する庭園とはまた違う場所に、楽しそうに走り回った。
シモンが追いかけて、エステファニアは草原の上に敷いた大布に座り、それを眺める。
シモンはルイスを捕まえるとくすぐり、ルイスがきゃっきゃと笑った。
しばらくするとルイスをわざと逃がして、また追いかけっこが始まる。
そんな二人を見るのが、エステファニアは好きだった。
ルイスを妊娠した経緯こそ特殊だったが、息子と出会えてよかったとエステファニアは思っている。
そして、そんな息子を同じように愛しているシモンを見ていると、終わりよければ全て良し……とまでは言えないが、あれがなければルイスを腕に抱くこともできなかったと思うと、絶対の間違いとも言い切れないな、と思うのだ。
もちろん心に引っかかることはあるが、それでも、今のエステファニアは、たしかに家族に囲まれて幸せを感じていた。
「あっ」
「うえーーーーん!!」
ルイスが転けて、顔面から地面に追突してしまった。
大声で泣き叫び、シモンが慌てて抱き上げる。
あやしているがなかなか泣き止まず、困ったような顔をしながらエステファニアのもとへ来た。
「お、おかあさま~~~!!」
エステファニアを呼びながら泣くルイスに、目尻を下げてシモンからルイスを受け取った。
「よしよし。痛かったですわね」
ぽんぽんと背中を叩いてなだめる。
先程よりは大人しくなったが、まだ涙は止まらないようだった。
「すみません、わたくしがついていながら……」
「仕様がないですわ。子供の怪我を全て防ぐことはできないでしょう」
エステファニアも兄たちも、小さい頃は傷が絶えなかったものだ。
それでも、いつまでも痛みに泣くルイスが可哀想だ。
なんとか気を逸らしてあげられれば良いのだが……。
エステファニアは思いついて、ルイスを片腕で抱き直した。
「ほら、ルイス。お母様の手を見てて」
エステファニアはルイスの目線の高さで、手の平を上に向けて広げる。
するとか細い水柱が噴水のように噴き出し、太陽の光を反射して、キラキラと輝きながら散っていった。
幼い頃、よく父や兄たちがこうして慰めてくれたのだ。
ルイスも目を大きく開けて頬を赤くし、その光景に夢中になっている。すっかり涙も止まったようだ。
「すごーい!」
「ふふ。ルイスもすぐできるようになりますわよ。お母様とお父様の子ですからね」
エステファニアは魔術をやめると、ルイスの頭を撫でる。
そうしていると、シモンが固い声で言った。
「……エステファニア様は、魔術を学んでおられたのですか?」
「いいえ? 帝国でも女は魔術を教えてもらえませんわ。独学というか……見よう見まねでやっているので、本当に、この程度しか使えませんのよ」
貴い身分のものはほぼ全員が魔術を扱う才能はあるが、女性は魔術を学ぶ機会がなく、その才能を発揮することなく生涯を終える。
魔術は戦うためのものであり、女性には必要とされないからだ。
だからエステファニアも教えられたことはないのだが、兄たちに憧れて隠れて練習し、こうした簡単なものならできるようになったのだ。
なんだかいつもと雰囲気の違うシモンに、エステファニアは首を傾げる。
シモンは周囲に目を走らせてから、一歩近づいてくると、声を潜めて言った。
「今はもう魔石もありますし、そんなことをする必要はないはずですが……。うちでは、女性にも魔術を学ばせて戦に向かわせる案がでたことがあるんですよ」
「……まあ…………」
「我々のような小国は、帝国ほど、魔術師がいないので……。独立したばかりで、今よりも争いが多かった時代の話ですがね。すでに子供を産み終えた女性や、姉妹の多い家の女性などを、魔術師として育成しようという動きがあったのです」
なぜ女性は戦場に行かないのかといえば、戦場で命を散らすよりも、国に残って子供産み増やすためだ。
それに、魔術師教育には金と時間もかかるからである。
そのため、男は魔術師になり戦場に、女は国に残り子供を産むと、性別で役割がはっきりと分かれているのだ。
けれど必要な魔術師が不足していれば、それを崩さざるを得ない場合もあるのか。
帝国では、まずありえないことだった。
シモンは、ルイスごとエステファニアをぎゅっと抱き締めた。
「……もう、魔術は使わないでください。独学で使えるようになったという話も、他言しないようお願いします。……おそらく……あなた様には、高い魔術師の素質があります。魔石がある以上、魔術師不足に陥ることはないとは思いますが……何があるか分かりませんから……」
「……分かりましたわ」
力の無い声色と苦しいほどのシモンの腕の締め付けに、視線を泳がせた。
それはシモンが、エステファニアが戦場に行くことを想像して、どれだけ心を痛めているかを表していた。
彼も言っていたとおり、もうロブレには魔石があるから、わざわざ女性の魔術師を立てる必要などないだろう。
けれどそのほぼほぼありえない可能性を考えてここまで弱っていると思うと、それだけ大切にされているのだと感じて、どうにも胸がむず痒い。
「うう~~っ」
二人に挟まれていたルイスがもう限界のようで、もぞもぞと動いた。
シモンは離れると、「ごめんねルイス」と頭を撫でる。
彼が自分の身を案じているのは嬉しいが、しかし、エステファニアはずっとそんな思いをさせられていた。
ロブレは最近、西の国との戦争の準備を進めている。
おそらく今日が、戦争の前に家族三人で過ごせる最後の休日だったのだ。
これで、エステファニアがシモンを見送るのは二度目になるだろう。
だが、前回のシモンの家族のように、余裕を持って送り出せる気がしなかった。
「シモン」
ちょうど良い話の流れだと思い、エステファニアは布の上に置いてある鞄から、小さな箱を取り出した。
「これを、あなたに差し上げますわ。わたくしの心配をなさるのも結構ですけれど、まずは自分の心配をして欲しいものですわね」
相変わらず素直に言うことはできなかったが、つまりは、無事に帰って来て欲しいということだった。
「あなた様が……わたくしに……?」
シモンは信じられないような顔をして、箱を受け取った。
そういえば、これが初めてのまともなプレゼントな気がする。
シモンの誕生日にも、侍従に頼んで花を用意するくらいしかしていなかった。
「ここで、開けても?」
「え、ええ……」
そわそわとした様子のシモンに、頷いた。
気恥ずかしかったが、このシモンをそのままにしておいたら、こっちが気になってしまうと思ったのだ。
「これは……」
シモンが箱を開けると、そこには、エメラルドのシンプルな指輪があった。
もちろんそれは、エステファニアの瞳の色に近いものを選んでいる。
シモンは震える手でそれを手に取り、指にはめた。
そして手をかざし、エステファニアの顔と見比べる。
「あ、ありがとうございます……!!」
涙を浮かべながら喜ぶシモンに、エステファニアは頬を赤くして顔を背けた。
ここまで喜ばれてしまうと、こっちが恥ずかしくて、どうしたら良いのか分からない。
「あなた様が、あなた様の色をくださるなんて……」
「別に、深い意味はありませんわ。ただのお守りです。それに、わたくしばかりあなたの色を身につけさせられて、不公平に思っただけで……」
「……わたくしを、憐れんでくださったのですか?」
「ち、違います! どうしてそうなるのですか! わ、わたくしばかりあなたの色をつけさせられて、嫌だっただけです!」
「ふふ。わたくしにも、身につけてほしいと思ってくださったのですね。嬉しいです」
そうだけど、そうじゃない。
この男、分かってやっているのではないのだろうか。
恨みがましく見つめるが、シモンは幸せそうに指輪を眺めるだけだった。
これ以上言っても、自分が恥ずかしくなるだけだ。
こういう姿を見ていると、この男は殺しても死ななそうに思えてくる。
戦争のことを思って暗くなっていた空気が、すっかりいつもどおりになっていた。
まあ、せっかくの家族の休日なのだから、こちらの方が良いのだけれど。
「そろそろ、ご飯にしましょうか」
もう良い時間だったのと、この話を終わらせたくて、エステファニアは遠くで待機している侍従に合図を送った。
彼らは、外で食事をするためのテーブルや椅子を用意しはじめる。
シモンがルイスに話しかけた。
「ご飯がおわったら、魚釣りでもしますか。ルイスは初めてでしたよね」
「つりー?」
「ええ。池の魚をとるんですよ」
「やる!」
わくわくした様子のルイスに、エステファニアもシモンも頬を緩めた。
「おかあさまも、する!」
「ええ、みんなでやりましょうね」
「みんな!」
色々あったし、思うところはあるけれど、エステファニアは確かに幸せだった。
そしてこの日々が、ずっと続けば良いと思う。
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