白き結婚という条件で新興国の王太子に嫁いだのですが、眠っている間に妊娠させられていました

天草つづみ

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本編

45.皇女エステファニアの目覚め(2)※

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 初めてのことに、脚がびくんと震える。
 そしてシモンはエステファニアに覆い被さるようにして、男根を挿入した。

「あ、あああっ……!」

 いつもと違い、ほぼ垂直に突き入れられた男根は膣壁をごりごりと削るように擦りながら入って来て、子宮口を押し潰した。
 ビリビリと甘い電流が身体を駆け上がり、絶頂させられる。
 感電したように痙攣していると、シモンはエステファニアが落ち着くのを待たずに動き出した。

「ああっ! あ、あ、あ、あ、あ、あああああっ!」

 初めから、激しい動きだった。
 子宮口をプレスするように、体重を乗せて男根を突き落とされる。
 それを連続で繰り返されて、手足をばたつかせて藻掻いた。
 もはや目を閉じているだけで、とても眠っていると主張するには苦しい有り様だった。
 それでもきつく瞼を閉じ続けたし、シモンももう言葉を発しなかった。あくまで、エステファニアの目を開けさせるつもりらしい。

「ああ、ああ、あああ~~~っ!!」

 深い絶頂に追いやられて、そこから抜けられないのに更に絶頂させられる。どんどん重なって、際限がない。
 このままでは、自分はどうなってしまうのだろう。
 下手したら比喩ではなく、本当に死んでしまうのではないだろうか。


 シモンを引き剥がそうとする腕を掴まれてベッドに押さえつけられ、ピストンを続けられる。
 脳裏で閃光が走って、瞼を閉じて暗いはずの視界が白く塗り潰される。
 最早、自分が目を開けているのか、閉じているのかも分からなかった。

「あ、や゛、やめ、あ、ああ、あああ~~っ!」

 シモンがずぷんと男根を子宮口にめり込ませ、こじ開けようとするようにぐりぐりと腰を動かした。
 連続で一番弱いところを刺激され、エステファニアの閉じられた瞼から涙が流れる。
 そんなことは起こりえないはずだが、本当にそのまま子宮の中に入られてしまいそうな恐怖すら感じた。

「やめてほしければ、ただ、目を開けてくださればいいんですよ。エステファニア様」

 腰を押し付けながらのシモンの言葉に、首を振った。
 もう意識があることはバレバレだったが、それでも二人の勝敗を決めるのは、エステファニアが目を開けるか否かだった。

 シモンは子宮口をぐりぐりといじめたまま片手を秘部へと向かわせ、震える秘核を指で転がした。

「ひうううううっ!」

 特に敏感な二点への刺激に、エステファニアの腰が浮こうとする。
 しかしそれをシモンの男根に押さえつけられて、ビクビクと震えるだけだった。
 絶頂に次ぐ絶頂で、エステファニアはもう息も絶え絶えだった。それでも絶頂によって強制的に喘がされ、更に酸素が足りなくなる。
 頭がまったく働かない。
 ずっと脳裏で火花が散っているし、真っ白だし、ぼんやりする。

 そして突然、エステファニアの耳に、バチンッと鳴ってはいけない音が聞こえた。

「あ、あああ、ああああ~~っ……」

 エステファニアの秘部から、ちょろちょろと液体が流れだす。
 それは潮ではなくて、尿だった。
 ついに、尿を堰き止める力すら失ってしまった。
 限度を超えた性感に、たがが外れてしまったのだ。

 流石のシモンも動きが止まる。
 膀胱が空っぽになるまで尿は流れ続け、そして止まった。
 エステファニアの瞼も、いつの間にか開いていた。
 もう、瞼を閉じ続ける力もなかった。

「エステファニア様……!」

 ぼんやりとした緑色の瞳に、シモンは歓喜の声をあげた。
 そして男根を抜いて身を屈めると、エステファニアの性器を濡らす尿を舐めとる。

「や、なに、を……!」

 その奇行に、エステファニアの意識がはっきりとした。
 慌ててシモンの頭を引き剥がす。

「あ、あなた、なんてことを……!」
「すみません、驚かせてしまいましたね。ただ、エステファニア様がわたくしの想いに応えてくださったので、前言のとおり、どんなあなた様も受け入れるということをお伝えようと……」
「そ、そんな方法でなくてもいいじゃないですの……。もう……」

 相変わらずよく分からない男に、エステファニアは毒気を抜かれてしまった。
 そばに転がっていたシモンの寝衣を手に取って、濡れた口周りをごしごしと拭いてやる。

 彼のことをまったく理解できないが……彼が言っていることに偽りがないということだけは、伝わった。
 流石に、演技でここまではやらないだろう。もし演技だとしたら、もうお手上げだ。

 シモンは微笑んで、エステファニアを抱き締めた。

「わたくしを受け入れてくださって嬉しいです。エステファニア様……」

 シモンがちゅ、ちゅ、と唇にキスをしてくる。
 エステファニアはこれでもかと眉を顰めたが、シモンは気付いているのかいないのか、軽い口付けを繰り返した。

 別に、身体が限界になって瞼が開いただけで、シモンを受け入れるという意思表示のつもりはないのだが……黙っておいた。
 ここで否定しても先ほど以上の不毛な争いになるだけだろうし、藪蛇にもなるだろう。
 少なくとも、エステファニアがシモンの問いかけに一度頷いたのは事実なのだ。
 そこを掘り下げられるのは非常に困る。

 エステファニアの本心がどうであろうと気にしない男なのだから、そのままにしておいた方が彼も幸せだろう。
 どの道、シモンの妻として生きていかなければならないのだ。
 このまま、この場は丸く収めた方が良い。

 エステファニアはそう考えて、瞼を閉じる。
 そして彼女の唇が薄く開き、二人の口付けは深いものになっていった。
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