白き結婚という条件で新興国の王太子に嫁いだのですが、眠っている間に妊娠させられていました

天草つづみ

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本編

40.皇女と王太子の攻防(2)※

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 胸の先端から子宮まで、鋭い電流が走る。
 下腹部が熱くなって、秘部の割れ目の中を、愛液が満たしていくのが分かった。
 夢で視界が使い物にならなかったときは、次に何をされるのか分からなかったのが落ち着かなかった。
 今は目が見えるけれど、視界の端でシモンの手の動きが変わると、次にまた違うことをされるんだというのが分かってしまって、それも落ち着かない。

 反対の乳頭も、同じように刺激される。
 両胸への愛撫に、エステファニアは身を捩った。
 脚が勝手に開きそうになるのを、力を入れて閉じる。すると膣壁がきゅっと締まって、それにまた感じてしまった。
 嫌なのにしっかりと感じている自分が惨めで、涙を零した。

 シモンが、はあ、と熱い息を吐いた。

「本当に……あなた様は、いつだって美しい……」

 恍惚とした声に、どう反応すれば良いのか分からなかった。いまだに、彼のエステファニアが好きだと言う主張を信じられていない。
 だからこういう、シモンが演技ではなくて、本心で言っているのではないかと思わされる時、エステファニアは困ってしまう。
 彼はおかしい。狂っている。それは間違いない。
 けれど彼なりに、本当にエステファニアのことを慕っているのではないか、と思ってしまうのだ。

 シモンが、以前よりも大きくなったエステファニアの乳房にしゃぶりつく。
 乳輪ごと口に含まれてじゅっと吸われると、背骨に雷が落ちたようだった。

「あっ……!」

 あまりの大きな刺激に声を上げてしまった。
 慌てて口を手で押さえようとしたが、シモンの手に捕まってベッドへと押さえつけられる。
 そのまま口内で熱い舌に弾かれて、エステファニアは喘ぐことしかできなかった。

「あ、あっ……! や、いや、あ、あ、だめ、だめぇっ……!」

 嫌なのに、こんなことはされたくないのに、身体はシモンからの愛撫を性感として拾い上げる。
 シモンの触り方はやはり夢のときと同じで、あの頃の快楽を思い出してしまう。

 この先を期待する気持ちが、ほんの僅かに顔を出した。
 違う。そんなわけがない。
 だってエステファニアは、シモンが嫌いだ。許せない。
 なのに、どうして身体は彼を求めてしまうのだろう。
 夜な夜な体を暴かれて、彼に慣らされてしまったからだというのは分かる。
 でもだからって、そんな、体だけの快楽に……性欲に自分が流されてしまうなんて、そんなことは認められなかった。

 自分はそんな、浅ましく、はしたない女ではない。
 祖国を盾にされて抵抗ができないだけで、心まで屈したわけではない。
 なのに、なのに。

 シモンは胸を解放すると、体を起こした。
 そして、エステファニアの両脚を大きく広げる。
 どくんっ、と心臓が大きく跳ねた。
 それは恐怖か、期待なのか。

 シモンの手が、割れ目を左右にくぱりと開いた。
 粘液が空気に冷やされる感覚に、そこが濡れそぼっていることが分かってしまう。
 彼にも、それを見られただろう。
 嫌がりながら感じて蜜を零している、女の部分を。
 どんな反応をされるのか恐ろしくて、エステファニアは顔を横に向けて浅い呼吸を繰り返した。

 しかしシモンは何も言わず、エステファニアと両手を繋いだ。
 貝殻を合わせるように指を絡められて、拍子抜けする。
 ……そうだ。シモンは、余計なことを言わない気遣いのできる男だった。
 昔のことを思い出して、少し鼻がツンとする。

 そしてシモンは、エステファニアの手を下へと引っ張った。
 そのまま自分の前腕でエステファニアの脚を閉じないように押さえつけて、女性器へと顔を近づける。
 視界の端に映ったその光景に、息が荒くなった。
 シモンはちゅ、と蜜壺にキスをしてから、割れ目の中に舌を潜り込ませた。
 べろりと舐め上げ、そのまま上下に往復する。
 秘核も花弁も、全てを巻き込むようにずりずりと擦られた。

「あっ、あっ……!」

 両手をシモンに繋がれたせいで、声を押さえられなかった。
 腰が反り、脚がびくびくと震える。
 やわらかく濡れた舌でそこを撫でられると、優しくもじわじわと身を侵すような気持ち良さが広がっていく。
 尖った舌先が充血しきった花弁を擽って、腰が揺れた。
 まるで、もっとと強請っているようだった。

――あ、ち、違う……今のは、逃げようと、しただけで……っ。

 エステファニアが目に涙を溜めていると、じゅっと秘核を吸い上げられた。
 そのままちゅうちゅうと吸引されて、背中が浮く。

「あ、あーっ、あ、だめ、あっ、あ、あっ……!」

 声がどんどん上擦っていき、そして、ビクンッと体を跳ねさせた。
 下腹部と腿が痙攣し、エステファニアの視界にぱちぱちと星が瞬く。

「あ……あっ……」

 絶頂の余韻にひくつく秘部をなだめるように優しく舐められて、涙を零した。
 こんなに呆気なく、イってしまうなんて。
 だって久しぶりだし、寝ている間にされていたときよりも、刺激が強いのだ。だから、仕様がない。

 エステファニアは頭の中で言い訳を並べたが、自分が嫌う男に絶頂させられた事実は変わらなかった。

 やはりシモンは、いやいやと首を振りながらも達したエステファニアをなじることはなかった。
 繋いでいた片手を離すと、中に指を入れてくる。
 久しぶりだったが、絶頂に達したそこは濡れそぼり解れていて、一本くらいは易々と飲み込んだ。
 もう一本が中に入ろうとしたので身を固くしたが、それもあっけなく入ってくる。
 二本の指が、ずりずりとエステファニアの粘膜を撫で回した。

「あっ……はぁ……」

 エステファニアは、空いた片手でシーツをぎゅっと握った。
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