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本編
5.王太子とその家族
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「何よあの人!」
エステファニアが部屋を出て行ってから少しして、シモンの妹であるリアナが憤慨した様子で声を上げた。
それを嗜めるように、シモンの母親――王妃が口を開く。
「あなたがそんな格好をしているからよ。やはり皇女を迎えるには相応しくなかったわね」
「いつもより控えめにしたわよ! お母様だって、まあこれくらいなら……って許してくれたじゃない!」
「そうだけど……はあ、いえ、わたしが悪かったわ。甘かったわね」
ため息をつく王妃に、国王は苦笑した。
「あのくらいの嫌味で済んで良かったよ。帝国と縁ができるのは嬉しいが、正直荷が重いな……これからやっていけるのかどうか……」
「わたしは無理! いくらなんでも、あんな言い方しなくても良いじゃない!」
「それはわたしもそう思うけれど、しょうがないでしょう。皇女様なんだから」
「でも、うちに嫁いでくるのよ! いつまでも帝国気分でいられても困るじゃない!」
「まあ、それもそうだが……」
ヒラソルの皇女を持て余した様子の家族に、シモンはため息をついた。
「リアナ。お前はエステファニア様に怒っているが、そもそもお前が無礼を働かなければああはならなかったんだぞ。分かっているのか?」
「ふうん? お兄様はあの女の味方をするのね」
「敵か味方かじゃなくて、事実だ。心から人を迎えようとするのならば、自分を表現しようとするのではなく、その場に相応しい格好をするものだろう。それを、そんなドレスを着るから言われるんだ。ちゃんとしたものを着るように言ったよな?」
「だから、大人しめにしたわよ」
「大人しめではなく、大人しいものにしろと言ったんだ。そうやって我を出そうとする態度がエステファニア様の怒りを買ったんだろう。……お前だって、他国に嫁ぐかもしれない。その時にそんな態度では困るぞ」
「それは、そうだけど……でもここは、ロブレだし……」
リアナも自分の非を分かっていながらも、素直に認められないのだろう。
たしかにエステファニアの言い方はきつかったし、反発してしまう気持ちも理解できる。
しかし先に礼を欠いたのはこちら側なのだから、仕様がないだろうに。
感情を剥き出しにするリアナにシモンが内心うんざりしていると、彼女は意地の悪い顔をして言った。
「まあ、わたしはいいわよ。そのうちどっかに嫁いでおさらばだからね。問題は兄様じゃない? ずうっとあの女が隣にいる人生を送るのよ。あんなに猫被っちゃって、あれもどこまで持つのかしらね?」
「俺は猫など被っていないが」
シモンが言うと、部屋にいる使用人のうち数人――主にシモンに付いている人々だ――が吹き出したので、睨んでおいた。
国王と王妃は苦笑し、リアナは腹を抱えてげらげらと笑っている。
前々から王女としては砕けすぎていると思っていたが、エステファニアを見たあとだと尚更だった。
――まあ、この天真爛漫さもこいつの良いところではあるが……。
なんだかんだ、この飾らない雰囲気が国民に人気なのだ。
「あれで猫被ってないは無理あるわよ!」
「いつもあんなものだろうが」
「外ではね? でも、夫婦になるのよ。これからずっとああしているつもり? いつか耐えられなくなるわよ絶対」
「大丈夫だ。別に無理していたわけじゃないからな」
「あれで? いつもと全然違うじゃない!」
「そりゃ変わるだろう。好きな女の前だぞ」
「すっ…………は、はあ!?」
リアナはあんぐりと口を開け、国王や王妃、使用人たちは目を見開く。
表情を崩さないのは、シモンが幼い頃から付いている侍従だけだった。彼は知っていたのだ。
「本気で言ってんの!?」
「ああ」
「なんで!? どこが!? 見た目!?」
「まあ、そうだな。一目惚れだ」
「いや、たしかにあの人が綺麗なのは認めるけど……あんたが!? 一目惚れ!?」
「お兄様だろうが馬鹿」
今まで女性に興味を持つ様子を見せずに生活してきたから、ここまで驚かれているのだろう。
シモンは王太子として数多の令嬢から熱い視線を送られてきたし、縁談もあった。だが、大して国の利にならないからと全て蹴ってきたのだ。
おかげでシモンは女に興味はなく野心に溢れる人物だと思われていたし、その方が都合が良いので放っていた。
実際シモンにはある野望があったし、結婚する気はなかったからだ。
そして帝国からの縁談にはすぐ飛び付いたので、周囲からのシモンへのそういった印象はさらに固くなった。
ところがここにきて惚れた腫れたの話をし始めたので、余計に驚いたのだろう。
そもそもシモンが今まで女性に靡かなかったのも、国を大きくしようと野心を燃やしていたのも、全てはいつかエステファニアと結ばれるためだったのだが……まあ、それはわざわざ言うことでもない。
自分でも女々しい考えだとは思うが、口にすると、願いを叶える力が弱くなってしまうように思うのだ。
まさかの神託により、一週間後にはシモンが望んだとおりにエステファニアが妻となるが……まだ、彼女を完全に手に入れたとはいえない。
これだけでは、シモンは満足していなかった。
「いや、そりゃあ、綺麗よあの人! でもあの性格よ! 考え直しなよ!」
「リアナ。さっきも言ったが、そもそもお前がきちんとしていればあの方もあんなことを言わなかっただろうし、彼女はあれで良い。あの美貌だし、高貴な方だ。あのくらいがちょうど良いだろう」
「…………お兄様ってマゾなの?」
「何を馬鹿なことを言っているんだ。そんなことではない。というか考え直すも何も、俺とあの方は結婚するんだ。好意を持っている方がむしろ良いだろう」
「いや、うん……そうなんだろうけど……」
よほど兄が一目惚れしたという事実が受け入れられないのか、リアナは意味の分からないことを言っていた。
「エステファニア様がどうかは分からないけれど、シモンが彼女を気に入っているなら良かったわ。義務感で妻として扱うより、上手く関係を築いていけるでしょう」
そう王妃は言ったが、国王の方はシモンの本気が伝わったことで、むしろ渋い顔をしていた。
普通なら想いを伴う結婚で夫婦仲睦まじい姿を見せるのが国民にも良いのだろうが、今回の結婚においては、その想いはむしろ危険だった。
手を出してはいけないのに、シモンには彼女を求める気持ちがあることになる。
「まあ、何にせよお前なら大丈夫だと思うが……上手く付き合っていってくれ」
父に釘を刺され、シモンはにっこりと笑った。
「ええ、もちろん」
エステファニアが部屋を出て行ってから少しして、シモンの妹であるリアナが憤慨した様子で声を上げた。
それを嗜めるように、シモンの母親――王妃が口を開く。
「あなたがそんな格好をしているからよ。やはり皇女を迎えるには相応しくなかったわね」
「いつもより控えめにしたわよ! お母様だって、まあこれくらいなら……って許してくれたじゃない!」
「そうだけど……はあ、いえ、わたしが悪かったわ。甘かったわね」
ため息をつく王妃に、国王は苦笑した。
「あのくらいの嫌味で済んで良かったよ。帝国と縁ができるのは嬉しいが、正直荷が重いな……これからやっていけるのかどうか……」
「わたしは無理! いくらなんでも、あんな言い方しなくても良いじゃない!」
「それはわたしもそう思うけれど、しょうがないでしょう。皇女様なんだから」
「でも、うちに嫁いでくるのよ! いつまでも帝国気分でいられても困るじゃない!」
「まあ、それもそうだが……」
ヒラソルの皇女を持て余した様子の家族に、シモンはため息をついた。
「リアナ。お前はエステファニア様に怒っているが、そもそもお前が無礼を働かなければああはならなかったんだぞ。分かっているのか?」
「ふうん? お兄様はあの女の味方をするのね」
「敵か味方かじゃなくて、事実だ。心から人を迎えようとするのならば、自分を表現しようとするのではなく、その場に相応しい格好をするものだろう。それを、そんなドレスを着るから言われるんだ。ちゃんとしたものを着るように言ったよな?」
「だから、大人しめにしたわよ」
「大人しめではなく、大人しいものにしろと言ったんだ。そうやって我を出そうとする態度がエステファニア様の怒りを買ったんだろう。……お前だって、他国に嫁ぐかもしれない。その時にそんな態度では困るぞ」
「それは、そうだけど……でもここは、ロブレだし……」
リアナも自分の非を分かっていながらも、素直に認められないのだろう。
たしかにエステファニアの言い方はきつかったし、反発してしまう気持ちも理解できる。
しかし先に礼を欠いたのはこちら側なのだから、仕様がないだろうに。
感情を剥き出しにするリアナにシモンが内心うんざりしていると、彼女は意地の悪い顔をして言った。
「まあ、わたしはいいわよ。そのうちどっかに嫁いでおさらばだからね。問題は兄様じゃない? ずうっとあの女が隣にいる人生を送るのよ。あんなに猫被っちゃって、あれもどこまで持つのかしらね?」
「俺は猫など被っていないが」
シモンが言うと、部屋にいる使用人のうち数人――主にシモンに付いている人々だ――が吹き出したので、睨んでおいた。
国王と王妃は苦笑し、リアナは腹を抱えてげらげらと笑っている。
前々から王女としては砕けすぎていると思っていたが、エステファニアを見たあとだと尚更だった。
――まあ、この天真爛漫さもこいつの良いところではあるが……。
なんだかんだ、この飾らない雰囲気が国民に人気なのだ。
「あれで猫被ってないは無理あるわよ!」
「いつもあんなものだろうが」
「外ではね? でも、夫婦になるのよ。これからずっとああしているつもり? いつか耐えられなくなるわよ絶対」
「大丈夫だ。別に無理していたわけじゃないからな」
「あれで? いつもと全然違うじゃない!」
「そりゃ変わるだろう。好きな女の前だぞ」
「すっ…………は、はあ!?」
リアナはあんぐりと口を開け、国王や王妃、使用人たちは目を見開く。
表情を崩さないのは、シモンが幼い頃から付いている侍従だけだった。彼は知っていたのだ。
「本気で言ってんの!?」
「ああ」
「なんで!? どこが!? 見た目!?」
「まあ、そうだな。一目惚れだ」
「いや、たしかにあの人が綺麗なのは認めるけど……あんたが!? 一目惚れ!?」
「お兄様だろうが馬鹿」
今まで女性に興味を持つ様子を見せずに生活してきたから、ここまで驚かれているのだろう。
シモンは王太子として数多の令嬢から熱い視線を送られてきたし、縁談もあった。だが、大して国の利にならないからと全て蹴ってきたのだ。
おかげでシモンは女に興味はなく野心に溢れる人物だと思われていたし、その方が都合が良いので放っていた。
実際シモンにはある野望があったし、結婚する気はなかったからだ。
そして帝国からの縁談にはすぐ飛び付いたので、周囲からのシモンへのそういった印象はさらに固くなった。
ところがここにきて惚れた腫れたの話をし始めたので、余計に驚いたのだろう。
そもそもシモンが今まで女性に靡かなかったのも、国を大きくしようと野心を燃やしていたのも、全てはいつかエステファニアと結ばれるためだったのだが……まあ、それはわざわざ言うことでもない。
自分でも女々しい考えだとは思うが、口にすると、願いを叶える力が弱くなってしまうように思うのだ。
まさかの神託により、一週間後にはシモンが望んだとおりにエステファニアが妻となるが……まだ、彼女を完全に手に入れたとはいえない。
これだけでは、シモンは満足していなかった。
「いや、そりゃあ、綺麗よあの人! でもあの性格よ! 考え直しなよ!」
「リアナ。さっきも言ったが、そもそもお前がきちんとしていればあの方もあんなことを言わなかっただろうし、彼女はあれで良い。あの美貌だし、高貴な方だ。あのくらいがちょうど良いだろう」
「…………お兄様ってマゾなの?」
「何を馬鹿なことを言っているんだ。そんなことではない。というか考え直すも何も、俺とあの方は結婚するんだ。好意を持っている方がむしろ良いだろう」
「いや、うん……そうなんだろうけど……」
よほど兄が一目惚れしたという事実が受け入れられないのか、リアナは意味の分からないことを言っていた。
「エステファニア様がどうかは分からないけれど、シモンが彼女を気に入っているなら良かったわ。義務感で妻として扱うより、上手く関係を築いていけるでしょう」
そう王妃は言ったが、国王の方はシモンの本気が伝わったことで、むしろ渋い顔をしていた。
普通なら想いを伴う結婚で夫婦仲睦まじい姿を見せるのが国民にも良いのだろうが、今回の結婚においては、その想いはむしろ危険だった。
手を出してはいけないのに、シモンには彼女を求める気持ちがあることになる。
「まあ、何にせよお前なら大丈夫だと思うが……上手く付き合っていってくれ」
父に釘を刺され、シモンはにっこりと笑った。
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